デザリアム帝国本土防衛艦隊を粉砕した第一連合艦隊の前には機械惑星であるデザリアム帝国本星がその姿を表していた。
デザリアム帝国本星宙域 第一連合艦隊旗艦リヴァイアサン
デザリアム帝国本星がその真の姿を表して数分、旗艦リヴァイアサンにヤマトと地球本土からほぼ同時に通信が入った。
第一連合艦隊旗艦リヴァイアサン
「沖田司令、ヤマトの真田技術長と地球本土より通信です」
「わかった。先にヤマトの真田技術長をモニターに映せ。地球との通信回線は開いて少し待ってもらえ」
沖田がそう言うとモニターに真田が映った。
そしてモニターに映った真田は間髪入れずに説明を始めた。
「沖田司令、地表は見せかけの作り物であれが敵の本体です。素材は全て力場でコーティングされた超金属で、波動砲をもってしてもダメージは与えられないでしょう」
「なるほど」
沖田は頷きながらそう言った。
「問題はあの中心部です。この宙域を包むダイソン球殻状のガスから、あの中心部に向かってものすごい量のエネルギーが流れ続けています。十中八九、敵の司令部はあそこにあるとみていいでしょう」
「なるほど」
「因みに攻略方法はテレサによると内部の人工都市中枢部の破壊だそうです。突入方法は南極もしくは北極の入り口から突入で、内部の都市中枢部への波動砲攻撃をおこなえば勝てるでしょう」
「わかった。少し作戦を考えてみよう」
真田の説明を聞いた沖田がそう言いヤマトとの通信を切断し地球との通信を行おうとした時、突如通信網に聖総統スカルダートが割り込んできた。
「勇敢なる地球艦隊よ、我が本土防衛艦隊を壊滅させたお手並みお見事であった。だが悪あがきはもうやめた方がよい。貴様らの波動砲ではこの星を攻撃しても意味は無い。おとなしく降伏するか地球へ帰れ」
スカルダートはそう強気で言った。内心は本土防衛艦隊をあっという間に壊滅させた地球艦隊に驚いてはいたが、波動砲をもってしても傷一つ付けられない本星の存在が彼を強気にさせていた。
一方、沖田は黙ってスカルダートの言葉を聞いていたがスカルダートの「地球へ帰れ」の後に口を開きとある言葉を口にした。 「バカめ」 沖田はそう言ったのだ。
「今、なんと言った」
スカルダートは怒りに満ちた顔で言った。
「バカめと言ったのだ。我々は降伏も撤退もせん!」
沖田はそう力強く言った。そして覇気すらも感じられるその言葉を聞いた艦橋要員の顔には少し笑みが浮かんでいた。
「そうか、ならば何もできずそこにいるのだな」
スカルダートはそう笑いながら言い通信を切った。
「通信兵、先程から通信を送ってきている統括司令部との通信は繋がっているな」
「はい。パネルに出します」
そしてパネルには統括司令部の司令室に居る総長が映った。
総長は第一連合艦隊からのデザリアム帝国本星への攻撃開始の一報を受けると、とある兵器の準備をさせてから第一連合艦隊に通信を送ってきたのだ。そして通信は繋がったものの沖田司令がヤマトとの通信を優先したため今の今まで話を聴いているだけであった。
「沖田司令、状況は全て聞かせてもらった。ここは我々が力を貸します」
「それはありがたいです。しかしどうやってですか」
沖田はそう尋ねた。
「沖田司令、我々は第一連合艦隊出撃後にエネルギー転送装置を用いた強力な兵器を完成させました。コロニーレーザーを利用した超強力な波動砲です」
「なるほど。ですがどうやって敵本星内部に波動砲を命中させるのですか」
「それは簡単です。真田技術長の説明にあった敵本星南極の入り口をヤマトに乗艦しているテレサの力で開けてもらってください。後は南極付近の位置データさえ艦隊から送って頂いたら此方が攻撃します」
「了解しました」
総長の説明を聞いた沖田はそう短く返事をした。
ヤマト艦橋
「ということでテレサさんお力を貸して頂けませんか」
沖田は総長からの作戦を伝え、テレサに助力を願った。
「勿論、お貸しします」
テレサはそう答えた。
「ありがとうございます。それでは作戦を開始します」
沖田はそう言うと頭を下げた。
この時刻を持ってデザリアム本星破壊作戦は始まった。
地球・統括司令部司令室
「エイブルス中将、システムの状況は」
統括司令部に居る総長はそう言いシャイアン基地に居るエイブルス中将に状況を尋ねた。
「はい。システムの準備は万全です。後は第一連合艦隊からの位置情報を測的支援艦久里浜に入力して転送位置を指定したら何時でも撃てます」
モニターに映るエイブルス中将はそう言った。
「了解した」総長がそう返事をした瞬間、「第一連合艦隊から敵本星、南極の入り口と付近のデータ届きました!」とオペレーターの一人が大声で報告してくる。
「わかった。そのデータを直ちにシャイアン基地に送れ!」
「了解しました」
総長がそう命令するとオペレーターは直ちにデータをシャイアン基地に送った。
