地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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報告会

統括司令部会議室

 

慌ただしくなっている統括司令部のとある会議室には、何人もの人物が集まり会議を開いていた。

 

「現在、シャルバート星宙域では第十主力艦隊及びヤマト型3隻とガルマン・ガミラスのデスラー親衛艦隊がボラー連邦艦隊と睨み合っております。第十主力艦隊からの報告ですとボラー連邦艦隊に撤退の気配は無いとのことです」

 

そう報告したのは急遽用意された、シャルバート星方面対策部長であった。

 

「そうか。武力衝突は確実だな」

 

会議に参加している一人がそう言った。

 

「はい。武力衝突は確実とみなし、現地部隊は臨戦態勢を常に取っています」

 

対策部長はそう返した。

 

「そう言えば、ヤマト型の3隻には、少なくない数の新兵が乗艦していると聞いているが大丈夫かね」

 

そう発言したのは本土防衛軍の芹澤参謀長であった。

事実、ヤマト型3隻には土門竜介を始めとした新兵が乗艦していた。

彼ら新兵は防衛大学の優等生であり、デザリアム戦役時の繰り上げ卒業生に選ばれていたが、デザリアム戦役が早期に終了したため終了後はヤマト型3隻の人事異動に伴う補完要員として乗艦していた。そして今回、彼らは訓練から帰還し待機していた時に出撃命令が発令され前線に送り出されていた。

 

因みにヤマト型3隻の人事異動では真田技術長が正式に防衛軍技術研究所に移動したり森船務長が補給母艦アスカ艦長、徳川機関長が防衛大学校の教師に移動したりしている。

 

「確かに懸念事項ですが、最近は第五主力艦隊や第一主力艦隊との実戦に近い演習を繰り返していたので大丈夫でしょう。尤も新兵を実戦に送り出すのは心苦しいことです。ただヤマト型3隻に対して先日発信された新兵乗艦を理由とした帰還可能に対する返答には新兵が帰還反対を申し出たとの報告ですので、私は彼らが無事に帰還してくれることを願ってます」

 

対策部長はそう言った。

事実、ヤマト型3隻に乗艦している新兵は新兵乗艦を理由とした帰還に反対すると上官に申し出ており、退艦を希望する者も居なかった。

 

「そうですか。ならば私は何も言えませんな」

 

芹沢参謀長はそう言った。

その後、対策部長は「質問は無いでしょうか」と聞いたが質問する者は居なかった。そして対策部長が「報告は以上です」と言うと続いて芹沢参謀長が発言した。

 

「本土防衛軍からの報告ですが、本土防衛軍は既に臨戦態勢を整えており開戦と同時に統括司令部指揮下に入れる準備ができております。また各地の治安維持部隊も万が一に備えて待機しております。短いですが私からは以上です」

 

芹沢参謀長は手短に発言した。これについても誰も質問はしなかった。

尤もこの報告は事務連絡みたいなものであり、芹沢参謀長としても状況報告をするだけであった。

 

「では次は造船部門から報告します。現在ブルーノア級3隻の建造を急ピッチで進めております。また長期戦を想定し、通商破壊作戦を実施する艦艇も建造しております。更に以前から計画されていた新型軽巡洋艦の建造を開始しており、この軽巡洋艦はロンド・ベル隊に配備されている4隻の村雨改型軽巡洋艦のデータを基に開発した艦艇で、秋月型駆逐艦の船体を若干拡大した艦艇です。武装は15.5㎝3連装砲を前部2基、後部1基、艦底部1基、10㎝連装砲を片弦2基の両舷合わせて4基、連装対空パルスレーザー20基、艦首ミサイル発射管6基、VLS及びその他ソナーなどを装備しております。なおこの軽巡洋艦の名前はブリストル級軽巡洋艦です」

 

この新型艦艇建造の報告には初耳だった者も多く「おぉ」と言った声が幾つも出ていた。

 

「他にも各種艦艇や補助艦艇の建造を進めております。造船部門からは以上です」

 

造船担当部長はそう言い締めくくった。

 

「では次は作戦参謀長の私から防衛軍の方針を説明します。現在、防衛軍は短期決戦を主軸とした作戦を実施予定ですが長期戦を予定した準備も進めております。各種物資の備蓄や今後予想される占領地への補給体制の確立も急いでおります。ただボラー連邦の出方によって方針は幾らでも変わる為、艦隊運用部門などの各部門とも連携を更に密にしていく予定です。私からは以上です」

 

作戦参謀長の説明を聞き、今後想定される長期戦に苦い顔をする者も居た。

長期戦となれば幾ら時間断層と言う魔法の壺があっても少しでも間違えれば地球や銀河連合にとって厳しい戦いも想定される為であった。

 

「では、次は時間断層管理部門からです。現在時間断層工場は3倍の時間が流れる第1層工場、5倍の時間が流れる第2層工場、7倍の時間が流れる第3層工場、9倍の時間が流れる第4層工場、10倍の時間が流れる第5層工場までが完成しております。ただ時間断層工場建設に関わっている土門ハイテックなどからの報告によりますと第5層より下の工場建設は技術的な面で危険が伴う可能性があるとのことです。これに関しては他の技術関係者も現状の技術で開発できるのは第5層までとの意見が多く有りますので安全性の観点から工場の建設は現在停止しております。以上です」

 

この報告にも一部から「おぉ」と声が上がった。時間断層工場の強化は地球の経済力、技術力、軍事力の強化につながる為であった。

 

その後も幾つも報告が行われ、ゴップ総参謀長からは各部門とも連携をより強化していくことや、些細なことも参謀本部に報告するようにとの命令も出された。

 

そして最後に総長が「地球や銀河連合勝利の為に各部門の努力に期待する」と言い会議は終了した。

 

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