ウルトラサクラ大戦Z   作:焼き鮭

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第六話「颯爽登場!ウルトラマンジード」(A)

 

 ――世界華撃団連盟事務総長でありながら、帝国華撃団とウルトラマンゼットの排除を目論むプレジデントGと手を組んだ摩上は、彼の紹介によってある男と密会をしていた。

 

〈朧〉「……ったく、何だってこのオレ様がこんな奴と組まなきゃならねぇんだ? でっけぇ化けモンになる能力があるからって、こいつは脆弱な人間だってのによぉ」

 

 触覚の生えたローブを目深に被って素顔を隠した男の名は、朧。上級降魔の一人である。

 

〈朧〉「帝国華撃団なんて甘ちゃんどもの始末なんざ、オレ一人で十分だってのによぉ」

 

 摩上と面会した途端に不機嫌そうに吐き捨てた朧に、摩上はせせら笑いを向ける。

 

〈摩上〉「上級降魔ってのはぁ、口だけは達者な生きもんみてぇだなぁ。テメーが前に帝国華撃団にぶちのめされた奴だってのは聞いてるぜぇ?」

 

 その言葉に朧はカチンと来て、歯を剥き出しに摩上に振り向く。

 

〈朧〉「ありゃあお遊びだったんだ! オレはまだ本気出してねぇだけだ。マジになりゃ、あんな小娘どもに負けるはずがねぇッ!」

 

〈摩上〉「ヒャハハッ! 弱い犬ほどよく吠えるって言うぜぇ!?」

 

〈朧〉「何だとテメェ……! そう言うテメーこそ、連中に二度もズタボロにされてんだろうがッ! 負け犬はどっちだろうなぁ!?」

 

〈摩上〉「ああ……? なら力量差って奴をはっきりさせとくか?」

 

〈朧〉「望むとこだぜぇ……人間風情がッ!」

 

 早くも一触即発の摩上と朧を、ロソスがテレパシーで声を出してなだめる。

 

〈ロソス〉『よせよせ……いきなりいがみ合ってどうする……。なすべき目的を見失うな……』

 

〈摩上〉「兄弟……」

 

〈朧〉「んん……? 今の、誰がしゃべったんだ?」

 

 まだロソスの存在を認識しておらず、戸惑う朧。ロソスは彼の疑問に答えずに、摩上に呼び掛ける。

 

〈ロソス〉『初対面の相手には、礼を尽くすものだ……こんな風にな……』

 

〈摩上〉「あッ、また……!」

 

 摩上の腕を動かして、一枚のメダルを取り出して朧に差し出した。

 

〈ロソス〉『お近づきの印だ……これを貸してやろう……』

 

〈朧〉「何だぁ? こんなちんけなメダル渡してきて……」

 

 摩上の手の平の上のメダルには、紫色の龍を模したようなロボット怪獣の首が描かれている。

 

〈ロソス〉『フフ……こいつは激レアだぞ……!』

 

 摩上の体内で同化しているロソスが、ニヤリとほくそ笑んだ。

 

 

 

(OP:ご唱和ください 我の名を!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   第

  颯 六

ウ 爽 話

ル 登

ト 場

ラ !

 

 

 

〈初穂〉『うわあぁぁぁぁぁっ!!』

 

〈あざみ〉『くぅぅぅぅっ!!』

 

 セブンガーを操縦する初穂と、ウインダムを操縦するあざみが、大量のビーム砲撃とミサイル攻撃に襲われて悲鳴を発した。

 

〈さくら〉『初穂! あざみ!』

 

〈神山〉『さくら危ないッ! 下がるんだッ!』

 

 三式光武に乗るさくらも、神山の無限に腕を引かれて砲撃の嵐から逃がされた。

 どうにか大火力を凌いだ初穂が、脂汗を垂れ流す。

 

〈初穂〉『くそぉッ、何なんだよあの傀儡機兵は……! 機兵っつぅか、あそこまで行ったらもう要塞じゃねーかっ!』

 

 ウォォォォオオオオオ――――――ン……!!

