旧:逸見エリカのヒーロー   作:逃げるレッド五号 5式

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人類破滅機人 裁人(サバト)、登場。


第50夜 【歪められた使命】

 

 

 

 

7月29日水曜日 日本時間14:00過ぎ

 

 

東アジア 日本国東北地方 青森県つがる市

津軽戦車道特別演習場 仮設観戦スタンド

 

 

 

 24日の超獣襲来以降、日本国内で敵性存在事案の発生やそれによる妨害に遭うこともなく、予定通りに第63回戦車道全国高校生大会の大洗女子対プラウダの準決勝第1試合が開始された。

 

「試合開始からおよそ30分…ここで膠着状態になりますか」

 

 そう客席に座るエリカが溢した。

 

 流れとしては、大洗がプラウダの斥候__もとい囮役__と接敵しこれを試合開始からまも無くという間に撃退。残存した車輌を敗走させた。

 難なくプラウダ主力の〈T-34〉中戦車を多数撃破した大洗は勢いに乗りそのままプラウダ斥候残党の追撃に着手。

 しかし大洗は慣れぬ雪原と降雪…天候状況、そして押せ押せのムードから生まれた慢心__功を焦ったチームメイトらによる半ば暴走とも取れる行為__が重なり、斥候()残党に誘われる形で居住区画に包囲網を敷いていたプラウダ主力の術中に嵌った。

 

 …そして、準決勝からは使用車輌数の上限が15輌までとなっている。つまり6輌編成の大洗にとって、戦車の数と質の両面で厳しい状況に陥ってしまったのは間違いない。

 

 敵による誘引から包囲攻撃を受けた大洗。そこから彼女らは辛うじてプラウダの猛攻を掻い潜り、居住区域中央部にある教会施設に逃げ込み籠城するに至る。

 

「…仲間の手綱を握れなかったか、みほ…。やはりお前は優しすぎる」

「隊長…」

 

 現在はプラウダが大洗の立て篭もる教会施設を中心にした包囲網を絞り、再度の総攻撃の時を待っているかのようだった。

 その状況を映す巨大スクリーンに対して憂う顔つきで見守っているのは大洗の隊長西住みほの姉たるまほと、そのみほの親友エリカだ。

 

(みほ…貴方はここからどうするのかしら…)

 

 無論、彼女らから席一つ分横に離れて座る実の母のしほの姿もあった。厳しい表情だが内心彼女らと同じような心持ちであった。

 正史では、みほが引き起こした第62回の一連の出来事と大洗への無断転校を理由に、西住流家元として娘に勘当を言い渡すべくまほと共に試合観戦に赴いた。

 ()()の母親として振る舞えていなかったしほ。しかし本史では、みほの家族__母親として、そして同じ競技を嗜む人間として、応援し、娘の成長を見たいがためであり、この場にいる目的は明らかに正史とは異なっていた。

 

「隊長。この動きは…」

 

「………降伏要求か。向こうの隊長(カチューシャ)の性格を考えれば、有り得なくはない。もしかすれば、大洗の対応云々によっては故意的かつ悪質な"死体撃ち(オーバーキル)"も有り得るかもしれないな…」

 

 奇妙な包囲膠着状態が続いていることに、エリカは怪訝そうに、かつ、自身が行き着いた推測をまほの目を見て聞く。

 まほもまたエリカと同じ推測に至っていたらしく、一つひとつの言葉を区切り確認するように答えた。

 そこに、横で耳にしていたしほも加わる。

 

「…あまり褒められたものではないですね。戦車道もまた武道…"道"を持つ勝負事。戦わずして勝ちを得ようとする不躾な行為は本来許されるものではありません」

 

 静かな怒気が籠もった声色だった。高校戦車道連盟理事長としての立場だけでなく、戦車道と言う武道に打ち込んでいた元選手としての言葉でもあった。

 そして、戦車道でも未だグレーゾーンにあたる行為の一つである"降伏"…それも娘の所属するチームに向けての()()()()ならば腹立たしく思うに違いない。

「誇りを捨てろ」「勝ちを寄越せ」と遠回しに言っているのと相違ない行為なのだから。仮にこれが大洗や黒森峰の試合でなくとも、皆良い気はしないだろう。

 

「!……やはり、か」

 

 まほがスクリーンでの動きに気づいた。

 エリカもしほもその動きに気づく。

 プラウダの生徒が二人、戦車にも乗らずに大洗側が立て篭もっている壊れ掛けの要塞__町教会に歩みを進めている様子がスクリーンに大きく映っていた。片方のプラウダ生徒は、停戦の意を示す白旗を持っている。

 これによって、三人は先ほどの予想に確信を持った。

 

 何の反応__威嚇射撃等__も町教会側からは無く、重苦しい雰囲気が漂っているだろうことはスクリーン越しでも伝わってくる。中からの()()を受けることなく交渉役だろう二人のプラウダ生徒は教会正面から堂々と内部に入り姿を消した。

 教会外では相変わらず、包囲網を形成しているプラウダ戦車部隊は警戒を解く様子は無いようである。

 あくまでも今のところは、()()の段階であることを窺わせていた。仮に交渉が決裂すれば、プラウダの交渉役の安全が確保され次第、即座に殲滅に移るのだろう。

 

「みほなら、どう答えているのだろうか…」

 

 スクリーンにテロップ等が流れて今の状況を説明してくれているわけでも無いが、中で何が行われているのかは大体分かる。

 

「………」

 

 皆動向を固唾を飲んで見守る。

 数分ほどしてから、再びスクリーンに動きがあった。

 交渉役とされるプラウダの生徒二人が教会から出てきたのだ。撮影用ドローンからの映像で、彼女らの顔は若干不鮮明さがあるが、余裕のある顔をしていた。歩調もゆったりで、急ごうとしている気配は見えない。

 撮影用ドローンや戦車道連盟所属の、旧日本軍のレシプロ双発爆撃機__ 〈銀河〉の観測仕様機などが試合の経過報告を大会本部の方に伝えているはずである。スクリーン上に何らかのテロップ、アクションが無いということは、降伏等の処理が即座に決まったわけではないらしい。

 どちらかと言えば…

 

「どれほどの時間に決めたかは定かではないが、猶予を与えたのか。降伏までのタイムリミットを…」

 

「どうやらそのようね…」

 

「それって、試合中に、何もせずの空白時間を設けるってことじゃないですか…!」

 

 まほとしほの推測通り、降伏か継戦を決定するための議論の時間を大洗に与えたのだろう。現にプラウダ側の戦車群は前進をしなければ後退もせず、砲撃すらしていなかった。

 しかしこれは見方を変えればスポーツマンシップをかなぐり捨てた侮辱行為に当たる。その点でエリカは黙ってはいられなかったのだ。それも、侮辱されているのが親友ならば余計にだ。

 

「…だが――」

 

「――戦術・戦略としては悪くないわ。確実に勝利を掴むための、一つの方法ね…」

 

 西住親子は戦車__兵器を扱うスポーツ故の、そういった抜け穴を理解していた。

 それは兵器を用いるために、この競技の()()()姿()…戦闘の面が色濃く出てしまう戦車道の欠点とも言えた。

 黒森峰も勝利至上主義を掲げていたチームである。だから分かる。勝利へ一心不乱に進もうとすると、手段や思考の()()が外れてしまうことを。

 現在のプラウダも、その()()が外れてしまっているのだと言いたいのだろう。

 

