旧:逸見エリカのヒーロー   作:逃げるレッド五号 5式

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宇宙凶険怪獣 ケルビム、
バリヤー怪獣 ガギ、
宇宙同化獣 ガディバⅡ、
ベーゼウルトラマン シュピーゲル、登場。


第42夜 【鉄紺の幻影】

 

 

 

7月22日水曜日 日本時間10:30頃

 

東アジア 日本国関東地方 千葉県千葉市 花輪町

花輪公園附属戦車道演習場

 

 

 千葉県内陸側に位置する当演習場は、おおよその換算で4平方キロメートルの敷地を有している。一部区域は森林丘陵地帯であるため、地形に富み実擬関係なく本格的な訓練が可能な、東日本有数の県営演習場だ。

 国防組織である自衛隊の利用だけでなく、児童、学生、社会人の民間戦車道関係のイベントを開催する場合も、使用許可が千葉県自治体から下りたりするほど、気軽に利用ができる施設としてこの辺りでは有名だ。

 

『間もなく、試合開始時刻となります。両校チームは車輌チェック並びに準備をお急ぎください――』

 

 今日は戦車道全国高校生大会の第一回戦第7試合、黒森峰学園と知波単学園の試合会場として使われる当演習場。

 戦車道のイベント時は露店・屋台が演習場入り口を中心にして並び、報道関係者や観客で仮設観戦会場に続く道がごった返すのが例年までの風物詩だったのだが、今日のこの日、報道関係者は変わらずで、一般客や出店の数はめっきり減っていた。

 原因となる理由は分かるだろう。日本の特殊生物情勢によるものだ。

 何の因果かは不明だがいつも学園艦は特殊生物災害の渦中にある。特に、黒森峰学園は特殊生物災害との遭遇が他と比べ圧倒的に多く、一部の人間からは疫病神と裏で言われているほどで、ある意味腫れ物扱いされているのが現状である。そう言ったことから、観戦に来る一般客の来場が減少するのは必然のことであった。

 

バタバタバタバタバタ……!!

 

『ミズナギよりモーニング01。警戒監視飛行の定期報告を求む。送れ』

『こちら01。現状、異常は見られず。送れ』

『ミズナギ了解。貴隊はコースを変更せず作戦空域内の警戒飛行を続行されたし。送れ』

『01了解。警戒任務を引き続き行う。終わり』

 

 その代わりと言ってはなんだが、演習場上空には第4対戦車ヘリコプター隊隷下の偵察ヘリ__OH-1の指示の元、対戦車ヘリ__AH-2 ヘッジホッグ4機一個飛行小隊がフィンガー・フォー編隊を組み警戒飛行中であり――

 

『第58普通科連隊、二個中隊の誘導・配置完了』

『松戸第1戦車大隊第2中隊(ブレイド隊)並びに第39即機連第1戦闘中隊、ゲート通過。担当区域への到着予定時刻は10:45』

『県警第2機動隊を敷地内へ誘導せよ』

 

 演習場内に繋がる車輌用ゲートには続々と、千葉県警機動隊の〈常駐警備車〉数台、陸自普通科部隊を乗せた装甲車、輸送車、そして少数ながらも機甲部隊が進入していた。

 

『入場チケット、並びにパスの提示をお願いしております。予め取り出して準備をしてもらえると幸いです』

 

「この先、50メートルで右に行ってください。看板と向こうの警官の誘導に従って――」

 

 そして普段の喧騒の空白を埋めるかのように、大勢の自衛官と警官が会場内を巡回、警備していた。所謂厳戒体制というものである。

 演習場一般入り口から仮設観戦会場までの道の路肩には千葉県警のパトカーや陸自の〈87式偵察警戒車〉、上面ハッチを開き01式軽対戦車誘導弾を抱えた隊員を乗せた〈軽装甲機動車(LAV)〉が停車しており、拡声器等を用いて市民の警護・誘導を行なっていた。また、どの警官、自衛官も拳銃や自動小銃を手にして歩哨に就き、行き交ったりしており物々しい空気が演習場全体から発されていた。

 

 

______

______

______

 

 

同時刻

 

同演習場 黒森峰学園側待機所

 

 

 一般市民の入場が進む中、本イベント…公式試合の主役の片方である黒森峰戦車道履修生のメンバー達は試合開始に備えての戦車・人員の最終調整並びに確認をしている最中であった。

 整備科の男子生徒らは、手の空いている機甲科女子生徒達に手伝ってもらいながら、弾薬燃料各種物資を試合に参加する競技車輌に積み込んでいた。その傍ら、各車輌の整備班長がチェックシートが貼られたバインダーとボールペンを持って車輌の目視点検をしている光景がある。

 

「エリさんのティーガーⅡは、確認終わったから……おーい、イッチ。西住隊長のティーガーⅠ(Ⅵ号)の方、どう?何か直さないといけないとことか見つけた?」

 

「ううん。特に無かったよ。だから田中君達一年生に弾薬搬入手伝ってもらってる。あとは水分とか戦闘糧食(レーション)の補充とかやったら、終わりかな」

 

「そっか、なら予定よりちょっと遅いけど間に合いそうだね」

 

 整備班長である二人、ハジメとマモルが作業の進捗について話していた。

 そこにレイラが車長を務めている〈Ⅴ号戦車 パンターG型〉の整備班長であるユウが担当の作業を片付けたらしく話に入ってくる。

 

「お疲れ様!パンターは異常無しだった。最後の弾薬も積み終えたから、こっちの様子見に来たよ。どんな感じ?」 

 

「終わりそうだよ。そろそろテント片付けなきゃな」

 

「まほさん達も間もなく作戦会議終わるくらいかな?」

 

「……なあハジメ」

 

「ん?何?」

 

 先までの明るげで気さくだったユウの声のトーンが変わった。いつになく真剣な声色だった。

 ユウのチャームポイントでもある糸目は薄らと開いており、そこから垣間見える鋭い眼光から、ハジメが抱く()()を見定めているかのようにも感じられる。

 

「何て言うか………メンタルケアとか、ちゃんとしてるか?」

 

「え?担当車のメンバーの相談役とか?」

 

「違う違う。自分自身のことだって。二日前さ、レイラちゃんのことで思い詰めてたろ?レイラちゃんからもさ、ハジメのこと頼まれてな。気に病む必要ないんだよって」

 

 ユウが気になっていたのは、ハジメの現在の精神衛生状態についてであった。実はハジメがレイラと邂逅し、一人でダウンしていたあの後に、ユウと鉢合わせていた。

 その際、ハジメは自分が感じている不安や自己嫌悪をユウに少し溢していたのだ。

 ユウは今後大会期間に入る中、縁の下の力持ちである整備科…それもその隊長が………というだけでなく、幼い頃からの付き合いである親友の苦悩している姿を放ってはおけなかった。一言一句、大袈裟なほどの分かりやすい相槌を打ちながら、ハジメの言う事に耳を傾けた。それが逆にハジメを助けた。

 そういったこともあり、今の質問はおおよそ経過観察とハジメの体調への配慮を兼ねたものと言ったところだろう。

 

「あ、ああ……そうだったなぁ……。今はだいぶ良くなったよ」

 

「…ハジメの言ってること全部を疑ってるわけじゃない。だけどな、余計なもんまで…背負う必要の無いものまで背負おうとしてるように、俺は見えた……いや、見た」

 

