地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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土星沖会戦4

土星沖

 

地球・ガミラス連合艦隊の前面には巨大な白色彗星が展開する。

それはゆっくりと前進していた。

 

 

地球防衛軍司令室

 

防衛軍司令室では藤堂長官や芹沢参謀長、委員長やオペレーター達が白色彗星に釘付けになっていた。

 

「ついに来たか」

 

多くのオペレーターが驚きの表情を浮かべ絶句している中、委員長はそう呟いた。

 

 

 

防衛艦隊総旗艦アンドロメダ

 

「全艦波動砲発射体形!」

「全艦波動砲発射体形及び波動砲発射準備」

 

土方の命令により防衛艦隊の波動砲搭載艦はマルチ体形を取り、5隻のアンドロメダ級とヤマトを中心に100隻以上もの波動砲搭載艦が波動砲のエネルギーチャージを始める。防衛艦隊の非波動砲搭載艦とガミラス艦隊はその周りに展開し護衛にあたる。

 

「ガトランティス艦隊後退しつつも砲撃してきます」

「構うな、敵艦隊は護衛に任せろ」

「はっ」

 

土方の命令を受け、後退しつつも依然応射してくるバルゼー艦隊に対して非波動砲搭載艦とガミラス艦隊が応戦する。

 

「主砲1,2番てっー」

「波動砲艦に近づけさせるな」

「弾幕張り続けろ!」

 

各艦の艦長が次々と命令を出し護衛のマゼラン級、サラミス級、小型艦、ガミラス艦隊から激しい砲撃が行われる。

多数居る小型艦の中には自艦を盾にする艦もいる程であり、護衛している艦隊からは波動砲搭載艦には指一本触れさせないという強い意志が溢れ出ていた。

 

 

レパント級マイト

 

「敵駆逐艦1隻接近!迎撃間に合いません」

「本艦を前に出せ!」

 

敵駆逐艦接近の報を受け艦長が大声で叫ぶ。

 

「了解!」

 

マイト艦橋ではそのような会話が行われマイトは波動砲艦隊の前へ出る。

マイトは損傷し刺し違える勢いで接近してくるククルカン級と砲撃戦を行いククルカン級を沈めるも相打ちとなり爆沈する。

 

 

総旗艦アンドロメダ

 

「フリゲート、マイト轟沈!盾になって…」

「エネルギーチャージ完了まであと1分!」

「よし、重力子スプレッド展開」

「了解。重力子スプレッドてっー」

 

マイト轟沈の悲報しかしそれを覆い隠すように続々と総旗艦アンドロメダの元に報告が入り、土方が命令を出す。そしてアンドロメダ級5隻から重力子スプレッドが撃たれ艦隊前面で攻撃を吸収する。

 

「全艦拡散波動砲から収束波動砲へ!」

「目標、彗星中心核!全艦連動完了!」

「全艦耐ショック、耐閃光防御!」

 

オペレーターの報告を聴きながら土方はそう言い、自身もゴーグルを掛ける。

 

「耐ショック、耐閃光防御!」

「銀河のコスモリバースシステムも準備完了、司令いつでもいけます!」

「よし、全艦波動砲発射!」

「波動砲てぇー!」

 

次の瞬間、眩い閃光と共に軽く100隻を超える艦艇から一斉に波動砲が放たれた。それは銀河から放たれたコスモリバースシステムの影響を受けエネルギーが大幅増幅され、さらに重力子スプレッドが展開した壁により一つの巨大なエネルギーの濁流となり、回避が遅れたガトランティス艦隊を飲み込み一瞬で消し去りながら白色彗星の中心核に命中した。

 

 

 

そして波動砲が中心核に命中したことにより白色彗星は大きな爆発を起こしていた。この光景を見ていた防衛軍、ガミラス軍将兵は勝利を確信していた。ただ転生者達を除いては。

 

 

白色彗星の爆発、永遠に続くかと思われたその爆発が終わった時、内部からそれは現れた。

それは巨大な都市帝国と数百隻もの大艦隊だった。都市帝国は下半分の惑星でありその上に無数の建造物があり圧倒的な存在感を醸し出し、その周囲には多数の艦艇が展開していた。

 

多くの将兵が驚く中、土方は「これが白色彗星の正体か」と無意識に口にしていた。

 

そして都市帝国前面に展開していた艦隊より砲撃が始まり、瞬く間に数隻が沈められる。

 

「敵艦隊発砲!」

 

オペレーターがそう叫ぶ。

 

ガトランティス艦隊からの砲撃は波動砲搭載艦に集中し、波動砲発射直後で波動防壁を展開できなかった護衛艦が真っ先に砲撃にさらされ爆沈する。

 

「護衛艦スレイター、楠、メイソン爆沈!」

「本艦右舷に被弾!」

「損害報告急げ!」

 

続々とオペレーターから報告が入りアンドロメダにも命中弾が発生し、山南艦長が損害報告を求める。

 

「戦艦石見、イリノイも爆沈!インペロ大破、巡洋艦セントポール轟沈」

 

さらに戦艦や巡洋艦にも損害が出始める。

 

「銀河、波動防壁再展開!」

 

続々と被害報告が入る中、無防備な波動砲搭載艦を守る為の手段である巨大な波動防壁を銀河が再度展開し、護衛艦隊を含む全艦隊を守る。この波動防壁展開によりなんとか損害が出ることは無くなった。そして(どうする)と土方が悩んでいた時にその入電はあった。

 

「防衛軍司令部より入電!」

「なんと言ってきた」

 

土方は冷静に問いかけた。

 

「{全艦直ちに現宙域より離脱、最寄りの基地に撤退せよ}とのことです」

「わかった。全艦に至急伝達しろ」

 

土方はそう言った。

 

「わかりました。至急全艦に伝達します」

 

オペレーターはそう返事をすると直ぐに命令を伝達した。

 

「全艦反転離脱だ。急げ」

「艦隊反転!」

 

各部隊司令はそう命令する。

 

この命令はガミラス艦隊にも届きガミラス艦隊も反転を開始する。

 

「全艦反転だ。急げ」

 

ドメルはそう命令する。

 

「厄介なものが現れましたな」

「あぁ、厄介だな」

 

ハイデルンの問いかけにドメルはそう返した。

 

 

そして地球・ガミラス連合艦隊は反転し最寄りの基地への撤退を開始した。どの部隊も統率が取れており大きな混乱は起きなかった。そして艦隊反転中、都市帝国と艦隊からの攻撃は止まり、その宙域には奇妙な沈黙と不気味な雰囲気を都市帝国は醸し出していた。

 

撤退する地球・ガミラス連合艦隊、その中の第二大隊旗艦アナンケ級戦艦タイタンの艦橋では「我々は負けていない…そう我々は…」ティアンム中将はそうモニターに映る都市帝国を見ながら呟いていた。

 

 

都市帝国玉座

 

「地球・ガミラス艦隊反転します」

「どうなされますか大帝」

 

総参謀長のサーベラー尋ねる。

 

「逃げる奴らなど無視しろ。このまま地球を目指す」

「御意」

 

都市帝国は直掩艦隊とバルゼー艦隊残存艦護衛の下、地球への侵攻を再開した。

 

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