地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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ヤマト公開記念にもう一話投稿します。


増える戦力

年が変わり2205年1月10日、8隻の戦略指揮艦が就役した。

5隻のアンドロメダ級戦艦と3隻の春藍型戦艦である。

 

時間断層工場で建造されていたこれらの艦は同時期に建造されていた艦艇たちと共に即日時間断層工場を出港し、訓練宙域へと向かった。因みにこれらの艦の就役式典は行われなかったものの、アンドロメダ級5隻はホルス、スガンダ、テュール、アレース、アポロと命名され、春藍型3隻は建御雷、オーディン、アンドラステと命名された。

 

また同時期に機動艦隊4個艦隊をはじめとし、パトロール艦隊の艦艇なども揃いビンソン計画は一応の完成を迎え、ボラー連邦との建艦競争で計画された遊撃艦隊9個艦隊の艦艇も揃っていた。

 

また第一連合艦隊に参加した改サラミス級がデザリアム反攻作戦で戦果を挙げたため、急遽改サラミス級を中心とする戦略艦隊が2個艦隊整備されていた。

 

因みに遊撃艦隊とは、改トラファルガー級空母3隻と護衛のサラミス級6隻、秋月型駆逐艦A2タイプ12隻からなるモビルスーツ専門の運用部隊であり、情勢に合わせて主力艦隊などの他艦隊とも行動を共にとれるようになっている部隊である。艦隊の中核を担う改トラファルガー級は1隻当たりには30機のモビルスーツが搭載可能であり艦隊全体では90機ものモビルスーツの運用が可能である。

 

このように防衛艦隊の戦力増強は著しいものであり、主力艦隊30個化計画は完成、遠距離遊撃打撃艦隊は7個艦隊編成に拡大しており、正に時間断層工場と地球連邦の造船能力に物を言わせた増強ぶりであった。

また第二次ビンソン計画の計画艦艇も3月中もしくは以降に順序就役予定である。その増強は恐ろしい勢いであり、ボラー連邦は地球連邦に対して警戒感を持っていた。さらに輸出用の艦艇の建造も凄まじい勢いで進んでいた。

 

 

 

その頃、総長執務室では総長が書類と睨めっこしていた。

 

「いくらなんでも多いな」

 

総長はそう呟いた。

 

「仕方ありません、第二次ビンソン計画で大々的に各国に向けて販売すると宣言したんですから」

 

秘書がそう言う。

 

「しかし多すぎる、主力艦隊が何個も作れるぞ。まずハイス公国からマゼラン級30、サラミス級110、レパント級220、コロンブス級150、セイバーフィッシュ2000機。ゼークト王国からはマゼラン級10、サラミス級24、レパント級30、コロンブス級4、セイバーフィッシュ180機。アマール王国からはマゼラン級5、サラミス級8、レパント級12、コロンブス級6、セイバーフィッシュ250機だ。そして極めつけのオーラス連邦はマゼラン級50、サラミス級130、レパント級240、コロンブス級100、セイバーフィッシュ1500機だ、正気かと思うくらいだ。他にも幾つもの国からの購入打診があるから数はもっと膨れ上がるぞ。というかこれだけの国が銀河系に存在していたなんて想定外だ」

 

総長は呆れた顔でそう言うと書類を机の上に置いた。

因みにオーラス連邦が大量に購入を打診してきた理由には仮想敵国であったゼニー合衆国がボラー連邦とガルマン・ガミラス帝国にボロ負けしており、ゼニー合衆国相手を想定した自国の艦艇ではボラー連邦と戦えないと分析したからである。

 

(正気かと思うのは我が国の防衛艦隊増強スピードも同じじゃないですか)と秘書は突っ込みたくなったが言葉には出さず心で思うだけにした。

 

「まぁいいじゃないですか。各国がこうやって購入してくれるならそれだけでボラー連邦に対する牽制になりますし、万が一ボラー連邦と戦争になっても幾らでも支援を受けることができます。それに我が国の国庫も少しは潤いますし」

「まぁそれもそうか。それに建造も始まっているし、時間断層工場では第一陣も完成しているから今更仕方ないか」

 

