地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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反撃へ

2203年8月1日、事実上ガトランティス戦役が終結して約2ヶ月、この期間にドメル艦隊は約2ヶ月間太陽系及び太陽系付近で降伏せずにしぶとく抵抗するガトランティス艦を防衛艦隊掃討部隊と共同で沈めまくり、ガミラス星への帰路に就いた。

 

そして防衛艦隊はそれと同時に艦隊の再建と戦力の再編、増強を急ピッチで実施しており主力艦隊は書類上、14個艦隊までになっていた。

書類上なのは訓練などで戦力として実戦で使えるかは微妙な艦隊が4個艦隊いた為である。そして同時に太陽系外のガトランティス残党軍の掃討と反撃の為の作戦準備も進められていた。

 

作戦の一つは太陽系外に潜伏し、抵抗する残存ガトランティス艦隊を吊り上げまとめて殲滅する為の「雷王作戦」、もう一つは今次のガトランティス軍の侵攻拠点となっていたシリウス、プロキオン星系への侵攻作戦、通称「星一号作戦」だった。

 

「雷王作戦」はガミラスへと向かうと見せかけた囮の輸送船団とその護衛艦隊を用意し、その艦隊を太陽系外縁を航行させ、それに攻撃を仕掛けてくるであろうガトランティス残党軍を有力な防衛艦隊で攻撃し残党軍を一網打尽にする作戦である。

 

一方の「星一号作戦」は前述の通りシリウス、プロキオン星系にヤマトと6個主力艦隊、2個機動艦隊を主力戦力とし、他に多数の揚陸艦などの支援艦隊を揃えた艦隊で侵攻、占領する作戦である。

 

既に鹵獲艦や捕虜からの情報でシリウス・プロキオン星系内の基地の位置、戦力も把握済みなので侵攻はスムーズに進むといわれている。なお、この「星一号作戦」については反対意見も多くあったが「やられたらやり返す」といった意見や「星間国家への第一歩である」、「ここを占領すれば太陽系周辺のガトランティス残党軍もいずれ降伏する」といった意見が次第に多数になり実行されることとなった。

 

そして都市帝国の惑星部分は地球圏へ移動され、ガトランティスの兵器研究所兼地球防衛基地(転生者達曰く第二のルナツー)となった。この基地では地球製の破滅ミサイルや地球版潜宙艦の開発、製造が行われることになる。また防衛軍は鹵獲艦の就役準備も進めていた。

 

現在、稼働可能な鹵獲艦はカラクルム級9、ゴストーク級4、ラスコー級16、ククルカン級24、ナスカ級3と1個艦隊分もあるのだ。転生者達はこれで1個艦隊を編成しようと考えていた。ちなみにこの数はあくまで無傷の艦艇であり、建造途中もしくは損傷し放棄された艦を回収した鹵獲艦を含めるとその数はさらに増える。因みにこれらの艦の中にはメダル―サ級も存在していた為、防衛軍内では火焔直撃砲の解析と同時に戦力として使うために改装が行われていた。

 

 

そしてとある高級料理店の一室では転生者達と芹沢参謀長が集まり話し合いをしていた。

 

「両作戦の準備は順調ですな」

 

そう委員長が言う。

それに対して芹沢参謀長は資料を委員長に渡しながら返答する。

 

「はい。両作戦参加艦艇は既に編成は完了しております」

「囮となる第一航空艦隊は再編が完了、しかし武勲艦のトラファルガーは地球軌道艦隊へ移籍か」

 

そう寂しそうに委員長は手元の資料を見ながら言った。

 

「仕方ありません、同型艦がいなくなってしまいましたから」

 

副参謀が「なに落ち込んでいるんですか」と言いたそうな顔をしながら言った。

だが委員長が落ち込むのも無理の無い話であった。トラファルガー級は内惑星時からの武勲艦である。たったの2隻しかいない姉妹艦で幾多の戦場を駆け回り多大な功績を残し、ガミラス戦役でも幾度にも渡る月攻防戦で少なくない打撃をガミラス軍に与えていた。

 

「そうだな」と委員長は短くそう言った。

 

「落ち込んでいても仕方ないですし話題を変えましょう。アンドロメダ級6番艦の方はどうなっていますか」

 

一人の転生者が芹沢参謀長に尋ねた。

 