「…うん」

 

「ハジメのことは全部分かってる……なんて言えないけども……。これだけは言える。レイラちゃんを悲しませたのは、あの場にいた誰のせいでもない。勿論、お前でもない」

 

「……うん」

 

 違うんだ、ハジメは言いたかった。それは少し違うのだと。

 

「気にし過ぎるなよ。人のために涙流したり、一緒に哀しみを共有するのは良い。だけど、引き摺るとこまではやらなくていい。それで自分が壊れたら元も子もない。取捨の選択をしろってわけじゃなくてな?」

 

 ハジメはユウの気持ちを理解できるし、拒絶もしない。しかし、やはり違うのだ。

 あの時の状況を、もっと良い方向にできた打開策を――普通の人間では取れる事も考える事もできない択を自分は取れたはずなのだ。唯一あの場で消えそうな命に手を伸ばせるヒトであったのだ。

 奢りなどでもなく、責められる立場にいた。間違いなく。

 

「………」

 

 どこかにまだ後ろめたさ…後悔、ウルトラマン(光の巨人)としての自責の念からか、俯き加減になってしまっていたハジメの肩にユウが優しくポンッと手を置いた。

 

「……知ってるか?誰かに与えた、渡した、分けた優しさは、いつか自分に巡り巡って何らかのカタチになって返ってくる……って話。俺は()って親に名付けられたからさ、その話が気に入ってるんだ」

 

「…そうなんだ」

 

「ハジメ、ここにいるマモルと、不在のヒカルやタクミが思ってることを俺がまとめて言う」

 

「お、おう……」

 

 何をぶちまけられるのだろう。ハジメは固まった。

 

「――お前は良いヤツだ。どうしようもなく良いヤツだ。俺らはちっちゃな頃から一緒にいるから余計分かる。自分では気づいてないかもしれないけど、お前が誰よりも色んなものを積み重ねてきてる強いヤツだって、知ってるからな…!だから、その、なんだろう……なんて締めればいいか分からないな…」

 

 ユウが言うことじゃないだろう、ガラじゃない。そういったのは熱血漢のヒカルの方が余程適任なのに。どうやらマモルも同じ考えらしく、少しばかり苦笑していた。

 ハジメも小さく笑った。らしくないことをするほど、周りの人間…それも友人が自分を思ってくれていることが改めて分かったから。

 ありがたい。嬉しかった。自分は人の縁に恵まれたのだと。

 

「ありがとうユウ。たしかに途中から脱線してるかもしれないけど、言おうとしてること、伝えようとしてること、分かるよ。……本当にありがとう。俺は、大丈夫だから」

 

 親友からの言葉が骨身に沁みる。暖かった。

 これに応えねばならないとハジメは思う。無力感に押し潰されかけている暇があるのならば、平静を取り繕っている不安定なレイラを助けることを考えた方が良い。

 近づき、寄り添い、支え合う。例え拒否され突き飛ばされるのだとしても、そんな人々も助けるのだと。

 

「お、さっきよりもマシな顔になったなぁ。その顔だその顔!」

 

「うん。やっぱりハジメは明るい顔の方が良いよ」

 

「そうかな」

 

「そっちの方がいい」

 

「……そっか」

 

 ハジメは幾分か気力を取り戻せたようだ。恐らく、直近の試合観戦にまで、マイナスな感情を持ってはいかないだろう。

 レイラを戻す方法を模索しながら、今自分がやることすることに取り組む踏ん切りがついた。

 

「先輩方〜!全車、物資の積み込み終わりました!四駆も揃えたので会場へ早く観戦しに行きませんか?」

 

 後ろから後輩…田中がハジメ達を呼び掛ける声が聞こえた。

 三人の会話とほぼ同じタイミングで、試合準備を終えたらしい。

 

「おう。連絡ありがとな、()()!」

()()ですってば!!」

 

「この集まりはなんなんだ?」

「おーい!!おめーら四人で何いちゃついてんだ?俺らも混ぜろ!!」

「う〜ん!やっと準備終わったぁ〜」

 

「補助の機甲科の娘たちに交代してもらって、もう観戦しに行くから、移動するってハジメが言ってたよ」

 

「はー?せっかくここまで仲良しこよしで来てやったのに、移動だぁ?」

 

「誰も来てくれなんて頼んだ覚えはないよ?」

 

 後輩である田中の次にヒカルとタクミとダイトの三人が肩を組んで仲良くやってきた。三人の担当車も点検と準備を終えたらしく、手持ち無沙汰になってやってきたと思われる。

 

「よし。なら行こうか」

 

 親友達もやって来たことだ。そろそろ観戦会場まで移動するかと、ハジメは整備科のメンバーたちに声を掛けて回っていく。

 今やれることを、やるのだ。

 

 

――――

――――

――――

 

 

30分後 11:00

 

演習場中央部 

 

 

「両校代表、前へ!」

 

 演習場中央部には、試合前の挨拶を施行するために黒森峰と知波単の両チーム、そして審判団と蝶野教官を筆頭とした数人の自衛官がいた。

 周囲には試合参加車輌は見当たらない。それらは予め互いの試合開始地点に配置されており、選手と上記の大会運営の人間、そして選手らの移動手段である四駆が複数台あるのみである。

 

「遂に…始まりますね」

 

「そうだね!全力を出し切ろう!」

 

 始礼のために前へと進むチーム代表である隊長のまほと副隊長のエリカの後ろ姿を見ながら、整列している小梅とレイラは小声でヒソヒソと話していた。

 相変わらず、レイラはいつも通り…に見える。振る舞いは普段と変わらず、明るく元気なレイラである。

 

「(あー、イライラするなぁ。怪獣、いつ出てくるのかな?復讐できないじゃん、復讐が… )」ボソボソ…

 

 小梅と話していた時とは明らかに違う、とても低いトーンで独り言を呟くレイラ。

 その顔はにこやかなものではなく、影が差し目の内は暗く濁っていた。これだけでも人を呪えるのではないかというレベルのオーラが感じられた。

 自分の呟いている復讐が、空虚なものかつ仕組まれたものであることにレイラは気付けない。

 

「あの…レイラさん、何か言いました?少し聞こえなかったけれど…」

 

「ううん、大したことは言ってないよ」

 

 

「知波単戦車隊の隊長を務めております!西絹代と申します!!本日はよろしくお願い致します!!」

 

「こちらこそ。全力で相手をする。よろしく頼む」

 

「――これより黒森峰学園対知波単学園の試合を行うっ!一同、礼っ!!」

 

「「「よろしくお願いします!!!」」」

 

 

 遂に、黒森峰の全国大会一回戦の幕が開ける。

 それは正史にはなかった、強大な存在達による人智を軽々超える激しい戦い…これまで比べさらに次元の違う戦いの始まりを意味するモノともなった。

 

ヒュ~~~~ッ!! パァン!!