「これは、長年積りに積もった意識の問題でしょうね…。過ちは正さなければなりません。戦車道は戦争ではない、武道であることを、再認識させる機会が全国の学園で必要なようね。この試合展開を見ていると」

 

 しほが色々と通り越して出てきた溜め息を吐いていた。

 戦車道を牽引する人間として、高校戦車道連盟の理事長としても、これもまた自身の責任なのだと自覚しているらしく、日本戦車道の改革の意識を持ったと分かる。

 

「そのためには……」

 

 ――そのためには、()()()()の手も借りることになりそうだという憶測がチラッと脳裏に過ぎるしほ。

 思わず言葉が止まった。

 その人物とはあまり良い思い出が無いらしく、普段周囲からは"鉄仮面"とも言われている彼女の顔が若干__常人なら気づくこともできないぐらいの些細な変化だが__青ざめ引き攣っていた。この場でしほの変化に気づけたのは血の繋がっている長女(まほ)だけであった。

 

「それでも…」

 

「隊長?」

 

 何かを思案していた、俯き気味だったまほが顔を上げた。

 顔に陰りは無かった。何かを信じているような、そんな顔だ。

 

「それでも、みほは諦めないだろう。…あの娘は、みほはきっとこれまで何度も心が折れそうになったと思う。でも」

 

「「………」」

 

 まほの言葉をエリカだけでなく、しほもまた静かに耳を傾ける。微かに頷きながら。

 

「それでも…と、戦車道を続ける理由を見つけたから、あそこにいるんだ。だから、みほは諦めない。こんな逆境、みほは跳ね除ける。私はそう信じてる」

 

 言い切ったまほは、小さく笑みを浮かべた、晴れやかな顔をしていた。

 

(西住隊長も…あそこまで強く信じられるんだ…。私も、あんな風に臆せず人を信じれるのかしら…?)

 

 エリカの脳裏に親しい人物が思い浮かぶ。

 幼馴染で、親友のみほが見える。……そのみほの後ろに隠れるように、不明瞭に、大きな影がチラつく。それはハジメであった。

  

「どうしたら…」

 

 声に出ていた。

 大事な試合を観戦している最中なのに自分は何を考えているんだろう。

 エリカはそんな自分自身に嫌気が差しつつあった。

 

「――あら?エリカちゃんとまほちゃん?それにしほちゃんも!!」

 

 そこに聞き覚えのある、親しげで明るい声が横から飛んできた。

 その声量は大きかったため端のエリカだけでなく、まほとしほも気がつく。

 三人はほぼ同じタイミングで声のした方に顔を向けた。

 

「久しぶり〜!!三人とも、元気だった!?」

 

 手を振りながら歩いてきた声の主は、ハジメの母親であるアオバだった。

 まほとエリカにとっては、実におよそ一ヶ月振りの再会である。

 また、まさかここで知人と会えるとはしほも思っていなかったようで…

 

「アオバ……!」

 

 珍しくしほの鉄仮面が崩れた。それは、アオバが彼女にとって、心の許せる数少ない人間の一人だからだろう。

 

「あら?お知り合いの方々ですか?嵐さん」

 

 そしてその横には、エリカ達からしたら見慣れない人物が二人いた。

 一人は黒い厚手のコートを身に纏う、パープルヘアーが目を惹く端正な顔立ちの女性だ。エリカ達を見ると、その女性は綺麗に会釈をする。

 そしてもう一人は__黒・グレーベースの戦闘服が特徴的な__特自隊員だった。恐らくは二人の護衛役と思われる。

 

「そうなんですよ香月先生、鈴木さん!こちら、西住しほさんと、長女のまほちゃん。そしてまほちゃんと一緒にいるもう一人の娘が、逸見エリカちゃん!昔から熊本(地元)で私がよくお世話になってるんです〜!」

 

 アオバの知人とも思えるその女性は、生総研に所属しているロボット工学の権威と名高い女性科学者__香月夕呼その人であった。

 香月は右腕にノートパソコン大の端末を大事そうに抱えていた。それの状態を時折気にしながら、改めて会釈を挟んで自己紹介をする。

 

「香月夕呼と申します。日本生類総合研究所で、物理学・ロボット工学の研究をさせてもらっている者です。よろしくお願いします」

 

 生総研は、よくお茶の間でも耳にすることの多い、国内で最も有名な研究所(ラボ)である。

 

  自発的な広告等の発信はしていないのだが、流石は日本に留まらず世界最先端を往く技術力を持つ研究所。そこで生み出された産物、若しくはその副産物が巡り巡って民生品等に恩恵という形で度々活用されることがあり、「またまた生総研の新技術がこんなところにも!」といったキャッチフレーズを付けてマスコミが毎回ネタとして取り上げるのだ。これのサイクルが繰り返されれば、あとは分かるだろう。自然と知名度が上がっていくわけだ。

 このマッチポンプ染みたサイクルは、1970年代の学園艦由来の内需景気…通称"学び舎特需"が発生してから現在に至るまで続いている。

 ちなみに、この現在まで続く右肩上がりの超好景気発生によって、史実世界で言うところの1980年代後半から発生したバブル経済とそれに伴う崩壊に、本世界の日本は出会うこともなく無縁となっていたりする。

 

 そしてこの研究所、以前にも説明したが、何しろ2000年以降から世界の戦車道競技用車輌の装甲に標準採用されている"複合カーボン"__従来の、乗員保護用に使われていたどの素材よりも軽く頑丈で、安全性をそれまでの250%に相当するレベルにまで引き上げた言われている__を世に出した機関である。

 今時、複合カーボン関連の技術を抜きにしても、田舎の農村に住む幼い子供ですら彼ら研究機関の名前は知っている。

 

「ああ、筑波の研究機関の…」

 

 しほが呟く。

 当然しほやエリカ、まほだって無論知っている。今戦車道を嗜んでいる側の人々は、その安全技術を享受し、感謝してそれらを使う立場の人間だ。現代日本、そして世界の戦車道の発展に尽力した存在の一つといっても過言でない機関について、戦車道に携わる人間で知らぬ者はいない。

 

「特生自衛隊東北方面隊、"第3旅団"所属、鈴木 純(スズキ・ジュン)二等特尉であります。自分は香月先生、アオバ社長の警護を今回は担当しております」

 

 キビキビとした敬礼と共に自身の所属と名前を答える特自隊員の鈴木。…気づいた方もいるかもしれないが、彼は過去のクナト発掘時に香月に案内役として同行した自衛官である。香月と一度でも交流していた自衛官、そして場所が場所であったがために護衛として抜擢されたのだろう。

 

 香月と鈴木の自己紹介に応え、三人の方も順番に自己紹介を返した。

 互いに一通りの挨拶を終え落ち着いた所で、しほが友人であるアオバが香月と共に行動していたのかを尋ねる。

 

「それで、アオバは何故香月さんと?見たところ試合観戦がメインのようには見えないけれど…」

 

「今日はお仕事でこっちに来たんですよ〜」

 

 アオバは熊本に本社を置く、日本有数のものづくり企業"希望製作所"の社長である。

 上の話通りならば、生総研との何らかの共同開発事業などがあったのだろう。先ほど話していた香月の専門から考えれば、ロボット関連あたりが妥当か。

 

「生総研との仕事なら、東京じゃなく?」

 

