地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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スカラゲック海峡星団海戦

 

スカラゲック海峡星団。この星団は地球連邦、ガルマン・ガミラス帝国、ボラー連邦の三勢力が隣接する星域かつボラー連邦がルダ王女を幽閉していた惑星ファンタムからシャルバート星への航路に位置する星域である。

 

また原作ではヤマト、ガルマン・ガミラス北部方面艦隊、ボラー連邦艦隊が戦闘をした星域だが、この世界では地球連邦の動きが早く、地球連邦のラボラトリー・アクエリアスがルダ王女を保護した直後にヤマト部隊が増援で送られておりボラー連邦もヤマト部隊を恐れスカラゲック海峡星団では戦闘は起きていなかった。また星団には目立った資源なども無いため、どの勢力からも無視されていた星域である。しかし銀河大戦が激しくなるにつれこの星域も争いの場になりつつあった。

 

最初にこの星域に手を出したのはボラー連邦であった。

地球連邦の参戦後にボラー連邦はこの星域に基地を置き、シャルバート星を保護する地球、ガルマン・ガミラス両国を牽制しようとしていた。だがこの動きは直ぐに察知されガルマン・ガミラス帝国軍とボラー連邦軍の激しい戦闘が幾度に渡り繰り広げられ、両者痛み分けに終わっていた。そして二大大国が痛み分けの戦闘を繰り広げる中、この星域を掌握すべく地球連邦も動き出していた。

 

 

 

地球連邦防衛軍宇宙要塞ソロモン

 

2205年4月21日、地球圏にある要塞ソロモンから一つの艦隊がスカラゲック海峡星団に向けて出港しつつあった。

出港しつつある艦隊はニコラス・A・アンダーセン中将指揮の第十二主力艦隊である。

 

第十二主力艦隊は旗艦アナンケ級ケストレルを筆頭にドレッドノート級ヴェルニョー、ヴォルテール、相模、周防、ペレスヴェート、オスリャービャ 

マゼラン級タナガ、ジオフォン、キネアー、フォートグレイス 

エンケラドゥス級ウミェールイ、ウィルヘルム、ベルガ、ラズーリ、スカジ、エリス 

サラミス級ハルシオン、エクエス、エレイネ、デュスノミア、カニェーク、フェンリス、コルガ、シバリー 

レパント級グムラク、チューダ、ピトムニク、ドゥーブ、チージ、チャープリャ

フレッチャー級ハーン、タイチ、チアシ、アイオライト、フィンチ、コーモラント、アパイア、エウノミア、ラーク、スラッシュ、ワイルドグース、フレイ、ヘーニル、ケト、タラッサ、メティスからなる主力艦隊である。

 

地球防衛軍はガルマン・ガミラスからの要請を受け膠着が続くスカラゲック海峡星団にこの主力艦隊を投入し戦局を動かそうとしていた。

そしてソロモンを出港した艦隊は太陽系外に出ると一斉にワープし一路スカラゲック海峡星団を目指した。

 

 

そして2日後、スカラゲック海峡星団に到達した第十二主力艦隊は厳重な索敵をしていた。

 

 

旗艦アナンケ級ケストレル

 

「情報に間違いはないのだな」

 

旗艦ケストレルの司令官席に座るアンダーセン中将は副官に尋ねた。

 

「間違いありません。ガルマン・ガミラスからの情報によりますとボラー連邦軍の1個艦隊が数日前にスカラゲック海峡星団に向けて出撃しています」

「わかった。全艦索敵を厳となせ。それとガルマン・ガミラスの艦隊は変わらず不在だな?」

「はい。不在です。連日のボラー連邦哨戒艦隊との戦闘でガルマン・ガミラスの哨戒艦隊は補給、整備のために後退しています」

 

副官はそう答えた。

第十二主力艦隊が出撃する直前にガルマン・ガミラスから地球連邦にもたらされた情報はボラー連邦軍1個艦隊のスカラゲック海峡星団に向けての出撃であった。

 

