旧:逸見エリカのヒーロー   作:逃げるレッド五号 5式

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蝶野教官の昔話です。


逸見エリカのヒーロー -Side Storyです!-
1.【ナイスな少女】


これは、蝶野亜美がまだ幼い少女だった時のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある洋風なごく普通の一軒家にとあるカップルが住んでいる。

 

 

「ねえリョウタ、ここから数日貴方も休みでしょ?」

 

「ん? ああ、そうだが。どうした亜美さん?」

 

そのカップルとは自衛隊員の秋津竜太と蝶野亜美のことである。

現在二人は休暇を満喫しているようで、秋津はソファーに座って寛ぎながら海自の友人に勧められたモーツァルトの音楽集を耳にイヤホンを付けて聴いており、そこに蝶野がソファーの後ろから声を掛けてきたところだ。

 

「どこかでご飯とかどうかなーってね!あ、もちろん三人で」

 

「さ、三人? ………あ、お義父さんか…」

 

「そうよ!父さんもオッケーだぜ!って言ってくれたからバッチシ!!」

 

「そ、そうか…」

 

秋津は蝶野の父親が少しばかり苦手なようだ。ちなみに蝶野の父親は海上自衛隊に所属しており、サングラスが似合う強面な鬼教官で護衛艦『あたご』の艦長も務めている。どうでもいいが、これで三人合わせると陸海空自衛隊全て揃うことになる。

 

「ね?また三人でご飯食べれるわ!グッジョブベリーナイスでしょ!!」

 

「うーん……そうだな…」

 

「ほら、竜太も一緒にグッジョブ〜?」

 

「…べ、ベリー?」

 

「ナイスゥッ!!!」

 

このような感じでいつもオフの日は秋津は蝶野に振り回されているのである。

 

その時、秋津はふと彼女のいつもの口癖について気になった。

 

「なあ、亜美さんの…ベリーナイスってやつ、なんなんだ?」

 

「お?気になる?気になっちゃう!?」

 

秋津が聞くと蝶野が異様に反応するので、秋津は少したじろいでしまう。若干引き気味だ。

 

「いや…やっぱりいい…」

 

「えぇ〜!!聞いてよ聞きなさいよぉ!!」

 

「…少しだけなら」

 

こうでもしないと蝶野がずっと駄々をこねて不機嫌になることを秋津は知っているので、大人しく話を聞くことにする。

 

「オッケー! 記憶が少し曖昧だけどね? あれは〜小学生の夏休み…そう、地元の花火大会に行った時のことよ」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「あーあ。私も一緒に花火やりたいなぁ」

 

そう呟くのは濃緑の浴衣を着た幼い頃の蝶野……アミだ。彼女は河川敷の堤防階段にちょこんと座り、河川の前に広がっている屋台とその近くの空き地で市販の花火グッズで遊ぶ同年代の子どもたちのことを見ていた。どうやらその子たちと遊びたいらしい。

 

アミの性格は大人になった現在とは大きく違い、この時は他の子どもと比べてもあまり活発な方ではなかったし、人見知りが酷かった。自分から他人に声をかけることさえ億劫になっていたほどだ。

 

「帰ろうかな…」

 

「………いいのかい? あんなに楽しそうなのに」

 

「え?」

 

優しげな男性の声が返ってきた。

自分にしか聞こえないほどの呟きに対していきなり誰もいなかったはずの階段横から反応が返ってきたことにアミは驚き、声のした方へ顔を向ける。

そこには夜空の光を反射して銀色に輝き、目が光っているフルフェイスのお面?…のようなものを被った男がアミの隣に立っていた。その男の見た目はヘンテコで、見た感じは赤い全身タイツで所々が銀色、左胸には一際青く光を放っている楕円の光球が付いている。

 

こんな格好をしているということは自分がここでボーッとしていた間に祭でヒーローショーでもやっていたのだろうか?きっとショーでは自分たち子どものために戦ってるんだ、元気で明るくて誰かを守れる…自分はそんな人間にはなれそうもない…アミはそう思ってしまう。

アミに対して男は続ける。

 

「自己紹介しておくよ。僕の名前は……ナイス!TOY一番星から来たのさ!」

 

「ナイス、ナイス…それホントに名前なの? 変な名前。遠い一番星?どこそれ。」

 

男…ナイスはそのアミの言葉に若干のショックを受け、面食らう。

 

「うーん……少しショックだったけれどそれは置いといて、キミの名前は?」

 

「…………蝶野亜美」

 

「アミ、キミはあの輪の中に入らなくていいのかい?」

 

ナイスからの問いにアミは俯き聞こえるか聞こえないかの声量でボソボソと自分がなぜ子どもたちの中に入らない、入れないのか理由を答える。

 

「……私、人と話すの…苦手だし怖いから。…それに、あそこに行って話しても、無視されたり友達になってくれなかったら嫌だから…」

 

「大丈夫!キミなら出来るさ!!