「実は依頼されたお仕事自体はもう終わっていて、希望製作所(私のとこ)と共同開発した……あれ?香月先生、これ他言してOKでしたっけ…?」

 

「守秘義務などはもう特に無いですね」

 

 確認をとったアオバが「それなら…」と続ける。

 

「――製作所と生総研で完成させた()()A()I()を、ロシアにある研究所に香月先生が持っていくところで、国内(青森)のとこまでお見送りしたいと思いご一緒してきたんです〜!」

 

「…そしてそのロシアへは北海道・千島経由のルートで空自の輸送機(〈C-3〉)でお送りする予定なんですが、何分出発時間まで5時間以上もあるので、丁度開催されていた戦車道大会を観に来た…というのがここまでの経緯となります」

 

 アオバに補足する形で鈴木が説明を引き継いだ。

 

「へぇ……AI、ですか…。それでは実物は何処かに…自衛隊の基地の方に置いてきたんですか?それっぽいものを持ってるようには見えなくて」

 

 話題に上がった新型の人工知能にエリカは興味を持ったようだった。彼女__エリカの趣味はボクササイズとネットサーフィン。クナト関連のネット記事やら何ならで事前知識などを備えていたからかもしれない。

 そんなエリカの疑問に香月が自身の持っているノートパソコン状の端末を見せる。

 

「この()よ」

 

 端末をよく見れば縦方向を均等に三つに分ける線…のようなものが走っていることが分かる。

 どうやら三つの媒体が結合しているようである。

 媒体に設けられている極小のランプが、赤、青、黄でそれぞれ一定の感覚で点滅している。

 

「え?この中、ですか?」

 

 少し得意げ、自慢げな表情でエリカに香月が説明する。相当気を良くしたのだろう。

 

「この中にAIが三つ…いや、()()入ってるの」

 

「三人とは、どう言う意味ですか?」

 

 香月の言い方に違和感を持って問い掛けたのはまほだった。彼女も彼女なりに興味があったらしかった。

 その問いに香月は丁寧に答える。

 

「私達が生み出したのは、自立型多用途AI……自我を持たせたAIで、私達ヒトと同じように人格を有する考え悩むことができる存在なの。名前は赤いのが、"スオウ"、青いのが、"ロクショウ"、黄色のが''コハク"…いまはまだこの端末の中に自我…意識と呼べるモノがあるだけで、この子達に身体は無いけれど…それでもいつか、いや近い将来には手と手を文字通り携えることができる日が来ると私は思ってるわ」

 

 そこからは件のAIの開発に協力したアオバも交えて話は進んだ。

 

 "自立型多用途AI"は、元々は人々の新たなパートナーというコンセプトで開発がスタートし、その過程でまず災害発生時などの人命救助に重きを置いたAIとして生み出すことを決定された。

 生総研は、ヒトの命に携わるという思考の設計の研究に四苦八苦した。そこで、ものづくり企業として、介護・救護用ロボットやそれに搭載するAIの開発にまで手を伸ばしていたアオバの会社が注目された。

 そこからはとんとん拍子でやり取りが進み、民間中小企業である希望製作所との共同開発が始まった。

 そして開発途中、思わぬイベントが発生する。青森で超古代__と言っても、現代科学技術以上の高度な技術が施されていた__自立型AIを搭載したロボット…機人クナトが発掘されたのである。クナトは現人類が理想とするAIそのものだった。そのクナトから快く提供された自身の思考パターンの一部__一部と言いつつも、質的に言えば限りなく人間に近いモノであり、量的に言えばクナトの有する全思考パターン中の3割強ほどを占めるほどの膨大かつ貴重なもの__を加えるなどしたことで全工程の大幅な短縮が起こる。

 これにより、約一か月ほどの期間を経て丁度今日より数日前、第一世代とも言える自立型AIが誕生したのである。

 

 言わばこの新型AIは超古代人類と現代人類の、知恵の結晶だった。

 太古からバトンを今に繋いで、渡した偉大な走者__クナトの助力により完成した新たな時代の人工知能。それらは正に新たな希望と言えた。

 

 香月が腕に抱えている端末を改めて全員に見せる。

 

「この子達の本当にすごいとこはね、それぞれの思考は共有するけど、別々の自我…個性をしっかり持ってること。クナトの思考パターンの、まったく同じ部分で分岐したはずなのに、思考実験をしてみた結果、それぞれ全く違う()()だってことが分かったのよ」

 

 まず、赤…"スオウ"は猪突猛進気味な頼れる兄のような性格で、青…"ロクショウ''は兄貴分スオウと弟分コハクを影ながら補佐する、仲間想いで冷泉沈着な性格…そして末弟にあたる"コハク"は、優柔不断気味のではあるが伸び代のある性格となったことを香月とアオバが四人に聞かせた。

 何が発端でこのようなことになったのかは判明していないとのことだが、これもまた研究の余地ありとどこか楽しそうに香月は腕を鳴らしていた。探求を好む人間としての性であろう。

 

「――で、かなり遠回りな説明になっちゃったけれど、この子達の実地試験がロシアの研究所…クナトのいる場所で行なうことが決まったから、こうして青森まで来たってわけ。そこからは、鈴木さんが言った通りよ」

 

 それに、と香月は含みを持たせて続ける。

 

「この子達の、目と耳は開いてる状態なの。観戦は時間潰しとしてもだけど、この子らはまだ外の世界を全然知らないから、一つでも多く色んなモノを見せてあげたくってね。……すごい勉強熱心だから、はじめて見たモノすべてを片っ端から端末内に併設した電子辞書にアクセスして調べるのよ。多分今も、貴女達のことを初めて見る人達ってことで興味持ってると思うわ。試しに、これに向けて手を振ったり、声を掛けてみてくれない?」

 

 そう言うとエリカとまほに例の端末を香月は手渡した。

 最初はポカンと互いの顔を見合わせていた二人だったが、香月に促されたように取り敢えず手を振ってみることにした。

 

「これは……」

 

「! さっきよりも…」

 

 すると端末のランプに変化があった。点滅の間隔と光量が上昇したのだ。

 

「多分、喜んでる表現(サイン)ね。それもかなり。……この端末には音声や文字を出力する機能が無いから、明確な意思を伝えることが出来ないの。だから、こうして唯一反応を外に示せるLEDランプを通してコミニュケーションを取ろうとするの。すごいわよね」

 

「……とても元気に見えますね。まるで子供みたいに」

 

 エリカは思ったことをそのまま言った。

 香月は満足そうにその言葉に笑顔で頷く。

 

「これからこの子達はどんどん外の世界のことを知って、成長していく。今貴女たちと出会ったことも、この子達の経験の一つになる。………話が長くなったわね、ごめんなさい。さて、観戦に戻りましょう」

 

 香月の言葉で、ここまでのAIについての長話は締められた。

 香月、アオバ、鈴木__彼の場合は任務の性質上、呑気に観ていることは叶わないが__の三人も、観戦席に座り、巨大スクリーンの画面に注目する。

 スクリーンの向こうには、何も動きを見せない石造りの町教会が映っていた。

 

 …彼ら彼女ら、そして観戦している他の人々も勿論知らない。この後三時間の間、試合展開が停滞し続けることを。大洗側…隊長の西住みほが、その間に発生した吹雪による寒さと部隊の士気の低下を凌ぐために、あんこう踊りを行なうことを。試合の最後には大洗の大逆転劇があること。

