ウルトラサクラ大戦Z   作:焼き鮭

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第八話「石破天驚!神秘の力」(B)

 

 神山、シャオロン、デュエスの三人はさくらの刀の導きに従い、さくらとユイが閉じ込められている洋館を発見した。

 

〈デュエス〉「ここだ、間違いねぇ」

 

〈神山〉「よし……!」

 

 発見されないように警戒しながら密かに侵入し、一階のホールで吊るされている二人と、見張りのピット星人姉妹を見つけた。

 

〈神山〉「……!」

 

 神山たちはうなずき合って様子を窺い……姉妹の注意がそれた瞬間に、ホールに踏み込んだ!

 

〈シャオロン〉「はぁぁぁぁッ!」

 

〈アネモ・モネフィ〉「「!?」」

 

 シャオロンが飛び蹴りで強襲し、姉妹をさくらたちから遠ざける。その隙に神山が刀を走らせ、さくらとユイを吊るす鎖を切断した。

 

〈神山〉「せぇいッ!」

 

〈さくら〉「神山隊長! 助けに来てくれたんですね!」

 

〈ユイ〉「シャオロン!」

 

 手枷はデュエスが外し、さくらに刀を返却する。

 

〈デュエス〉「大丈夫か。天宮、お前の得物だ」

 

〈さくら〉「ありがとうございます!」

 

 自由になった二人を交えて横一列に並ぶ神山たち。

 

〈アネモ・モネフィ〉「ちっ……!」

 

 それと対峙する形となった姉妹が大きく舌打ちした。

 

 

 

 洋館の外では、摩上が再びメダルを使用してヲ式トライキングに変身した!

 

「キィィィィッ! ヴァ――――――――!」

 

 完全に日が落ちて、夜のとばりに覆われた帝都を揺るがし、トライキングが咆哮を轟かせた。

 

 

 

 その震動と鳴き声は神山たちの元に届く。

 

〈デュエス〉「怪獣だ! さっきの奴だな……!」

 

〈さくら〉「隊長たちは、市民の避難誘導をお願いします! ここは私たちに任せて下さい!」

 

〈神山〉「大丈夫か?」

 

〈さくら〉「はい! さっきは不覚を取りましたが、もうやられません!」

 

〈ユイ〉「きっちりお返ししてやるんだから!」

 

 やる気満々の二人に、シャオロンが大きくうなずき返した。

 

〈シャオロン〉「それじゃあ頼んだぞ!」

 

〈ユイ〉「うんっ! はぁぁぁぁっ!」

 

〈さくら〉「やぁぁぁぁぁ―――――っ!」

 

〈アネモ・モネフィ〉「「あああああぁぁぁっ!!」」

 

 ピット星人姉妹と正面衝突していくさくらとユイ。その間にシャオロンたちが玄関へ向かっていった。

 

〈神山〉「ん……?」

 

 しかし、しんがりの神山は脱出直前に、床に放り出されたゼットライザーを発見した。

 

〈神山〉「こんなところに! だが、これは……!?」

 

 無事に手元に戻ってきたことを喜びたいところだが……ライザーには×型の錠が取りつけられ、起動スイッチも押せない状態にあった。

 

〈神山〉「くそッ、これはまずいな……!」

 

 とんでもない事態だが、ここで立ち止まってもいられないので、シャオロンたちを追いかけて外に出ていった。

 

 

 

「キィィィィッ! ヴァ――――――――!」

 

 トライキングは既に光弾を乱射して、街を手当たり次第に破壊し始めている。夜の帝都に、怪獣に追われる人々の悲鳴が合唱している。

 

〈シャオロン〉「くそッ、あの野郎我が物顔で……!」

 

〈デュエス〉「俺たちは東側を担当するから、中華男は西側を頼む」

 

〈シャオロン〉「だから、俺の名前はヤン・シャオロンだ!」

 

 文句をつけながらも走り去っていくシャオロン。彼を自然に遠ざけたデュエスは神山に振り向いた。

 

〈デュエス〉「特空機はまだ修理が完了してねぇ。変身は出来るか?」

 

〈神山〉「それが、こんなものを取りつけられてて……!」

 

 神山が錠を掛けられたゼットライザーを見せる。

 

〈神山〉「これじゃ使えない!」

 

〈デュエス〉「ちょっと貸してみろ」

 

 デュエスはライザーを受け取って、背を向けてガチャガチャといじる。そして、

 

〈デュエス〉「ほれ、取れたぞ」

 

〈神山〉「早いな!!」

 

 面食らいながらも錠を分解して取り外されたライザーを受け取る神山。これで使用できる!

 

〈神山〉「よし、今度こそ止めてみせるッ!」

 

 意気込んで、展開したゲートに飛び込んでいった!

 アクセスカードをキャッチして、ゼットライザーに挿入する。

 

[SEIJŪRO, Access Granted!]

 

〈神山〉『「天宮剣術、秘伝の神剣!」』

 

[ZERO! SEVEN! SAKURA!]

 

 メダルを三枚セットしてスキャンし、神山の背後にゼットが立ち上がった。

 

〈ゼット〉『ご唱和ください、我の名を! ウルトラマンゼーット!!』

 

〈神山〉『「ウルトラマン! ゼェ―――ット!!」』

 

 ゼットライザーを掲げて、スイッチを押した。

 

『ハッ!』

『デュワッ!』

『やぁーっ!』

[ULTRAMAN-Z! SAKURA-EDGE!!]