 全身から蒸気を噴出し、鉄と鉄がこすれ合う金切り音を咆哮のように轟かせるのは、亀の甲羅を背負ったような全身機械の巨竜。その機体の至るところから、数え切れない量のビーム砲、ミサイルランチャー等の破壊兵器が生えている。

 

〈朧〉『ハッハァーッ! こりゃあいい! 最高の玩具だぜぇッ!』

 

 この機械龍の内部で、朧が哄笑を発しながら操縦していた。

 

〈神山〉『その声は……朧ッ!』

 

〈朧〉『また会ったなぁ、帝国華撃団。この前はよくもでけぇドラム缶で蹴飛ばしてくれやがったな! たっぷりとお礼してやるぜッ!』

 

 朧ががなると、操る巨大ロボット怪獣が全身から火を噴いた。

 

〈花組〉『わああぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――!!』

 

 帝都の町外れの土地を焼き尽くしてしまいそうな絨毯爆撃が、花組を纏めて窮地に追いやる。

 

 

 

 指令室では、デュエスがロボット怪獣の姿をひと目見ただけで顔面蒼白になっていた。

 

〈デュエス〉「何てこった! 奴はギルバリスだッ!」

 

〈ナシルマ〉「えぇーッ!? あのギルバリス!!?」

 

〈ミースア〉「た、大変ですー!!」

 

〈カオル〉「そんなに恐ろしい相手なのですか」

 

 いつにも増して慌てているナシルマたちの様子に、カオルが聞き返した。

 

〈ナシルマ〉「超やばい奴ですよ! 破壊兵器そのもの!!」

 

〈デュエス〉「全宇宙の知的生命体の抹殺を図り、いくつもの星を滅ぼした奴だ! 今まで相手してきた奴とは格が違げぇ危険度だぞ!」

 

〈モフロ〉「しかし、ギルバリスは既に破壊されたはずじゃが……」

 

〈デュエス〉「ああ、それは間違いねぇ。しかもそれに降魔が乗ってやがる……!」

 

〈すみれ〉「……恐らくは、降魔が傀儡機兵として復活させたのでしょう」

 

 すみれの予測通り、今花組を襲っている巨大ロボットの正体は、ロソスから渡されたギルバリスメダルに朧が妖力を注ぎ込むことによって傀儡として復活した、傀儡機兵ギルバリスであった!

 

 

 

〈初穂〉『調子乗るんじゃねぇ! 硬芯鉄拳弾を食らいやがれっ!』

 

 セブンガーが反撃しようと、腕をギルバリスに向けてまっすぐ伸ばす。

 しかし発射する前に、ギルバリスから怪電磁波が放出されて浴びせられた。すると、

 

〈初穂〉『ん!? わぁっ!?』

 

 セブンガーが突然グルリと方向を変え、腕が無限の方へ向けられた!

 

〈クラリス〉『ど、どうしたんですか初穂さん!?』

 

〈初穂〉『セブンガーが勝手に動いてるっ! 操縦が利かねぇっ!』

 

〈アナスタシア〉『コントロールを乗っ取られたの!?』

 

 必死にあがく初穂だがどうにもならず、ロケットパンチが神山たちの方向へ発射された。

 

〈さくら〉『きゃあ―――っ!!』

 

〈初穂〉『あぁーっ!! わ、悪りぃっ!!』

 

 四人はどうにか回避できたが、危うく潰されるところだった。

 

〈あざみ〉『このっ……!』

 

「グワアアアアアアア!」

 

 ウインダムの両腕のスリットから手裏剣が雨あられと撃たれるも、ギルバリスの強固なボディに全て弾き返される。

 

〈朧〉『ヒャッハハハハ! サイッコーの気分だぜ! 魔幻空間なんてまどろっこしいことする必要もねぇ! このままこいつで帝都を焼き払ってやるぜぇッ!』

 

 ギルバリスの砲門が街の方角へ向けられた。この破壊力と長距離射程が市街を襲えば、おぞましい被害が出るだろう。

 

〈神山〉『させるかぁッ!』

 

 何としても阻止せねばと神山がゼットライザーを取り出そうとする、が、

 その時!

 

 

 

 レーダーが捉えた影を、ミースアが報告する。

 

〈ミースア〉「宇宙から戦闘現場へ、未確認の生命反応が急速に接近してくですー!」

 

〈カオル〉「こんな時に別の怪獣ですか!?」

 

〈ミースア〉「いえ、このパターンは……ま、まさか……!」

 

 

 

〈初穂〉『ん?』

 

 突如、戦闘現場の上空に光り輝く何かが現れたので、敵味方関係なく全員が反射的に見上げた。

 巨大な発光体は、人型に実体化して特空機とギルバリスの間に着地する!

 

「フッ!」

 

〈神山〉『あ、あれは……!?』

 

 骸骨を模した鎧を装着したような胴体をした、ひどく吊り上がった青い目の巨人。胸の中央に輝くのは、縦長のカラータイマー――!