 

 ………そして、これから遥か北の地、隣国ロシアのシベリア・オホーツク統合基地にてクナトが暴走し、日本に、それもこの演習場に現れることになるなど、誰も知らなかった。

 

 

 

――――――

 

 

 

三時間後 日本時間16:30頃

 

 

極東 ロシア連邦 マガダン州オホーツク

ロシア連邦軍シベリア・オホーツク統合基地

欧州連合科学技術研究所ロシア極東支部施設区画

地下施設

 

 

 

 統合基地内の欧州科学研施設区画。そこでは些かの問題が発生していた。地上施設や大型滑走路、車輌用道路上に、問題と思われる異変は見当たらない。

 

「――地下Aブロック内の全システム、再度ダウン」

 

「これで三回目だぞ!?くそ、何なんだ……!」

 

「復旧までおよそ十数分です」

「大尉。Aブロックだけでなく、やはり地上との接続区画の全システム並びに統合基地との通信状態も依然として回復しません」

 

 それもそうだろう。何せ地下施設内での出来事なのだから。

 

 欧州科学研の地下施設は、最上層から最下層のフロアまでをA〜Eのブロック、横に広がるフロアを1〜10として区切り識別されている。ちなみに、機人クナトが収容されているのは最下層__Eブロックの1__E-1である。Eブロックになると、各フロアは多目的シェルター兼大型地下格納庫として独立稼働しており、地上へ繋がる垂直シャフトをそれぞれのフロアが持つ。

 

 ここは地下施設のセキュリティーを統括する警備部が置かれている監視ルームである。所属のブロックはBでフロアは中間の5。二番目に地上に近いブロックだ。

 彼らは、現在地下施設内のAブロックの通信が機能不全__照明から監視カメラに至るまでの遠隔操作可能な機器全て__に陥る明らかに人為的な()()()に頭を悩まされていた。

 

「…これは電波妨害(ECM)だと思うか?」

 

 地下施設内はまだ辛うじて通信ができる箇所はあるのだが、第一に地上との通信が一切不可能という現状が最も憂慮すべき事態。外部は沈黙、内部もそれに近づきつつあった。

 

「はい。このレーダーや通信装置の具合から、十中八九…確実にECMで間違いありません。それも、既存の、我が軍がアーカイブしてあるどのサンプルにも該当しない、かつ、それらよりも遥かに高出力なモノで為されています」

「これを聞くに、現在当施設で発生している異変は、自然現象や事故によるものでは無さそうですな。この基地が潜在的な攻撃に晒されている可能性が高いかもしれません」

 

「そうか。ならばこれは――」

 

 されどもここは仮にも軍事施設に併設された研究施設……それなりの官民スタッフとあらゆる物資、機材が揃っている場所の設備が柔なわけがない。

 

「――敵性存在…それも高度な知能と科学技術を持った異星人の仕業かもしれん。そしてそれが本施設侵入を画策している、という段階だろうか」

 

 施設警備のすべてを掌握する警備室室長__警備隊長イサルク大尉の勘は鋭かった。

 これは、他国の軍や特殊部隊による工作・奇襲行為という生優しいものではないと、確信に近いものを持っていた。

 

「…大尉の推測に則るのならば、敵性存在がここに用があるとしたら…クナトでしょう。破壊が目的か、奪取が目的なのかは分かりませんが」

 

()自身、戦闘用のロボットだと言っていたしな。あれだけデカくて高性能なロボットなんだ、中国や豪州だってクナトに注目していた。地球人以外が興味を持ったって不思議じゃない。…侵入者は星間同盟なる組織の敵性異星人かもしれん」

 

 イサルクもまたクナトとの会話経験を持つ人間だった。

 また、つい最近日本政府が寄越してきた、特殊生物・異星人の資料に彼は目を通している。彼が注目したのは、静岡県焼津市…ソリチュラ関連の記録だった。自衛隊による民間人救出作戦時に、自衛官が遭遇し交戦したとされる、植物人間(ソリチュラン)とそれとは別種の人間大の異星人(ワイアール星人)の存在…それらと今回の侵入者を照らし合わせるに至った。

 クナトを目当てとした人間サイズの敵性存在による施設襲撃…まさかと思っていた予測が、現実を帯び始める。

 

「……大尉、これを見てください。システムの不調範囲が移動しています。たった今A-5から、A-6に反応が移りました」

 

 保安要員の兵士が一人、上司であるイサルクに自身の見解を伝えた。目の前にある個人用モニターを部下はイサルクに見せる。

 

「敵性存在自体が電波妨害をしているとでも言うのか…!?」

 

 イサルクは驚愕した。今自分達が対応しようとしている存在に、こちらが持ち合わせる常識は通じないのだと、改めて思い知らされた。

 

 イサルクは部下の報告を受けてデスクモニターに映る情報をさらに詳細に知るためにすぐさま目を通す。そこには部下が丁寧にマーキングしたと思われる光点が通路に一定間隔でいくつも表示されていた。光点はすべて同一の対象を示したものである旨を部下からイサルクは伝えられた。

 

 そこに、また新たな報告が入る。

 

「…大尉。先程、通信回復のために動いた科学研の技術スタッフ三名と、状況把握も兼ねて彼らについて行った下士官が二名、Aブロックのフロアより戻ってきません。彼らには有線通信用の機器を与えていたのですが、何らかの原因で断線されたらしく、応答もありません。」

「上の階にいた施設スタッフや警備戦力は軒並みやられたのかと思われます」

「現に、Bブロック(ここ)に降りてきた人員は誰一人確認できておりません」

 

 別の部下二人からのさらなる情報がもたらされた。そのどれもが良いものとは言えない。

 不穏な報告が続く。もはや疑いようはなかった。

 

(…敵性存在はとっくに施設内に侵入していた…準備ではなく、もう実行の段階に移っていたのか…!)

 

 イサルクが心中で悪態を吐いた。

 こちらの予想よりも敵__侵入者の動きが数手早い。

 人サイズに収まった得体の知れない脅威が、ヒタヒタと歩いてきている。そんな感覚に襲われる。

 しかし、今は如何にして敵が侵入したのかを詮索するのは肝心ではない。

 

 イサルクは腕時計を見やる。

 

「……次の地上との定時連絡までは」

 

 深く息を吸った後、部下に問う。

 

「24分です」

 

 短く淡々とした返答が返ってきた。それは地上がこちらの異変に気づくまでの最短時間を意味していた。…地上の人員や設備が無事である前提の話であるが。

 

「ならば、各フロア間の通路隔壁は下ろせるか」

 

「…敵がこちらの防衛システムにまで妨害を掛けているらしく、既にBブロックの全フロアの隔壁装置は応答せず。またそれだけでなく、迎撃用機銃等も作動が不可能となっています」

 

 今の所、侵入者の仕業と思われる未知の強力な電波妨害やシステムのハッキングによって、あらゆる地上への脱出手段が潰されている。唯一の残された出入り口は、敵性存在のいるルートを通らねばならない。どの道、敵性存在__侵入者を相手にすることになるだろう。

 

(っ!!……守れるかその間を…いや、守らねばなるまい)

 

 数秒、イサルクは宙を仰いだ。それからすぐにこの施設の安全を預かる人間の代表として、採るべき措置を決断した。

 

