地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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フェーベ沖会戦

2203年6月8日 フェーベ沖宙域

 

リメイク版より1ヶ月遅いこの日、タイタン基地を出撃したヤマト率いる奇襲部隊は厳重な電波管制をしつつガトランティス空母艦隊を索敵し、ガトランティス空母艦隊の発見に成功していた。そして旗艦ヤマトから命令が下った。

 

「旗艦ヤマトより全空母へ、全艦載機発艦せよ」と。

 

 

戦闘空母イラストリアス

 

「ヤマトより入電、全機発艦とのことです」

「よし。全機発艦だ!急げ!」

 

ヤマトからの通信を合図に空母から続々と艦載機が発艦しガトランティス艦隊を目指す。さらに艦載機発進から間を置かずに艦隊からは露払いの部隊が発進した。

 

その頃、ガトランティス空母艦隊では地球艦隊撃滅のため発艦準備が行われていた。各空母の甲板には戦闘機やミサイルを搭載した攻撃機が所狭しと並んでいた。

 

「ゲルン提督。全機発進準備完了しました」

「よし!発進60秒前だ」

 

ゲルン提督がそう命令を下した直後、突然の報告が入った。

 

「提督!艦隊正面上部にワープアウト反応が」

「なんだと!」

 

ゲルン提督は思わず叫んだ。

そしてガトランティス艦隊のレーダーには3隻の艦艇が姿を表していた。

 

 

ガトランティス空母艦隊上部にワープアウトしたのはヤマト、アポロノーム、アンタレスの3隻であり、3隻は艦載機を展開しながら突撃を開始した。特にアポロノームとアンタレスその展開能力によってあっという間に甲板に露天駐機していた機体も含め全艦載機部隊を展開していた。

 

そう奇襲部隊はガトランティス空母艦隊への艦載機の攻撃を成功させるための奇襲を艦載機ではなく3隻の戦艦で決行したのだ。

制宙権を確保するために強力な火力を有するヤマトと圧倒的な艦載機の展開能力を持つアポロノームとアンタレスでガトランティス空母艦隊に対して突撃するという奇襲作戦は完璧に成功した。

 

「空母の甲板を使えなくするだけでいい、仕上げは後の連中に任せろ」

「撃てる物は全て撃てっ。遠慮はいらん!」

「全主砲、ミサイル撃ち方はじめ!」

 

各艦の艦橋ではそのような声が艦橋内で叫ばれ、3隻は主砲やミサイル、パルスレーザーを撃ちまくりながらガトランティス空母艦隊に突撃し、次々とガトランティス艦を沈め艦載機は空母の甲板を攻撃する。

 

ガトランティス空母艦隊も直ちに反撃を開始するがワープを用いた突然の奇襲、しかも艦隊内部深くに侵入されたため同士討ちを恐れ満足な迎撃ができていなかった。

護衛の艦艇では空母の盾となる艦もいたが主砲に撃ち抜かれ空母と共に轟沈し、運のない空母は弾薬誘爆により大爆発を起こしていた。

 

「ヤマトだとっ」

 

ゲルン提督は報告を聞き驚いた声を出した。しかし素早く命令を出した。

 

「発艦できる機体は全機上げろ!艦隊を守らせるんだ」

 

ゲルン提督は大声で命令を出したがその間にも被害は拡大する。

 

「空母コスカ、イスカ轟沈、ネスカ大破。巡洋艦5隻、駆逐艦14隻轟沈」

「撃て!沈めろ!味方に当たっても構わん!」

 

急速に拡大する損害に恐怖したゲルン提督はそう叫んだ。

 

だが旗艦プロキオンには絶え間なく続々と被害報告が入っていた。さらにそこに悲鳴のような報告が入る。

 

「レーダーに反応多数。こっ、これは地球軍機です!数は1000を超えています!」

「なんだと!」

 

ゲルン提督は驚愕の声を発した。

 

そして大混乱のガトランティス空母艦隊に奇襲部隊の各空母から発進した総数1000機を超える航空隊が襲い掛かる。

航空隊には大威力の対艦魚雷を装備した雷撃機も多数存在し、空母めがけて魚雷を発射する。勿論対空砲火により撃墜される機体も複数いたがそれでも戦局は変わらない。魚雷が命中した空母は大爆発を起こしながら沈み、魚雷攻撃がなかった空母にはミサイル攻撃が行われ空母としての能力が奪われる。なんとか発艦できた機体もすぐに戦闘機に撃墜され艦隊付近の制空権は完全に防衛軍の物になっていた。