 

『試合開始ッ!!』

 

 

『パンツァー・マルシュ!!』

 

『戦車前進!!』

 

 試合開始の合図である昼花火が上がり、当試合の主審である蝶野亜美一等陸尉……高校戦車道教官の号令の元、黒森峰の第一試合が始まった。

 黒森峰のドイツ機甲部隊と、知波単の旧日本軍戦車隊はそれぞれ隊列を組み、雄々しく前進する。

 

『ミーティング等で何度も話したが、改めてここで今試合の相手である知波単に対しての作戦を確認する。…かの学園は、一斉突撃戦術を下地にした短期決戦を得意としている。しかし相手はこちらの装甲を貫くほどの火力を有してはいない。我々の採る択は変わらない。正面から叩き潰すのみ。相手もそれを望んでいるのならば、受けて立とう。行くぞ!!』

 

『『『了解(ヤヴォール)!!』』』

 

 ちなみに全国大会の第一回戦から準々決勝までは、参加車輌数の上限は10輌である。

 黒森峰の第一回戦の車輌編成については、下のようになる。

 まほが車長を務める隊長車であり、黒森峰のフラッグ車でもあるティーガーⅠ。副隊長エリカのティーガーⅡ、そして小梅・レイラと足文…通称ゲシ子

のパンターG型3輌。エミの駆逐戦車__ヤークトパンターに、普段は超重戦車マウスを担当している鼠屋…マウ子が乗るⅣ号駆逐戦車(ラング)1輌ずつ。

 そしてメンバーが三年二年混合のⅢ号戦車J型が3輌、という編成となっている。

 今回は機動力の確保と戦術の選択肢を増やす考えの元に、中戦車の割合が黒森峰にしては珍しく多かった。

 

『エリカ、レイラ、エミは私に続け。足文と鼠屋、小梅はこちらの支援を頼む。他車輌は側面より奇襲を掛けろ』

 

『『『了解!!』』』

 

 黒森峰の作戦は至ってシンプルなものであった。

 見晴らしの良い平原地帯での、強力な中戦車・重戦車を用いた真正面からの火力対決だ。しかし何も準備、用意をしていない訳ではない。

 機動力の高いⅢ号戦車J型の分隊には、側面からの撹乱と砲撃による本隊の支援をまほは指示した。

 死角からの突撃によって部隊が壊滅、若しくは全滅した陸戦というのは古来より多々ある。側面奇襲から始まる待ち伏せと奇襲は、回りくどい準備がいらないシンプルさ故に強力かつ古風な戦法として現代に至っても使われ続けている。

 

『隊長!こちらⅢ-1です。11時の方向、敵第一陣チハ4輌確認しました。…続いてフラッグ車込みの第二陣チハ4輌を確認!敵全車、真っ直ぐ黒森峰本隊へ前進中!』

 

『分かった。…Ⅲ号分隊は敵に察知されていないな?』

 

『はい。こちらには気づいていません』

 

『ならば作戦通り、こちらと接敵する直前に側面から奇襲攻撃を仕掛けろ。タイミングはそちらに一任する』

 

『了解!!』

 

 黒森峰と知波単の試合は、序盤から動き出した。

 演習場の広さ等も関係しているかもしれないが、索敵から接敵、そして交戦の前段階までの時間が早かった。

 

ドォオン!! ドォオン!!――キュン!! カンッ!!

 

『相手の砲ではこちらの装甲を抜くことはできない。臆せず撃ち続けろ』

 

 試合開始から十数分。戦端が開いた。

 まほの命令通り、Ⅲ号分隊は一目散に黒森峰本隊へと向かっていた知波単第一陣に奇襲。撹乱成功後、当分隊は混乱状態に陥った敵方第一陣へさらなる砲撃を加え、駆けつけた第二陣を軽くあしらい本隊と合流。この時点で知波単側は第一陣の半数…二輌を撃破され、出鼻を挫かれてしまった。

 現在は黒森峰の全車両が二列横隊で正面から停止射撃を繰り出し圧倒していた。知波単側は隊長を務める絹代のフラッグ車が中心となり残存部隊が突撃のタイミングを窺っているが、平原の高低差を利用して熾烈な砲撃を凌ぐことが精一杯で攻めあぐねている様子である。

 

「はぁ…拍子抜けだなぁ」

 

 ここまで来ると知波単の採れる選択はもはや総突撃による玉砕のみになっていた。

 黒森峰側がやることと言えば、ハル・ダウンの優位性を捨ててちょくちょく顔を出してくる血気盛んな知波単車輌に砲撃を加えることだけだった。

 そんな状況でもあり、レイラはパンターの車内で上のような一言を溢していた。

 

「ちょ!レイラ先輩、それはお相手に失礼ですよ!」

 

 出番や役割が無く退屈になる心理は理解できるが、対戦相手への侮辱ともとれる発言をしたレイラに乗員である後輩の一人が指摘したが、当のレイラは気にしていないようだった。

 

「だって、暇なんだもん。練習してきたことが馬鹿らしくなるほどね〜……はぁ、イライラするなぁ」

 

「先輩…らしくないですよ…?」

 

 物怖じせずにどんどん毒を吐き続けるレイラに、パンターの乗員__殆ど一年生__が違和感を感じたらしく、怯えた目で問い掛けていた。いつも明るく、朗らかで、後輩にまで気遣う優しい先輩としての面影が見当たらなかったからだ。

 

「ん?らしくないって、それ皆んなから見た私の印象でしょ?前から私はこんなだよ。勝手に勘違いしないでほしいな〜」

 

 車長席で両足を交互にバタバタとぶらつかせるレイラ。声色からは、若干の苛立ちが滲んでいた。

 車内はぎこちない空気で満たされる。

 

ヒュンッ!――ドドォオオオーン……ダンダンダンダン!!

ガァアン!! ガァアン!! ガァアン!!

 

 車外からの砲撃音と着弾音、風切り音のみが聞こえる。車内からの音という音は無く、しんと静まり返っていた。

 

「あれ?言い方悪かったかな?ごめんね?」

 

 これも皮肉か嫌味か…はたまた癇癪を起こす一歩手前の台詞か…それとも不服ながらの謝罪なのか、レイラ車の乗員の娘らは判断しかねていた。とにかく、いつものレイラとは何か違った。

 その間も、車内で嫌な空気が充満していることを知らない他の者たちによって戦闘は続けられている。

 

「……うーん。まあいっか、これはここでお終い。じゃあ、あの前方に縮こまってるヤツ、潰しに行こっか!」

 

「えっ!?…でも先輩、それって命令違反じゃ――」

 

「――行きなよ。……命令?こっちは攻撃が効く、あっちの攻撃は効かないんだよ?こんなに時間無駄に使ってさ、ちまちまやる必要なんてないよ?そうだよね?」

 

 レイラの方へ振り向いて異議を唱えた操縦手。しかし、その際にこちらをジッと見つめているレイラの光の無い目を見てしまう。

 

「ですが…け、軽微な損害も看過することなくと隊長が――」

 

 なんとか口を開き言葉を並べるも、ここでまたしてもレイラに遮られる。

 

「――だからさぁ、行きなよ。」

 

 命令に近い、強制力のある促しであった。

 レイラから何かドス黒く、危険なモノを感じ取ったある意味幸運な操縦手は、隊長・副隊長からの叱責をあとで受けることを考慮してもこの促しに従った方が身に危険が降り掛かるリスクが低くなると考え至った。

 そのため、レイラ車の操縦手はペダルに力を与えはじめ、レバーに手を掛ける。

 

キュラキュラキュラ…

 

 レイラのパンターG型が前進。稜線を越えた。

 

 

『レイラ?何やってるのよ!まだ前進の指令は――』

 

 

「エリカちゃんごめんね、直接向こうの戦車潰したい気分なんだ」

 

 当然、命令されていない行動をとったレイラのパンターに、副隊長のエリカから無線が飛んできた。

 しかしレイラはエリカへの弁明や返信は一切せず、操縦手に前進は続けさせ、砲手と装填手には砲撃準備を取らせた。

 

『レイラ!聞いてるの!?レイ――』ブツッ!

