一旦帝劇に戻った神山は、すぐに彗星組に用意させたセブンガーに乗り込んで、発進しようとしていた。
そこにユイとシャオロンが慌てた様子で通信してくる。
〈ユイ〉『神山さん、旧型の特空機で出撃する気なの!? 本気!?』
〈シャオロン〉『無茶だ! 天宮がどうなったか見ただろ!? 一人で旧型で挑んで何が出来る! 命を捨てに行くようなもんだぞッ!』
制止する二人に、神山は固い決意で返す。
〈神山〉『そんなのはやってみなきゃ分からない! 隊員のために命を張らなくて、何が隊長だッ!』
ゲートが開き、セブンガーが緊急発進する。
〈神山〉『さくら……今行くぞッ!』
全速力で飛んでいくセブンガーが、ペギラの頭上から急襲を掛ける。
〈神山〉『食らえぇぇ―――ッ!』
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
セブンガーの全重量を乗せた拳を食らい、ペギラが横倒れになった。
〈初穂たち〉「隊長!!」
さくらの救出に向かおうにも、氷の壁に行く手を阻まれて苦悩していた初穂たちが叫ぶ。
すぐ立ち上がるペギラに、セブンガーが猛烈な追撃を行う。
〈神山〉『おおおおッ!』
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
正面からパンチを連打しペギラを押し込むも、ペギラの方も負けていない。セブンガーの左腕を抱え込んで止めると、関節部を鉤爪で切り裂いて破損させる。
〈神山〉『うわぁッ!』
〈ミースア〉『セブンガー、左上腕部破損! 実用行動時間、残り一分です!』
〈シャオロン〉『やっぱり無理だ! 早く離脱しろ! お前まで氷漬けにされるぞ!』
焦るシャオロンの警告にも、神山は退く意思を見せなかった。
〈神山〉『さくらが最後まであきらめなかったんだ! 俺だって……死ぬ寸前まで戦うことをあきらめないッ!』
〈シャオロン〉『……馬鹿野郎が……!』
シャオロンは舌打ちしながらも、神山に感化されたように顔を引き締める。
〈シャオロン〉『帝国華撃団にあそこまで言われて、上海華撃団が黙ってられるか! ユイ、俺たちも行くぞ!』
〈ユイ〉『了解!』
シャオロンとユイが氷の壁を砕きながら、凍結しているウインダムの下へと走り出す。
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
ペギラは翼を羽ばたかせて空中に浮き上がると、セブンガーに向けて冷凍ブレスを放つ。
〈神山〉『そうは行くかぁッ!』
神山は直撃を食らう前にブースターを点火させ、セブンガーを打ち上げてペギラの腹にロケット頭突きを見舞った。
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
ペギラを打ち落として着地するセブンガー。この時、神山が閃く。
〈神山〉『そうだ、この炎だッ!』
ウインダムの方にブースターの炎を向けて、その熱で解凍していく。ロケット噴射による熱風が広がり、ウインダムも、街も氷の牢獄から解放されていく。
氷が解けるとともに、壁を突破してたどり着いたシャオロンとユイがウインダムの機体をよじ登って喉元の搭乗口を目指す。
〈ユイ〉『さくらは私たちに任せて!』
〈シャオロン〉『神山、お前は怪獣の方を!』
〈神山〉『ありがとうッ!』
ユイとシャオロンが外から扉を開き、身体が冷え切って気を失っているさくらを救出する中、神山は打ち落とされた怒りで迫り来るペギラに硬芯鉄拳弾の照準を合わせる。
〈神山〉『頼むセブンガー! あと少し持ってくれ!』
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
実用行動時間ギリギリまでペギラを引きつけて、ロケットパンチを射出!
〈神山〉『いっけぇぇぇぇぇぇ――――――――ッ!』
セブンガーに動きがなく油断していたペギラは、まともに食らってぶっ倒れた。
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
しかし倒すには至らずに、セブンガーの行動時間が終了した。すると神山はすぐにセブンガーから地上へと降り、駆け出す。
〈神山〉「まだだ! まだ終わりじゃないッ!」
解凍された己の無限の下へ走り、戦闘を続行しようとする。
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
しかし既にペギラが起き上がっていて、神山を狙って冷凍ブレスを吐き出した!
