地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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大国の崩壊

ゼニー合衆国。それは銀河系西部にあった超大国である。しかし現在は宿敵であるボラー連邦と新たなる敵であるガルマン・ガミラス帝国に攻撃され最早かつての力は残っていなかった。

 

 

ゼニー合衆国本星

 

「なぜだ!なぜ我が軍はここまで負けるのだ!」

 

ゼニー合衆国本星首都にある大統領執務室ではゼニー合衆国大統領ロズベルトが頭を抱えていた。

 

ゼニー合衆国軍はボラー連邦との戦争では比較的有利であった、しかし攻勢に失敗しその後はボラー連邦領への足掛かりになる拠点であるイワーハ星系を占領され駐留していた主力艦隊は壊滅した。

 

だがそこまではゼニー合衆国にとっては許容範囲であった、本国では新鋭艦が続々と就役し戦力は直ぐに回復し、イワーハ星系奪還も可能と軍部や大統領は考えていた。そこへ突如新たなる敵として現れたのがガルマン・ガミラス帝国であった。

 

突如出現したガルマン・ガミラス帝国と名乗る勢力は手薄だったゼニー合衆国東部を次々と占領、ガルマン・ガミラス領として併合していった。

勿論、ゼニー合衆国軍司令部も黙って傍観していたわけではなかった。ゼニー合衆国はガルマン・ガミラス軍に対して攻勢に出る前に情報を集めたその結果、多くの情報が集まった。

 

1、ガルマン・ガミラス帝国はガルマン人と大ガミラス帝国元総統デスラー率いる勢力が合流した勢力である。

2、ガルマン・ガミラス帝国はボラー連邦とも戦争をしている。

3、新興勢力であるが非常に強力な戦力を保有している。

4、ボラー連邦軍はガルマン・ガミラス帝国軍との戦闘で疲弊している。

等々

 

これらの情報をゼニー合衆国情報部は短期間で集めた。

そしてボラー連邦軍は疲弊しているとの情報は最近ボラー連邦軍の動きが明らかに低調になっていた為、事実だと確信した。実際この時期、ボラー連邦軍はガルマン・ガミラス帝国軍にボロ負けしており主力艦隊はガルマン・ガミラス戦線に投入されていた。また地球連邦が勢力を急激に伸ばしていた時期であり、地球連邦方面にも軍を割いておりゼニー合衆国方面には警戒艦隊しか残っていなかったのだ。

 

そしてゼニー合衆国方面のボラー連邦軍が非常に少数であることを確認したゼニー合衆国軍は再建され新鋭艦で編成された主力艦隊をガルマン・ガミラス帝国軍に差し向けたのだ。その数カロノス級戦艦40、オイワ級戦艦20、スプワ級空母10、チルボモ級大型巡洋艦80、エレス級空母40、ランド級巡洋艦50、リング級駆逐艦200というゼニー合衆国建国以来初の大艦隊を派遣したのだ。そしてこの大艦隊を率いるのはゼニー合衆国内では名将と言われるミッツ大将が率いた。

 

ミッツ大将率いる艦隊はガルマン・ガミラス帝国軍ヒステン・バーガー師団と激戦を交え2度に及ぶ攻勢を押し返した。だが攻勢を押し返してもそのまま追撃するような戦力は残らず、ミッツ大将率いる艦隊は常にヒステン・バーガー師団に対して守勢に回っていた。それでも2度に渡る攻勢を乗り切った為ゼニー合衆国軍内ではこのまま勝てるという空気が蔓延していた。しかし3度目のガルマン・ガミラス帝国軍ヒステン・バーガー師団の攻勢は凄まじかった。デスラー総統に「次は無い」と言われたヒステン・バーガーは自ら指揮を取り、師団全力で攻勢を仕掛けてきたのだった。

 

この攻勢はゼニー合衆国、ガルマン・ガミラス帝国双方の国家の今後の命運を掛ける戦闘となり苛烈を極めたが最終的な軍配はガルマン・ガミラス帝国ヒステン・バーガー師団に上がった。

 

ミッツ大将率いる艦隊は1隻残らず轟沈し、ミッツ大将も戦死(実際はガルマン・ガミラスの捕虜)になったのであった。この戦闘でゼニー合衆国軍は持てる機動戦力の大半を失うことになった。その後、勢いに乗るヒステン・バーガー師団は攻めに攻め、怒涛の進撃を行い、次々とゼニー合衆国領を占領し、今やゼニー合衆国本星目前までに迫っていた。

 

 

ゼニー合衆国本星

 

「どうする。栄えあるゼニー合衆国が降伏するなど許されるのか!」

 

大統領はそう吠える。

 

「しかし、最早どうにもなりません」

 

側近がそう言う。

 

「大統領、既に我が国の主力艦隊は壊滅しました。ミッツ大将も行方不明です。現在本国艦隊が戦闘しておりますが、どうなるかは…」

 

ゼニー合衆国軍参謀長はそう言った。

 

「ぐぬぬ」

 

大統領にとって良い情報は何もなかった。そこへ大統領執務室の扉が勢いよく開かれ、一人の兵士が入室してきた。そして兵士は参謀長に耳打ちした。それを聞いた参謀長の顔はみるみる絶望に溢れた表情に変わっていった。

 

「大統領、落ち着いて聞いてください。本国艦隊はガルマン・ガミラス帝国軍に敗れました。現在ガルマン・ガミラス帝国軍からは無条件降伏するように電文が放たれております」

 

そう伝えた参謀長はぐったりとうなだれた。その顔は今にも泣き出しそうでもあった。

 

「そうか」

 

大統領はそう呟き、数分考えこむと何かを決意した表情で言った。

 

「諸君、我が合衆国はガルマン・ガミラス帝国に降伏する。今までご苦労であった」

 

大統領がそう言うと大統領執務室に居た者は涙を流す者、ぐったりと椅子に座り込むものなど様々であった。

 

この日、ゼニー合衆国はガルマン・ガミラス帝国ヒステン・バーガー師団に降伏し、ゼニー合衆国はガルマン・ガミラス帝国に併合された。

 

 

 

地球

 

このゼニー合衆国降伏のニュースはすぐさま転生者達の耳に入った。

 

総長執務室では総長がゼニー合衆国降伏の報告を受けていた。そして秘書が退室すると呟いた。

 

「ゼニー合衆国はヒステン・バーガー師団に降伏したか。原作通りだな」

 

総長はそう呟くと、引き出しに締まってあった書類を出した。

 

「いよいよ、この計画が実現する。だがこの計画の成功はボラー連邦との敵対を意味する物になるかもしれんな。しかしこの計画は地球連邦の繁栄の為には必要だ、ボラー連邦と敵対しても仕方ないか」

 

総長はそう独り言を言うと窓の外を見た。

 

 

 

その頃、銀河系のボラー連邦やガルマン・ガミラス帝国の支配下を除く各地から艦隊が続々と出撃していた。

 

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