激動の2203年が終わり2204年2月10日に就役した最新鋭艦春藍型戦艦2隻は直ちに性能試験を行うべく地球を後にした。この全長500メートル、排水量15万トン越えの巨大戦艦は収束、拡散に変更可能な波動砲3門と51㎝四連装砲を6基装備し他に副砲、ミサイル、対空パルスレーザー多数を装備する地球防衛軍最大最強の艦艇である。またエンジンは波動エンジン2基を装備し超長距離連続ワープとワープ直後に最大出力での波動砲の発射が可能な艦艇であった。
2隻は同時期に建造されたアナンケ級イプシロンとペガサス、ドレッドノート級アルゲンハリンスク、ナッソー マゼラン級ペルセウス、ミラ、エクスカリバー級無人戦艦エクスカリバー、ゲイボルグ、グングニル他巡洋艦、小型艦多数と共に訓練の為アステロイドベルト宙域に向かった。ちなみに防衛軍は春藍型の追加建造を目論むと同時にアンドロメダ級8、9、10番艦の建造を進めていた。
さらに防衛軍は新造艦の建造と同時にガトランティス戦役での鹵獲艦の実戦配備とシリウス・プロキオン星系及び、都市帝国残骸のガトランティスの生産設備を活かしてゴストーク級を少数ながら生産し配備を進めていた。
そして2月20日に新たなる艦隊が3つ、正式に結成されることになった。
一つはガトランティスの鹵獲艦である超巨大空母2隻を中心にして編成された第二航空艦隊、二つ目は此方も鹵獲艦であるメダル―サ級3隻を中心とした第三機動艦隊、そして三つめはゴストーク級を中心に構成される第一戦略艦隊である。
三艦隊とも鹵獲艦で構成されており、投降してきた艦や建造中の艦を防衛軍仕様に改造すると同時に地球独自の兵装を装備していた。また指揮官こそ地球人であるが兵の多くはガトランティスの元植民地兵と奴隷であった。
彼らは地球連邦に保護された後は民間人として生活する予定であったが、防衛軍が元植民地兵と奴隷を中心に志願兵を募集すると多くが志願したため、これらの艦隊に配属されたのだった。これらの鹵獲艦隊がすんなりと編成された背景には地球製の兵器を搭載したガトランティス艦隊をみたいと考えた転生者達と、1隻でも多くの艦艇を配備したいと防衛軍が考えており、双方の思惑が一致したためトントン拍子で計画が進んだためであった。とある転生者曰く「防衛軍がメダル―サ級配備とは面白い」とのことらしい。
そして3月14日、ガミラス派遣艦隊が帰国すると大量のデザリアム帝国軍艦艇の残骸が都市帝国残骸の研究施設に運び込まれた。この時、研究者達の目は光り輝いていたらしい。また派遣艦隊からの報告で、「現在の艦艇、特にドレッドノート級、マゼラン級とサラミス級以外では長期航海が厳しい」との報告を受け、艦製本部では次期主力艦の設計が完了していた主力戦艦、巡洋艦、駆逐艦の図面が防衛委員会と政府に提出され、建造許可を得るのだった。
さらに日は過ぎ4月20日、ついにグリーン・ワイアット中将発案の観艦式が月で実行されることになる。この日、月面基地に集結したのは春藍型戦艦2隻、アンドロメダ級戦艦7隻、アナンケ級戦艦7隻、戦艦バーミンガム、戦艦ヤマト、戦艦アマテラス、ドレッドノート級戦艦40隻、マゼラン級戦艦40隻、改ドレッドノート級戦闘空母5隻、イラストリアス級戦闘空母10隻、最新鋭の正規航空母艦であるエセックス級空母4隻、メダル―サ級戦艦3隻、巡洋艦以下多数という大艦隊であった。
まさに地球防衛艦隊主力艦隊の集結であり見学に来ていた者全てを魅了する艦隊だった。またガミラス共和国銀河方面軍在地球艦隊からも多数の艦艇が参加していた。そして観閲官となった防衛委員会委員長は旗艦の春藍型2番艦リヴァイアサンの艦橋で満面の笑みを浮かべていた。そこに軍に復帰したばかりの沖田艦長が話しかける。
