地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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皆さんお久しぶりです。
先週に投稿予定でしたかコロナで寝込んでおりました。

それではどうぞ。


課題

 

アスターテ星系での戦闘終了後、統括司令部の総長室には二人の人物がいた。

 

「思ったよりやられたねぇ」

 

統括司令部の総長室でソファーに腰を深くかけた二人の人物、統括司令部総長とゴップ総参謀長は紅茶を飲みながら話していた。

 

「えぇ、このような事態を許したことを参謀本部としては事態を重く受け止めています」

 

ゴップ総参謀長はそう言った。

 

「なぁに、気にすることは無いよ。なんせドタバタしていたからね。死者が出なかっただけ良しとしよう。それに今も戦争の傍らせっせとやっているフロンティア計画による弊害でもある」

 

総長はそう言うと紅茶を一口飲み続けた。

 

「実際、参謀本部的には現状はどう思っているのかこの際聞いておきたい。前回の全体会議から短期間で状況が変わりすぎているからね」

 

総長は真剣な表情で問いかけた。

それに対してゴップ総参謀長は少し間を置き答えた。

 

「そうですな。やはり基幹艦隊の絶対数が不足しているという意見が参謀本部ではありますな。例えば今回のアスターテ星系での戦闘ですと、本来常駐もしくは守備戦力として回すべき艦隊がディンギル帝国やボラー連邦の奇襲に備えて太陽系や各地の防衛の為に止め置かれたのが大きな問題です。あとゼニー合衆国とガルマン・ガミラス帝国の北部戦線への艦隊派遣も少し影響してますな。参謀本部では新規建造艦が多数出揃うまでは短い期間とは言え辛い可能性が高いという意見が多いです」

 

そこまでゴップ総参謀長は言うと一旦言葉を区切り続けた。

 

「やはりワープという技術があると敵味方双方とも奇襲や強襲がしやすい為、どれだけ空間歪曲干渉装置や機雷源を設置しても完全には安心できず、常に奇襲などに備えて稼働可能な戦力の内の約3分の1を領土防衛の為に展開し、事実上の遊兵にしなくてはなりませんな」

 

ゴップ総参謀長はそう答えた。

 

事実、この時地球防衛艦隊はゼニー合衆国方面に2個艦隊の派遣してあり、更にただでさえ激戦が続く中、1個艦隊の総数約2000隻の艦艇数を誇るボラー連邦軍第3軍、第4軍、第5軍が追加で投入され銀河系最大の大激戦区となっているガルマン・ガミラス帝国北部方面にも支援の為数個艦隊を派遣しており、戦争初期からの軍事作戦と基幹艦隊が友好国へ駐留している事も含めれば自国領土防衛戦力が危険なレベルまで低下していた。なお更に面倒くさいことに、地球連邦とガルマン・ガミラス帝国は激戦の傍らガルマン・ガミラス帝国南部方面で友好国探し(地球の場合はフロンティア計画)という名の領土拡大合戦も繰り広げており、地球防衛艦隊からも一部の打撃艦隊が派遣され、更に遥々ガトランティス帝国から亡命してきて現在は帰化し、防衛艦隊編入までの間、暇を持て余していた亡命兵(元ガトランティス帝国植民地兵と奴隷兵)を急遽招集し特務艦隊を編成して領土を拡大していた。

閑話休題

 

「やはり戦力不足か。これに関してはもう少し辛抱してほしい。新規建造艦は近いうちにかなり出揃うし、予算に関しては政府と掛け合ってかなりの金額を用意して貰ったからあとは時間が解決してくれる。詳細は参謀本部に追って書面で伝えるよ。それと太陽系防衛戦力はどうなっていますかね」

 

総長はそう返答した。

 

「そうですか。その情報は参謀本部で共有しておきましょう。それと太陽系防衛戦力についてですが、幸い予備役保管状態の艦艇の現役復帰の目途が立ちましたので、これらの戦力を防衛任務に充てます。これにより現在の太陽系防衛戦力を幾らかは自由機動戦力に出来そうですな。まずは増強が近いうちに完了します第三主力艦隊を引き抜きます」

 

ゴップ総参謀長が言った予備役保管状態の艦艇は金剛改型や村雨改型軽巡洋艦などが多数あり、これらの現役復帰は足りない戦力の補完となる可能性が高かった。

 

「そうか。情報は政府に上げておこう。それと話は変わるが近いうちにハイス公国が大規模作戦を行うらしいのだが、万一の為に遊撃艦隊もしくは機動艦隊、本国艦隊でもいいから派遣してほしいと統合作戦本部から要請があった。どうかね」

「なるほど、おそらく可能でしょうが参謀本部で議論して早急に結論を出しましょう」

「苦しい状況だがよろしく頼む」

 

総長はそう言うと頭を下げた。

 

「構いません。仕事ですから。ところでこちらからも一つ情報があります。どうやら地球本星にネズミが入り込んでいるようですな。現在ジャミトフ大将が命令をだして対象をマークしていますがどうしましょうかね」

 

ここでゴップ総参謀長が言ったネズミとはボラー連邦の諜報員のことである。

 

「そうか。今は泳がせておいてくれ。ネズミが複数いるなら見つけ出して一網打尽にする」

「なるほど。ジャミトフ大将にはそう伝えておきましょう」

 

ゴップ総参謀長はそう返答した後、紅茶を飲み切ると総長室を退室していった。

 

 

 

統括司令部で総長とゴップ総参謀長が話をしている頃、ルウム宙域と呼ばれる地球圏の宙域には艦隊の増強が行われた第三主力艦隊が訓練のため展開していた。

 

この第三主力艦隊は増強が行われ、新たにドレッドノート級ヘイルダム、ハーゲン 長門型伊賀、常陸 バジリスク級レギオン、イリス マゼラン級トランクィル・ウィスパー、トライアドプリムス、フィオレンティナ、ブエナ・スエルテ、インテグラル、ソラリス 改トラファルガー級ヴァルチャー、ニョルズ、シボニー、クラ・ガルフ エセックス級ジョン・F・ケネディ、ドリス・ミラー エンケラドゥス級火力増強型カレ、カリコレ、ヘルセ、ディア、テミスト、カリュケ、ヘルセ、キレーネ サラミス級8、アラスカ級4、ブリストル級4、秋月型6、秋月型A2タイプ18、レパント級12という1個主力艦隊を超える艦艇数が追加されていた。

 

これは大将指揮の艦隊ということもあり大規模増強が行われたのであった。その為同時期に太陽系防衛が主任務となっている土方司令の第一主力艦隊はアンドロメダ級アルストロメリア、アダーラ、長門型2、改トラファルガー級2 エンケラドゥス級火力増強型6、アラスカ級4、サラミス級4、秋月型4、秋月型A2タイプ10、レパント級8が追加されていた。だが第三主力艦隊が大幅増強されたのにはもう一つの要因があった。それは大激戦区となっているガルマン・ガミラス帝国北部方面に派遣されるためであった。

 

しかしこれらはまだ防衛艦隊の大規模増強の始まりに過ぎなかった。

この後、地球防衛艦隊は驚異的な規模の艦隊増強が実施されて行くのであるのだが、この時はまだ誰も知らず、この増強された戦力がボラー連邦そしてボラー連邦傘下の国々、ボラー連邦陣営で参加した国家を震え上がらせることになるのであった。

 

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