地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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土星沖会戦の始まりです。


土星沖会戦1

ヤマト率いる地球防衛艦隊空母機動部隊によってゲルン機動部隊が壊滅した頃、土星沖では防衛艦隊がバルゼー率いるガトランティス艦隊正面に展開し一大決戦が起きようとしていた。

 

防衛艦隊総旗艦アンドロメダ

 

「敵艦隊確認。急速に接近してきます。主砲射程まであと30分」

「艦種及び総数特定完了。機動部隊にもいた巨大空母1、ナスカ級20、カラクルム級950、メダル―サ級5、ラスコー級1500、ククルカン級3500、ゴストーク級100」

「メダル―サ級は艦隊前面に展開の模様」

 

自軍の数倍の艦隊を目前にして総旗艦アンドロメダ艦橋内の空気は緊張感でいっぱいであり、艦橋要員の声は強張っていた。しかし土方は冷静であった。

 

「わかった」

 

土方はそう返事をし一息した後、力強く言葉を続けた。

 

「全地球艦隊の乗組員諸君。地球人類の未来はこの戦いに掛かっている。敵は強大だが我々も強力な艦艇と優秀な乗組員を揃えている。地球の未来の為に諸君の健闘に期待する」

 

土方がそう言うとアンドロメダのマストにホログラムでZ旗が掲げられた。

かつての日露戦争での日本海軍連合艦隊旗艦の三笠のように。

 

 

そして土方は一大決戦の開幕を告げる命令を下した。

 

「まずはメダル―サ級を先に片づける。第一航空艦隊に通達。直ちに全機発艦、メダル―サ級を攻撃せよ。ただし撃沈よりも火焔直撃砲破壊を第一目標にせよ」

「了解。第一航空艦隊に通達します」

 

土方の命令は素早く航空艦隊に伝わり、後方に布陣していた第一航空艦隊からは続々と待機していた艦載機が発艦していた。

 

 

第一航空艦隊旗艦トラファルガー

 

「全機発艦急げ!」

「チャージャー発艦完了」

「コーラルあと3分で発艦完了します」

 

第一航空艦隊旗艦トラファルガー艦橋では報告が次々と入り慌ただしかった。

各空母からは続々と艦載機が発艦し編隊を組んでいく。

 

そして数分後トラファルガー級2隻、コロンブス級改造の軽空母4隻からは搭載していたコスモタイガーⅡ全機が発艦しガトランティス艦隊へ全速で向かっていった。

この時、発進したコスモタイガー隊には開発・発展途中の無人機も多数含まれていた。これは少しでもデータを得る目的と人的被害を抑える目的があった。

 

 

 

その頃、ガトランティス艦隊の旗艦アポカリクスやナスカ級空母からも艦載機が大挙発艦し防衛艦隊を目指していた。

 

 

バルゼー艦隊旗艦アポカリクス

 

「艦載機全機発進しました」

「地球軍も艦載機を発進させた模様」

 

兵士は次々に状況を報告する。

 

「攻撃隊に伝えろ。敵艦載機は無視して艦隊、特に空母を叩けとな」

 

一方、報告を受けたバルゼーはそう命令した。

その口調はまだ余裕のある雰囲気であった。

 

「了解しました」

 

兵士はそう返事をすると進撃する航空隊に命令を伝達した。

 

 

 

こうして双方の指揮官の思惑により艦載機部隊同士は戦闘することなく攻撃部隊は双方の艦隊に到達した。

 

 

総旗艦アンドロメダ

 

「敵機約800!」

「敵艦載機部隊射程入りました」

「全艦兵器使用自由。迎撃開始!」

 

土方司令がそう命令を出した瞬間、防衛艦隊各艦から主砲、多連装ミサイルが次々と発射されガトランティス艦載機を撃ち落としていく。

 

 

アルデバラン艦橋

 

「敵機重力子スプレッド弾の射程に入りました」

「主砲三式弾装填。主砲発射後重力子スプレッド弾一斉射!」

「了解。主砲装填急げ!」

 

谷司令は素早く命令を出し。オペレーターも素早く対応する。

そして三式弾の装填は直ぐに終わる。

 