「今より緊急警戒態勢をすべてのブロック、フロアに対し発令。BからEブロックまでの全警備隊員及び警備増強要員を非常呼集しA-10とB-1を繋ぐ昇降通路手前で敵を迎撃!第一防衛線としてB-1フロアに防衛線を構築しろ!!依然として敵の詳細は未だ不明だ!各員、全力で事にあたれ!!」

 

「「「っは!!」」」

 

 この瞬間に、全てのブロックで真っ赤な非常照明が点灯し、非常事態を知らせるアナウンスが流れ始めた。

 監視ルーム内外の人員が慌ただしく動き出した。施設警備を任務とする兵士達が装備を整えるべく武器ロッカーへと次々と向かう。

 

(ここはB-5フロアに位置する…アレとは目と鼻の先…ここが落ちれば、科学研のスタッフとクナトが危ない。断固として防がねば)

 

 

 

 

 

 

同地下施設 B-1フロア

 

 

 

 科学研地下施設のフロアと呼ばれている空間は、一般人が想像する大衆食堂ほどの面積を有する。フロアごとにその空間は研究・開発室、物資機材の保管庫などに変わり、それぞれ役割は違う大部屋となる。なお、危険性や希少性の高いモノを取り扱う研究・開発室ほど、封印するように下層ブロックのフロアへと置かれる規則がある。

 

「各ブロックの警備隊並びに増強要員の集合、終えました」

「二個中隊をB-1通路に、三個中隊をこのB-1フロアと、後衛としてB-2通路に配置させます」

「よし。バリケード設置を急いでくれ」

 

 ちなみに、Bブロックは動力室といったものを除く、地下施設内で人間が生活するために必要な要素__衣食住、娯楽遊戯、保養等を提供するエリアとなっている。例外として、保安室…監視ルームが当ブロック中間地点であるB-5フロアに設置されている。

 ここはそのBブロックの玄関口、B-1フロア。広さを定義する際に大衆食堂を上述の例に出したが、ここは実際に施設関係者達の利用する食堂エリアだった。

 

「敵性存在って、何だよ」

「小型の異星人だって上官殿は言っていたが…」

「わざわざこっちのサイズに合わせてきてくれるわけだ。上等じゃねえか」

「…守備隊すべてを駆り出すってのは、いささか多すぎやしないか?」

 

 食堂エリアに置かれている家具__長テーブルに丸テーブル、椅子といったものを全て用いて、当エリアと通路の境目を中心とした地点に即席のバリケードが築かれつつあった。

 …ハッキリ言えば、この程度のバリケードは、武器を持たぬ暴徒であっても突破は容易なものであり気休めにもならないだろう。しかし、使えるものは全て利用して何が何でもここで侵入者を防ぎ止めるという気概がそこから感じ取れた。

 

「お前…聞いてないのか?地上とAブロック全体との通信が途絶してんだよ。地上は分からんが、上の連中は全滅って話だぞ」

「ならそれこそじゃないか。上の人間丸々殺せる相手に敵うもんかよ」

「……銃が効くのか?」

「分かんねえ」

 

 不安を口にしている兵士達もいた。が、そんな彼らも覚悟はしているようで、怯え身震いしている者は誰一人としていなかった。

 

「おい…見ろよ、対戦車擲弾(RPG-28)を持ってきやがった。ありゃあ新品だぜ?」

「施設設備への被害は度外視か。…おうおうマジか…重機関銃(Kord)まで武器庫から引っ張ってきたみたいだぞ」

「施設は頑丈だ。派手に使ったとしても屁でもないさ。使えるものは使った方がいい」

 

 施設内の武器庫やロッカーから持ち出してきた重火器も防衛線に投入されるようだ。車載用機関銃や無反動砲、対戦車擲弾、対物狙撃銃(アンチマテリアル・ライフル)等が次々と食堂エリアに運び込まれていた。

 

 さらに…。

 

 ガシャンガシャンガシャンガシャン…!

 

「おお。()()()()…"重装歩兵(フェンサー)"小隊か」

「相変わらず背嚢の両側面に対戦車擲弾をマウントしてるのは見ていて慣れないな」

 

 続々と火器が用意されていく傍ら、四車線道路ほどの横幅を持つフロア間通路のど真ん中を、ガシャガシャと重厚な金属音を響かせ歩く集団が現れた。

 一般兵から"黒盾持ち"と呼ばれる彼らは、全長2メートルほどもある連邦軍特注の"炭素繊維防弾盾(カーボンシールド)"__戦車道車輌の内部装甲に使用されている複合カーボン材で作られた代物__を片手に持っているのが印象的で、全身を暗色で統一した重装備に身を包む、施設防衛に特化した少数部隊、重装歩兵小隊である。

 

「耐爆スーツに何重もの防弾プレート、そこに軍用パワードスーツ(エクゾスケルトン)まで装備してるんだ。あれは昔ゲームで見た"ジャガーノート"そのものだね」

「アレか?ミニガン持ってバッタバタと敵を薙ぎ倒してくヤツだろ?」

「それだよ、ソレ。見た目はまんまだよな」

 

 施設防衛の最後の砦とも評される重装歩兵__フェンサー小隊は、施設侵入者を塞ぎ止め、粉砕するための数々の装備を有している。

 米国より輸入した、ミニガンの愛称で知られる電動式ガトリングガン"M137"と、上述の炭素繊維防弾盾、そして兵士が言っていたように耐爆スーツと防弾プレートを組み合わせ一体化させた軍用パワードスーツ__エクゾスケルトンの全身着装型を標準装備としており、これが重装歩兵(フェンサー)たらしめる所以ともなっている。今回はここに重装歩兵用に調整された対戦車擲弾"RPG-28"発射機を二機、追加装備している。

 ちなみに、このジャガーノート…もとい重装歩兵(フェンサー)の装備一式についてだが、現在は各連邦軍関連施設・基地の守備隊用装備として少数配備されるに留まっているが、将来的には連邦陸軍の歩兵部隊の半数以上を重装歩兵部隊へと入れ替えをするとのことらしい。

 

「我が小隊は、防衛戦前衛と中衛を担当しよう。間もなく侵入者が昇降路(エレベーター)で降りてくる頃合いだ。お前ら、やるぞ!!」

 

「「「ypaaaaaa!!!!(応ッ!!!)」」」

 

 隊長に応え、巨大な盾をガンガンと通路床に叩きつけ雄叫びを上げる重装歩兵達。

 防衛線にいる他の兵士達にもその闘志が波及し、守備隊の士気が向上する。

 

 そこから数分もしない内に動きはあった。

 

『防衛線守備隊に通達する。敵性存在と予測される侵入者が昇降路内に入ったことを確認した。接敵まで残り数分!迎撃用意!!』

 

 有線通信にて警備ルーム__警備隊長イサルク大尉が兵士達に戦闘準備を告げる。

 いよいよ侵入者と守備隊が対面する瞬間が迫ってきた。

 

 ――ウィイイイーーーーーン

 ゴウンゴウンゴウンゴウン……

 

 大型昇降路__エレベーターが稼働する音が、戦闘に意識を向けてしんと静まったB-1通路、B-1フロアに響き渡る。

 上層…Aブロックから、何かが、降りてくる。

 

ゴウンゴウンゴウンゴウン――ポーン!

