〈あざみ〉『巨人……!』
〈アナスタシア〉『あれも降魔? それとも、彗星組のような宇宙人かしら……』
突然自分たちの目の前に現れ、ゲネガーグと対峙する青い巨人の姿に花組が戸惑っている頃、指令室ではデュエス、ナシルマ、ミースアの三人が声をそろえていた。
〈彗星組〉「「「ウルトラマン!!」」」
〈すみれ〉「ご存じなのかしら」
すみれが問うと、三人は口々に肯定した。
〈ナシルマ〉「そりゃあーもう! 宇宙じゃ一番有名と言っていい種族ですよ」
〈ミースア〉「華撃団みたいに世界の平和を守る、光の巨人です~! 間違いないです~!」
〈デュエス〉「だが見ねぇ顔だな。宇宙警備隊の新人か?」
〈すみれ〉「ともかく、敵ではないということね」
すみれがカオルに目配せすると、それを受けたカオルが花組に連絡した。
〈カオル〉「その巨人は敵ではないようです。まずは様子を見て下さい」
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
「デアッ!」
青い巨人、ウルトラマンはすぐにゲネガーグの全体の半分を占めるほどの巨大な首に組みつき、格闘戦を開始する。
「デアッ、デアッ、デアッ!」
ゲネガーグの首にパンチや膝蹴りを見舞うウルトラマンだが、ゲネガーグも首を振り回して反撃し、両者の格闘の余波によって周りの建物や道路が破損されていく。
〈さくら〉『巨人と怪獣の戦闘で、現場に被害が出てます! 隊長、どうか攻撃の指示を!』
さくらは黙って見ていられず、神山に攻撃許可を求めた。
〈神山〉『だが……!』
一瞬逡巡した神山だが、すみれからの指令が出る。
〈すみれ〉『構いません。攻撃目標はゲネガーグ! ウルトラマンと連携し、速やかに撃滅なさい!』
〈神山〉『――了解! みんな、聞いての通りだ! 帝国華撃団花組、攻撃開始せよ!』
〈さくらたち〉『『『『『了解!!』』』』』
許可が出ると、さくらたち五人はウルトラマンに反撃しているゲネガーグの周囲に回り込んでいく。
神山にはナシルマとミースアが忠告を送った。
〈ナシルマ〉『隊長さん、セブンガーの実用行動時間はあと二分だよ!』
〈ミースア〉『それを過ぎると安全装置が働いて活動停止するです、気をつけるです~!』
〈神山〉『ああ! 分かった!』
頭突きを食らわせてウルトラマンを突き飛ばしたゲネガーグに、さくらたちが五方向から攻撃を加える。
〈あざみ〉『食らえ……!』
〈初穂〉『喧嘩ならよそでやりなっ!』
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
五人が気を引きつけて足止めをしたところに、セブンガーが猛然と突撃して横面に鉄拳を浴びせた。
〈神山〉『はぁッ!』
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
一瞬ひるんだゲネガーグだが、大顎を駆使してセブンガーをいなすと、一瞬の隙を突いて突進を食らわせる。
〈神山〉『うわあぁぁッ!?』
〈さくら〉『隊長っ!!』
〈アナスタシア〉『キャプテン!』
大きく突き飛ばされたセブンガーが倒れ込み、真後ろのビルを押し潰してしまった。
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
「ゼアァッ!」
すぐに立ち上がることが出来ないセブンガーに迫るゲネガーグだが、横からウルトラマンが飛びついて止める。
「テェアッ!」
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
ミドルキックで蹴り飛ばすと、この隙にセブンガーを助け起こした。
「ジュアッ……!」
〈神山〉『うッ……ありがとう』
〈クラリス〉『敵ではないというのは、本当みたいですね』
わざわざセブンガーを助けたウルトラマンの行動に、花組は情報の実感を得て安堵を覚える。
〈神山〉『敵が同じなら、力を合わせて戦おう! せーので行くぞッ!』
神山がウルトラマンに呼び掛け、セブンガーを並ばせる。
〈神山〉『せーのッ!』
合図とともに、二人の鉄拳がゲネガーグに炸裂!
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
同時攻撃にゲネガーグも大きく後ずさったが、すると体表面に並んだ気孔から大量の光弾を拡散させて発射し出した!
