デザリアム帝国軍のガミラス共和国侵攻は突然だった。
大マゼラン星雲に突如、大艦隊で襲来したデザリアム艦隊は瞬く間に遭遇した哨戒中のガミラス共和国軍艦隊を殲滅し、一路サレザ―星系を目指し侵攻を開始した。
これに対しガミラス共和国軍はドメル艦隊を筆頭に駐留艦隊などの戦力を除く、自由に稼働可能な戦力を集め迎撃戦を展開し、デザリアム帝国マゼラン方面軍と激しい艦隊戦が幾度となく行われた。
そして機動力と地の利で勝るガミラス艦隊はドメル将軍指揮の下、巧みな機動戦を仕掛け多数のデザリアム艦を撃沈、デザリアム帝国マゼラン方面軍に大打撃を与えていた。
しかし巨大戦艦プレアデスと機動要塞ゴルバがデザリアム帝国軍の戦列に加わると形勢は逆転。一気に劣勢となり、後退に後退を重ね遂にはサンザー星系まで撤退する事態になってしまっていた。そしてガミラス星まで撤退し追い詰められたガミラス軍に最早後は無かった。
ドメル将軍が指揮するガミラス共和国軍主力艦隊は本星まで後退しなければならないという異常事態であったが諦めず徹底交戦を続け、ガミラス艦隊は巨大戦艦プレアデスとゴルバ以外を狙い執拗な攻撃を仕掛け、激しい抵抗をするが撃破できない存在がある以上、劣勢に変わりはなかった。
一方、デザリアム帝国軍はガミラス星のガミラス軍の抵抗が激しいと分かると、目標を無防備なイスカンダル星へと変えた。
「ドメル司令、奴らイスカンダルへ向かうようです!」
「此方の抵抗が激しいとみて無防備なイスカンダルを狙うか…」
ドメル将軍は直ぐにでもイスカンダル救援に向かいたかったが、自軍の前にゴルバとその護衛艦隊が立ちはだかっていた。
そこへ通信兵から悲鳴のような報告が入る。
「イスカンダルへ向かう敵軍後方に多数のワープアウト反応!」
「なに!敵の援軍か!」
そうドメル将軍は反射的に叫んだが、敵の援軍という心配は直ぐに吹き飛ぶことになる。援軍は援軍でも味方であったのだ。
「いえ、識別信号確認。此れは地球防衛艦隊です!」
そう報告する通信兵の声は明らかに嬉しそうな声であった。
そしてドメルは安堵したような声で「来てくれたのか」と呟いた。
一方、ワープアウトした防衛艦隊は大騒ぎだった
「正体不明の艦隊、イスカンダルへ向かっています!またガミラス星沖に展開しているガミラス艦隊の前に巨大要塞がいます」
「なんだと!」
報告を聞いた司令は余りにも早いデザリアム帝国軍の進撃に驚いた。
(どうする艦隊を戦力の分散になるが二分するか?)司令はそう考えた。
「司令どうされますか」
副官が尋ねる。そして近藤司令は少し考えてから命令を出した。
「よし 本艦とオーウェル、サジタリウス、サラミス級ダイドー、サンドラと空母アドミラル・クズネツォフ、駆逐艦5隻はガミラス艦隊救援に向かう! 残りの艦はヤマト指揮の下、イスカンダルへ向かう艦隊を殲滅せよ。ただし事前に撤退勧告を出すように」
「了解。全艦に打電します」
司令の命令は素早く全艦に伝達され、そして艦隊は二分されヤマト率いる艦隊はイスカンダルへ向かう。
旗艦カシオペア
「全艦戦闘配置。通信手、あの敵要塞に通信を繋げるか」
「やってみます」
そして旗艦カシオペアからゴルバに対して通信を求めた結果、2分後に応答があった。
「私はデザリアム帝国マゼラン方面軍総指揮官メルダーズだ。お前たちは何者だ」
デザリアム帝国マゼラン方面軍総指揮官メルダーズは威圧的な声で尋ねてきた。
「我々は地球防衛軍ガミラス救援艦隊です」
「なるほど。それで、お前たちは我々になんの用かね」
「率直に申し上げます。貴軍はガミラス軍との戦闘を即時終了し、このマゼラン星雲から撤退していただきたい。それが出来ないのなら我が艦隊も戦闘に参加します」
司令は淡々と要件を述べた。
「なるほど。ずいぶんと強気だな。なら私からの要望はそちらの撤退だ」