 

 無線機からは親友の声が聞こえる。必死にこちらを呼び掛ける声。

 しかし通信手には無線の封鎖を指示し、即エリカの呼び掛けはシャットアウトされた。

 

「アハハッ!わらわらいるね!撃って撃って!!」

 

キュラキュラキュラ…

ドォン!! ――ズガン! パシュッ!!

 

「まずはひとーつ!はい次どんどんいこー!」

 

 レイラ車が知波単側の稜線へと突入してからは一方的な戦闘の展開だった。

 レイラの指揮するパンターは、稜線沿いに律儀に固まっていた残存しているチハ全車に対し、75mmの強力な主砲を浴びせかけた。

 たった1輌で向かってきたパンターの襲来に伴い即座に迎撃陣形をとったチハ隊だったが、複数のチハによる四方八方から砲撃を受けているはずのパンターの装甲はその努力を汲み取ってはくれなかった。

 

 そこには圧倒的なスペック差が存在していた。砲撃、装填の動きが一周する度に1輌…また1輌と屠られ蹂躙されていく。

 性能にモノを言わせた理不尽の強引な押し付けにも見えたレイラの戦い方は、まるで自身が先日経験した負の感情の発散も兼ねているようだった。虚空に向かって愚痴を吐き出すことよりも、モノに感情をぶつける方が気が紛れる。楽な状態になりたいのなら、どちらを選ぶか、周囲への配慮を無視できるなら勿論後者を選ぶだろう。つまりはそういうことである。

 

 そして――

 

_____シュパッ!!

 

『知波単学園フラッグ車、走行不能!よって黒森峰学園の勝利!!』

 

 知波単のフラッグ車…絹代のチハが白旗を上げたことで、試合は終了した。

 試合終了直後、レイラ以外のパンター乗員は車内で青い顔をして顔を見合わせていた。

 

「や、やっちゃった……」

「勝った、けど……」

 

 命令、指示の不遵守。試合に勝利したからといって自分達への注意と叱責が帳消しになるわけではないのだ。だからこそ、彼女らは試合挨拶が終わった後のミーティング等の時間が恐ろしいと感じている。

 

「あー!スッキリしたぁ〜!」

 

 しかし、当のレイラは叱責されるだろうと言うのに伸び伸びとしていた。マイナスな顔を一切しておらず、なんなら達成感と爽快感に包まれた顔をしており、声にいつものハリもあった。

 周りの焦りや怯えなど、それがどうしたと言うような態度であった。乗員らはそんなレイラに注意を促すことはできなかった。試合時のような恐ろしいオーラをまた当てられたくなかったのだろう。

 

「みんなありがと〜!それとお疲れ様!」

 

「「「お、お疲れ様です……」」」

 

 レイラの顔は喜色満面であった。キューポラを開けて顔を出してみれば、心地よい風が吹いている。その風に乗って鉄の香りと硝煙の匂いが遅れて運ばれてくる。

 レイラは大きく深呼吸をして、そして息を吐き出す。

 

「あはは……すっきりしたぁ」

 

 周囲を見渡してみれば、煙や火を上げてピクリとも動かない鉄塊…白旗を上げ沈黙している知波単の戦車が点々とあり、その中心にレイラはいた。

 清々しい気分だった。この胸が空く風景は自分が作り上げものだ。

 

「でも…なんだろう、まだ足りない気がする。こんなんで全部すっきりするわけないじゃん」

 

 一時は満足感に満ちていたレイラであったが、それは満たせぬ欲の代わり…八つ当たりに他ならないと気づく。

 

「(そう。ナハト、ナハトだよ。パパを見殺しにした最低な奴。……今日、復讐できないかな。無性に死んでほしいって思うもん)」

 

 通常の思考にすら、狂気が滲み出しており、レイラの感情が一気にマイナスへと転化する。

 レイラは誰に何も告げることなく、体を乗り出してパンターから降りる。

 導かれるようにすたすたと歩く。

 背後からキャタピラ音と銀髪の親友の声が僅かに聞こえた気がする。

 だがその声もやがて聞こえなくなった。何かが外界とのやりとりのすべてを遮断している。

 

「なにこれ?」

 

 それは、ドス黒い煙のような闇であった。

 レイラの周りに纏わりつきながら、どんどん膨らんでゆく。

 特段レイラは慌てたり、取り乱したりすることはなかった。異様に落ち着いていた。コレが自分の中から湧き出ていることを知覚したからだ。

 レイラはこの黒いモヤが体から溢れている今、自分は何でもできそうだと感じた。復讐したいという心が膨らみ強くなる。

 

「ああ、こうすればいいんだ」スッ…

 

 レイラは誰に言われるわけでもなく、顔を上へと向け、両手を空へとかざす。すると、先程までレイラの周囲をグルグルと渦巻いていただけの闇が、凄まじい勢いで空へと駆け上っていく。

 

フハハハハ!!孤独なる者よ、我らの胸算を遥かに上回る動きをしているな。いいぞ。もっと憎しめ、恨め!

 

「あなたのおかげだよ。ねえ、これ(闇)使って、何かできたりするの?」

 

 いつの間にか、レイラの横で宙に立っていた影法師。それに彼女は礼を言うと、自分から溢れている闇の使い道についての質問を投げ掛けた。

 影法師は質問に対して高笑いを一つ入れた後、小さく頷き返す。不敵な笑みを携えて。

 

ああ。お前が濃密な闇を放っていることもあり見積りより早く怪獣を呼べるぞ。クククク……今、この場に現出してみせよう…!!

 

 影法師はブツブツと、並の人間が理解できない難解かつ異質、意味不明なの言葉の羅列……呪文を唱え出した。

 

ゴロゴロゴロ……! カッ!!!

 

 するとどうだろうか。空に異変が生じてきた。

 どこからともなく現れたいくつもの黒紫色の片雲が、レイラ、影法師の直上に渦を巻きながら集結し、紫色の雷を伴う巨大な黒雲を形成する。

 

 

バタバタバタバタ……!

 

『こちらミズナギ!峯岡山レーダーサイトより報告!千葉市上空に強力な"(デン)"の発生を探知したとのこと!!戦車道会場警備任務に就いている各隊は特殊生物来襲に備えられたし!!本機はこのまま観測を行う!』

 

『最悪のタイミングで出てきたな…!モーニング01より各機へ、編隊を乱すな!いつ戦闘になるか、ここからは分からんぞ!警戒を厳となせ!!』

『頼む。早く皆避難してくれ……!!』

『くそッ!今度はいったい何が来る!?』

 

ヴゥウウウウウウウ~~~~!!

 

 試合会場を含めた千葉市全域にて特殊災害警報を知らせるJアラートが出された。

 また、会場にて試合観戦をしていた市民らよりも、現場の自衛官と警察官らの方が焦りは大きかった。

 

ゴゥンゴゥンゴゥン……ガキン…!

――キュラキュラキュラキュラ…

ブロロロロロロロ…!!

 

『ブレイド1よりミズナギ。地上からも"穴"の発生が確認できている。これより我が隊は即機連戦闘中隊と共に対応する!現在の持ち場より移動を開始!!』

『58普連の各高機動車へ!即応態勢に移られたし!また、中隊各員は県警と連携し民間人の避難誘導へ参加せよ!』

 

ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!

 ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!

  ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!

 

「あとは選手挨拶だけだったのによぉ。怪獣共は待つこともできねえのかよ」

「ヒトロクがウチの隊にもあれば…」

「観戦と警備だけで終わってほしかったよな、たしかに」

「関貫、気引き締めとけよ。もうここは戦闘区域だ」

「馬鹿野郎。50過ぎるまで死ぬ気はねぇ」

 

 演習場内の自衛隊の動きが慌ただしくなっている中、影法師の呪文の詠唱は終わりを迎える。

 

ォォオオオオオ!!……出でよ、凶鬼の化身…怪獣達よォオオオ!!!!

 

 そう叫んだ影法師。すると渦巻き状の巨大な黒雲に地上へ向けた黒く巨大な六芒星の魔法陣が映し出された。

 そして魔法陣が黒紫のワームホールを形成するための最後の仕上げであったらしく、黒雲の渦の中から、二体の怪獣が顔を出した。

 二体の怪獣には、それぞれ頭部に一本のツノが生えていた。しかし、細部を見てみると同一というわけではなく、片方は腕部が一対の触手を持つ個体であり、もう片方は全身が青黒い鱗に覆われ険悪な顔を持った個体である。

 

――ズズゥウウウウウン……!!

 

ギガァァアアーーーッッ!!!

シャアアアアーーーッッ!!!

 

 前者はガギ、後者はケルビムと呼ばれる性格、戦法共に狡猾な宇宙怪獣達だ。

 レイラのいる場所から離れた地点に降下した両者は、敵対することもなく、咆哮を上げて降下地点周囲にて触腕や刺々しい尻尾等を用いて暴れ散らしていた。

 幸いながら降下地点付近には走行不能の両校競技車輌や自衛隊車輌等は存在しなかったため、今のところ死者は出ていなかった。

 

「この怪獣達が、ナハトを殺すっていうの?」

 

ガギ、ケルビム…此奴らは前座に過ぎぬ。ナハトを呼び込む餌だ。本命はお前が持っている。決して時機を見誤るな?

 

「分かってる」

 

キィイイイイイン――バタバタバタバタバタ!!

ゴォオオオッ!!

 

 レイラの上空を高速で自衛隊のヘリ…AH-2が二体の怪獣へ向かって通り過ぎてゆく。

 ヘリの飛行によって生み出された強風に目を瞑ったのちにレイラが一言。

 

「あーあ。無駄なのに。意味ないのにな〜」

 

 

______

______

______

 

 

『二体同時出現だと!?』

『この会場にいる部隊だけでどうにかできるのか!』

『やるだけやるさ!攻撃許可を求む!!』

 

『全機止まるな。旋回並びに回避運動を取りつつ射撃しろ。各機、攻撃開始!!』

 

 AH-2対戦車ヘリ小隊の指揮官機であるモーニング01の命令の下、ウィングのハードポイントに設けられた各種火器が一斉に火を吹く。

 

バシュゥウン!!! バッシュウン!! バシュバシュバシュッ!!!

――シュパパパパパパパッッ!!!

――ヴィイイイン ! ズドドドドドドドドドド!!!

 

 まずはヘッジホッグの対戦車最大火力の"BGM-71 TOW"有線対戦車ミサイルと"AGM-114K ヘルファイアⅡ"対戦車ミサイルが連続で放たれる。そして次に手数で敵を押す"ハイドラ70"対地ロケット弾と30ミリチェーンガンによる制圧射撃が始まった。

 

『目標に全弾命中!!』

『ミズナギよりモーニング。現在ブレイド隊並びに機動戦闘中隊が展開中。辛抱してくれ』

『モーニング01了解。攻撃、陽動を続行する』

 

 ミサイルはすぐさまガギとケルビムに殺到し断続的な火球を形成した。そこにロケット弾と機関砲弾の雨が体全体に降り注ぐ。

 続け様に今度は徹甲誘導弾(フルメタルミサイル)が斉射され、一角の化け物共の表皮を貫かんと突っ込んだ。

 

グルルルルルゥ……ッッ

 

無駄なことを。そう簡単には怪獣は骸には成り果てぬ

 

 影法師が嘲笑う。

 ヘッジホッグから吐き出され続けている攻撃の勢いは衰えてはいないはずであるのだが、二体が倒れる気配も、苦しむ様子も見られない。

 ダメ押しとばかりに撃ち込んだフルメタルミサイルも頑強な表皮に阻まれ内部での爆発という役割を果たせぬまま爆散していた。

 

『対特生のフルメタルも弾かれたぞ!』

『ロケット弾、残弾僅か!』

『地上部隊の援護はまだか!?』

 

 ヘッジホッグの飛行小隊の全火力を受け止め切ったガギとケルビムが動き出した。

 

シュウァア"アアーーーッッ!!!!

 

ビュンッ!ヒュン!!ヒュッヒュンッ!!

 

 ガギは両腕の触腕による縦軸のウィップラッシュを、モーニング隊のヘッジホッグを叩き落とすべく繰り出す。

 当然、こちらへと迫ってきたガギからモーニング隊は大きく後退しており、触腕攻撃の範囲外からの離脱に成功していた。だがここで終わるわけではない。

 次にモーニング隊を襲ったのはケルビムの口部から撃たれる超高温火球__"弾道エクスクルーシブスピット"の連射による対空砲火だった。

 

『各機回避運動!!』

『般若ヅラが口から火の玉吐いてきたぞ!!』

『反撃は回避してからだ!掠るぞ!急げ!!』

『発射スパンが短い……なんとか付け入る隙は…』

 

 しかし流石陸自が誇る最新鋭対戦車ヘリである。その機動性は伊達ではなく、ヘリパイロット達は上のような悪態等を吐きながらも難なく火球を回避しており、火球の直撃を受けた機は無かった。

 

ドォゥン! ドォゥン! ――ドォゥン!

ズガァン!! ズガァアーーン!!

 

 ケルビムの火球攻撃を躱しつつ反撃に転じるヘッジホッグの援護のために、陸自地上部隊も戦闘に参加する。

 

『ブレイド01より各車。攻撃を目標脚部に集中。こちらに注意を引け』

『高機も間もなくです!』

『ムチ持ちが光子バリアなるものの展開をしたことを確認!電磁砲弾、徹甲弾共に効果ナシ!!』

 

 第1戦車大隊第2中隊__ブレイド隊のレールガン搭載装甲車輌である〈12式自走電磁砲〉が中隊長車を含め5輌、日本の主力戦車たる〈10式戦車改〉8輌が走行間射撃を開始し、電磁投射砲と120ミリ滑腔砲による猛攻を浴びせかける。

 ガギへの攻撃は、ガギ本体が発する強固な防壁__"パーソナル・シェルター"に阻まれ無効化されていた。

 

「これでもくらいやがれ!!」

「白目剥いてる奴を先に潰すんだ!バリアの方は後でいい!」

「避難完了の報はまだか!?」

「演習場内にまだ散らばっている高校生達を、第二中隊が保護している最中です!!」

 

 そして、機甲部隊が二体の怪獣の意識を誘導している間に、普通科所属の十数台の__上部ハッチを開け、01式軽対戦車誘導弾をマウントさせたLAV__軽装甲機動車が二体の背後へ回り込む。01式…軽MATが各車から放たれ、白い尾を引き吸い込まれるようにケルビムに見事に着弾。

 爆発により発生した煙幕を腕を振り回すことで晴らそうとケルビムとガギが躍起になっていた。軽MATを放った軽装甲機動車群と、同じ普通科の"高機動車"11台は二体から約300メートルほどの至近距離で停車。そこから次々と普通科隊員達…合計凡そ百人強の隊員が降車する。

 各々が肩に担いでいる"84ミリ無反動砲"__通称"ハチヨン"をケルビムに向けて発射。再びケルビムが爆発煙に包まれるが、煙を突き破って数発の火球が顔を出した。それらは普通科中隊へと向けられたものだった。

 

ドドドガァアアアーーーン!!!!!