「ネメシスの事だな。既に訓練航海をしている。雷王作戦に参加予定だ」

 

芹沢参謀長がそう答えると「おぉ」と声が上がった。さらに委員長が話題を切り出す。

 

「さらに良い知らせだ。次の議会で春藍と無人戦艦、無人駆逐艦の予算が可決される」

「とうとう春藍が建造できるのですか!」

 

造船部門の転生者が嬉しそうに言った。

春藍の建造は転生者達の悲願であった。アンドロメダ級を凌ぐ戦闘力を持つ戦闘艦は魅力的であったのだ。

 

「そうだ 今のところ2番艦まで予算が出る予定だ」

「春藍型を2隻も建造できるのですか!」

「そうだ。同型艦がいた方が使い勝手もいいだろう。それに評価次第では追加建造もあり得る」

 

委員長は嬉しそうな造船部門の転生者に対してそう答えた。

 

「わかりました。造船屋として最高の2隻を建造してみせましょう」

 

そう造船部門の転生者は胸を右手で叩きながら言った。それに対して委員長は「頼みましたよ」とかえした。すると一人が尋ねる。

 

「しかし無人戦艦と駆逐艦は大丈夫ですか?」

 

その言葉により原作で散々なやられ方をした無人艦隊が転生者達の脳に映った。

流石にあのような無人艦隊が整備されては防衛艦隊としても使い道が無い、最低でも2202レベルの無人艦が欲しかった。

 

「大丈夫だ、ガトランティス戦役の情報を基に時間断層の高性能AIと連動したAIが搭載される予定だ。更に有人艦と無人哨戒艦隊によってデータも蓄積されている。最低でも2202の無人艦は超える性能だ。ちなみに艦名はエクスカリバー級戦艦とレイピア級駆逐艦だ」

 

そう委員長が言った。

エクスカリバー級戦艦は10万トンを超える大型戦艦でありレイピア級駆逐艦も重武装かつ高機動な駆逐艦として建造される予定である。

 

「武器に由来した艦名ですか」

「そうだ。まぁ原作の様な事にはならんはずだから安心してくれ」

「了解しました」

 

転生者達はそう返事し納得した表情をした。

 

すると「そうだ鹵獲艦のほうはどうなっていますか」と別の転生者が話題を変える。

 

「無傷な艦は既に艦隊を編成する準備をしている。損傷艦についてはどうするか検討中だ」

「なるほど 編成された艦隊の名前は?」

「第3機動艦隊だ。近いうちに書類上では編成が完全にできるだろう」

「わかりました」

 

委員長はそう説明していき、さらに別の話題も切り出す。

 

「それともう一つ、各管区独自に艦艇の建造を許可する法律も可決される」

「なんですと!」

 

転生者達は驚きの声をあげた。

 

「アメリカなんて法案可決のためにアリゾナ級の建造計画をもってきたよ」

 

委員長は少し笑いながら言った。

この各管区が独自に艦艇を建造することを許可する法律が可決される背景としては、防衛軍主導で艦艇を整備するだけでは艦艇の装備や形状の発想力に限界が来ると委員長や防衛艦隊司令部が考えたためであった。

 

「アメリカらしいですな」

「そうだな。しかしこれでもうすぐ防衛艦隊の戦力は格段に上がるだろう」

「間違いないですな」

 

こうして転生者達は防衛軍の話題で盛り上がった。

 

 

それから4日後、タイタン基地から2つの艦隊が出港していった。

一つは再編され改コロンブス級軽空母6隻からなり囮を務める第一航空艦隊、もう一つはティアンム中将率いる第五艦隊にアンドロメダ級6番艦ネメシスと護衛のエンケラドゥス級2隻を加えた第1任務部隊である。

彼らは雷王作戦のために出撃していった。

 

そして時を同じくして月面基地にはシリウス、プロキオン攻略作戦参加の艦隊が集結していた。

 

「この作戦は、地球人類が新たなる一歩を踏み出すための作戦である。諸君の奮闘と無事の帰還を願う。以上」

 

委員長の演説の後、藤堂長官から命令書を受けとった作戦総指揮官レビル大将の「全艦発進」の合図を皮切りに星一号作戦参加艦艇全艦が発進していった。その数は補給艦や揚陸艦などの支援艦艇を含めると400隻を超えていた。

 

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