地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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ハイス公国始動

第三主力艦隊が北部戦線へ到着した頃、大きな行動に出ようとしていた国家があった。それが銀河連合構成国の一つであるハイス公国である。

 

この国、ハイス公国は太陽系より少し大きな星系からなる小さな単一星系国家である。一方、国力は非常に高く千隻を超える数の艦艇を運用できるだけの国力を持っている。しかもハイス公国はただの単一星系国家では無い。かつては多数の星系を支配する星間国家であり、むしろ単一星系国家である現在が異常な状態であった。

 

かつては多数の星系を支配する星間国家であったハイス公国が単一星系国家になってしまったのは隣国のパラディアン皇国が原因であった。

 

少し前までハイス公国と隣国のパラディアン皇国の勢力は拮抗していたがパラディアン皇国がボラー連邦傘下に入るとパラディアン皇国はボラー連邦軍義勇軍と共にハイス公国軍を各地で破り、ハイス公国は多数の領土を失った。最後はハイス公国を守る最後の砦である宇宙要塞グラドでの決戦で辛うじて勝利し停戦まで漕ぎつけたのだが、その代償は大きく停戦条約では宇宙要塞グラドも失い、今現在国家が存続できているのが奇跡であった。

 

そして今、銀河連合構成国の一員としてハイス公国は再びボラー連邦陣営のパラディアン皇国との戦争が始まろうとしていた。だがハイス公国は停戦時と比べると地球連邦により大幅な強化がされていた。その筆頭が地球連邦に頼み込み建造したドゴス・ギア級の輸出型であるバーゼルガであった。

地球連邦に頼み込み建造したこのバーゼルガは宇宙要塞グラドの決戦で戦死したものの最終的には勝利への道を切り開いた将軍の名を冠しており、今回この艦はハイス公国艦隊旗艦として宇宙要塞グラド奪還作戦に参加していた。

 

 

ハイス公国艦隊旗艦バーゼルガ

 

「司令、作戦参加艦艇の集結が完了しました」

 

副指令が司令にそう報告すると司令は「うむ」と言い静かに頷いた。

 

今回行われる宇宙要塞グラド奪還作戦にはハイス公国宇宙軍の機動戦力の大部分が参加していた。

 

参加兵力は戦艦バーゼルガを総旗艦とし総旗艦直卒艦隊と第1から第8艦隊までの8個の主力艦隊、抽出戦力で編成された第1から第8攻撃隊までの攻撃隊、数少ない航空戦力である第1から第3までの空母艦隊、1個艦隊ガラン級フリゲート(ムサイ級後期生産型に酷似)12隻からなる護衛艦隊が10個艦隊、ガラン級10隻からなる哨戒艦隊が4個艦隊、他に強襲揚陸艦や揚陸艦が50隻以上という大兵力であり、ハイス公国の力の入れようが分かる陣容であった。

 

この大兵力を旗艦バーゼルガの艦橋から司令は報告を聞きながら眺めていた。

そこへ通信が入る。

 

「司令、本土防衛の為に展開している地球防衛艦隊第二十七主力艦隊旗艦スカンダより入電、{貴艦隊の作戦成功と無事の帰還を期待する。第二十七主力艦隊一同}とのことです」

「わかった。{本艦隊は貴艦隊の期待に必ず応える}と返信してくれ」

 

司令はそう通信兵に言うと(必ず応える)と心の中で呟いた。そして通信兵が返信し終えると副指令が司令に話しかけた。

 

「司令、作戦参加の全艦に対する放送の用意が整っています」

 

副指令はそう司令に対しマイクを差し出しながら言った。

 

「わかった」

 

司令はそう返事をするとマイクを受け取り放送を開始した。

 

『艦隊司令より作戦参加の全将兵に達する。これより我が艦隊は宇宙要塞グラドの奪還作戦を開始する。パラディアン皇国との屈辱的な停戦から数年、我が国はかつての栄光を取り戻すために日々努力を続けてきた。そして昨年、地球連邦という強力な同盟国と出会い、かの国の強力な支援により国家と軍はとてつもなく強化された。今の我々はパラディアン皇国やボラー連邦に引けを取らない軍隊である。我々の英雄であるバーゼルガ将軍の名を冠したこの艦隊旗艦バーゼルガはその象徴である。我々は現時刻を持ってかつての栄光を取り戻す第一歩の作戦を開始する。目標は宇宙要塞グラド。全艦発進せよ。艦隊各艦の全将兵の奮闘に期待する!』

 

司令の放送が終わると艦隊は一斉にエンジンを回し、宇宙要塞グラドに向けて出撃した。

 

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