〈神山〉『ぐわぁぁッ!』
〈さくら〉『きゃああぁぁっ!?』
拡散光弾はウルトラマンとセブンガーのみならず、さくらたちも爆撃に巻き込んだ。
更にゲネガーグは背面からのロケット噴射で推進し、ウルトラマンと神山に体当たりを浴びせた。
「ゼアァァッ!」
〈神山〉『うわぁぁぁぁッ!』
二人をはね飛ばしたゲネガーグは止まらず、一直線に突き進んでいく。
〈初穂〉『おい待てっ! 逃げる気かよ!!』
怒って叫んだ初穂だが、事態はもっと悪い方向に展開していく。
〈カオル〉『緊急事態! 怪獣の進行先には広域避難所があります! そこに乗り込まれたら甚大な被害が発生します!』
〈さくら〉『何ですって!?』
〈クラリス〉『すぐ追いかけましょう! 避難所を守らなくては!』
さくらたち五人は全速力を出し、ゲネガーグに先回りして、大勢の人で大混乱になっている避難所前にたどり着いた。
〈さくら〉『天剣・桜吹雪!!』
三式光武が振るった刀から、霊力の塊が嵐のように渦巻いて放たれ、ゲネガーグの顔面に命中した。
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
流石に大きなダメージにはならないが、一瞬足を止めることには成功し、その間に立て直したセブンガーが追いついてくる。
〈神山〉『おぉッ!』
セブンガーがゲネガーグを抱え込み、加速しようとするそれを踏ん張って抑えつける。
〈神山〉『巨人! 避難所を守りたい! 手を貸してくれ! ……って、通じるのか?』
意思疎通できるかも分からずに思わず叫んだが、ウルトラマンはゲネガーグの後方に回り込んで尻尾を引っ張り出した。
〈花組〉『通じた!!』
これには花組全員驚きであった。
「ジュアァァァッ!」
ウルトラマンが抑えてくれている隙に、セブンガーがゲネガーグの側面にジャンプ頭突きを食らわせ、転倒させた。
しかしそこでコックピット内に警告音が響いた。
〈神山〉『まずい、もう三十秒を切ったか……!』
と同時に、ウルトラマンの胸部の発光体もピコンピコンと赤く点滅し出した。
〈初穂〉『あっちもかよ!?』
〈あざみ〉『分かりやすい信号……』
窮地に陥る中、花組の機体にデュエスの警告が飛んだ。
〈デュエス〉『ゲネガーグの体温が急上昇してる! 大技が来るぞ、気をつけろお前らッ!』
〈初穂〉『気をつけろったって……!』
ゲネガーグの全身が赤く発光し、咆哮とともに光弾を乱射し出す!
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
しかもその先は、避難所の方向であった!
〈帝都民〉「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!」
〈さくら〉『いけないっ!!』
〈神山〉『ぬおおぉぉぉぉぉッ!!』
花組と、ウルトラマンも避難所の前に走り、光弾を必死に叩き落として守ろうとする。しかしあまりに弾数が多く、落とし切れずに機体で受け止めることになる。
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
ゲネガーグは更に、大口から強烈な破壊光線を吐き出してきた!
それはウルトラマンとセブンガーを纏めて吹き飛ばす!
「ジュアァァァ――――――――――!!」
〈神山〉『ぐああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――!!』
ウルトラマンとセブンガー……神山の姿が、爆炎の中に消えていく……。
〈さくらたち〉『隊長ぉぉぉぉぉぉ――――――――――っっ!!!』
『……起きなさい、地球人……起きなさい……』
――気がつけば、神山は薄暗い謎の空間に横たわっていた。
〈神山〉『!? ここは……!』
呼び掛けで目を覚まし、ガバッと起き上がる神山。目の前には、先ほどのウルトラマンがそびえ立って自分を見下ろしている。
〈神山〉『あんたは……!』
『私はウルトラマンゼット。申し訳ないが、お前は死んだ』
ゼットと名乗ったウルトラマンからのいきなりの宣告に、神山は目を剥いた。
〈神山〉『死んだ!? そんな……!!』
〈ゼット〉『ついでにどうやら、私もウルトラやばいみたいだ』
〈神山〉『あんたも……!?』
突きつけられた現実に、神山は己の身よりも仲間たちのことを思って焦燥する。
〈神山〉『何てことだ……! このままじゃ避難所が、みんなが……!!』
〈ゼット〉『一つだけ手がある』
そんな神山に、ゼットが提案した。
〈ゼット〉『私とお前が一つになれば、もう一度戦える。手を組まないか?』
〈神山〉『一つに……!?』
今一つ意味を理解できなかった神山だが、ゼットはそのまま続けて言う。
〈ゼット〉『私もお前の力が必要なのでございます!』
〈神山〉『……』
一瞬、ポカンとしてしまった。
〈ゼット〉『……言葉通じてる?』
〈神山〉『いや、通じてるが……言葉遣いが少しおかしくてな……』
〈ゼット〉『えぇマジ? 参りましたな……地球の言葉はウルトラ難しいぜ……』
〈神山〉『まぁそれはいい……とにかく、あんたと手を組めば、みんなを守ることが出来るんだな!?』
〈ゼット〉『ああ。守れる!』
ゼットの断言に、神山も決意した。
〈神山〉『分かった! やらせてくれ!』
その瞬間――ゼットの肉体が光に変わり、握力計とディスクを組み合わせたかのような奇妙なアイテムに変化して神山の手中に収まった。
〈ゼット〉『さぁ、そのウルトラゼットライザーのトリガーを押します』
〈神山〉『こ、こうか……?』
神山が取っ手を握り、備えつけられているトリガーを押すと、アイテムのランプが点灯して神山の正面に四方形の光のゲートが出現した。
〈ゼット〉『その中に入れ』
恐る恐るゲートをくぐると、別の空間に移り、神山の手に新たに一枚のカードが出現した。神山自身の姿とゼットの横顔が描かれている。
〈ゼット〉『そのウルトラアクセスカードを、ゼットライザーにセットだ』
指示通りに、カードをゼットライザーの中央にあるスリットに差し込んだ。
[SEIJŪRO, Access Granted!]
