地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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変革

2204年8月10日、防衛軍では再び大規模な組織改正が行われた。理由は日々巨大化していく防衛軍をより効率よく運営し、尚且つ現場の意見を上層部に通しやくすると同時に軍備増強を効率よく行うためである。

 

組織改正内容は新たに防衛軍統括司令部を設置し、既存の防衛軍司令部を本土防衛軍司令部に変更、統括司令部の配下に収め、同時に防衛艦隊司令部は解体、防衛艦隊は統括司令部直轄となった。そのため本土防衛艦隊とシリウス・プロキオン方面軍はそのまま統括司令部の配下に異動した。ちなみに防衛艦隊が統括司令部直轄となったのは土方司令が防衛艦隊総司令と第一艦隊司令を兼任となっていたためである。しかも兼任の理由が指揮官クラスの人員不足であったのでこの組織改正は防衛艦隊にとっては喜ばしい事でもあった。

そして統括司令部発足と同時に防衛委員会は解散となり、委員会メンバーの多くは統括司令部の人員となった。勿論、防衛委員会委員長も異動という事で統括司令部総長となり防衛軍のトップになっていた。尤もこの組織改正は防衛委員会主導で行われたものであり、元委員長は会合の場で「ようやく直接防衛艦隊の指揮が執れる」と満面の笑みを浮かべながら嬉しそうに話していたらしい。

 

 

そして組織改正が行われた翌日、元委員長こと統括司令部総長の姿はルナツーに居た。

 

「これが防衛艦隊の次元潜航艦か。ガミラスのUX-01と全く同じだな」

 

総長はそう呟いた。

 

「えぇそうです。ガミラスからの技術供与とは言え、エンジンと船体外殻部の設計図を購入しての建造であり事実上のライセンス生産と変わりませんから」

 

そう横にいた開発責任者は言った。

 

「まぁ、その方が部品の融通も利くし問題はない」

 

そう総長は言ったが本心としては、エンジンはともかく外殻部については新たに設計し、新規に建造するつもりであった。

 

そして総長は視察が終わった後、6隻の次元潜航艦の艦長と乗組員の前で演説をした。

 

「諸君は地球連邦初の次元潜航艦の乗組員である。既にガミラス共和国の協力で操艦ついての知識を身に着けていると聞いているので私としては何も不安がない、そこで諸君にはこの艦で更なる技術を身に着け、今後就役するであろう地球独自の新型次元潜航艦でもその実力を十二分に発揮できるようにしてもらいたい。そのためにもこれら6隻の艦でしっかりと任務を全うし生きて戻ってきてもらいたい。以上」

 

総長の演説が終わると乗組員は各艦に乗り込みテキパキと出港準備をしていく、部長はそれを見ながら感心していた。

 

(彼等なら大丈夫だ)総長はそう思った。

 

それから1時間後、6隻の次元潜航艦は哨戒任務のためにルナツーを出港、太陽系外縁へと向かっていった。

 

そして次元潜航艦がルナツーを出港した同時刻、ソロモン基地より2隻の艦が護衛のレパント級フリゲート4隻を伴い公試の為出港していった。この2隻は迅鯨型次元潜航艦救難母艦であり次元潜航艦就役に伴い開発された艦である。現在1番艦と2番艦が就役しており、それぞれ迅鯨とオートランと命名されていた。

 

 

こうして防衛艦隊に新型艦が加わる中、防衛艦隊では艦隊再編が行われていた。

内容は主力艦隊を現在の15個艦隊編成から18個艦隊編成に拡大し機動艦隊も4個艦隊編成に拡大していた。この機動艦隊の内、第三機動艦隊はガトランティスの鹵獲艦から編成されていた。また航空艦隊もエセックス級空母就役に伴い4個航空艦隊編成へと拡大、その内、2個航空艦隊はエセックス級空母5隻を中心に編成されており、艦載機は有人機と開発が進み時間断層工場の自己増殖AIと連動した自立型AI搭載無人機でありその打撃力は強力であった。特に第一空艦隊はガトランティスからの鹵獲艦である超巨大空母(アポカリクス級)2隻とナスカ級2隻で構成され、超巨大空母はスペリオルと大鳳と命名されており、その艦載機数は防衛艦隊屈指のものであった。なお防衛艦隊に就役するに際し甲板の回転機能は撤去された。ちなみにこれまでの第一航空艦隊は解散せず名称変更をし、第四航空艦隊となっていた。

 

またその他に鹵獲や地球仕様にして建造したゴストーク級とその護衛艦からなる戦略艦隊が2個艦隊、マゼラン級戦艦3隻と数隻のレパント級フリゲートからなる打撃艦隊を5個艦隊から8個艦隊へ、パトロール艦隊を8隻編成で12個艦隊から20個艦隊へ、無人哨戒艦隊は村雨改型1、磯風改型3の編成はそのままにして40個艦隊編成へ、船団護衛艦隊は8隻体制で20個艦隊編成へ、そして特殊艦として潜宙艦が8隻、次元潜航艦が6隻就役しており、潜宙艦は4隻で1個戦隊を編成していた。また次元潜航艦救難母艦やコロンブス級改造の明石型工作艦やコロンブス級多目的艦などの後方支援艦隊の増強、各基地や惑星駐屯艦隊の新設、地球軌道艦隊の再編、各州が建造した戦艦の各艦隊への配属そして独立機動艦隊ロンド・ベルの発足など大規模なものが行われた。

 

この時点で防衛艦隊の総数は二千隻を軽く超えていた。しかし人員不足は続き、徹底的な省力化と量産型アナライザー、地球版ガミロイドの艦艇への配属、多数の無人艦の就役、配備が行われていた。これだけの勢力拡大は連邦議会による防衛軍に対する予算優遇と時間断層、そして圧倒的な工業力による造船能力の強化が影響していた。その圧倒的な工業力は転生者達が長年にわたり積み上げてきた成果だった。

 

そんな中、防衛艦隊の大変革と同時に統括司令部では対デザリアム帝国の作戦立案が総長や転生者主導で進められており、作戦内容も固まりつつあった。また防衛艦隊では無人哨戒艦隊をこき使い、太陽系外縁部分以遠やシリウス・プロキオン星系までの星系付近、航路を徹底的に監視しており僅かな異変も見逃さないようにしていた。また各空母は随時ドック入りをし、物質転送装置の装備と対空砲の増設が行われていた。さらに艦政本部では地球独自の本格的な次元潜航艦の設計が進められていた。

 

 

そして統括司令部総長となった元委員長は執務室で報告書を読んでいた。

 

「ふむ、アンドロメダ級5隻は今年中に同時に就役可能か、それに次期主力戦艦に巡洋艦、駆逐艦の追加建造予算は可決、今年中もしくは繰り上げれば9月中の就役が可能、さらに主力艦隊増強計画も順調。問題ないな」

 

すると秘書(転生者)が話しかける。

 

「よくもまぁ議会がこの無茶苦茶な建造計画に許可を出しましたね」

「まぁデザリアム帝国の事もあるし、ガトランティスも滅んだわけではない。それにボラー連邦は完全には信用できない、頼りになるのはガミラス共和国だけ。しかし急激な侵攻の時は援軍の到着が遅くなるし在地球艦隊だけでは心もとない。となると必然的に自分達で軍備を揃える必要があるからね。議会もこれを十分わかっているから許可したんだろう」

 

総長は報告書を見ながら言う。

 

「なるほど、しかし味方が少ないのは辛いですね」

「あぁ、まったくだ」

 

地球に味方が少ないことを少し彼らは悲しんだ。

 

 

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