サレザー星系での会談後、新たなる母星の探索に旅立ったデスラーは防衛艦隊の後を追い銀河系を目指した。
デスラーはガトランティス帝国に身を寄せて居ている間にも様々な情報を集めていた。その中にはガミラス民族の祖先とされるガルマン民族が銀河系に居るという情報もあった。その為、デスラーは銀河系を目指しガルマン民族との接触を図った。
そして銀河系に到達したデスラーはガルマン民族との接触に成功していた。しかし銀河系でのガルマン民族の立場は危ういもであった。
ボラー連邦との長期にわたる戦争によってガルマン民族の本星は陥落し、今や銀河系の辺境に追い詰められ、そこでボラー連邦に対して徹底抗戦している状態だったのだ。それを見たデスラーは指揮下の艦隊と共にガルマン民族の救援と本星奪還作戦を開始した。
「ガルマン人を救い出し、銀河系に新たな母星そして国家を建設する。そしてガミラス民族を救うのだ」
デスラーは側近であるタランにそう言った。
ボラー連邦とガルマン民族との戦闘に参戦したデスラーはまずガルマン軍の拠点に攻勢を仕掛けてきているボラー連邦軍を掃討すること第一の目的とし攻勢を開始した。
結果を先に述べると戦闘結果はガルマン・ガミラス連合軍の圧勝であった。
ガルマン軍の前線拠点に対して攻勢を仕掛けてきたボラー連邦軍に対してガルマン軍艦隊は徹底抗戦し激しい防衛戦を仕掛けた。
一方のデスラー率いる艦隊はガルマン軍艦隊に対して釘付けになっているボラー連邦軍艦隊の側面にワープアウトし得意の機動戦を仕掛けた。今回も格下相手だと思い最早戦勝気分であったボラー連邦軍は完全な奇襲を受け艦隊の態勢を立て直す時間すら与えられずガルマン・ガミラス連合軍を前に壊滅したのだった。そしてこの戦闘によってボラー連邦軍は対ガルマン戦線に投入していた艦艇の9割を失うという大打撃を受けたのであった。
想定外の大打撃を受け大混乱に陥っているボラー連邦軍に対してガルマン・ガミラス連合軍は更なる攻勢に出て次々とガルマン人が収容されている惑星やボラー連邦に支配されていた惑星を奪還していったのだ。
デスラー率いる艦隊の参戦から僅か10週間でガルマン・ガミラス連合軍は破竹の勢いで進撃しガルマン本星までの道のりにあるガルマン領の6割を開放していた。そして抵抗してくるボラー連邦軍を次々と血祭りにあげていった。
この戦果には最初は放浪の身であったデスラーに対して疑問を持っていたガルマン軍軍人もその手腕に感服し熱心なデスラー信者になっていた。勿論ガルマン軍軍人の中には『シャルバート信者が居なくなってしまう』と考える者もいたが今は憎き敵であるボラー連邦を叩き潰すことが最優先であった。
一方のボラー連邦首相であるベムラーゼは怒り心頭であった。
「なぜガルマン人などという弱小民族にここまでやられるのだ!」
ベムラーゼは軍高官に対して怒りをぶちまける。
「それが最近デスラー艦隊を名乗る勢力が加勢してきまして。各地で我が軍を打ち破っているのです」
軍高官が恐る恐る答える。
「デスラーか。聞いたことがある。確か大ガミラス帝国の支配者の男だったはず。だが大ガミラス帝国はガミラス共和国になりデスラーは失脚したはずだが」
ベムラーゼはそう言った。
「はいそうです。なぜ今になってガルマン軍に味方するのか銀河系似るのかは不明ですが、万が一地球やガミラス共和国が背後に居ると厄介であります。そこのところを確認して頂けないでしょうか」
軍高官はそう言う。
尤も軍高官の言うことは的を得ていた。地球やガミラス共和国が背後に居る可能性があると、地球方面に割いている戦力がガルマン・ガミラス連合軍方面に割けないのである。
「わかった。確認させよう。ただしこれ以上の敗退は許されんぞ。ゼニー合衆国との戦線にも影響が出かねんからな」
「わかりました」
軍高官はそう言うと下がっていった。この時、ボラー連邦は銀河各地に進出しており、銀河のもう一つの超大国ゼニー合衆国とも全面戦争をしており、戦力にはあまり余裕が無かったのであった。
(場合によってはガルマン戦線を縮小する必要があるな)
ベムラーゼ首相はそう考えた。
ベムラーゼ首相がそんなことを考えてから数日後、ガルマン・ガミラス連合軍は本星奪還の為の作戦を開始していた。この作戦にはガルマン・ガミラス連合軍の動員可能艦艇の大半がつぎ込まれた作戦であった。
戦闘は本星周辺で激しい戦闘が行われたが、ボラー連邦軍は艦艇数が少なく苦戦を余儀なくされていた。
この原因はゼニー合衆国が大規模な反攻作戦を開始したためガルマン戦線に投入するはずの艦艇がゼニー合衆国戦線に回されたためであった。その為、ガルマン本星守備のボラー連邦軍は圧倒的な数のガルマン・ガミラス連合軍の前に大苦戦し全滅したのであった。そしてガルマン本星総督府はガルマン・ガミラス連合軍の前に降伏したのであった。これによりデスラーは解放者としてガルマン人から歓迎された。
そしてこの日からデスラーはガルマン・ガミラス帝国建国の為の準備を始めることになる。さらにデスラーはガルマン領完全回復の為に軍を進めて行くことなる。
「どういうことだ!」
ベムラーゼ首相はガルマン戦線の軍高官に向けて大声で言い放った。
「ガルマン・ガミラス連合艦隊にいいようにされて、挙句の果てにガルマン本星を奪還されただと。さらにはガルマン人の領域を7割も奪還されるなど」
怒りに燃えるベムラーゼ首相を前にガルマン戦線の軍高官は顔を真っ青にしていた。
「もうお前に用などない。連れていけ」
ベムラーゼ首相はそう衛兵に言った。
「そんな。どうか首相お慈悲を」
軍高官はそう言うがベムラーゼ首相は聞く耳を持たなかった。そしてその日のうちに軍高官は処刑された。
「ゴルサコフ、やむを得ないがガルマン戦線を縮小せよ。ゼニー合衆国が本格的に攻勢に転じてきた。ゼニー合衆国に対して備えるのだ。この際ガルマンは後回しだ。それと軍備増強計画を前倒ししろ。艦隊を大拡張するのだ」
「はっ。了解しました」
ゴルサコフはそう言うとその場を去った。
これから数日後、ガルマン戦線のボラー連邦軍は元ガルマン領域から逐次撤退していくことになる。これによりデスラー率いるガルマン・ガミラス連合軍は凄まじい勢いでガルマン領の奪還をしていくことになる。また奪還と同時に撤退するボラー連邦軍に対しても激しい攻撃を加え、ボラー連邦軍に対して少なくない損害を与えることに成功するのである。その後、ガルマン・ガミラス連合は新たなる敵としてゼニー合衆国とも戦闘を繰り広げ領土を拡大していくのであった。