そんな不安な時は、こうだ! "ベリーナァイス!!!"」

 

ナイスは右手を親指を立てて左の胸元に持っていく。顔はお面で見えないが、そのお面の下は笑顔に違いない。アミはそう思っていると自分が少し笑っていることに気づいた。

 

「あれ?私、笑ってる?」

 

「ほら、大丈夫。勇気を出して前に一歩でもいいから少しずつ進む。そうすればきっとキミは強くなる!

辛い時、苦しい時こそダメだって言って諦めずにナイスに行こうぜ!! ナイスは勇気の呪文だ!!」

 

「!!」

 

アミの心にはナイスの言葉がしっかり響いていた。アミは自分の中で何かが変わったと感じた。

 

今なら、あの子どもたちの輪の中に行ける気がする。

 

友達になろうと言える気がする。

 

 

「頑張れ!アミ!」

 

「うん!ありがとうナイス!!!」

 

ナイスの力強い激励の言葉にお礼と感謝の意を込めて返す。そして自分が浴衣を着てることなど忘れて、転ぶことも考えず勢いよく階段を駆け下りていく。

 

半分ほどまで下り、後ろに振り向き上にいるナイスを見る。

 

「ナイス!私、頑張ってみる!友達を作ってみる!!絶対に!!

 

ナイスがベリーナイスなら、私は……

 

 

 

 

 

グッジョブ!ベリ〜〜………ナイス!!なすごい女の子になるから!!本当に、ありがとう!!」

 

上の階段にいるナイスは何も喋らず、ただ見守り頷いている。それを確認したアミは夜を照らすほどの満面の笑みでナイスに手を振った後にまた階段を駆け下りていく。

 

 

 

 

「私も、一緒に花火やっていい?」

 

「いいよ!一緒に遊ぼうよ!!」

 

「ありがとう!グッジョブベリーナーイス!!」

 

「何それ!そのポーズかっこいい!!やってみたい!!」

 

「僕にも教えて!!」

 

いつの間にかアミの周りには子どもたちが集まっており、引っ張りだこになっている。

みんなに囲まれている時、アミは河川敷の階段の方を見てみるがそこにはもう赤くて銀色のヒーローはいなくなっていた。

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

「______っていうことがあったのよ!」

 

「今の亜美さんと性格が正反対だったのか」

 

秋津は蝶野の意外な過去に驚いた。今の彼女を見たらそんなこと、全く見当がつかないでいるからだ。

 

「で、そのヒーローの本当の名前は?」

 

「聞かなかったし教えてもらえなかったのよ。声が若くて身長もあったから、どこかの高校生、大学生だったのかな?ヒーローショーでバイトとか。

でもあの人はやっぱり不思議な感じだったわ。私のフィーリングスキルをもってしても上手く表現できないもの」

 

「仮に表現出来ても俺にはそれが解読できんがな?

……その人が初恋の人ってことか?」

 

「初恋って言うか、どっちかって言うと恩人の方がしっくりくるわね。あの人がいたから今の私は自衛官になって、リョウタと一緒にいれてるんだから」

 

「そ、そうか」

 

「そうよ。………さて、外食の計画を立てるわよぉ!! 絶対お酒を飲んでやるんだから!目指せ撃破率714パーセントォ!!」

 

「やれやれ、お前はなにと戦うつもりなんだ……」

 

 

 

 

確かに、あの時のヒーローの言葉は、いまの蝶野に残っているようだ。きっとこれからも彼女はその言葉を胸に進んでいく。

 




はい。番外編はこんな感じで短編が多くなると思います!

ナイスと教官、この話書きたかったから良かったゾ。
ガルパンの蝶野さん第一に見て思ったのがウルトラマンナイスだったので、こうなりましたゾ。

ナイスはヒーローショーで実際に会ったし、思い出があり勉強机には今もナイスのソフビが立っております。

お分かりの兄貴たちもいると思いますが、蝶野教官のお父さんはガッデム蝶野さんです。あたご艦長なのは"紅の戦艦"から引っ張ってきました。

本編は少し時間が掛かるので申し訳ナス!

最後に、イメージOP、ED曲を書いていますが、こっちの方が…これの方がいい…この曲の方が合ってる!、みたいな意見がありましたら感想にお願いしナス!
ロボアニメは地球防衛企業ダイガードやクロムクロなどが大好きです。

サイドストーリー アンケート(基本ほのぼの)

  • 紗希のトモダチ
  • ミチビキさん サンダース編
  • ミライVSマホ カレー対決
  • ハジメ、迷い家にて
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