 

「がはぁっ!?」

「うわああああーっ!!!」

「うぐっ!!足を……!!足をやられた…!!!」

「衛生!衛生!!機動車に収容しろ!!」

「三曹!!生きてるか!?中安三曹!!」

 

 普通科中隊の展開地点は火球着弾によるクレーターが形成され、炎の延焼により平原は火の海と化していた。

 着弾の衝撃や爆発をモロに受けた生身の普通科隊員が何人もいた。四肢のいずれか、若しくは殆どが千切れて出血しながら地面に打ち付けられていた。まだ意識のある者は悲痛な声を上げ、苦しみを訴えている。

 また、運悪く火球が至近であった若しくは直撃した高機動車・軽装甲機動車が何台か吹き飛ばされぐしゃぐしゃになってひっくり返っているか、超高温に曝されたことによって融解し原型を留めていないものとなっていた。恐らく、中にいた乗員の生存は皆無に近いと思われる。あの短時間で降車することは不可能だったろう。良くて意識を持たずに全身ミンチ、最悪は火球の高熱にやられて生きたまま溶かされたかだった。

 たちまち展開地点は死者と負傷者で溢れる。中隊は取り敢えず、残っている損傷の少ない車輌に負傷者を担ぎ収容し撤退するべく急ぐが、ここでこの凄惨な事態を引き起こした張本人であるケルビムが動き出した。

 

ガァァア"アアアアアアーーッ!!!

 

フッ――コォォオオオオオ……

 

『般若ヅラが、飛んだ!?』

『飛んでいる…どのような原理で…』

『マズイ!地上の普通科に!!』

 

『再度こちらに陽動を掛けろ!』

『ムチ持ちが光子防壁でもう片方をカバーしているようです!』

『器用なことしやがる!』

 

 体をほぼ垂直に伸ばしたケルビムは、数瞬の硬直――準備動作の後に体内の反重力推進機関を用いて、空中浮遊を開始。普通科中隊の展開地点100メートルほどの場所に着地。自身に攻撃を加えてきた者との距離を縮める。

 ガギの方も、機甲部隊とヘリ部隊の攻撃を無視してケルビムに追従するかのように、遅れて自らの脚で普通科中隊の元に向かう。

 渦中の普通科中隊にとって、目下の危機は超至近距離にまで接近してきたケルビムへの対処であった。無論中隊側も小銃や無反動砲や携行誘導弾による攻撃を敢行しているが、侵攻を食い止めるほどの力は無いに等しかった。

 

「退避しろったって、どこにも逃げ場はないぞ!!」

「ハチヨンを使い切っちまった!」

「あいつをここには置いてけない!誰か、手伝ってくれ!」

 

 撤収が難航する普通科中隊。そんな彼らにケルビムの__先端部が肥大化し鋭利な棘で被われた__長尾、"クラッシャーテイル"が今、振り下ろされんとしていた。

 

 

ギアァァアアーーーッッ!!!

 

「「「ッ……!!!」」」

 

 中隊のどこかに長尾による打撃が振り下ろされたならば、無事な隊員らも全員やられるだろう。

 死を悟った者達は、目をグッと瞑り、終わりの瞬間を待った。

 しかし、その運命を変える存在が現れた。

 

シュアアッ!!

 

――スパッ!!

 

 ウルトラマンナハトである。

 ナハトブレスから伸ばした光剣__ナハトセイバーを一太刀浴びせることで、ケルビムの尻尾を切り落とした。

 

『ミズナギより司令部、ナハト出現!』

 

「ウルトラマンナハト……来てくれたのか」

「……おい!今のうちに、負傷者を全員収容するんだ!すぐに撤退するぞ!!」

 

 ケルビムは尻尾を切られ溜まらず退く。それと入れ替わるようにガギがナハトの前に立ちはだかり、光子防壁パーソナル・シェルターを自身の前面に展開した。

 

ク……ッ!!

 

《また、まただ!間に合わなかった…!!大勢の人が、傷ついて、死んで……!!》

 

 自分が駆けつけた頃には、怪獣に立ち向かっていた多くの人間の命が死に瀕していることに、ハジメは歯噛みした。

 完璧を求めてはいけない。すべての人を救うことはできないことは、頭では分かっているし、意味は違えど親友からも背負い込み過ぎるなとも言われた。自分でも、分別はとうにつけたつもりであった。

 だが、やはり、あの時(レイラ)にも言ったが、目の前で見た他者の死は決してそう簡単に割り切れはしないのだ。

 

《ごめんなさい…》

 

 ナハト__ハジメは、せめて今自分にできること…苦しんでいる人らにできることとして、新たに自分の頭の中に過ぎった回復治癒技のイメージを頼りに、ヒーリング光線"ハイレーンガイスト"を普通科中隊全体に素早くかつ広範囲に散布する。

 

「こ、これは…?」

「傷がみるみる塞がっていく」

「ナハトが、してくれているのか?」

 

 緑や青、黄色の光の粒子の雨が優しく中隊の隊員達に降り注いだ。粒子が体に当たった、触れた者は、気力の快復と軽度の負傷箇所には急速な自然治癒の促進、身体欠損等の重傷の箇所には失血を止めるぐらいの応急処置が施された。

 

《このイメージを、もっと早く、持つことができていれば!!》

 

 たらればが漏れるたびに、後悔が滲んでくる。過去には戻れない。その後悔の念をハジメは無理やり振り切る。

 中隊の動きを確認したナハトは、ガギとケルビムの方へ向き直り、スタイルチェンジ。剛力を持つ紅の戦士…ガッツスタイルになると、第一の目標をガギに定め猛進を始めた。

 

「来た。パパを見殺しにした、ナハトが」

 

そうだ。お前の肉親の仇が来たぞ。フフフフフ……ウルトラマンナハト。ここが貴様の墓場となるであろう

 

 戦場より少し離れた丘陵地の上には、闇を仕舞い込んだレイラと影法師が立っていた。ここでナハトとガギ、ケルビムの戦いを見物するようである。

 影法師はフード越しに不気味に笑い、レイラの方は憎悪に染まった怒りでいっぱいの顔をしていた。

 

「ねえ、あの怪獣たちがナハト倒しちゃったらどうするの?私に残されたのは、あいつへの復讐だけなんだよ?」

 

心配せずともよい。……先も言ったが、ガギとケルビムは前座なのだ。お前の闇の一部を溜め込んでいる、その水晶が必ず鍵となる。お前の復讐は叶えることができると約束しよう

 

「ふーん、ならいいよ」

 

