地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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火星沖決戦1

2203年6月14日火星沖

 

「主砲撃ちまくれ!」

 

戦艦アマテラスの艦橋で尾崎中将が叫ぶ。それに対しオペレーターが短く「了解!」と元気よく返す。それは彼らの心に余裕があることを示していた。

 

ガトランティス艦隊に突撃した戦艦アマテラスは主砲がこれでもかと発砲しショックカノンを撃ちまくり、多数のガトランティス艦を血祭に挙げいく。さらに艦首衝角で進路を塞ぐカラクルム級を真っ二つに撃沈していく。

 

またガトランティス艦隊正面からはインディゴ・ベルを旗艦とした艦隊がガトランティス艦隊の進撃を阻みつつアマテラスに対し援護射撃をする。そして村雨改型と磯風改型宙雷艇はその高速を活かし一撃離脱の戦法でガトランティス艦隊に打撃を与え隊列を乱させる。そして突撃部隊により隊列が乱れた箇所に拡散波動砲が撃ち込まれ無数のガトランティス艦が宇宙の塵になる。

 

この防衛艦隊の奮戦により多数のガトランティス艦艇が宇宙の塵と変えられながらも、依然膨大な艦艇数を誇るガトランティス艦隊は果敢に攻撃を実施し防衛艦隊に損害を与えていく、だがもう後がない防衛艦隊も損害を気にせず応戦する。

 

 

「正面カラクルム級2!」

「主砲撃てっ!」

 

アナンケ級インディゴ・ベル艦橋内ではレーダー手の報告を受けた砲術長が号令をし、インディゴ・ベルから発射されたショックカノンは2隻のカラクルム級を一撃で撃沈する。だがインディゴ・ベルにも危機が迫る。

 

「敵機5、弾幕を掻い潜りながら接近!」

「左舷弾幕薄い何やっての!叩き落せ!」

 

インディゴ・ベル艦橋ではオペレーターの報告に対しブライト艦長が叱責をとばす。だが接近してきた5機のデスバテーターはインディゴ・ベルにミサイルを発射する前に、インディゴ・ベルと周囲のサラミス級4隻、マゼラン級2隻からの分厚い対空砲火によって撃墜された。

 

しかし次の瞬間インディゴ・ベル右舷前方上部で奮戦していたドレッドノート級が火焔直撃砲の攻撃を受け大爆発し轟沈する。

 

「ドレッドノート級クレムリン轟沈!」

 

オペレーターが大声で報告した。

 

「なんだと!」

 

ブライトは驚き、大声を出した。

そしてクレムリンが居た宙域を見たが、そこには先程まで健全だった戦艦の姿はなく、変わり果てた残骸があるだけであった。

 

「火焔直撃砲による攻撃です!」

 

オペレーターが素早く分析し報告する。そしてクレムリンを撃沈した犯人はすぐに発見された。

 

「前面の敵艦隊奥にメダル―サ級1隻を確認!」

「厄介だな、主砲狙えるか」

 

メダル―サ級という厄介な新手の敵艦出現の報告にブライトは砲術長に反撃できるか尋ねる。それに対し砲術長は「いけます」と答える。

 

「よし、全主砲目標敵メダル―サ級」

 

ブライトは目標を指示する。そして砲術長が「了解」と短く返す。そしてすぐに主砲の準備が完了する。

 

「主砲照準よし!」

「よし主砲てっー」

 

砲術長の号令でインディゴ・ベルから撃ちだされた12発のショックカノンは一つの束となり、展開するガトランティス艦隊をすり抜けメダル―サ級に命中、此れを撃沈した。

 

「敵メダル―サ級撃沈!」そうオペレータが報告すると「やったぞ!」と嬉しそうな声が艦橋内に上がる。それに対し「喜ぶのまだだ、敵艦は幾らでもいるぞ」とブライトは言い部下の気を締めさせる。その言葉により艦橋内では再び緊張感が生まれていた。

 

だが、この時点で防衛艦隊はドレッドノート級2、サラミス級5、エンケラドゥス級3、村雨改型5、磯風改型7、駆逐艦6、フリゲート7を失うだけではなく、ドレッドノート級1、マゼラン級2や複数の小型艦が損傷激しく継戦困難となり戦線離脱をし、火星沖にいる防衛艦隊の継戦能力限界点は刻一刻と近づいていた。しかし既に200隻以上のガトランティス艦を撃沈しているので、ガトランティス軍からすればこの戦線にいる防衛艦隊は恐るべき戦闘力であった。

 

一方、ガトランティス艦隊はたった数十隻の艦隊に大苦戦するのが想定外であり、司令官は苛立ちを隠せていなかった。

 

