アズールレーン 二人の指揮官   作:天元

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【注意】オリ指揮官、おねショタ要素、独自解釈


(あらすじ)
互いの思想の仲違いにより生まれた二大勢力、

アズールレーンとレッドアクシズ。

その二大勢力それぞれを統率する二人の幼き指揮官がいた。

重桜所属の黒髪の指揮官と、ユニオン所属の金髪の指揮官。

互いの勢力を象徴するように祭り上げられた彼らは、純人間では在らず。

その正体もまたメンタルキューブの影響によって人類が人工的に、後天的に生み出した超越した才能を有する少年たちだった。

この話は、二人の指揮官に焦点を当てた、

そして、指揮官同士の成長とKAN-SENたちとの絆の物語である。



1話: side レッドアクシズ"秘書艦の苦労"

side : レッドアクシズ

 

和が彩る装飾に加え、他のKAN-SENでは見ることのない耳やしっぽなど身体的特徴を持つ彼女たちの陣営を"重桜"と呼ぶ。

 

周りは海に囲まれて、山のような土地を開拓し、桜が所々で桜吹雪を舞わせてる中で、KAN-SENたちは今が争っている時期だというのに祭りのような出店を開いたり、様々な用途の店を繁盛させたりと自由に活動して栄えていた。

 

いわゆる城下町に似た雰囲気の鎮守府だった。

 

そんな鎮守府は頂上に司令所が敷かれていた。

 

木造建築の多いこの鎮守府の中でも珍しい

白レンガ式の司令所だった。

内装も洋式といえばいいのだろうか。

 

アズールレーンとの決別前に出来たものだから

司令所の内装はわりと似通っている。

 

廊下をカランコロンと鉄下駄の音を鳴らしながら

指揮官室へ向かうKAN-SENがいた。

 

彼女は秘書艦と呼ばれ、指揮官を支える重要な役割を持つ存在だった。

 

狐耳をピンと生やした白くて繊細な髪の肩上ボブヘアーと、

胸元を強調するように着崩した和服、

フサフサと揺らした九本の尻尾が特徴的な、

白と青を基調とした彼女は"空母・加賀"。

 

彼女が秘書艦に抜擢された理由には、

その面倒みの良さと、豊富な経験、問題児が多い重桜の中でも

比較的に冷静な思考を持つからである。

 

そんな秘書艦が指揮官室の扉の前まで辿り着くと、コンコンとノックをする。

 

返事はない。

 

開けるぞ、と一言添えた後に扉を開ける。

 

 

すると、ぶわぁと吹いた風が加賀を通り過ぎる。

 

出迎えたのは机で書類仕事をする指揮官などではなく、

開け放たれた窓と、風でバタバタと靡くカーテンだけであった。

 

「・・・またか」

 

はぁ、と深い溜め息を吐く。

風のせいで床に舞い散らかった書類を集めて整え机の上に戻した。

よく見るとあと少しでこの仕事は終わりそうではないか。

 

指揮官の悪い癖で、終わりそうな仕事をわざわざ投げ打ってサボる癖がある。

これはもう治らない病気なのかもしれない。

何度注意しても改善の余地がない。

重桜では問題児が多いが、一番の問題児は指揮官なのかもしれない。

 

「窓も開けっ放し、書類も放りっぱなし。

これは少しばかりおしおきが必要だな・・・。」

 

加賀は窓を閉めながら指揮官への罰を考える。

これも秘書艦の仕事だ。そんな役回りだ。

 

「しかし、まぁ…。」

 

しかし、まぁ、よくこの3階の指揮官室から逃げおおせるものだと、

加賀は改めて自分の指揮官の異常な身体能力に感服するのであった。

 

その理由として、私的に加賀は強き者が好きだからである。

 

強者と戦うことに悦を覚える彼女は戦闘となれば、普段の彼女から一変し戦闘狂の性質がある。

普段から強きものを欲する発言を身近で聞き続けた指揮官に何らかの影響を与えたのは間違いがなかった。

 

そういった責任も相まって指揮官には多少甘いのが加賀であった。

 

指揮官がどこに行ったかは見当がついていた。

 

「修練所…行くならそこだな」

 

そう呟き、加賀は指揮官を迎えに修練所へと向かった。




初投稿です。
読んでくださりありがとうございます。
加賀と幼指揮官とのおねショタを書きたいなと思っていたんですが、それだと続かなかったので今の形にしました。

個人的に兵器や史実など疎く、また独自解釈と指揮官同士の関係性を紐解いていくような内容ですので、好き嫌いが別れちゃうと思います。

なんとか2~3日ペースで話を更新できたならと思っております。

では、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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