「三式弾装填完了」

「主砲一斉射、撃てっ」

 

次の瞬間アルデバランの主砲が火を噴いた。

 

そしてアルデバランの発砲に続き複数のマゼラン級が発射した三式弾とアンドロメダ級三隻から放たれた重力子スプレッド弾により多数のガトランティス機が撃墜され綺麗に組まれていた編隊が乱れる。

 

 

マゼラン級筑波

 

「三式弾命中。敵編隊乱れました」

「わかった。次も狙わなくていい。編隊をかき乱せ!主砲三式弾一斉射」

「了解、主砲てっー」

 

次の瞬間、筑波の指向可能な全主砲から三式弾が撃ちだされる。

そして放たれた三式弾は複数のガトランティス機を撃墜し、数機を飛行不能に陥れた。

 

こうして防衛艦隊は三式弾による面制圧射撃を繰り返し敵機を落としていく。やがてパルスレーザーの射程に入ると各艦が連携し凄まじい弾幕を張る。

特にマゼラン級やサラミス級、レパント級からなる各大隊は自慢の対空能力で次々と艦載機を撃墜していた。その迎撃力は恐ろしく一部では編隊を瞬く間に全滅させていた。

 

「なんて弾幕だ」

「こんなの聞いてないぞ!」

「いったい何機が攻撃できるんだ」

「我被弾、飛行不能!」

 

ガトランティスのパイロットは口々にそういいつつも味方の屍を乗り越えながら迎撃網を突破し、後方の第一航空艦隊に攻撃を加えようとしていた。

 

 

「敵機迎撃網を突破。本艦に突撃してきます」

「撃ち落とせ!」

 

艦長の言葉で空母コーラルのパルスレーザーが濃密な弾幕を張るもガトランティス機はその弾幕を掻い潜りミサイルを発射する。

 

「敵機ミサイル発射」

「波動防壁展開!」

 

そして波動防壁展開直後にミサイル10発が波動防壁に命中する。

しかし空襲は終わらない。

 

「敵機直上急降下!」

「なに!」

 

コーラルに向けて5機のデスバテーターが急降下する。パルスレーザーが弾幕を張り2機を撃墜するも残り3機がミサイルを発射した。その後も必死の迎撃によりミサイル発射後にさらに1機を撃墜したが全てのミサイルがコーラルの波動防壁に命中した。

 

「ミサイル全弾波動防壁に着弾。波動防壁消失」

「やられたか」

「敵機突っ込んできます」

「特攻する気だ!撃ち落とせ!」

 

コーラルの艦長は叫ぶように命令した。

 

そしてパルスレーザーが凄まじい弾幕を張り1機を撃墜したがもう1機がすり抜け特攻に成功し大爆発を起す。さらに他の編隊がミサイルを発射し5発が命中した。

 

「敵機主砲に特攻した模様」

「主砲大破、使用不能!」

「右舷にミサイル5発着弾。格納庫で誘爆発生被害甚大!」

「機関室被弾、速力低下」

 

艦橋に続々と被害報告が入ってくる。

 

「艦長!」

「総員退艦だ。急げ!」

「了解」

 

わずか5発だった。マゼラン級戦艦からすれば艦を放棄するほどの甚大な被害を受けるダメージではなかったが、老朽化したマゼラン級戦艦を改造しガミラス戦役以前に改造空母として就役していたコーラルを行動不能にするには十分だった。

 

この猛烈な迎撃網を突破したガトランティス機編隊は空母部隊の右舷部を集中して攻撃、コーラルと海鷹、アーガスに狙いを定め攻撃を加え三艦を撃沈。コーラルと海鷹は満載していた弾薬に誘爆が発生し、特に海鷹は弾薬が一斉に誘爆した為、大爆発を起こし多くの乗組員を乗せたまま土星沖に沈んでいった。また空母の護衛艦隊や各大隊のレパント級5隻を撃沈、2隻大破、2隻中破、4隻小破、サラミス級2隻撃沈、3隻を中破させマゼラン級2隻にも損傷を与えた。しかしこの戦果と引き換えにガトランティス艦載機部隊の残存機は僅か34機だった。