「どうですかこの艦は」
「最高だよ。建造させて大成功だね」
沖田艦長の問いかけに対して委員長は笑みを浮かべながら答えた。委員長は今まで宇宙戦艦に乗艦したくてたまらなかったのだから嬉しくて仕方がなかった。
その後始まった観艦式では戦艦や巡洋艦が単縦陣を組みながら航行して行き、その優美で力強く勇ましい姿を観閲官である委員長や見物の一般人に見せていった。さらにこの観艦式はガミラス共和国、ボラー連邦を通じて映像と共に全宇宙へと発信されていった。多くの国が地球連邦という国家を認識し地球連邦が新たな星間国家としての道を歩み出したのだと認識した。そしてその認識は正しかった。
デザリアム帝国本星
「これが我がマゼラン方面軍を全滅させた地球連邦という連中かね」
聖総統は地球から全宇宙に発信されている観艦式の映像を見ながらそう尋ねた。
「はい、そのようですわね。しかもガミラスと同じく波動エネルギーを使用しているようです」
側近であるサーダはそう答えた。
「なるほど。では軍に伝えろ、地球侵攻の準備を進めろとな」
「わかりました。しかし銀河の大国ボラー連邦と国交を結んでいるようですが」
サーダは懸念事項を口にした。
「かまわん。ボラー連邦が出てきたらまとめて侵略してやる。だが保険は掛けておきたい。ボラー連邦に手出し無用と伝えておけ。それと軍には重核子爆弾とゴルバの使用も許可すると伝えておけ」
「わかりました。そのように」
「地球連邦にはマゼラン星雲での借りを返してやろう」
聖総統はそう言い、不気味な声で笑った。この時、聖総統は地球連邦を確実に陥落させられると確信していた。そして後日ボラー連邦は手出し無用を承諾するのであった。
またこの観艦式の映像はデスラーの元にも届き、デスラーは「強くなったものだ」と呟いたとされている。
そして観艦式終了後転生者達はいつもの料理店に集まっていた。
「観艦式、大成功でしたな」
「そうだな。私としては宇宙戦艦に乗れて最高だったよ」
委員長は嬉しそうな笑みを浮かべる。
「しかし、これで完全にデザリアム帝国は地球連邦に興味を持っただろうな」
「ですな。できれば無視していただきたいですが」
「それは無理だろう、我々はデザリアム帝国のマゼラン方面軍を殲滅したし、彼らの天敵である波動エネルギーを使用しているんだ。全力で潰しに来るぞ」
そう委員長が険しい表情をしながら言う。
「その時は返り討ちにするまでです」
副参謀がそう言い、続けて発言する。
「今回の観艦式には第一戦略艦隊や第一潜宙艦隊を出していませんし、メダル―サ級3隻の運用方法と改装内容も公開していないので大丈夫でしょう。それにアンドロメダ級8、9、10番艦の就役も近いですから、これらが戦列に加われば多少は安心できるでしょう」
この鹵獲改装艦であるメダル―サ級3隻は転生者そして防衛軍にとって虎の子の兵器であった、これらのメダル―サ級は土星沖で損傷し漂流していた1隻と都市帝国内のドックで建造途中であった2隻を防衛軍が接収し、艦橋と主砲をアンドロメダ級戦艦と同じ物に換装。そして波動エンジン2基を装備するなどの魔改造を受けて就役していた。また第一潜宙艦隊はガトランティスの潜宙艦を防衛軍がほぼコピーし建造した艦で現在3隻が就役していた。その装備は地球製破滅ミサイルを1発と魚雷でありステルス性も高い高性能艦であった。
「なるほど、ではデザリアム帝国来襲の際は頼みますよ」
転生者達はそう副参謀に言った。