(華撃団大戦会場)
〈デュエス〉「やれやれ……開幕でこんな大騒動になって、この先どうなんのかね」
〈蛇倉〉「よう」
〈デュエス〉「あッ! お前!!」
〈蛇倉〉「なかなかゆっくり話する機会がなかったが、今なら気兼ねなく会話できるな。――こんなとこで何やってんだ、小僧」
〈デュエス〉「そりゃこっちの台詞だ! あんたが上海華撃団の司令とか、どーいうこったよ! どんな卑怯な手使って身分得やがったんだよ」
〈蛇倉〉「おいおい、ひどい言い草だな。ポスト自体は紛れもない実力で手に入れたぞ」
〈デュエス〉「だが経歴は偽造してんだろ? 誰もあんたが地球人じゃねぇって知らねぇようだからな」
〈蛇倉〉「ま、そこは多少は仕方ないだろ。かのウルトラ兄弟の一部もやったことだ」
〈デュエス〉「仕方ないってなぁ……まぁそこはいいとして、何でそこまでして華撃団司令なんかやってんだ」
〈蛇倉〉「ふッ……正義って奴に目覚めたんだよ」
〈デュエス〉「えぇ~? あんたがぁ~?」
〈蛇倉〉「おい、さっきから随分と失礼だな」
〈デュエス〉「よく言うぜ、宇宙一胡散臭せぇ男が」
〈蛇倉〉「いちいち口が減らねぇな……。滅多切りにしたこと、恨んでるのか?」
〈デュエス〉「そんなんじゃねぇよ。ありゃ俺が悪かった訳だし……。だが、人に信用されねぇ遍歴持ちだってことは自分で分かってるはずだろ?」
〈蛇倉〉「ふッ、否定はしないぜ」
〈デュエス〉「……まぁ、今更世界をどうこうしようなんて考えてはねぇとは思うがな……」
(マックスコーヒーのプルタブを開けるデュエス)
〈蛇倉〉「よくそんな甘ったるいもん飲めるな。コーヒーは夜明けの目覚ましとなるようなほど良い苦さが一番だ」
〈デュエス〉「うっせ。俺にとってのコーヒーはこの味なんだよ」
〈蛇倉〉「ふぅん、誰に布教されたんだか……」
〈デュエス〉「しかし、何だってまた上海なんてとこにいやがんだ。デビルスプリンターを追ってきたってんなら、帝都に居を構えればいいもんを」
〈蛇倉〉「それは俺も考えたが、戦闘部隊にはなれねぇし、そのつもりもない。研究職や整備員って柄でもないしな。その点、俺が来た時には上海がまだ帝都防衛を兼任してたし、何よりほっといたら特攻しがちな、世話のし甲斐がありそうな阿呆どもがいたからな。ビビッと来たって奴さ」
〈デュエス〉「奇特なもんだねぇ……」
〈蛇倉〉「どんな奴だろうと、くたばるより生き残る方がいいに決まってるだろ……」
〈デュエス〉「……まぁ、それはそうだ」
〈蛇倉〉「そういうお前こそ、どうして帝都に来た」
〈デュエス〉「俺は母星で、正式に宇宙指令を受けて赴任してきたんだ」
〈蛇倉〉「宇宙指令ねぇ……確かお前、惑星外追放食らってたんじゃなかったのか?」
〈デュエス〉「死ぬほど土下座して許してもらった」
〈蛇倉〉「そんなんでいいのか……。しかし、人間変わるもんだな。前は笑っちまうぐらいのクソガキだったってのに、すっかり足を洗ったみたいで」
〈デュエス〉「悪いかよ」
〈蛇倉〉「いいや。今の方がずっとお前に似合ってるぜ。正直、ひと目見た時から侵略者なんて柄じゃないと思ってた」
〈デュエス〉「微妙に反応に困ること言いやがるな……」
〈蛇倉〉「顔の傷も綺麗さっぱり消えて、良かったじゃねぇか」
〈デュエス〉「ああ、怨念から解放されて……って待て。何で傷のこと知ってんだよ? あんたに会ったのは、傷が入る前だったはずだぞ」
〈蛇倉〉「ふッ、闇の世界のことなら俺も色々と詳しいのさ。蛇の道は蛇と言うだろ? 蛇倉だけにな……!」
〈デュエス〉「……」
(マッカンごくごく)
〈蛇倉〉「……おい、何か言えよ」
〈デュエス〉「ん? あー……なかなか上手いこと言ったんじゃね? かなり大爆笑」
〈蛇倉〉「……宇宙人に世辞なんかいらねぇ」