ゼットライザーから音声が鳴ると、神山の腰のベルトにケースのようなものが備えつけられる。
〈神山〉『「何だこれは……?」』
反射的に開けてみると、中には三枚のメダルが入っていた。それぞれ別の、ゼットと同種族と思しき異星人の横顔が描かれている。
〈ゼット〉『ゼロ師匠、セブン師匠、レオ師匠のウルトラメダルだ。スリットにセットしちゃいなさい! 師匠たちの力が使えるはずだ』
〈神山〉『「多いな、師匠……」』
何はともあれ、神山はウルトラメダルなるものをライザーのディスク部にある三つの丸いくぼみに一枚ずつ収めた。
〈ゼット〉『おお、ウルトラ呑み込みがいいな! じゃあ次はメダルをスキャンだ!』
〈神山〉『「おい、こんなゆっくりしてていいのか!?」』
〈ゼット〉『安心しろ。この空間は時間の流れが速いから、外ではまだ五秒も経っていない』
〈神山〉『「そ、そうなのか……こうすればいいのか?」』
神山がメダルを収めたプレートを、右にスライドさせていく。
[ZERO! SEVEN! LEO!]
三つのメダル全てをスキャンすると、空間内の光が集まって、神山の背後にゼットの姿が立ち上がった。
〈ゼット〉『よし! そして俺の名前を呼べ!』
〈神山〉『「名前……!? う、ウルトラマンゼット……!」』
〈ゼット〉『いえ、もっと気合い入れて言うんだよ!』
〈神山〉『「気合いぃ!?」』
〈ゼット〉『いいか、ウルトラ気合い入れて行くぞ!』
指示したゼットが、両の腕を大きく横に開いた。
〈ゼット〉『ご唱和ください、我の名を! ウルトラマンゼーット!!』
〈神山〉『「ウルトラマン! ゼェ―――ット!!」』
気合いの叫びとともに、ゼットライザーを高々と掲げた!
〈神山〉『「……」』
〈ゼット〉『トリガー! トリガー最後に押すの!』
最後にトリガーを押し込むと、メダルに描かれていた三人のウルトラ戦士のビジョンが宙を飛び交う!
『ハッ!』
『デュワッ!』
『イヤァッ!』
三人のビジョンが赤と青の光となって一点に集まり、その中から姿を変えたゼットが飛び出していく!
[ULTRAMAN-Z! ALPHA-EDGE!!]
「ゼアッ!」
神山がウルトラマンとともに炎の中に消えたかと思われたが、次の瞬間に、空から何かが高速でゲネガーグに激突して横転させた!
「デアァッ!」
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
ゲネガーグを張り倒した存在に、さくらたちはあっと驚いて目を奪われた。
〈さくら〉『あ、あれは……!?』
出現したのは、頭部のトサカが二つ増え、眉間に第三の眼のようなランプが付与され、上体を覆うプロテクターも強化されたウルトラマンゼット……その名もアルファエッジだ!