 レイラが不服そうではあるが納得したという顔をしてナハトの繰り広げる戦闘へ視線を戻した。

 その時である。丘陵地の麓からレイラを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「レイラ、レイラァ!!アンタそこで何やってんのよ!!」

 

「ん?あ、エリカちゃんか。邪魔しないでよ今いいとこなんだから」

 

「はあ!?アンタ何言って…!!」

 

 声の主はレイラの親友、エリカだった。

 エリカの姿を認めたレイラは、友人としてあまりにも冷たい一言をぶつけてあしらった。

 それに対してエリカは少なからず動揺するのだが、レイラの横にいる黒紫の怪しげな人型存在…影法師を見て言葉を失う。

 

「聞こえなかったのかな…。エリカちゃんは邪魔しないでねって、言ったの。ナハトへの復讐は、誰にも邪魔させないから」

 

 レイラはもう明らかにいつもの様子ではなかった。

 二日前のエリカの不安は現実のものになったのだ。レイラが平静を装って自分達と接しているのではという懸念が、である。

 大洗の時のヒカルと似た事態が発生しているのだと、エリカは理解する。いつ奴に、影法師に唆されたのか、それは恐らく四国沖の一件が終息した直後かもしれない……と模索するが、今は原因の究明ではなく、いかにして影法師の魔の手からレイラを取り戻すかである。

 そして何より気掛かりなのは、ナハトへの異常な敵意だ。

 

「レイラ、横にいる奴がどんなのか、分かってるの!?それに…なんでそんなにウルトラマンを…ナハトをそんな風に――」

 

「あのナハトが!!私のパパを奪ったんだよ!!なんで恨んじゃいけないの!?」

 

「ま、待ちなさいレイラ、あなたの父さんを……そうしたのは、怪獣でしょ!ナハトじゃない!!」

 

「助けなかったら、殺しに加担したのと同じだよ!!」

 

――そんな暴論…!とはエリカは言い出せなかった。彼女(レイラ)が放った心情と似通った場面が、過去がエリカにも…いや、一年前にいた黒森峰の機甲科生徒の大部分に当て嵌まるシーンに、心当たりがあった。

 そう。前回の戦車道全国高校生大会の決勝…プラウダ戦のみほによる人命救助と、それを要因とした敗北である。

 

「分かんないか!そうだね、分かんないよね!エリカちゃんにも!!家族が死んじゃって、平気な顔してるから大丈夫だとでも思った!?そんなわけないじゃん!!」

 

 レイラの言葉に靄がかかる。

 

 あの時、傍観者側に立っていたのは誰だ?

 ――自分だ。

 

 あの時、友人を心配するよりも、敗北の二文字が頭を過った人間は誰だ?

 ――自分だ。

 

 人として正しいことをした友人を試合結果から来る悔しさのあまり怒鳴りつけようとして周りに止められたのは誰だ?

 ――自分だ。

 

 友人が学舎から去る時に、何もしなかったのは、追いかけようともしなかったのは誰だ?

 ――自分だ。

 

 人のことを言えた義理じゃない。あの時の自分も、人殺しの一歩手前までいたのではないか。レイラを引き留めることができるのかと。

 

「私はもう孤りなんだよ!?パパも、ママも、いなくなって、この辛さを分からせてあげられるのなら、みんなにも押し付けてあげたいよ!!」

 

「レイラ…」

 

「銀髪の娘、お前もこの娘の手助けをしてやってはどうだ?」

 

「アンタは黙ってなさい!!」

 

 レイラの負の側面が強く押し出されていると感じたエリカ。

 勢い余って単身戦車を降りて走ってきたことを酷く後悔した。小梅やまほ、ヒカルやユウ、そしてハジメあたりがいてくれればと思う自分がいる。

 

シュワッ!!――ハァアアッ!!!

 

バリィン!!

 

 巨大存在達の戦いは中盤に差し掛かったところだった。

 ガギの強固なバリアを、それもナハトとの対面のみに張った局所的な最高硬度のバリアを、ナハトはガッツスタイルの誇る全てを貫く鉄拳__リボルバーフィストで打ち砕く。そして、再度バリアを張ろうとする前に、ナハトが踏み込んで、頭部のツノを強烈なアッパーカットをお見舞いしへし折る。

 ナハトは間合いの内側に入り込まれ動揺するガギを他所に、そのままナハトセイバーを出し横に一閃。そこに空いていた左手をガギの腹に押し当てプロミネンス光流を放ち上下半身がずれ落ちる前に爆散させた。

 ガギは自身の強みを活かさせてもらえず、ナハト登場からものの数分で退場してしまった。

 

《俺達が、この人達が何をしたって言うんだ!人の死に方じゃないんだよ!お前達が押し付けたものは!!》

 

…………ジュアッ!ア"ァアアアアアア!!!!

 

 怪獣が現れるようになってから、本来の人生を歩めなくなった人が大勢いる…とハジメは考えている。

 許せないのだ。突然理不尽を押し付けられ、その道中も、想像を絶するような痛みを伴って、死ぬなんてことは。

 

 故に、再び黒き光の巨人は激昂する。優しすぎるが故に。想い遣れるが故に。

 

――――カッ!!

 

 レイジバーストへと成ることは、造作もなかった。ビギニングストームへの変身を経由せずに直接オーバフロー形態にまでもっていったのだ。

 人の死をまた間近で、多く見たから。そして、永遠とも感じられた二日前の出来事が忘れられないから。

 

 ナハトがこちらを見ているケルビムに鋭い視線をぶつける。

 

《あとはお前だけだ。なあ、怖いか?怖いだろう。自分の命が危険になったら、怖いだろ!お前が踏み躙った人達も同じ気持ちだったんだぞォ!!!》

 

ガァァア……ッ!!!!

 

《後悔したって……もう、遅い!!!!》

 

 紅く鈍い光のオーラを相手にぶつける"ツォルンジャッジメント"。通常のストーム形態時に発動できる"スペリオルジャッジメント"との違いは、大勢に向けて悪意を撒き散らしている存在が攻撃の対象なのではなく、()()()に向けて()()をぶつけてくる()()()()()()が対象である点だ。

 要はみんなの敵をではなく、自分の敵を消し去ろうとするある意味自己中心的なものから来る光撃なのである。

 

グ…ガア……ァァァ…………

 

 それは光ではあったが、光と言うには些か違うモノだった。

 ケルビムは身体を、自我を、燻んだ赤―鉄の錆のような―蘇芳色の光の霧に蝕まれていく。

 ナハトから放たれた爪の如き鋭い暗紅色の光粒子が何本もがケルビムに突き刺さり、そこを橋頭堡として体内や神経侵入し、内側からジワジワと生命を奪う。

 苦悶の咆哮を上げ、踠き、口からは鮮血を垂れ流しながらも火球を形成しようとするケルビム。

 先ほどまで陽動作戦を採っていた陸自の航空・機甲部隊がケルビムの両側面からこれまでのお返しと言わんばかりに残りの弾を使い切る勢いで射撃を開始した。

 

《――スペシウム…!!》

 

 ナハトは苦しむケルビムに眉一つ動かさずに、レイジバーストで強化されたスペシウム・イグニッションを放つ。

 虹色の光線に、飽和分の感情エネルギーがスパークし、赤と黒の稲妻が伴う。

 光線がケルビムに直撃し、光線の波がぶつかるたびに赤と黒の稲妻が全身を駆け巡り、稲妻が通った箇所は光の粒子が流れ込み内部から膨張し、外皮の隙間から色鮮やかな閃光が飛び出す。