 

 Bブロックに昇降機が到達した。

 目的の階層に着いた旨を伝える電子音が、嫌に高く聞こえた。

 

 乗場戸が左右にゆっくりと開き出す。黒く大きな人ならざる影が見えた。

 戸が開き切る手前に、それを確認した防衛線の現場指揮官が叫んだ。

 

「射撃開始ーーーーっ!!!!」

 

 ダララララララララ!!!!! ――ドガガガガガガガガガ!!!!

 ――パパパッ!パパパパパパパッ!!

 ドトトトトトトトトトトトトトトト!!!

 

 凄まじい弾幕がエレベーター内を襲う。

 特に目を見張るのは重装歩兵が装備する、毎分2000〜6000発の発射速度を誇る7.62mm口径のガトリングガン__"M134"による掃射だ。明色の線が途切れることなく、通路を彩りながら、昇降路に殺到していた。対象が兵士、装甲車などであったなら、これで蜂の巣と化していることは考えずとも分かる。

 さらには、ダメ押しとばかりに弾幕の繋ぎつなぎに対戦車擲弾が斉射され、乗場戸の周囲を猛烈な爆炎が何度も包む。

 

「このまま押し切れるんじゃないか!?」

「気を抜くな!敵が前進を始めたらしい!!」

「この弾幕の中をか!!」

 

 軽機関銃を扱っていた兵士のたらればを、重装歩兵の一人がフルフェイスヘルメット越しに叱責し遮った。

 重装歩兵の一人が言ったように、侵入者は濃密な弾幕の中を、一度も止まることなく進んでいた。

 その姿は彼らの予想通り、異星人…敵性存在であった。兵士達は一目見て分かった。アレは、()()だと。アレはこちらにそれを隠すこともなく、底知れぬ悪意をぶつけてきているのが肌で感じ取れるほどである。

 

『……このレベルの火器であったのなら、わざわざ防衛システムにまで干渉する必要は無かったかもしれんな』

 

 頭部に視覚の役割を有する赤色の発光器官を持ち、全身が黒ずくめで網目模様__蜘蛛の巣を彷彿とさせる__が特徴的な、不気味な人型生命体………。

 守備隊の彼らが知らぬところであるが、その敵性存在――侵略性異星人の正体は、星間同盟の地球侵略先発隊の監査員、ネオワロガだった。

 

「アイツ!傷一つ付いてないぞ!!」

「攻撃が効いてないのか!!」

「だとは思ったぜ!畜生が!!」

「弾が届いていない…?もしやあれが光子防壁というシロモノか…!?」

 

 ただワロガは、ボディの数センチ外側に超硬不可視のバリアを発生させ、全身を満遍なく覆っているだけ、なのである。

 兵士らが悪態を吐きつつ引き金を引いている間にも、ワロガはB-1通路を進む。

 

「…!くそ、給弾(リロード)する!」

 

 ここで弾幕の密度が一気に減少した。重装歩兵のミニガンが再装填に入ったのだ。

 給弾時間はおよそ数秒………しかし、その僅かな時間の合間にワロガが動く。

 

『存分に撃ち込んだだろう。今度はこちらの番とさせてもらう』

 

 地球人類には伝わらない音声__それら一連の独り言は全て発砲音により掻き消される__の羅列を発すると、歩きつつも両腕を上げて腕部に装着してある武装__"ソードアームパンチ"をB-1通路に敷かれた第一の防衛線に向ける。

 

「なんだ、攻撃の準備動作か!?」

 

 その動きは装着武装に備わっている、光弾射出兵装"アームスショット"を使うためのものであった。

 

『――爆ぜろ』

 

 紫色の尾を引く光弾が放たれた。それは短いスパンでB-1通路上に展開していた防衛線に満遍なく連射された。

 さらに、光弾には炸裂効果があったようで、兵士や通路区画、そして後方の食堂前バリケードに着弾する度に紫色の炎を伴った爆発を幾度も発生させる。

 

 爆発により悲鳴も怒声も等しく掻き消された。

 さらには光弾が直撃、もしくは至近に受けてしまった兵士達は四肢が吹き飛ばされ、光弾の斉射が終わった頃にはたちまち通路内と隣接するB-1フロアの玄関口は空間のそこかしこが赤黒く塗りたくられた阿鼻叫喚の地獄へと変わった。

 

「光の弾丸…いや、砲弾か…。なんて代物だ……。ぐっ…!」

「ゴホッ…!くそったれ……衛生!衛生!!」

「ぐぅううう…!!!足をやられた!!!」

「鎮痛剤は無いのか!!」

「っ!?おい!大丈夫か!!こっちの重装歩兵(フェンサー)までやられた!!」

 

 ワロガの"アームスショット"の威力は凄まじいものだった。重装歩兵のエクゾスケルトンだけでなく、彼らの持っていた規格外の防御力を誇る大盾__カーボンシールドさえ破損・融解させていた。

 

「イサルク隊長!前衛…第一防衛線が破られました!!」

『第三防衛線の一個中隊を第二防衛線に回す!火力投射を継続するんだ!!』

 

 対人戦闘で最高の防御力を持つだろう歩兵__重装歩兵すら手も足も出なかったのである。覚悟していたとはいえ、残った兵士達に少なからず動揺が走る。

 B-1通路の第一防衛線は崩壊した。

 

「だ、大丈夫か…。――ぐあっ!!」

「なっ!?こっ、このヤロウ…!――ガハッ!?」

 

 態勢を何とか立て直したB-1フロアの第二防衛線からの銃撃を先程のようにバリアを用いていなしながら、通路を突き進むワロガは、B-1フロア…食堂へ向かう道中でまだ息のある兵士達を腕部装着武装"ソードアームパンチ"で殺害する。その動きは単純作業と大差なく、そこには情けなどは介在しなかった。

 

「人間は皆殺しってことかよ…!」

 

 B-1フロア__第二防衛線の兵士が銃を連射しながら歯噛みする。

 暫くして、通路内の友軍が文字通り全滅。防衛線からの攻撃をワロガはものともせず、バリケードや固定銃座、そしてそこに構えていた兵士達をたやすく蒸発させ、フロアに到達した。

 

――ジャキッ!!

 

「総員撃てぇえええ!!!!」

 

 フロアのひしゃげたゲートから侵入を試みるワロガに堂内のあらゆる場所から第二防衛線の残りの兵士らによる銃撃が浴びせかけられる。

 

『無駄なことを…』

 

 耳障りだ、とでも言うようにワロガがぼやく。

 

 しかし即座にワロガから放たれる光弾によって堂内が制圧される。地下に造られた密閉空間は、相手の逃げ場だけでなく、自分たちの逃げ場も封じられる魔の空間と化した。

 食堂内に敷かれた第二防衛線も瞬く間に崩壊。

 ヒトの亡き骸で溢れた堂内をワロガは後にし、B-2フロアに通じる通路へと踏み込む。

 

 B-1・B-2両フロアを繋ぐ通路には最終防衛線が張られていた。しかし、第一、第二防衛線よりも弾幕はか細く、疎らであった。

 それは一個中隊の戦力抽出だけが原因ではなかった。先ほどの戦闘で流れてきた光弾によって与えられた被害も重なり災いしていたのである。

 …他の兵士は全員倒れ、補充要員は存在しなかった。残された最後の択とは言え、残り少ないの戦闘要員をかき集めて構築し直した防衛線は、最後の砦としては余りにも脆すぎた。

 

 最終防衛線も、これまでと等しく光弾による斉射が加えられた。

 

――ゴウンゴウンゴウンゴウン…!!!