「その要望はお断りします。我々にはガミラスとの安全保障条約がありイスカンダルには恩がある」
「なるほど、では交渉は決裂だ。我々に歯向かった事を後悔するがいい」
「その言葉、そのままお返しする」
そう司令が言うと通信は切れた。
そして通信が切れた直後に司令は大声で叫んだ。
「全艦波動カートリッジ弾装填、あの要塞に叩き込んでやれ!」
「了解。主砲波動カートリッジ弾装填。急げ!」
「敵要塞、攻撃態勢に移った模様」
オペレーターが報告するとモニターには巨大な砲口を開けたゴルバが映し出された。
「主砲、目標、敵要塞の砲口!我々に喧嘩を売った高い授業料を払わせてやれ‼」
司令が目標を伝えると全艦の主砲がその方向を向く。
「主砲発射準備完了いつでもいけます!」
「全艦主砲発射準備よし」
オペレーターの報告を聞いた司令は即座に命令した。
「全艦、主砲一斉射ぁ!」
「主砲てっー!」
司令の号令で全艦から発射された波動カートリッジ弾は数発が狙い通りゴルバの主砲砲口に飛び込み、そのエネルギーを解放した。解放されたエネルギーは瞬く間にゴルバを破壊、大爆発を起こしゴルバは周囲の護衛艦隊とともに消滅した。残った僅かな護衛艦も防衛艦隊の猛烈な砲撃の前に瞬く間に壊滅した。
この鮮やかなゴルバ破壊劇を見ていたガミラス軍将兵やガミラス国民は驚いていた。
「我が軍が苦戦した敵要塞を一撃で…」
鍛え上げられたドメル艦隊将兵やガミラス軍将兵は防衛艦隊の攻撃を見て唖然としていた。
「恐るべし、地球艦隊」
ドメル将軍はそうモニターに映る防衛艦隊を見ながら呟いた。
歴戦の名将ドメルから見ても地球防衛艦隊の戦いは鮮やかであった。
一方、ヤマト艦隊もイスカンダル星に向かうデザリアム帝国艦隊に撤退勧告を行ったがデーダー司令は「拒否する」と返答し、艦隊を差し向け攻撃してきたので艦隊戦に移っていた。しかしデーダー司令が差し向けた艦隊は戦艦扶桑、山城の拡散波動砲によって一瞬で消滅し、残るはデーダー座乗のプレアデスと護衛の5隻の巡洋艦だった。
呆気にとられたデーダー司令だったが、すぐさま移動しイスカンダルを背に対抗していた。
「ふっふっふ イスカンダルを背にしていればあの攻撃を受けることもない。そして奴らの攻撃はこのプレアデスには効かない」
デーダーはそう言いつつヤマト以下の艦隊からの多数の猛烈な砲撃を跳ね返すプレアデスを見て笑っていた。だがその目論見は突然外れることになる。
「デーダー司令!左舷上部より高エネルギー反応が!」
「なんだと 回避を…」
しかし、プレアデスの回避は間に合わず高エネルギーのビームによる直撃を受けて護衛の巡洋艦5隻と共に宇宙の塵となった。
その攻撃を見ていたヤマト艦隊将兵は唖然としていた。
「一体、誰の攻撃なんだ…」
そう古代が言葉を漏らすとヤマトのパネルに聴き覚えのある声と共にある人物が映った。
「お久しぶりだね、ヤマトの諸君」
パネルにはそう言いながらデスラー総統が表れていた。
「デスラー、ここに来ていたのか」
「あぁ、なんでもガミラスとイスカンダルが危機に在ると聞いてね。急いで来た次第だよ」
古代が尋ねるとデスラー総統はそう言った。
巨大戦艦プレアデスがいた宙域から離れた宙域には蒼いデスラー艦と数隻の赤い塗装の戦闘空母、そして多数の蒼く塗られた艦艇の大艦隊が展開していた。
その頃、太陽系外縁部では土方司令率いる本土防衛軍3個主力艦隊と250隻からなる大艦隊が相対していた。
「これだけの大艦隊を率いて来ても外交交渉が目的というわけですか」
そう土方司令はモニター越しに尋ねる。
その目力は強いもであった。
「そうです、大艦隊なのは首相の命令と外交官の身を守るという理由がありますので」
相手の艦隊司令はそう淡々と答える。
「わかりました。司令部へはそのように伝えます」
「ありがとうございます」
こうしてとある国は友好的?に地球連邦との最初の接触に成功した。