〈神山〉「うわぁぁッ!?」
『ふんッ!』
反射的に顔を腕で覆う神山の前に、先ほどの魔人が飛び出してきて、刀を振るって作り出したバリアで冷気を押し返した。
〈神山〉「お前はッ!?」
『全く、無茶苦茶やる奴だ』
呆れたように振り向く魔人に、神山はどうして自分を助けたのかも問いたださずに怒鳴りつけた。
〈神山〉「ゼットライザーを返せッ!」
『まぁまぁ落ち着け。ほらよ』
飛びかかってきた神山の手から逃れ、魔人はあっさりとゼットライザーを突き返した。
『ありがとよ』
〈神山〉「……お前は何者なんだ……!」
拍子抜けするほどあっさりライザーを返却した、真意が全く読めない謎の魔人に戸惑う神山。しかし魔人は答えない。
『おいおい小僧、俺に構ってる場合か?』
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
ペギラが再度こちらへ迫ってくる。神山の注意がそちらへ向いた隙に、魔人は瞬間移動で消え去っていった。
『はッ!』
〈神山〉「……うおおおおッ!」
神山はやむなく魔人の追及をやめ、ゼットライザーを掲げて起動させる。
展開した超空間でゼットと向かい合う神山。
〈ゼット〉『誠十郎、今までどうしてたんだ! 急にリンクが途切れたぞ!』
〈神山〉『ゼットライザーを奪われてたんだ……!』
〈ゼット〉『ウルトラやばい闇の波動を感じた!』
〈神山〉『それより今は……あの怪獣を止めないと!』
大暴れのペギラを倒すべく、神山はウルトラアクセスカードを握った。
[SEIJŪRO, Access Granted!]
〈神山〉『「宇宙拳法、秘伝の神業!」』
ライザーに三枚のメダルをセットする。
[ZERO! SEVEN! LEO!]
〈ゼット〉『ご唱和ください、我の名を! ウルトラマンゼーット!!』
〈神山〉『「ウルトラマン! ゼェ―――ット!!」』
ゼットライザーを掲げて、トリガーを押した!
『ハッ!』
『デュワッ!』
『イヤァッ!』
[ULTRAMAN-Z! ALPHA-EDGE!!]
「ジェアッ!」
変身して飛び出すウルトラマンゼット・アルファエッジ。その気配を感じ取って、ペギラが空へ向けて飛び上がった。
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
拳を突き出して飛行するゼットの面前をペギラが突っ切って、冷気で作り出した積乱雲の中へ飛び込む。「ゲエエゴオオオオオオウ!」「ジュッ!」その頭上に回り込んだゼットが光刃やゼスティウムメーザーを放つ。「ゲエエゴオオオオオオウ!」攻撃を回避するペギラだが熱線がかすめ、逃れようと積乱雲から抜け出す。「ジュアァッ!」追跡して雲を抜けるゼット。それを振り切ろうとするかのように上昇するペギラ。「ゲエエゴオオオオオオウ!」雲を抜けて太陽を背にしたところで、冷凍ブレスを吐き出す! 視界も凍りつくような冷却ガスを、一発目はガスの周りを回るようにかわしたゼットだが、「ゼアァァッ!?」間髪入れずに繰り出された二発目を食らってバランスを失い、真っ逆さまに転落していく。「ジュワァァァ―――!!」地表にゼットが叩きつけられた衝撃で、街が一瞬震動した。
〈あざみ〉「うっ……!」
〈クラリス〉「ゼットさんがっ!!」
〈アナスタシア〉「ウルトラマンゼットでも敵わないの……!?」
〈初穂〉「ちっくしょう……! どうにかならねぇのかよっ!」
上空から叩き落とされたゼットの姿に、初穂たちは悔しげに歯がみした。
指令室でも、ゼットの苦戦ぶりに動揺が走る。
〈モフロ〉「いかん……ウルトラ族は寒さへの耐性を持たんのじゃ!」
〈ナシルマ〉「何か、ペギラに対抗する手段ないの!?」
〈デュエス〉「出せるもんはもう全部出しちまったぞ!」
打てる手が見当たらずに苦悶しているところに、こまちの大声が轟く。
〈こまち〉「わぁっ!?」
〈ナシルマ〉「バコちゃん!?」
〈すみれ〉「どうしたのですか!」
皆が振り返ると、こまちが運んできた石器が、発光してひとりでに浮かび上がっていた!
〈カオル〉「石器が……!」
更に、瞬きする間にかき消えてしまった!