 

〈初穂〉『ま、まさか、ウルトラマンかよ……!?』

 

〈あざみ〉『ゼット以外の……!』

 

 突然の二人目のウルトラマンの降臨に、花組は度肝を抜かれていた。

 

 

 

 モニターで新たなウルトラマンの姿、そして顔貌をひと目見たデュエスが、嬉しそうな声を上げた。

 

〈デュエス〉「ジード!!」

 

〈ナシルマ〉「えッ、あの人がジード!? あのベリアルを倒したッ!」

 

〈すみれ〉「……敵ではないようですわね」

 

 彗星組の反応を一瞥して、すみれがそう判断した。

 

 

 

〈朧〉『何だぁテメェはッ! テメェがウルトラマンゼットか!? 思ったよりも人相悪りぃなッ!』

 

 初めてウルトラマンと対面した朧が勘違いしながら、ウルトラマンジードに対して攻撃を開始する。ジードの方もダッと前に駆け出し、それを迎え撃つ。

 

「シュアッ!」

 

〈朧〉『ぐッ!』

 

 飛び膝蹴りを当てて進行を止めると、怒涛の打撃を打ち込んで押し込む。

 

〈朧〉『けッ! うっとうしいッ!』

 

「ウワッ!」

 

 いら立った朧はギルバリスを操作し、ジードを一発殴って姿勢を崩すと、背後から羽交い絞めにした。そのまま締め上げるつもりだ。

 

〈ジード〉『ギャラクシーカッティング!』

 

〈朧〉『ぬあッ!?』

 

 だがジードは両肘より光の刃を伸ばして拘束を解いて脱出。

 

「ウアアアァァァァァ――――――!」

 

 雄叫びを発しながら、連続斬撃をお見舞いする。

 

〈朧〉『くそがッ! これでも食らえやッ!』

 

 ギルバリスが全身の砲口から飽和攻撃を仕掛けてくると、ジードは後ろへ大きく跳んで回避。だがまだまだ飛んでくる。

 

〈ジード〉『プラズマ光輪!』

 

 ジードが右腕を高く掲げると、四肢の楔形のクリスタルが黄色く発光し、頭上に円盤状に渦巻く雷が発生。雷が四つの光輪に分かれ、これを振るって砲撃を叩き落として防御した。

 

〈さくら〉『すごい……!』

 

 恐ろしい爆撃を放出するギルバリス相手に互角に渡り合うジードの戦いぶりに、花組は思わず見入っていた。

 

〈朧〉『ふざけやがってぇ! 消し飛びやがれぇぇ――――ッ!!』

 

 朧が逆上し、ギルバリスは胴体の中央のコアから破壊光線を発射。

 

「アアアアアアアッ!」

 

 ジードが胸を張って吊り上がった双眸から光を放ちつつ雄叫びを上げると、背面に炎のようなエネルギーが集まっていく。そのエネルギーが鳥の如き形状となると、両手を合わせて光の輪を作り、左にひねった上半身を戻す勢いで、左手を右肘の内側に置いたL字を形作った。

 

〈ジード〉『レッキングフェニックス!』

 

 ジードの腕から膨大な光と闇の奔流が発せられ、破壊光線を押し戻していく。

 

〈朧〉『な、何ぃぃッ!?』

 

「ハァァーッ!」

 

 レッキングフェニックスがギルバリスに直撃し、大爆発を起こさせる!

 

〈朧〉『ぎいやぁぁあああああ―――――――!? お、覚えてろよぉッ!!』

 

 爆炎に呑まれる寸前に命からがら脱出する朧。

 

「ハッ!」

 

〈あざみ〉『あっ、待って……!』

 

 ギルバリスを撃破したジードは、あざみの制止も聞かずに、空の彼方へと飛び去っていった。

 

 

 

 ――帝都の片隅で、人目から隠れるように、一人の青年が徘徊していた。紺色のジャケットにジーパンという、帝都では見ない服装をしている。

 彼は左腰に取りつけた装置に手を添えて、虚空に向かって呼び掛けた。

 

「ペガ! ペガ! ……やっぱり応答なしか……」

 

 彼こそがウルトラマンジードの人間態、その名も朝倉リクである。

 

〈リク〉「参ったな……ここは時代も文明も全然違うみたいだから、ナビゲートが欲しかったんだけど……」

 

 周りの帝都の景色をグルリと見渡して何やら困惑していると――目の前を突然、蒸気自動車が猛スピードで横切った。

 

〈リク〉「うわッ!?」

 

 急ブレーキを掛ける自動車だが、止まり切れずに壁に衝突した!