秘書の言葉を聞き、総長はそう言って呆れた顔も消し飛ばしていた。

 

「だが、戦時でも無いのに戦争中みたいな忙しさだな」

「そうですね」

 

総長の呟きに秘書も同意した。

実際、今の地球連邦の武器生産工場は戦時中のような忙しさであった。

 

造船所では24時間ひっきりなしに軍艦が建造され、航空機生産工場ではセイバーフィッシュや最新鋭戦闘機コスモタイガー3が生産されていた。このコスモタイガー3はコスモタイガー2と見た目は同じではあるが運動性能、ミサイル搭載量がコスモタイガー2より格段に上がっており、2204年の10月から生産が始まっており、既に艦載機は全てコスモタイガー3に置き換わっていた。

 

一方のセイバーフィッシュは防衛軍の前身である地球圏艦隊が運用していた艦載機であり、現在の防衛軍では運用されていなかったが、第二次ビンソン計画に基づく武器輸出計画の一環で生産ラインが再整備され2204年12月末から自動化生産工場が稼働していた。このセイバーフィッシュは運動性や稼働率が悪くなく、25㎜機関砲以外に3連装ミサイルランチャーを4基装備しており対空対艦戦闘も可能であり旧式化したとはいえ強力な多用途航空機であった。

 

「まぁおかげで失業率も驚異の低さになっていますし、造船業や資源採掘業関連は大忙し、それに連動して造船所建設などで建築業など一部の産業が過去にない成長率をたたき出しているようですからこの忙しさでいいんじゃないですかね」

 

秘書はそう言った。

 

「確かに国内経済やガミラス共和国、ガルマン・ガミラス帝国やその他の諸国との貿易は絶好調だ。だが軍事関連だけが儲かり続ける産業構造にはしてはならんのだ」

 

そこまで言うと一息ついた。

 

総長は軍のトップであると同時に地球連邦の産業構造が軍需中心になることを警戒していた。現在の地球連邦の産業構造は民需が中心だが度重なる戦争と軍備増強により軍事関連もそれなりに成長していた。そして民衆も軍備増強を歓迎していた。それが地球連邦の安全保障、独立をより強固なものにしている為だ。しかし軍備は再生産能力が無い、そのため総長は軍事関係が産業の中心にならないように関係各所との調整に悩まされていた。

閑話休題

 

そして一息ついた総長は言葉を続けた。

 

「それとボラー連邦との貿易はあまりよろしくないようだ。向こうが関税を高くしてきたらしい。あとここ最近のボラー連邦の動きから見てあの首相が地球連邦の動きを黙って見ているとは思えん」

 

総長はそう言うと、椅子を回し窓に映る風景を眺めながら呟いた。「何も起こらなければいいのだがね」と。

 

 

同日、アステロイドベルト宙域

 

ここアステロイドベルト宙域では輸出用艦艇第一陣の艦艇が訓練していた。

第一陣の艦艇を受領したのはアトラス共和国のマゼラン級3、サラミス級10、レパント級20であった。これらの艦艇はアトラス共和国が纏めて購入を打診したものであり、比較的数が少なかったことから第一陣として建造され引き渡されたばかりであった。そして今は春藍型戦艦などの今日就役したばかりの艦艇と共に訓練していた。

 

 

マゼラン級アラステ

 

「艦長、あの戦艦デカいですね」

「あぁ、いつか祖国もあれ程の巨艦を建造できると良いな」

 

アトラス共和国に輸出された艦隊の旗艦アラステ艦橋では、艦長と副長は標的に向けて砲撃する春藍型戦艦タケミカヅチを見ながらそう話していた。

 

そしてこの日を皮切りに、輸出用艦艇は続々と完成し、各国から乗組員が送り込まれ防衛艦隊との共同訓練を実施してから、それぞれの祖国防衛の為に太陽系を後にしていくのであった。

 

そんな中、一つの大規模な艦隊が太陽系を後にし、一路バラン星へと向かって行った。

 




ヤマトという時代とても面白かったです。
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