 

『…!側面から反応か…?』

 

 圧倒的な火力で防衛線を蹂躙していたワロガ。

 攻撃の最中、不明瞭ながらも敵の反応を通路の壁内から探知した。突然かつ、奇妙なモノであったために、反応が遅れた。

 

 通路の両端…壁にあった__フロアサイズまでとはいかないものの、通路内に一定の間隔で配置されている、マンション個室ほどのスペースを持った多目的空間に繋がる小さなもの__自動扉の一つが開いた。

 

「押し潰せ!!」

 

 そこから横三列に並び、大盾を構えた重装歩兵十数人が次々に飛び出してきた。

 

『まだ戦力を残していたか…』

 

 彼らは堂々と横っ腹を見せているワロガに決死の突撃を掛けた。それは、並大抵のものとは違う、エクゾスケルトンの恩恵を最大限に活かした高い瞬発力と打撃力を有する突撃であった。

 彼らの目的は侵入者…ワロガの無力化であった。バリアの非反発性と対象の攻撃手段を鑑みての作戦だ。彼らは大盾を使ってワロガを固定・拘束しようとしたのである。抑え続けることができれば、外からの応援、もしくは可能性は極めて低いものの新たに打開策が見つかるまでの時間稼ぎになるかもしれない…そんな思いによるものだった。

 

ガッ!ガガガン!!!

 

「そのまま壁に叩きつけろ!身動き一つ取らせるな!!」

 

 重装歩兵の指揮官が叫んだ。重装歩兵は盾を器用に扱い、ワロガを、体の自由を封じさせつつ壁に抑えつけ拘束することに成功した。最大の脅威であった光弾の発射機も例外ではなかった。

 ここからは耐久レースかと彼らが思った矢先…。

 

『…馬鹿が』

 

 ワロガがテレポートで拘束から脱した。

 壁に抑えつけられていたはずのワロガが消えたことで目を白黒させる重装歩兵部隊。

 彼らが現状の再認識を行なう前に、ワロガはガラ空きとなっていた彼らの無防備な背面に光弾を何発も撃ち込んだ。

 

 光弾を撃ち続けて数分。

 重装歩兵の決死隊、最終防衛線が共に殲滅され、ワロガを止める障害と言えるものは消え去った。組織的抵抗が可能な戦力は施設内から消失した瞬間だった。

 

 その後、ワロガ何の抵抗を受けることなく、施設防衛の要__B-5フロアの警備ルームに到達。

 イサルク警備隊長以下室内にいた人員は皆殺しにされた。

 彼らが無能だったわけではない。ただただ、相手が悪すぎただけなのだ……。

 

 ワロガは目的のクナトが鎮座している最下層の格納庫フロア__E-1に向かうまでの、C〜Dのブロック内で確認できた反応はどんなに小さく歪なモノであれ、すべて抹殺した。そのために、非戦闘員である施設関係者にもまた、夥しい犠牲者が発生した。

 

 

 

 そして、遂にワロガがEブロックに辿り着いてしまう。

 

 

 

同施設 E-1地下大型格納庫

"衛人(クナト)"収容ハンガー

 

 

 

 

『Dr.ライト、侵入者が間もなくここにやってきます。貴方達は早くフロア内のシェルターへ。侵入者の生命体探知能力は驚くべきほどに高くはありますが、道中の収容者がいる多重隔壁シェルターを破壊してはいません。相手の能力にも限度はあるのです。お早く!』

 

 クナトも自身が置かれている状況を理解していた。施設内の生きている有線、無線通信を問わず情報を得ていたためである。

 彼は自身の心配よりも、足下にいる科学者達の身を案じていた。

 

「キミはどうするんだいクナト」

 

『恐らく相手の狙いは私にあります。私を手中に収めれば、相手は残った貴方達には目もくれないハズ。私はここで座して待ちます』

 

 座して待つとは言ったが、備えはあるのだろう。

 

『私の各戦闘用兵装は死んでいるも同然ですが、辛うじて頭部のマナ粒子加速砲は生きています。それを用いた低出力射撃で迎撃を試みます』

 

「そうは言ってもだね…」

 

 米国所属のライトにはクナトを説得させられるような材料を持ち合わせていなかった。

 しかし、クナトと対話を並の人間よりも重ねてきた者の一人である彼は早々に引き下がりはしない。

 ただの人工知能ではなく、人格を持った新たな存在の形であるクナトを、彼だけでなくこの施設の人間は皆、クナトを一人の大きな友人、隣人として見ていたのである。それは勿論、幸いと言えばいいのか現在この施設にはいない香月も当て嵌まる。

 

『私は、脚部を欠損しており動けません。さらには脱出に使える垂直シャフトのシステムはダウンしている現状、私に残された選択肢は然程多くは無いのです。私の使命は人類を守護すること……その命を真っ当し散ることができるのなら、本望というもの』

 

「…そうか……。私たちは軍人でもない、しがない学者集団だ…隠れるしかない無力な私たちを、どうか許してくれ」

 

 クナトは意思を曲げなかった。それに科学者達が折れる形でクナトへの説得は終息した。…仮に説得ができたとしても、彼らにできることは無いに等しかったのだが。

 

 ライトがこの場にいる科学者達の代表として、クナトに何もしてやれないことを謝罪し、シェルターに退避することを承諾した。

 

『さあ、急いでください』

 

 クナトが促した。

 

「ああ。すまないクナト…キミを――」

 

――ヒュン!!!

ドガァアアアアアン!!!!!

 

『Dr.ライト!!』

 

 退避の決心をしシェルターに向かい出していたライトを含む科学者達が、光弾の閃光の中に消えた。僅かな時間の合間に、先ほどまでクナトと言葉を交わしていた者たちが蒸発した。

 爆煙の途切れ途切れに、クナトの頭部視覚センサーが捉えられたものは、無情にもライトの掛けていた__光弾による影響かレンズにはヒビが入っており、フレームもひしゃげている__眼鏡のみだった。

 

 しかしそこからクナトの動きは素早かった。感情とも捉えられる思考の空白時間は数瞬あったものの、彼は言葉を発することなく、ここまでの状況の整理をコンマ数秒で完了させた。

 光弾が射出されただろう方向に頭部を向ける。

 視覚センサーの中央に、黒い人型生命体__ワロガが片腕をこちらに向けて立っているのを確認した。

 

『……非戦闘員も無差別に殺害するのは何故ですか。これ以上の破壊行為を私は看過しません。即刻武装を解除し、投降しなさい。これに従わない場合は――』

 

『随分と悠長に話すロートル人形だな。不意打ちでも何でも、したのなら――!!』

 

 クナトの警告を遮ったワロガ。

 するとクナトの頭部兵装__マナ粒子加速砲を低出力でワロガに向け再度の警告無しに複数回照射した。緑色の閃光がハンガー内の辛うじて生きている明色の照明を上塗りする。

 粒子の線を難なくワロガは回避する。テレポートと高速移動を交えての変則的なものだ。

 

『機械は、主に扱われてこそ。本来、自我を持つことなどあってはならんのだ』

 

『――迎撃措置を続行します』

 