通常ならばガルマン・ガミラス軍が対応するのだが、生憎ボラー連邦軍が別戦線で攻勢を仕掛けているのとゼニー合衆国方面の攻勢強化、また連日のスカラゲック海峡星団での戦闘でスカラゲック海峡星団に回せる艦隊がガルマン・ガミラス軍には不在であった。それにより予定ならば第十二主力艦隊はガルマン・ガミラス艦隊と共同戦線を張る予定であったが今回は単独での戦闘になりそうであった。

 

 

第十二主力艦隊第2フリゲート戦隊レパント級ピトムニク

 

「艦長、レーダーに反応あり。数約150」

「間違いないな」

 

レーダー手からの報告を聞いたピトムニク艦長はそう聞き返した。

 

「間違いありません。識別確認ボラー連邦軍です」

「よし、旗艦に報告。戦闘用意」

 

艦隊前衛を務めていたレパント級ピトムニクがボラー連邦を探知したのは第十二主力艦隊がスカラゲック海峡に展開して数時間後であった。

 

 

旗艦ケストレル

 

「司令、前衛の第2フリゲート戦隊のピトムニクより入電、敵艦確認数150。同じく前衛のグムラクからも同様の報告です」

「うむ、全艦戦闘配置。拡散波動砲搭載艦は波動砲発射準備」

 

報告を聞いたアンダーセン中将は帽子を被り直しつつ即座に命令を出した。

一方ボラー連邦艦隊も第十二主力艦隊を捉えていた。

 

 

ボラー連邦軍第16駆逐艦隊

 

「前方に地球艦隊確認」

「地球艦隊が出てきたか、全艦戦闘配置。各艦散開しつつ射程に入り次第攻撃開始だ」

 

この星域に進出してきたボラー連邦軍第16駆逐艦隊司令はレーダーに映る敵艦を見ながら言った。

第16駆逐艦隊は戦艦30隻とデストロイヤー艦120隻で構成されており打撃艦隊ほどではないが高い攻撃力を誇る艦隊である。

 

両艦隊は互いに認識したまま距離を縮めるが先手を取ったのは地球艦隊であった。

 

第十二主力艦隊のドレッドノート級、エンケラドゥス級が一斉に拡散波動砲を撃ったのだ。

 

先手の拡散波動砲。これは地球防衛艦隊お得意の戦術であり、宇宙における艦隊戦では地球防衛艦隊が圧倒的有利とガルマン・ガミラス帝国やガミラス共和国が評価する戦術である。

 

両国の戦術研究者はこの攻撃の通常の対処法は奇襲で艦隊側面を取るか超広範囲に散開する、もしくは高度なワープ戦術でしか回避不能とまで言っており、事実正面から決戦を挑んだ艦隊がこの戦術を取った地球艦隊に勝ったことは無い。

そしてボラー連邦軍第16駆逐艦隊もこの戦術の新たな犠牲者となった。

 

第16駆逐艦隊司令は波動砲を警戒して散開命令を出していたが散開範囲が小さすぎたのだ。

その結果第16駆逐艦隊は拡散波動砲の攻撃で壊滅的な打撃を受けた。150隻中旗艦を含む138隻が一瞬で消し飛んだのだ。

 

「敵艦隊残存数12隻。主砲射程入ります」

「うむ、全艦撃ち方始め」

 

旗艦ケストレルから発せられたアンダーセン中将命令は即座に実行された。

ケストレルと前衛のフリゲートであるピトムニク、グムラクの発砲を皮切りに各艦が次々に発砲し、残存していた12隻のボラー連邦軍第16駆逐艦隊の艦艇はまともに反撃できずに宇宙の塵となった。

 

 

この日、地球防衛艦隊第十二主力艦隊はスカラゲック海峡星団でボラー連邦軍第16駆逐艦隊と交戦しこれを殲滅、スカラゲック海峡星団の制宙権は地球、ガルマン・ガミラス側が握った。奇しくもハイス公国が宇宙要塞グラドを奪還したのと同日であった。

 

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