バ美肉おじさんを推していけ

1 / 1
息抜きで書いたらなんか出来た


酔った勢いでバ美肉おじさん始めました

「オタク共〜、こんばんはだぞー!!」

 

コメント

こんばんはー!

暁月ちゃー!!

こんばんはですー!

待ってたー!

 

「えへへ、ごめんね〜。ちょっと準備に手間取っちゃってっ」

 

コメント

可愛い

これでおっさんってま??

自分をおっさんだと思い込んでる一般美少女だろ

ガチ恋しました

 

「あっはははっ!オタク共〜、いつも言ってんだろ、ちゃんと着いてるってさ!」

 

これを見ているであろうオタク共、おはこんばんちわ。

俺の名前は佐藤陽一、どこにでもいるしがないおっさんだ。

 

今見ているであろう動画は、俺がVTuber…紅魔暁月として活動しているものとなる。

 

「え?パンツ〜?おっさんのパンツ何か聞いて嬉しいのか?ドスケベめっ」

 

コメント

罵倒助かる

ボイチャなのに声めちゃくちゃ完成度高くて麻痺する

今日も暁月ちゃんは可愛いです

可愛い

 

「罵倒されて悦ばないでよ!?あ……ん…ヘックチュ!ズズ…ごべんなざい゛…」

 

コメント

クシャミ助かる

クシャミがもう女の子のそれ

鼻声になっちゃってるの可愛い

クシャミ出る前の声えっっっっっっ

これでおじさんは無理がある

 

そもそも、VTuber活動をしようなんて事は、1回も考えたことがなかった。

ネットで付き合いのある仲間同士で毎日馬鹿みたいな話をしながら通話をしていた時だった。

 

絵師、動画編集者、動画配信者と、中々に今風のメンツが集まった仲間達だ。

俺が酔った勢いで、ボイチェンで遊んでいた時だった。

 

たまたま自分の声質とあった調整が出来、女の子みたいな声が出せるようになったのだった。

それが仲間内で大変好評で、周りも酒に酔っていたのだ。

 

「よし、VTuberやろうぜ!ww」

「いいねそれwwんじゃ、俺絵描いてやるよw」

「動画編集なら任せろ!w」

「だぁははははwwマジでやんのかwww宣伝なら任せな!w」

 

と、あれよあれよと話してるうちに、気づいたら体が完成。

ノリと勢いで2D化し、即興で自己紹介動画を撮影。

 

そして編集者の友達が本気を出して編集していき、気づいたら酔った勢いとは言えなかなかなものが出来た。

 

それを仲間内で流しては、爆笑。

俺の声とは思えないくらいにクオリティの高い女声、それが更にツボを着いてくる。

 

「投稿してみっかw」

「名前何にする??」

「ぶっちゃけ性癖詰めすぎたやべぇw」

「紅い月をイメージして描いたっつってたな」

「厨二乙ww」

「紅魔暁月ってどうよ?」

「何かを彷彿とさせるがそれいいなwおし、投稿っと」

 

そう、これが俺をバ美肉おじさんVTuberとして活動する事になった切っ掛けなのである。

 

数日後、酔った勢いで作った動画のことはすっかり忘れ、ボケーッとしていた時だった。

あー、働かずしてお金貰えねーかな……何て、くっそしょうもないことを考えてた。

 

スマホの着信がなり、現実に戻され、電話に出る。

相手はネッ友の1人だった。

 

「もしもーし、どした?」

「おい!あの動画みたか!?」

「あー?動画ぁ?」

「酔った勢いで上げた動画だよ!」

「あー、やったなぁ…何だ、やり過ぎてBANされたか?」

「ちっげーよ!めちゃくちゃ再生数上がってんだよ見てみろよ!」

「はぁ……???」

 

言われるがまま、俺はパソコンで動画サイトを開き、動画を探す。

……いや、探すまでもなかった。

ランキング上位に、その自己紹介動画が上がっていた。

 

再生数45万再生。

コメント数も1000を超えていた……。

その数字に固まってしまい、一瞬思考回路がショートしたような気がした。

 

我に返りコメントを見れば……。

 

コメント

え、ボイチェン?くっそかわ

男ってマ??絵柄も可愛いし声ぴったりやん

可愛くて付いてるとかお得ですね

オタク共〜!って煽りやがって可愛いかよっ

バ美肉おじさんの進化しゅごい……

はー、男とか関係ねえ!推すぞー!

自己紹介動画って事は、これから配信してくれんのかね?楽しみだ

 

めっっっっっちゃくちゃ、好評だった。

えぇ…なぁにこれぇ?(困惑)

 

正直どうしてこうなったか分からない……。

何でもありかオタク共!?中身おっさんだぞ!?自分がいたらいいな〜……とか妄想したくっっそキモイ想像上のキャラだぞ!?

 

「と……とりあえず…生放送、してみる……?」

「……面白そうだし、やってみっか!!」

 

何て事があったのも、もう過去の話……。

俺はこうして、バ美肉おじさんとして活動を始めたってわけ。

 

今では登録者数もなかなかに伸び、無事収益化。

メンバーシップの申請も通り、今では個人勢としてそこそこ有名になった。

 

「では、今日も付き合ってくれてありがとうオタク共!大好きだよ♪はい、お疲れお疲れ〜っ」

 

コメント

可愛かった!おつかれ!

明日も待ってる!

暁月ちゃんの眷属になりました!

新しいメンバーシップおめ!

おつおつー!

 

………………。

 

「ふう……づがれだぁ…ボイチェンとは言え、女の子口調はなれねぇな…」

 

ヘッドホンを外し、ボイチェン加工されていない素の自分の声を聞く。

最近配信しまくってるせいか、逆にこの声に違和感を感じてしまってるような気が……。

 

「んまあ…楽しいし、いっかっ」

 

酔った勢いとは言え始めたVTuber活動。

バ美肉おじさんとしてなかなかに人気も出てきて、それなりに楽しくやれている。

バ美肉最高!!



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。