 体内の光の蓄積に耐えられなくなった部位から順に、ケルビムの身体を構成している有機体が光そのものに還元されて空へと溶けていった。

 

《………。》

 

 演習場で立っているのは、ナハトのみとなった。

 自衛官達は戦闘の終結を察し、安堵する者、生きていることに喜ぶ者、死した戦友を思って涙を流す者と様々であった。

 

「あーあ、ナハト、強くなっちゃったみたいだよ?」

 

なぁに案ずるな。アレは進化と覚醒の道を自ら閉ざした姿よ…。フフフフフ……!憤怒に囚われ、本来辿る道を見失い、あれ以上の変化は不可能となった。進化の道順を外れ、違えたのならば、それを潰すことは造作もない

 

「今度は、何をするつもりなの!」

 

 エリカの鬼気迫る問いを影法師は無視してレイラの前に立つ。

 

お前の役目を、果たす時が来た。さあ、お前の感情をために溜めた、黒水晶を割るのだ

 

 影法師の言葉に、レイラは無言で頷きパンツァージャケットのポケットから、手の平サイズの―内部に黒い雲のようなモノが濃く渦巻いている―水晶玉を出し、それを両手ですくうように持つ。

 

「レイラ!そいつの言うことは聞いちゃダメよ!!」

 

 エリカには、あの水晶玉の正体が何となくわかった。詳しいことは抜きにして、アレの中に入っている渦巻く黒い塊がとてつもなく邪悪なものであると。

 それに、影法師の命令することだ。碌なものではないことぐらい、考えなくとも分かる。

 そんなエリカの静止の言葉を、レイラは遮った。

 

「だから!!私は、私には、もう抱き止めてくれるパパもママもいないんだって!!大好きな二人はいないの!!もう孤りで、独りなんだよ!!死んだ!!死んだんだよ!!」

 

――――パリーン!!!

 

 レイラにスイッチを入れてしまったようで、声を荒げて、濁った光の無い瞳から涙を止めどなく流しながら、手の中の水晶玉を、地面に勢いよく叩きつけてしまった。

 水晶玉だったものから、黒い渦、煙、霧が蛇の如き動きを見せながら、肥大化しつつ、曇天の真ん中…ちょうど魔法陣が浮かび上がっていた領域へと昇る。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!

 

 曇天の中心部にある黒い渦は、大地から、空から、そしてレイラから、伸びた闇のエネルギーを取り込む。

 

オオオオオ…!!絶望の闇よ、ガディバを糧に、現世に具現化せよ!!

 

シュ……ッ!?

 

《 なんだ…この気持ちが悪いのは……。あれから…レイラちゃんが発していた、黒い感情と、似ている…?》

 

 影法師が両手を空へ向け叫んだ。

 すると黒い渦の中から、巨大な黒紫の大蛇が__大洗のトライリベンジャー出現時にも姿を現したガディバの闇の系統を受け継いだ__ガディバⅡが顔を出した。

 ガディバⅡは嘲笑うように口角を上げると、赤、青、黒と激しく変色する不吉な光球へと姿を変えた。

 

「アハハハ!アレが、ウルトラマンを殺してくれるんだね!」

 

「レイラ…何を言って…。ホントに、アンタどうしちゃったのよ!」

 

「私を不幸にした相手を恨んじゃダメだっていうの?おかしいよそんなの!当然の権利じゃん!!アレが、私の願いを叶えてくれるんだから!!」

 

「レイラ……」

 

 二人の気持ちがすれ違う中、空中で滞空していた黒の光球に亀裂が入る。光球がパッカリと真っ二つに割れ、そこから闇がとめどなくガス状に零れ落ちた。

 空より溢れた闇が地上に到達。その闇の中に赤い二つの目が見える。その目はナハトの方を見て離さない。

 

《なんだ、お前は……》

 

 得体の知れない…それもより邪悪な存在が生まれてしまったのだと悟ったエリカはその闇の中の瞳から目を離せなかった。

 

「あの中には何がいるの……」

 

アレは、言わば影だ…

 

「影……」

 

彼奴(ナハト)の影、闇より出でたるウルトラマン…ベーゼウルトラマンシュピーゲルだ…!!

 

 影法師の言葉に、そうだと応えるかのように、漂う闇よりナハトの影となる邪悪なウルトラマン__シュピーゲルが闇の中から飛び出す。

 シュピーゲルは、ナハトまったく姿形は瓜二つであった。ただ両者を分けるとしたら、外見の禍々しさであろうか。

 シュピーゲルの顔は全体的に黒ずんでおり、目は毒々しい赤一色。また目からは顔中に血管を思い浮かばせる脈打つ赤い線が入っている。そしてライフゲージと頭部クリスタル、そして肩のアーマー__"ベーゼショルダー"に載ったクリスタルは全て真っ赤に輝いていた。胸部の三本のラインはナハトとは逆の上から黄・赤・青であり、全身は紺色と青紫色の二色で染まっている。

 同じ暗色がベースであるナハト比較すればするほど纏っている雰囲気、漂わせている空気が違った。

 

 

――――ハァア……ッ!! ハハハハハハ……!!

 

 

 ナハトの前に立ちはだかる巨悪。ベーゼウルトラマン。

 その"影"の名を冠する闇のウルトラマンは、ナハトを見て静かに、そして不気味にワラっていた。

 

 

 




 はい。お久しぶりです。投稿者の逃げるレッドです。
 中々この回終わらないなぁ…というよりどこで切れば良いのかわからなくなり、合計文字数に目を向けたらなんと二万字越え。そりゃ長く感じるわと。
 ということで今回はいつもより長めの回となりました。

 ガギ、突然の弱体化。噛ませのような立ち位置にしてすまない。投稿者のお気に入りの強豪怪獣でもありました。

 投稿者が闇・影のウルトラマンとマジモンの偽トラマンがどっちも出てくるシリーズが少ないが故に本作でやってみたかったという理由が、シュピーゲル君の登場を後押ししました。

 二年前のシュピーゲル君のイラスト貼っときます。こんな感じです。


【挿絵表示】


 ついでに最近描いたビギニングストームのナハト(配色簡易版)です。よろしければ拝見してみてください。……まだまだ顔デザインは四苦八苦中です。


【挿絵表示】


 今後の展開もお楽しみに。また、投稿者は学生最期の夏季休暇に入るので投稿ペースは上げていきたいと思っとります。甲子園を見ながらこの熱血青春空想小説を書き上げていきます。

_________

 次回
 予告

 ナハトと同格以上の力を持った、邪悪な暗黒のウルトラマン__シュピーゲルとナハトは対峙する!
 戦いはまるで鏡合わせ……打つ手の無くなったナハトを攻め立てるシュピーゲルは、超必殺光線__スペシウム・イグニッションを放つ!!

 しかし、そこに割って入ったのは、地の護国聖獣であり怪獣王__ゴジラ。
 ゴジラと共闘するナハトは、勝利を掴み、レイラを救うことが出来るのか?


 《信じるから、託す。託すから、信じる…》
 

 次回!ウルトラマンナハト、
【人生の舵取り】!

サイドストーリー アンケート(基本ほのぼの)

  • 紗希のトモダチ
  • ミチビキさん サンダース編
  • ミライVSマホ カレー対決
  • ハジメ、迷い家にて
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