「まだ勝てんのか!」

 

ガトランティス艦隊司令であるゲーニッツは焦った声で副官に尋ねる。

 

「はい。奴らは想定以上に粘っているとともに、正体不明の雷撃もあり…」

 

そう副官は答える。

この雷撃はガミラス共和国軍のフラーケン指揮の4隻の次元潜航艦からの攻撃でありガトランティス将兵と艦隊に少なくない損害と精神的疲労を与えていたのだった。

 

「そんなことはわかっている!大帝が見ているのだぞ」

 

そう言っているゲーニッツの顔には焦りの表情が出ていた。圧倒的な戦力差にも関わらず敵艦隊を撃破できなければ自分の立場が危ういのだ。

 

「司令!」

 

そんな中、突然オペレーターが大声で司令を呼んだ。

 

「今度はどうした!」

「都市帝国後方に数百隻の艦隊がワープしてきました!」

「なんだと!そんなバカな」

 

ゲーニッツは突然の大艦隊の出現の報告に驚きを隠せなかった。そしてこの艦隊は土星より出撃した先遣隊であった。

 

 

アマテラス艦橋

 

「都市帝国後方に多数のワープアウト反応!識別確認、これは友軍です!」

「ようやく来てくれたか。よしインディゴ・ベルに合流する!」

 

安堵したような声でのオペレーターの報告を聴き、尾崎司令は少し安心したような表情をした。

 

そして尾崎司令の命令を聞き「了解」と操舵手は返事した。

 

こうしてアマテラスはインディゴ・ベル率いる突撃部隊に合流すべく舵をきった。

 

 

先遣艦隊旗艦アルデバラン艦橋

 

「なんとか間に合ったな」

 

戦闘態勢に移った艦橋内で先遣艦隊司令の谷中将は副官に言った。

 

「ですな。火星沖に展開していた友軍艦隊は健在の様です」

 

そう副官は答える。そしてオペレーターからすぐに状況の報告が入る。

 

「都市帝国より艦隊出現。此方へ向かってきます」

「敵艦隊に超巨大空母1隻も確認!」

「土星沖の時の艦隊か。申し訳ないが直ぐに退場してもらおう」

 

オペレーターの報告を聴いた谷は素早くその艦隊が土星で相手をした艦隊だと見抜いた。そして副官が間髪入れずに命令を出す。

 

「はっ。拡散波動砲発射用意」

「拡散波動砲発射よーい」

 

オペレーターが復唱し拡散波動砲の発射準備が始まる。

一方、先遣艦隊が拡散波動砲発射の準備をしているとは知らずに、都市帝国から先遣艦隊迎撃の為に出撃したのはバルゼー艦隊だった。

 

 

「おのれ地球軍め、今度こそ全滅させてやる」

 

バルゼーは土星沖での失態を挽回するために闘志に燃えていた。しかし現実は非情だった。

 

 

アルデバラン艦橋

 

「拡散波動砲発射準備完了」

「アキレス、アンタレス、アポロノームとの連動よし」

「ガトランティス艦隊射程まであと1分」

 

オペレーターの報告を聴き谷司令は命令を出した。

 

「全艦耐ショック、耐閃光防御」

「耐ショック、耐閃光防御!」

 

オペレーターが復唱する。そしてガトランティス艦隊は直ぐに射程に入った。

 

「ガトランティス艦隊射程入りました」

「よし、拡散波動砲発射!」

 

そう短く谷は声に出した。

 

そしてアルデバラン、アキレス、アンタレス、アポロノームの艦首が光り拡散波動砲は発射された。それはバルゼー艦隊の目前で拡散し、旗艦であるアポカリプクスを含む艦隊の9割を一瞬で消し飛ばした。

そしてバルゼーは何が起きたのかを理解する間もなくこの世を去ったのであった。

 

「敵艦隊の9割を撃沈」

「旗艦らしき超巨大空母も撃沈した模様」

「よし、掃討戦に移行する。全艦前進」

 

オペレーターの報告を聞き谷は掃討作戦開始の命令を出した。

 

「了解!」

 

バルゼー艦隊を一瞬で壊滅に追いやった先遣隊は残存艦の掃討戦に移った。

そしてドメル艦隊も行動を開始し、バルゼー艦隊残存艦隊に向けて攻撃を開始した。攻撃開始により宙雷戦隊が突撃を開始し、それを援護するために地球・ガミラス連合艦隊から猛烈な砲撃が行われバルゼー艦隊残存艦を襲う。

 

かくしてバルゼー艦隊残存艦は数倍もの地球・ガミラス連合艦隊相手に戦い、1隻も残らずに全滅した。

 

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