〈ミースア〉「き、消えちゃったですー!」
〈こまち〉「どこ行ったんや!?」
〈デュエス〉「まさか……!」
消えた石器は、ふらつきながらも起き上がろうとしていたゼットの真上に現れていた。
〈あざみ〉「あれは……!」
〈クラリス〉「アラスカから運ばれた石器です!」
〈初穂〉「何であんなとこに……!?」
ゼットに向かってゆっくり降りてくる石器は、突如巨大化して錨型の槍と化した! 度肝を抜かれる初穂たち。
ゼットが手に握った槍に、神山も驚愕している。
〈神山〉『「これは……何だ……?」』
〈ゼット〉『分からない……だが、ウルトラマンの力を感じる。何万年の時を経たウルトラの力を!』
〈神山〉『「そんな昔に、既にウルトラマンが来てたということか!?」』
〈ゼット〉『それも分からない。ただ、こいつの使い方は分かる! 分かっちゃいます!』
着陸したペギラは、ゼットの手にある青い槍に目を留め、半開きだった眼を剥き出しにして狼狽した。
「ゲエエゴオオオオオオウ!?」
ゼットが槍の中心部のレバーを一回引くと、槍から灼熱の炎が生じ、槍を振ることでZ字の形の火炎が出来上がった。
〈ゼット〉『ゼットランスファイヤー!』
即興の技名とともに火炎を飛ばして、ペギラに食らわせる!
「ゲエエゴオオオオオオウ!!」
火炎に貫かれたペギラはばったり倒れ込んで、たった一撃で跡形もなく爆散した。
〈初穂〉「うわっ!? あんなあっさり……!」
〈クラリス〉「何という威力でしょう……!」
〈アナスタシア〉「あれが石器の正体……途轍もない物が眠っていたものね……」
ペギラを瞬殺した槍の威力に、初穂らはすっかり目を奪われた。
ゼットは槍を取り回しながら、見得を切って残心を湛えた。
「イヤッタァ……!」
その光景を、魔人も目の当たりにしていた。
『ほぉう……』
魔人の姿が歪み――蛇倉のものに変化する。
何と! 正体は上海華撃団の司令、蛇倉であったのだ!
〈蛇倉〉「やるね。久しぶりに血が騒ぐぜ!」
ニヤリと笑んだ蛇倉が取り出したのは、真っ赤なゼットライザーの同型。
ゼットライザーの構造を闇の力で複製して生み出した、いわばダークゼットライザーだ!
[SHE-CANG, Access Granted!]
トリガーを押して闇の空間を展開すると、ライザーに己のアクセスカードを差し込み、三枚のメダルを手の平に取り出す。
フアサッ……! と髪をたなびかせた蛇倉の瞳孔が緑色に光る。
〈蛇倉〉『「ゼットンさん。パンドンさん。マガオロチ」』
神山たちとは違い、怪獣メダルをライザーにセットしてスキャンする。
[Z-TON! PANDON! MAGA-OROCHI!]
〈蛇倉〉『「お待たせしました。闇の力、お借りしますッ!!」』
蛇倉の周りにメダルのビジョンが生じると、掲げたライザーのトリガーを押して変身する!
[JUGGULUS-JUGGLER! ZEPPANDON!!]
突然、ゼットの背後にペギラとは別の巨大怪獣が出現し、神山たちは目を見張った。
〈神山〉『「何だ、あいつは!?」』
〈ゼット〉『おいおい! 何でもかんでも聞くなよ!』
ゆらりと身を起こしたのは、宇宙恐竜ゼットンと双頭怪獣パンドンの要素を組み合わせて作り出された合体魔王獣ゼッパンドン! 蛇倉の正体たる無幻魔人ジャグラスジャグラーが、ダークゼットライザーの力で変身したものであった!
「ガガァッ! ピポポポポポ……」
ゼッパンドンの出現に、一度は安堵していた指令室も一気にどよめいた。
〈カオル〉「新手の怪獣ですか!?」
〈こまち〉「何でいきなり……!」
〈ナシルマ〉「どっから出てきたんだ!?」
〈ミースア〉「ゼットが危ないですー!」
ナシルマたちが悲鳴を上げる。デュエスは手で覆った顔を天井に仰がせた。
ゼッパンドンはいきなり口から火炎弾を連射してくる!
〈神山〉『「わッ!?」』
ゼットは咄嗟に槍のレバーを引いて、穂先から光刃を発して相殺する。
「ゼアッ! ゼアッ! ゼアッ!」
しかしゼッパンドンの姿が一瞬で消滅する。テレポート能力だ!