 

〈リク〉「ええーッ!? いきなりの事故!?」

 

 度肝を抜かれていると、自動車から覆面で口元を隠した女性が二人、よろよろと降りてくる。

 

「あたた……もぉ~、隊長ったらぁ。ブレーキ踏むの遅いですよ~」

 

「おっかしいなぁ……伝説のスーパー隊長はもっとこう、華麗に……」

 

〈リク〉「あ、あの……大丈夫ですか……?」

 

 普通ではない事態に若干ついていけないながらも、事故車から降りてきた二人を案ずるリク。内の小さい方がリクに振り向くと、しゃんと背筋を伸ばした。

 

「これは失礼しました! あなたが朝倉リクさん……ウルトラマンジードさんですね?」

 

〈リク〉「えッ!? 何で僕のことを……!」

 

 ここの人間が知るはずのない己の名前を言い当てたことに驚愕するリクに、覆面の少女――隠密部隊・月組の隊長、西城いつきがビシッと敬礼した。

 

〈いつき〉「あなたを、我らが帝都の誇る大帝国劇場にご招待しまーす!」

 

〈リク〉「大帝国劇場?」

 

 

 

 月組によって帝劇に案内されたリクは、帝国華撃団のメンバーが集う指令室に通される。

 

〈ゼット〉『おおー! ジード先輩じゃないですかぁ!』

 

 モニター上に表示されたゼットの姿に面食らうリク。

 

〈リク〉「何でゼットがここに!? 何でモニターに……」

 

〈神山〉「知り合いなのか、ゼット?」

 

 己の内部のゼットの精神をモニターに映し出している神山が聞き返す。

 

〈ゼット〉『このお方はなぁ、ゼロ師匠の弟子で、俺のウルトラすごい兄弟子なんだ!』

 

〈リク〉「いや、僕別にゼロの弟子じゃ……」

 

〈ゼット〉『兄弟子はなぁ! あのベリアルをぶっ倒して、M78星雲にその名を轟かせた超有名人なのだ!』

 

 リクの訂正も聞かずに説明するゼットだが、さくらたちはベリアルという名を知らないので、今一つピンと来ていなかった。

 

〈デュエス〉「久しぶりだな、ジード」

 

 ゼットには構わずに、デュエスがリクに呼び掛ける。

 

〈リク〉「デュエス! 君までいるなんて」

 

〈デュエス〉「宇宙指令でな。そっちこそ、とうとうこの帝都に来たのか」

 

〈リク〉「うん……デビルスプリンターの暴走は、僕が止めないと」

 

〈デュエス〉「……ところであの形態は初めて見るが〈ナシルマ〉「いや~どうもどうも! 初めましてウルトラマンジードさん!」おうッ!?」

 

 いきなりナシルマがデュエスを押しのけて割り込んできた。ビクッと肩を震わすリク。

 

〈ナシルマ〉「あのベリアルをやっつけた英雄とこうして会えるなんて光栄ですよ! ほんと嬉しいなぁ~! さっきの戦いも、いや~お見事!」

 

〈リク〉「あ、ありがとうございます……」

 

〈ナシルマ〉「記念に写真一枚いいですか? 一緒に撮りましょう! ミースア~カメラ」

 

〈デュエス〉「おいどけ! こないだ俺のこと何てった!」

 

 荒々しくナシルマを押しのけ返すデュエス。じゃれる彗星組に、すみれがパンパンと手を叩いて注意を引きつけた。

 

〈すみれ〉「旧交を温めるのも結構ですが、そろそろわたくしたちにも話をさせて下さらないかしら?」

 

〈デュエス〉「あッ、そうだな」

 

〈すみれ〉「お初にお目に掛かります、ジードさん。わたくしはここ、大帝国劇場の支配人の神崎すみれと申しますわ」

 

〈リク〉「は、初めまして、僕は朝倉リク。ウルトラマンとしての名前はジードです」

 

 すみれは簡単に、リクが知らないであろう帝都の情報や歴史、そして帝国華撃団のことを説明した。

 

〈すみれ〉「……と、いう訳で、ここにいる六名が帝国華撃団の戦闘部隊、花組ですわ。隊長の神山くんが今、ゼットさんと一体化していますの」

 

〈神山〉「初めまして、朝倉リクくん。隊長の神山誠十郎です」

 

〈リク〉「朝倉リクです。よろしくお願いします」

 

 お辞儀を交わす二人。ある程度の挨拶が済んだところで、デュエスが改めてリクに尋ねかける。

 