モニターでウルトラマンゼット・アルファエッジの全身を確認したカオルが目を見張った。
〈カオル〉「二人目の巨人が!」
〈すみれ〉「いいえ。どうやら装いを変えた、同一人物のようね」
すみれは卓越した観察眼で共通点を視認し、先ほどのウルトラマンも今のウルトラマンも同じゼットであることを見抜いた。
デュエスがすみれの推測に首肯する。
〈デュエス〉「もしや……あれが噂の、ウルトラメダルを使ったウルトラフュージョンか!」
〈神山〉『「すごい……! 全身に力がみなぎる……!」』
〈ゼット〉『ウルトラフュージョン成功だ! 力を合わせて戦うぞ、地球人!!』
〈神山〉『「了解ッ!」』
神山とゼットは呼吸を合わせ、向かってくるゲネガーグを正面から迎え撃つ。
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
「ヘアッ!」
鼻先の刃物状の角を振りかざして噛みつこうとするゲネガーグだが、ゼットは流れるような打撃を見舞って相手の首を乱打し、寄せつけない。
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
「デアッ! デアッ! デェアッ!」
相手の角を交差した手刀で防御し、すかさず三連続の回し蹴りを叩き込んで押し返した。
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
後ずさったゲネガーグが再び全身を発光させる。
〈神山〉『「さっきのが来るぞ! 何か武器はないのか!?」』
〈ゼット〉『それならこれだ!』
ゼットが左右のトサカに手を添えると、それぞれから刃物状のブーメランが飛び出て、二つが光の鎖でつながってZ字を作る。
「イヤァァァッ!」
ヌンチャクのようになった二つのスラッガーを武器に、ゲネガーグへ猛然と向かっていく!
「ゼッ! ゼアッ!」
ゲネガーグから光弾が雨あられと飛んでくるが、ヌンチャクを振り回して全て弾き返し、反撃。回転するスラッガーを相手の顔面に叩きつけていく。
〈ゼット〉『おおッ! これが宇宙拳法秘伝の神業かぁ! ウルトラ強えぇ!!』
ひるませたところで燃える後ろ回し蹴りを叩き込み、更に追い込む!
〈さくら〉『す、すごい!』
〈あざみ〉『さっきと、動きが全然違う……!』
達人級の格闘技で猛反撃するゼットに、さくらたちも驚嘆していた。
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
しかしゲネガーグもやられっぱなしではなかった。地を蹴ると同時にロケット噴射し、急加速。ゼットに突進する!
「グワァァァァァッ!?」
まともに食らったゼットが押され、背後の百貨店に叩きつけられてそのまま突き破った。
「ゼアァァッ!」
空まで持ち上げられたところで体勢を立て直し、ゲネガーグを蹴り飛ばす。
「グアアァァ――――! ギャアアァァァッ!」
空中で破壊光線を吐こうとエネルギーを集中するゲネガーグ。対するゼットも、最後の一撃を決める構えだ。
「ヌオッ!」
青く輝く腕を斜めに伸ばし、Z字を描いた光を両腕に集めてチャージ完了!
〈ゼット〉『ゼスティウム光線!』
先端が矢尻状になった光線を、十字に組んだ腕から発射! ゲネガーグの光線と正面衝突!
〈神山〉『「いっけぇぇぇぇぇぇ――――――――ッ!」』
一瞬拮抗したが、神山が気合い一閃するとゼスティウム光線が猛然と押し返していき、ゲネガーグに命中して地上へ叩き落とした!
「グアアァァ――――!! ギャアアァァァッ!!」
墜落したゲネガーグは爆発四散!
「トゥワッ!」
怪獣を撃破したゼットが堂々着地し、さくらたちはその背中を、圧倒されて見上げていた。
「シュゥアッ!」
そしてゼットはもう一度空高く飛び上がる。
〈神山〉『「ひ、飛行してる!」』
〈ゼット〉『あッ、そっちじゃないこっち!』
〈神山〉『「えッうわッ!?」』
途中でゼットが軌道修正し、空にはZ字の形となった軌跡が残った――。
ゼットは飛び去りながら、神山にこう呼び掛けていた。
〈ゼット〉『あの怪獣から飛び散ったメダルを回収してくれ。あれはこの宇宙を救う希望なんだ。お頼み申し上げます!』
〈神山〉『「やっぱり口調が安定しないな……というか、メダル? どういうことだ?」』
聞き返すが、ゼットからの返答はなく、周りの超空間が淡い光となって消えていく。
〈神山〉『「ゼット!? ゼットぉ!!」』
焦る神山の視界が、真っ白な光に覆われていった――。