 

 

その頃、防衛軍艦載機部隊はガトランティス艦隊下方から急速にメダル―サ級に接近していた。

 

「全機メダル―サ級の火焔直撃砲だけを狙え!他は無視しろ!」

「「了解!」」

 

攻撃隊指揮官がそう言った直後に攻撃隊はガトランティス艦隊の射程圏内に入った。編隊は分厚い護衛に守られたメダル―サ級を目指し距離を詰める、しかしガトランティス艦隊からは猛烈な対空射撃が行われ1機また1機と撃墜されていく。だが攻撃隊は怯まず突撃しミサイルを発射した。

 

メダル―サ級を目指したミサイルはククルカン級が盾になるなどにより目標に全弾命中はしなかったが5隻全艦に命中した。そして命中したミサイルは狙い通りに火焔直撃砲の発射機能を破壊した。

 

「全メダル―サ級に命中確認」

「よし全機射程外まで離脱しろ」

 

指揮官がそう命令すると攻撃隊は対空射撃の射程外まで急いで離脱を開始した、しかしその過程で多数の機体が撃墜され母艦に帰還したのは僅か6機だった。そして帰還機の中に指揮官機の姿はなかった。

 

 

総旗艦アンドロメダ

 

「司令、攻撃隊帰還しました。メダル―サ級全艦にミサイルが命中、火焔直撃砲の発射機能を破壊したと思われます」

「何機戻ってきた」

「6機です」

「そうか。空母と損傷艦に最寄りの基地、もしくはタイタン基地に後退するように伝達してくれ。無理に戦場に留まる必要は無い」

 

土方は無念そうに返事をした後に命令を出した。300機を超える攻撃隊を出したにも関わらず、帰還機は僅か6機という恐ろしい損失であった。それでも攻撃隊の多くが無人機であった為、人的損害は抑えられた方であるというのが唯一の慰めであった。

 

「了解しました。各艦へ伝達します」

 

オペレーターはそう返事をすると命令を各艦に伝達した。そして空母と戦闘に支障がある損傷を受けた艦艇は戦列を離れ最寄りの基地へと後退した。

 

 

一方、バルゼーも艦載機による攻撃の報告を受けていた。

 

「たったの34機だと!」

「はい。帰還したのは34機だけです」

 

驚愕の声を出すバルゼーに対し兵士はそう答える。

 

「バルゼー司令…」

 

航空参謀が怖気づいた声を出した。

想定外の大損害なので無理も無かった。

 

「落ち着け航空参謀。確かに艦載機部隊は大打撃を受けた。だが本艦やメダル―サ級の艦載機は残っている。地球軍の空母は撃沈したし残った奴も後退した。制空権は我々が握っている」

「そうですが、まだヤマトの機動部隊が」

 

航空参謀は恐る恐るそう言う。一大空母艦隊であるゲルン機動部隊を完膚なきまでに叩いた恐るべきヤマト率いる地球軍機動部隊は未だ健在なのだ。地球軍機動部隊が駆け付けた際には、エアカバーを失ったこのバルゼー艦隊が一方的にやられることが安易に想像できた。

 

「わかっている。だがヤマトの機動部隊が来るまでには時間が掛かるだろう。だから安心しろ。それと攻撃を受けたメダル―サ級の被害はどうなっている」

「はっ、全艦火焔直撃砲の発射は不可能ですが戦闘は可能です」

 

参謀の一人が答える。

 

「前方にメダル―サ級を配置したことがまずかったか。地球軍め小賢しい事をしよって。全艦前進し正面の地球軍を蹴散らせ。数では此方が勝っているのだ、地球軍など恐れるな!一挙に踏みつぶせ!」

「はっ」

 

バルゼーはメダル―サ級の火焔直撃砲が使用不可能にされたのが腹だたしかったが、戦闘は可能という報告に安堵し艦隊に前進命令を出した。そして空前絶後の規模である大艦隊は進撃を開始した。

 

土星沖での戦闘は航空戦から艦隊戦に移行しようとしていた。

 

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