〈デュエス〉「それで、お前もゼットライザー使ってるみてぇだな」

 

 リクの右腰に、神山と同じウルトラメダルホルダーがあるのに目を留めた。

 

〈デュエス〉「ジードライザーはどうした? 他の仲間は」

 

〈リク〉「それが……」

 

 リクはやや意気消沈しながら、経緯を説明する。

 

〈リク〉「宇宙に散らばったデビルスプリンターを追ってる途中、デビルスプリンターの悪用を狙う宇宙人に襲われて、ジードライザーを奪われてしまったんだ」

 

〈デュエス〉「そんなことが……」

 

〈リク〉「それでピンチになってたところに、ウルトラマンヒカリさんからゼットライザーが送られてきた。そのお陰で助かったけれど、ペガたちとはぐれてしまって……どうにかここにたどり着いたところで、ここの人たちが襲われてるのを発見して急行したんだよ」

 

〈デュエス〉「大変だな、お前も……」

 

 話し込んでいるところに、初穂が不意に手を挙げた。

 

〈初穂〉「あー、ちょっと質問」

 

〈リク〉「何でしょうか?」

 

〈初穂〉「いつも当たり前のように言うけどさ、デビルスプリンターって何なんだ? どっから来たんだ?」

 

 実は地球人たちは知らなかったことを尋ねる初穂。

 

〈デュエス〉「そういや話したことはなかったな」

 

〈初穂〉「いい機会だし教えてくれよ」

 

〈ナシルマ〉「教えてちょーだーい」

 

〈デュエス〉「いやお前は知ってなきゃ駄目だろッ! 今まで何やってたんだよ!」

 

 突っ込むデュエス。

 

〈ナシルマ〉「いやぁ、知ってて当然みたいな感じ出すから、聞きづらくって」

 

〈デュエス〉「しょうがねぇな……」

 

 ため息交じりのデュエスが説明を始めた。

 

〈デュエス〉「かつて光の国の生まれでありながら、闇に堕ちて光の国に反逆し、様々な大事件を引き起こしたベリアルというウルトラマンがいた。そいつをジードが倒した訳だが、その後、宇宙各地で怪獣たちの破壊活動が異常活性する事態が頻発し出した。調べてみたところ、飛散したベリアルの肉体の細胞片が原因であることが判明した! こいつがデビルスプリンターの正体だ」

 

〈神山〉「さ、細胞片……!?」

 

〈カオル〉「細胞のひと欠片に、そんな力があるのですか?」

 

〈デュエス〉「ベリアルはレイオニクスという怪獣使いの能力者の因子も持ってた。それが影響してるんだろう」

 

 説明の間、リクは険しい表情をしていた。

 

〈リク〉「……ベリアルは僕が決着を着けなきゃいけない相手だ。この地球がデビルスプリンターのせいで大変なことになってるなら、僕が何とかしなきゃ」

 

 気負うリクに、すみれが微笑みかける。

 

〈すみれ〉「ありがとうございます。ですが、帝都で起こる事件はわたくしたちの問題でもありますわ。ですので、ここは共同戦線と行きませんこと?」

 

〈神山〉「ええ。リクくん、俺たち帝国華撃団と一緒に戦わないか? 力を合わせよう!」

 

〈リク〉「……はい! こちらこそお願いします!」

 

〈神山〉「ああ!」

 

 神山が差し出した手を、リクがしっかりと握って固い握手を交わした。

 

 

 

 ――摩上が隠れ家で、ギルバリスメダルを手の中でいじくっていた。

 

〈摩上〉「なぁ兄弟、何であんな降魔野郎にメダル使わせたんだよ。あんなすんげぇロボットなら、俺たちで使えばいいじゃねぇか」

 

 不満そうな摩上に、ロソスはクックッと低い声で笑う。

 

〈ロソス〉『何事も一番がいい訳じゃないぞ……。実はギルバリスメダルは、データ不足のため不完全でな……問題点を洗い出すための実験台になってもらったって訳さ……』

 

〈摩上〉「おお!? んな目論見が……流石は兄弟だぜ!」

 

 一転して機嫌を良くする摩上に合わせるようにカカと笑うロソス。

 

〈ロソス〉『お陰で改善策が出来た……。明日にでも、改めて俺たちが出ようじゃないか……そこのメダル二枚を併用してな……』

 

 ロソスが示した先に置かれてあるのは、プレジデントGの協力によって新たに作り出した、二種類の傀儡機兵が描かれたメダルであった――。

 

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