「ゼアッ!?」
背後を警戒して振り向くゼット。しかしゼッパンドンは、その反対側から出現した。
「ジュワァーッ!」
至近距離から双頭型の角より光線を浴びせられ、吹っ飛ぶゼット。その手から離れた槍が地面に刺さる。
〈神山〉『「痛てて……やっぱり敵みたいだな……!」』
ゼッパンドンは手招きするように挑発してきている。
〈ゼット〉『ウルトラむかつく野郎だ!』
構え直したゼットが、猛然とゼッパンドンに飛びかかっていった。
「ゼアッ!」
飛び蹴りを仕掛けるが、ゼッパンドンはまたもテレポートで消え失せる。
〈神山〉『「……!」』
姿が見えなくなった敵を、神山たちは意識を集中して探知する。
「ゼアッ!」
そして姿を現して殴り掛かってきたゼッパンドンの腕を止め、正拳を打つも、今度はこっちが止められて突き飛ばされた上に火炎弾を浴びせられた。
「ゼアァァーッ!」
「ガガァッ! ピポポポポポ……」
ゼッパンドンに殴り倒されたゼットは、腕を十字に組んでゼスティウム光線で反撃した。
「ゼアァッ!」
これにゼッパンドンはバリアを展開して受け止め、バリアごと投げ飛ばした。
〈ゼット〉『強い……!』
攻撃が通用せず、カラータイマーが残り時間の少ないことを知らせる。この状況で逆転の手段があるのか。
〈神山〉『「……たとえどんなに相手が強くとも、決してあきらめない……! それが帝国華撃団だッ!!」』
〈ゼット〉『そうとも! それがウルトラマンだッ!』
啖呵を切ったゼットたちに呼応するように、槍が光を発した。それに振り向く神山。
〈神山〉『「天より降りたる光の槍……!」』
〈ゼット〉『太古のウルトラマンからの贈り物だ!』
駆け寄り、槍を引き抜くゼット。ゼッパンドンは巨大な火炎弾をチャージしている。
「ピポポポポポ……ガガァッ!」
「ゼアッ!」
これに対しゼットはレバーを二回引いて、槍をゼッパンドンに向けた。すると槍を中心に、光の弓が出来上がる。弦を引くと、氷の矢がつがえられる。
〈ゼット〉『ゼットアイスアロー!』
射たれた矢は、飛んできた火炎弾を貫通し、ゼッパンドンに突き刺さる。
「ピポポポポポ……」
ゼッパンドンは瞬く間に身体に内側から凍りついて、こなごなに砕け散った!
〈あざみ〉「勝った!」
〈クラリス〉「すごいです! 炎と氷の力を宿し……弓にもなるんですね!」
〈初穂〉「さしずめゼットランスアローってとこだな!」
戦いの顛末を見届けた初穂が、槍をそう名づけた。
〈アナスタシア〉「弓ならボウじゃないかしら?」
〈初穂〉「いいじゃねーかよぉ。語感優先だぜ」
ゼットは槍を下ろし、太陽光を反射して勝利のポーズを決めた。
さくらを帝劇に担ぎ込んで救護班に託したシャオロンとユイも、ゼットの勝利にほっと安堵の息を吐いていた。
〈シャオロン〉「いきなり何事かと思ったが、怪獣は全部撃退されたみたいだな」
〈ユイ〉「さくらも容態が回復してきてるし、これでもう安心ね!」
落ち着いた二人の通信機に、蛇倉からの通信が入る。
〈蛇倉〉『お前たち、よくやってくれたな』
〈シャオロン〉「おッ、司令!」
〈ユイ〉「ありがとう司令!」
〈蛇倉〉『帝国華撃団の隊長もなかなかやるもんだ。華撃団大戦じゃダークホースになりそうだな』
〈シャオロン〉「確かに。だが優勝するのは俺たちさ!」
〈蛇倉〉『ふッ、お前は自信だけは一丁前だな』
豪語するシャオロンに、蛇倉は苦笑を浮かべていた。
〈ユイ〉『ところで司令は今どこなの? 劇場にいなかったけど』
〈蛇倉〉「ちょっと野暮用だ。もうちょっとしたら戻るから安心しろ」
その蛇倉は今、ゼッパンドンが爆散した跡に仰向けで倒れていた。通信を切ると、その状態で高笑いする。
〈蛇倉〉「ハッハッハッハッハッ……! ヒャッハッハッハッハッ! アーハッハッハッハッハッハッ!!」
首を横に向けて、つぶやいた。
〈蛇倉〉「あー……面白れェ」
――世界華撃団連盟の施設。明かりを落とした一室で、スクリーンにある映像が投射されていた。
セブンガーやウインダム、そしてウルトラマンゼット……今の帝国華撃団の持つ力や、味方する者を纏めた記録映像である。