北米・シャイアン基地
「統括司令部より第一連合艦隊からの位置データ届きました」
「測的支援艦久里浜にデータ入力開始」
「システム、核パルスエンジンによる姿勢制御開始」
「射線上の安全確認急げ!」
シャイアン基地内ではオペレーターの声が忙しく飛び交いシステムの発射準備が急がれていた。
第一連合艦隊旗艦リヴァイアサン
「位置データ送信完了」
「敵本星の南極入口開放まであと5分」
「了解した。入口開放時間を地球に打電」
沖田はオペレーターの報告を聞きつつ地球への打電を指示した。
シャイアン基地
「データ入力完了。測的支援艦久里浜射線上より後退」
「敵本星、南極入口解放まであと5分」
「護衛のロンド・ベル艦隊退避完了」
「エネルギー転送装置正常に作動」
「掃射時間は1分で設定」
「システム、エネルギー増幅装置正常に作動」
基地内には慌ただしくも淡々とオペレーターの声が響いていた。
統括司令部
「エイブルス中将、5分後にシステム発射10秒前だ」
「了解しました」
総長はそうモニターに映るエイブルス中将に言った。それに対しエイブルス中将は短く返答すると総長からの命令を実行すべく部下に命令をだした。
そして5分はあっという間に経つのだった。
第一連合艦隊旗艦リヴァイアサン
「今から南極の入口を開放します」
モニターに映るテレサはそう言った。
「よろしくお願いします」
沖田はそう言った。
そしてデザリアム本星南極の入口はテレサの力によってゆっくりと開いた。
「南極の入口、開放しました」
「地球に打電{南極の入口は開いた}と。それと全艦超長距離連続ワープでの離脱準備だ。離脱後の集結座標も送れ」
オペレーターの報告を聞き沖田はすかさず命令した。勿論離脱後の集結座標も添えていた。
「了解。地球及び全艦に打電します」
デザリアム本星
一方、南極の入口が勝手に開いたデザリアム帝国本星は大混乱であった。デザリアム帝国本星への侵入口であり、弱点を晒している訳であるから混乱するのも仕方が無かった。
「聖総統、南極のゲートが勝手に開いています」
サーダは驚きながらそう言った。
「なっ、何が起こっている」
スカルダートは驚きの声をだした。その表情は明らかに困惑していると分かる表情であった。
「ダメです。こちらの操作を受け付けません!」
兵士も困惑した顔と声で報告する。
「なんだとぉ。早く原因を突き止めろ」
スカルダートはそう言ったが誰にも原因は分からない。それもそのはずである、まさか地球艦隊に超能力者が居てその超能力でゲートが開けられているなんて想像できるわけがなかった。
統括司令部
「第一連合艦隊から入電、南極の入口開放です」
「よし、システム掃射10秒前。カウントダウンスタート」
オペレーターの報告を聞き総長は机にあるシステムの発射ボタンを押した。すると司令室にカウントダウンのアナウンスが始まった。
「10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…0、発射」
次の瞬間モニターに映るコロニーレーザーの砲口が青白く光り、巨大で凶悪な波動砲は発射された。
コロニーから発射された波動砲は試射の時と同じくコロニーから200キロ離れた地点でエネルギー転送装置の影響を受け、遥か彼方のデザリアム本星南極入口付近まで転送された。
第一連合艦隊旗艦リヴァイアサン
「南極入口手前50キロに重力震確認」
オペレーターがそう報告した瞬間、波動砲は転送されてきた。そして狂いなくデザリアム本星の南極入口に入っていった。
そしてデザリアム本星内部に入った波動砲は通常の波動砲のエネルギーを遥かに超えるエネルギーで突き進み、途中にあった中和バリア用のエネルギー伝達衛星を瞬時に破壊し内部にある水晶都市に命中し都市を串刺しにした。水晶都市の中和バリアはエネルギー伝達衛星が破壊されたため機能しなかったのだ。そのまま波動砲はデザリアム帝国本星を貫き北極側の入口から残りのエネルギーは出ていった。
「ぬわぁぁぁぁぁぁぁ」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」
スカルダートとサーダはそう叫びつつ波動砲のエネルギーの濁流に飲み込まれ消滅した。
第一連合艦隊旗艦リヴァイアサン
「敵本星中枢部で大規模な爆発を確認!」
「波動融合反応始まった模様!」
「うむ、全艦超長距離連続ワープで直ちに離脱!」
オペレーターからの報告を聞き沖田はそう大声で命令した。
「了解、全艦超長距離連続ワープ」
オペレーターがそう全艦に伝達し艦隊はすぐさまエンジンを全開に回し離脱していった。
この日、デザリアム帝国本星はコロニーレーザーの波動砲の直撃を受け、波動融合反応を起こし消滅した。そして二重銀河は崩壊した。