 クナトによる粒子砲の照射が繰り返される。

 ワロガはそれを苦とも思っていないかのように、いなしてクナトの射撃を避け続ける。

 ワロガはクナトの様子を伺っていた。如何にしてクナトに肉薄すべきか否かを。

 

『――!!』

 

 回避に徹していたワロガが、クナトに向けて駆け出した。跳躍、高速移動、テレポートを駆使することで、容易に接近しクナトの粒子砲はおろか、左腕によるカットすらその妨害にはならなかった。

 

 クナトの背後にワロガは回り、一気に胴体を駆け上がっていく。そして首元に降り立つと、その付け根にあたる部分に腕部装着兵装(ソードアームパンチ)を用いて一撃を加えた。

 クナトの頭部にある__思考や行動、反応等を司る__電子頭脳と胴体の繋がりを断ちスクラップに変えることが目的であろうと思われた。だが違った。

 

『故に私がお前に新たな使命を与えてやろう』

 

 経年劣化により脆くなっていた首部装甲。ワロガの一撃によりそれはいとも簡単にひび割れ、剥がれ落ちていた。

 装甲の隙間より露出している、配線の束のような生体セラミックに、ワロガはどこからともなく取り出していた円筒状の黒い機械を勢いよく、強引に差し込んだ。

 

――ビビビガガガビビビガッ!!

 

 クナトの頭部から警告音のようなものが発される。

 

『これは…悪性の自己再定義プログラム…!電子頭脳内部に異常な速度で侵入、即時対処ヲ、シナケレ――』

 

 クナトの内部に、強力なコンピュータ・ウィルスが侵入したのだ。

 それらはクナトのシステムを介して電子頭脳に到達。猛烈なスピードで増殖していく。

 増殖すると同時に、AI自身の定義を改めさせる上書き命令を拡散し、正常な働きをしている回路にさえも狂わせ、その版図を瞬く間に広げていった。

 ワロガの狙いはクナトのコントロール権の掌握にあったのである。

 

『……頃合いだな』

 

 クナトに明確な変化が訪れた。電子頭脳内部で抵抗していたと思われるクナトだったのだが、ある瞬間を境に動きが止まった。ボディの各所に走っていた翡翠色の光も同時に絶えた。

 しかし、翡翠色の光がクナトから消えたかと思えば、一瞬で復旧し再び発光を始めた。

 しかし、輝きは翡翠色ではなく、毒々しい紅色に変わっていた。

 

『自己再定義ヲ完了。――ワタシハ、人類殲滅機人…裁人(サバト)。コレヨリ、新タニ受理シタ任務ヲ遂行スル』

 

 もうそこにはクナトは座していなかった。

 座しているのは、殺戮マシーンと化した機械の巨人__サバトだった。

 

 サバトは、自身の横に置かれていた左脚用の巨大な義足__耐久チェックを行なう前に担当のエンジニア達がワロガに消されたモノ__を見るや否や、左腕のマニュピレーターを使い掴み上げると、それを腰部の接合部に乱暴に捻じ込んだ。すると、接合部のセラミックが異常な反応を示し、捻じ込まれた金属製の義足と連結した。

 

『私の()()だ。機人にも通用して何よりというところだな』

 

 サバトは電子頭脳による高速演算を用いて、数千年にも及ぶ久方ぶりの起立動作を難なく、易々と行なう。

 二本の足で立つと、次は顔を上げ、上…強固な隔壁に覆われたハンガーの天井を見やる。

 ハンガーは地上まで繋がる巨大な垂直シャフトだ。

 何重にも張られた隔壁を破壊すれば、地上を隔てるものは無くなり、一直線となる。

 

『障害物を確認。任務遂行上ノ排除対象ト認メル。粒子加速砲ニヨル破壊ヲ敢行スル』

 

ズビィイイイーーーーーーーーッ!!!

――――ドパァアアン!!!!

 

 天井の隔壁中央に槍の如き紅色の光線が直撃。すぐに隔壁は赤熱化し気泡のように大きく膨らんだ後、破裂した。ハンガー内に超高熱に晒され液体と化した__隔壁を構成していた__金属が雨のように降り注いだ。

 

 鉄の赤い豪雨の中、大きく開いた地上への出口を見続けていたサバトは自身に備えられている"反重力マナ・スラスター"を稼働させ、ゆっくりと浮遊を始めた。

 スラスターから吐き出される紅のマナ粒子群は、天使の輪を思わせるような円を背部に形成する。

 

 サバトのその姿は、まるで血に染まった堕天使を思わせる風貌となっていた。

 それを見上げワロガは自分の役目は終わったとばかりに、姿を消す。

 

 

 

 そしてサバトは遂に垂直シャフトを悠々と昇り地上へと現れた。

 

 

 

『ワタシノ任務…使命ハ、人類ノ殲滅――』

 

 

 

 破滅を招来する、機械仕掛けの化け物が大地に降り立った。

 





 お久しぶりです。投稿者の逃げるレッドでございます。
 卒研発表、卒論作成、卒業検定の三連コンボで撃沈しておりました。

 まず、本編内容と前回次回予告の変更についてですが、今回、本編の文字数が2万を突破し、巨大存在同士の戦闘まで書いてしまうと四万時になり2話分の内容にまで膨らんでしまうと、勝手ながら判断し調整した結果、パンドンとエルギヌスの登場は次回に見送られました。申し訳ありません。

 新型AIについてのお話は今後やるかもしれません。
 また、完全な余談となりますが、投稿者がかなり気に入っているAIキャラは『翠星のガルガンティア』のチェインバーだったりします。続編小説買わねば…。

 重装歩兵__フェンサーのお披露目です。…相手が悪かったんだ、相手が。実力的には、中型特殊生物レベルさえも相手できる優秀な兵科なんですけどね…相手も相性も場所も何もかも悪すぎたんです……。
 本家EDFでもかなり心強い存在であるフェンサー。今後も登場しますし、活躍回は書きます。絶対に。

 暴走状態のクナトの名前、サバトですが、これはTCGデュエル・マスターズに登場する光文明のとある種族及びクリーチャーから拝借しました。
 改めて、クナトの見た目に関してですが、漫画『シドニアの騎士』に登場する人型主力戦闘機〈衛人(モリト)〉シリーズをイメージしていただければと。その中でも一七式が一番近いのかな〜と思ってたりします。

 次回も、よろしくお願いします。

_________

 次回
 予告

 機人クナト、暴走!統合基地を焦土に変え、東日本__エリカ達のいる青森へと飛来…!!

 ロシア連邦空軍の追撃と航空自衛隊の迎撃をものともせず、津軽戦車道特別演習場へと到達。試合後の大洗、プラウダ、まほとエリカ達に危機が迫る!ナハトが駆け付けるが、苦戦を強いられる…!

 そこに、畳み掛けるように山林からは炎と氷を操る三ツ首のパンドン、凍海からは雷撃を繰り出す怪龍エルギヌスが出現。ナハトを仕留めるために星間同盟ヒッポリトは二体の怪獣を惜しみ無く投入する。
 ナハト__ハジメはエリカ達を守り、立ちはだかる敵を撃破できるのか?

 次回!ウルトラマンナハト、
【意地】!

 未来を想えるのは、人間だけじゃない。


サイドストーリー アンケート(基本ほのぼの)

  • 紗希のトモダチ
  • ミチビキさん サンダース編
  • ミライVSマホ カレー対決
  • ハジメ、迷い家にて
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