「……」
それを一人で観察している男が、大きな舌打ちの音を立てた。
その時、
「おい、ここ華撃団連盟の建物だろ? 何で降魔のテメェがこんなとこ入れんだよ。一体誰に会わせようってんだ。あ? ここ入れってか?」
扉の外から男の声が徐々に近づいてきて、その主が室内に入ってくる。
夜叉に連れられて来た摩上である。
「……摩上沙太郎君だね? ようこそ。待っていたよ」
摩上は椅子をターンして振り返った白スーツの男の顔に、口をポカンと開けた。
〈摩上〉「あんた……華撃団連盟のトップじゃねぇか。何で……」
プレジデントGは唖然とする摩上に、呼びつけた理由を切り出す。
〈G〉「早速で悪いが、本題から入ろう。君に頼みがあるんだ。報酬ならいくらでも出そう」
〈摩上〉「ああ? 天下の華撃団連盟の事務総長が、コソ泥の俺にどんな用があるってんだ」
〈G〉「ふッ、卑下する必要はない。君には、普通の人間にはない非常に特別な力があることは調べがついているのだ」
当然と言えば当然だが、プレジデントGも摩上が怪獣に変身することを把握しているようだ。
〈摩上〉「……そーいうあんただって、人が知らねぇ秘密があるっぽいな」
部屋の外で待つ夜叉の方を親指で指す摩上。プレジデントGは薄く笑うのみだ。
〈G〉「……それで、頼みというのはだね」
摩上に対してスクリーン上の、勝利のポーズを取っているところの帝国華撃団と、飛び去っていくゼットの写真を目で示すプレジデントG。
〈G〉「帝国華撃団と、ウルトラマンゼットとかいう輩。この連中を、君の力で叩き潰してもらいたい」
〈摩上〉「……は?」
思わず、間の抜けた声を出す摩上。
〈G〉「もちろんこちらからも支援しよう。必要なものがあるなら何でも言うといい」
〈摩上〉「いやそんなことはいい。あんた……華撃団連盟の総長だろ?」
あまりの内容に、つい確認を取った。
〈G〉「そうだとも」
〈摩上〉「つまり、全部の華撃団の上に立つ奴だろ? それが、傘下の帝国華撃団を潰せって? 何の理由があって?」
〈G〉「まぁ……色々と事情があってね」
はぐらかすプレジデントGに、摩上は肩をゆすって笑い出す。
〈摩上〉「おいおいおいおい! どんなイカレた事情がありゃ、んな矛盾したこと頼むんだよ! ハッハハハハ! からかってんのか? ウハハハハハ! わっけ分かんねぇ! どうかしてんぜおい! ハハハハハハッ! ハハハハハハハハハハハッ!!」
腹をかかえて大笑いを続ける摩上。プレジデントGはただ黙って、彼の反応を窺う。
ひとしきり笑った摩上は、間の長テーブルをバンッ! と激しく叩き、ズイッと身を乗り出した。
〈摩上〉「乗った!!!」
(ED:Connect the Truth)
『花組のウルトラナビ!』
神山「今回紹介するのは、ウルトラマンレオだ!」
アナスタシア「レオは獅子座L77星出身のウルトラマンよ。だけど故郷の星をマグマ星人に滅ぼされて、地球に亡命してきたの。それからも様々な過酷な運命が彼に身を襲ったけれど、レオは見事戦い抜いたわ」
アナスタシア「その後はセブンの息子のゼロを指導して、師匠と仰がれてるわ。『ウルトラファイトビクトリー』では、双子の弟のアストラとともビクトリー、ギンガと共闘してジュダ・スペクターに立ち向かってるわ」
アナスタシア「『Z』では自身の師のセブンと、弟子のゼロのセブン一門でアルファエッジのメダルになっているわ。アルファエッジはヌンチャクを扱う技も持っているわね」
ゼット『そして今回の華撃団隊員はマリア・タチバナだ!』
アナスタシア「ロシア人外交官の父を持つハーフの副隊長よ。大神一郎着任前の花組隊長で、射撃の名手。当初は事情あって周りと壁を作っていたけれど、戦いを通じて信頼関係を築き、頼れる副隊長になっていったわ」
アナスタシア「それじゃ、次回でお会いしましょう」
あざみ「帝都を襲う巨大な傀儡機兵に、あざみたちは大苦戦……! その時、もう一人のウルトラマンが現れた! あの人の正体は……!?」
「次回、『颯爽登場!ウルトラマンジード』。太正桜に浪漫のZ!」