 

「撃て!撃ち落とせ!」

 

ゲルン提督はそう言ったが旗艦周辺にも多数の防衛軍艦載機が飛びまわっていた。

そしてガトランティス艦隊が体制を立て直そうと必死の中さらに追い打ちをかけるように奇襲部隊の本隊が接近し砲撃を開始した。

 

「提督!艦隊右舷より地球艦隊接近」

「なんだと!」

 

接近して来た艦隊は奇襲部隊本隊でありマゼラン級ユナイテッドステーツを旗艦に、マゼラン級コンステレーション、トライデント、ファタモルガーナ、ドレッドノート級金剛、比叡、榛名、霧島と改ドレッドノート級戦闘空母、イラストリアス級戦闘空母の他に巡洋艦や小型艦多数の大艦隊だった。

 

そして本隊旗艦ユナイテッドステーツでは艦隊指揮権を委任された艦長が「待ってました」と言わんばかりの顔をしていた。

 

「鉄砲屋の力見せてやれ!遠慮はいらん!全艦撃ち方はじめ」

「主砲撃て!」

 

司令の号令により奇襲部隊の戦艦や巡洋艦、駆逐艦などや空母の主砲が火を噴く。空母といっても正面火力はドレッドノート級戦艦と同じなので護衛のカラクルム級も空母も等しく主砲に撃ち抜かれ爆沈し宇宙の塵となっていった。

 

「なんということだ…」

「提督!」

 

次々と沈んでいく友軍を見ながらもゲルン提督は何もできなかった。

主力の空母は甲板を破壊され使い物にならなくなるか宇宙の藻屑となり使えず、護衛の艦隊は突撃してきたヤマトや地球軍艦載機、そして新手の艦隊によって撃沈されるか戦闘不能になり、まともな反撃は不可能だった。

そして艦橋のモニターには艦隊のあちらこちらで爆発が起き炎上する艦が映っていた。

 

「なんの働きもせず残念だ」

 

モニターを見ていたゲルン提督はそう言い拳銃を取り出し自分の心臓を撃った。

 

「バルゼー司令、私は負けた」

 

そう言いゲルン提督は息を引き取った。

直後旗艦プロキオンにも攻撃が集中する。全長1kmを超える巨大空母も多数の攻撃には耐えられず船体の到る所で大爆発を起こしながら沈んだ。最後にバルゼー艦隊に敗北の一報を送って。

 

旗艦と指揮官を失った艦隊は統率がとれず、反撃する艦や逃亡しようとする艦など様々だったが各個撃破され降伏した艦を除き、200隻を超える空母と多数の護衛艦を有したガトランティス空母艦隊は壊滅した。

 

 

土星宙域 防衛艦隊総旗艦アンドロメダ

 

「司令、ヤマトより入電しました」

「読め」

「{奇襲部隊ハ敵機動部隊殲滅セリ}です」

 

この報告を聞いた土方司令は目を瞑り「そうか」と言った。だが吉報に喜ぶ間もなくそこへ別の報告が入った。

 

「正面、敵艦隊確認」

「全艦戦闘配備」

 

報告を聞いた土方司令は短くそう一言命令した。

 

 

 

バルゼー艦隊旗艦アポカリクス

 

「全滅だと!」

 

地球防衛艦隊を目前にして入ってきた報告にバルゼーは驚いていた。

 

「はい。機動部隊は地球軍に投降した艦を除き全滅しました。ゲルン提督も戦死とのことです」

「おのれぇぇ地球軍め」

 

バルゼーはそう言い怒りをあらわにした。

 

「司令…」

「うろたえるな航空参謀!我々には火焔直撃砲がある。それに数も圧倒的だ、地球軍などに負けなどせん!一気に蹴散らすんだ」

 

こうしてガトランティス主力艦隊は加速し急激に防衛艦隊との距離を詰めていった。

 

そして防衛艦隊とガトランティス主力艦隊の決戦が迫る中ヤマトを含む機動部隊も全速力で新たなる戦場を目指していた。

 




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