ウルトラマンゼットがゲネガーグにリベンジしている間に、さくらたちは機能停止して横たわったセブンガーの元へ走り、神山の救出を試みていたのだが……。
〈アナスタシア〉「変ね……キャプテンが中にいないわ」
コックピットを確認してきたアナスタシアが困惑した。
〈初穂〉「けど、じゃあどこ行っちまったってんだよ、この状況で!」
〈あざみ〉「まさか、怪獣の光線で跡形もなく……」
〈クラリス〉「やめて下さい!! 滅多なことは!!」
最悪の想像に、思わず声を荒げるクラリス。さくらもひどく心配しながら、消息が途絶えた神山を想う。
〈さくら〉「どこへ行ってしまったんですか……神山隊長……」
――その時に、彼女たちの近くに、空から青い光が降ってきた。
〈さくらたち〉「きゃっ!?」
まばゆさに一瞬目をそらしたが、光が収まると……立っていたのは神山であった。
〈神山〉「あ、あれ……ここは……」
一瞬唖然とした五人。一番早く動いたのはさくらだった。
〈さくら〉「せ……誠兄さぁーんっ!! 無事だったんですねっ!!」
〈神山〉「うわッ!?」
感極まったあまりにガバッと抱き着いた。よろけて踏みとどまる神山。
他の四人は、信じられないものでも見るような目を神山に向けていた。
〈初穂〉「い、いや……今、どこから出てきたんだよ、隊長……」
〈クラリス〉「空から降ってきましたよね……光りながら……」
〈アナスタシア〉「キャプテン……一体あなたに何があったの?」
〈あざみ〉「……説明を求める」
〈神山〉「えーっと、それは……」
頭をかいた神山は、さてどうしたものか……と内心ひどく困り果てていた。
――ゲネガーグとの死闘ですっかりボロボロとなった街の中を、摩上が周囲に人影がないか注意しながら練り歩いていた。
〈摩上〉「ったく、ひっでぇありさまじゃねーか。帝国華撃団も普段偉そうにしといて、肝心な時に役に立たねーなぁ」
チッと舌打ちして文句を垂れながら、建物の瓦礫の山を見回す。
〈摩上〉「まぁいい。さーて、こん中に金目になりそうなもんはねぇかな~っと……」
要は火事場泥棒に来たのだ。
〈摩上〉「うへぇ、この辺はバケモンの肉片が散らばってるぜ。ここはやめとくか……」
そうして瓦礫の山を物色している内に、ある奇妙な物を、飛散したゲネガーグの残骸の中から見つけた。
〈摩上〉「んん? 何だぁこりゃあ……」
握力計にディスクがくっつけられたような、見慣れない物体だ――ウルトラゼットライザー――。
〈摩上〉「新発売の玩具か? そんなもんが何で、こんなとこに……」
思わず拾い上げようとして、手を伸ばした――。
その瞬間にライザーの側の肉塊が弾け、中から飛び出した虫かエイかのような怪生物が摩上の顔面に飛びついた!
〈摩上〉「うぎゃあッ!? な、何だこりゃあ!? 気持ち悪りぃぃ――――ッ!!」
驚いて尻もちをついた摩上が、パニックになりながら謎の生物を顔から引き剥がそうとするが、張りつく力があまりに強く、抗うことが出来ない。
そうして怪生物が、徐々に摩上の皮膚を侵蝕して同化していき、体内に入り込んでいく――。
〈摩上〉「うッ、あッ、がぁッ……!? あぁぁぁ―――――――――――――ッ!!」
他には誰一人もいない瓦礫の山の中で、摩上の悲鳴がこだました。
「……キエテ カレカレータ(いい気分だ)……」
(ED:Connect the Truth)
『花組のウルトラナビ!』
神山「今回紹介するのは、ウルトラマンゼロだ!」
さくら「ゼロさんはウルトラセブンさんの息子としてデビューしたウルトラ戦士です! 初登場が2009年なので、もう10年以上一線級で活躍してることになりますね」
さくら「『ジード』ではサブヒーローとしてレギュラー登板し、ジードさんを何度も助けました。『Z』では何とゼットさんの師匠です! と言っても、ゼットさんは押しかけ弟子みたいですけどね」
さくら「師匠という役目になったことを強調するためか、新たにウルトラゼロマントを着用してます。これはレオさんのウルトラマントと同等のアイテムみたいですね」
ゼット『そして今回の華撃団隊員は真宮寺さくらだ!』
さくら「旧シリーズのメインヒロインである、わたしの憧れの人です! アニメでは主人公に抜擢、他様々な作品でも中心的な役割を務めることが多い、まさに『サクラ大戦』の顔ですよ! 『新サクラ大戦』でも、意外な形で出てくるとか……」
さくら「それでは、次回もよろしくお願いします!」
さくら「帝都を襲う、謎の透明怪獣! 走る花組、セブンガーの鉄拳が唸る! そして、ウルトラマンゼットの新しい力とは……! 波乱万丈驚天動地の物語!」
「次回、『正体不明!透明怪獣現る』。太正桜に浪漫のZ!」