「ジェアッ!」

 

 無事に変身を遂げたウルトラマンゼット・サクラエッジが夜の街に立ち上がった。

 

〈ゼット〉『誠十郎! なくすなんてウルトラひどいじゃないか!』

 

 ゼットは開口一番に非難してくる。

 

〈神山〉『「悪いけど怒るのは後にしてくれ! 行くぞぉッ!」』

 

 ヲ式トライキングに向かってまっすぐに駆けていくゼット!

 ゼットの存在に気づいた摩上は度肝を抜かれる。

 

〈摩上〉『「ああ!? 何で変身できてんだ!」』

 

〈ロソス〉『錠を掛けた程度ではぬるかったか……迎え撃て!』

 

 ロソスの指示で、トライキングもゼットへ突進していく。

 

「キィィィィッ! ヴァ――――――――!」

「ゼアァッ!」

 

 ゼットが先制して飛び蹴りを浴びせ、トライキングを押し返した。着地とともに二刀を取り出し、左右交互の斬撃を繰り出していく。

 

「ゼアッ! ゼアッ!」

 

 三体の怪獣から成るトライキングのパーツを斬りつけるゼット。トライキングは神速の剣戟に対応できていない。

 

「キィィィィッ! ヴァ――――――――!」

「ジェアッ!!」

 

 腹部から光弾を乱射して反撃するが、縦横無刃・嵐が全て斬り落とした。

 

 

 

〈ユイ〉「はぁーっ! いやぁっ!」

 

〈モネフィ〉『くぅっ!!』

 

 正体を晒して襲ってくるピット星人妹に、ユイが乱舞を食らわせる。拳と蹴りの猛撃に押されるピット星人が壁に叩きつけられた。

 

〈さくら〉「はぁっ!」

 

〈アネモ〉『ふぅぅっ!』

 

 さくらは剣を取り出したピット星人姉と鍔迫り合いする。が、一瞬の隙を突いて相手の腕を押し上げ、空いた胴体に刀を薙ぐ。

 

〈さくら〉「せあぁっ!」

 

〈アネモ〉『ぐっ……!』

 

 咄嗟に後ろへ跳んでギリギリ回避するピット星人。

 

〈さくら〉「守るものを持たない剣に、わたしは負けません!」

 

〈アネモ〉『小癪な……!』

 

〈さくら〉「やぁっ!」

 

 距離を詰めるさくらの剣が、ピット星人の剣と交差。

 競り合いに勝ち、さくらの一撃がピット星人の脇腹に食い込む。

 

〈アネモ〉『がっ……!?』

 

〈さくら〉「安心して下さい。峰打ちです」

 

 崩れ落ちるピット星人に背を向けながら、さくらが堂々宣告した。

 

 

 

〈神山・ゼット〉「『天剣・焔桜(ほむらざくら)!!」』

 

「キィィィィッ! ヴァ――――――――!」

 

 刀身が燃え上がった刃をトライキングに食らわせるゼット。

 

〈神山・ゼット〉「『ゼスティウムメーザー!!」』

 

 ひるんだところに額からのレーザーを撃ち込んだ。

 

「キィィィィッ! ヴァ――――――――!」

「ゼアッ!」

 

 刀からゼットランスアローに持ち替え、更に鋭い斬撃をお見舞いしていく。ゼットの猛攻撃にトライキングは追いつめられているように見えた。

 しかし!

 

〈ロソス〉『そろそろ余興は終わりにしよう……』

 

〈摩上〉『「おう! こっからが本番だぜぇ!」』

 

 摩上は新たに二枚、怪獣メダルを取り出して追加でスキャンする。

 

GAN-Q! REICUBAS!

 

〈ロソス〉『恐れ慄けッ! 俺の名に!!』

 

〈摩上〉『「ヒア――――ハッハッハァッ!!」』

 

 ガンQメダルとレイキュバスメダルの力を取り込んだことで、トライキングの両腕に変化が起こる。

 

PARACITE-ROSOS! WO-SHIKI FIVE-KING!!

 

 狂骨の両腕が変形し、右腕は宇宙海獣レイキュバスのハサミに、左腕は奇獣ガンQの巨大な目玉となって、完全体たる超降魔融合獣ヲ式ファイブキングに変身したのであった!

 

「キィィィィッ! ヴァ――――――――! グイイイイイイイイ! イヒヒヒヒヒヒ!」

 

〈神山〉『「な、何!? 腕が別の怪獣に変化した!?」』

 

 ゼットがランスアローのレバーを引いて、火炎攻撃を繰り出した。

 

〈神山・ゼット〉「『ゼットランスファイヤー!!」』

 

「グイイイイイイイイ!」

 

 だが、レイキュバスのハサミから冷却ガスが放出され、Z字の炎をかき消してしまう。

 

〈神山〉『「何!? だったら……!」』

 

 今度は反対の属性、氷の矢を発射する。

 

〈神山・ゼット〉「『ゼットアイスアロー!!」』

 

 しかしハサミから高熱火炎が噴き出して、氷の矢が溶かされてしまった。

 

〈神山・ゼット〉「『アローショット!!」』

 

「イヒヒヒヒヒヒヒ!」

 

 光弾を撃っても、ガンQの目玉に吸い込まれて、反射された。返された光弾を咄嗟に槍で防ぐゼット。

 

〈神山〉『「ゼットランスアローの攻撃が効かない!」』

 

〈ゼット〉『焦るな誠十郎! ウルトラフュージョンだ!!』

 

〈神山〉『「ああ!」』

 

 神山は手を変えるために、メダルの交換を行う。

 

〈神山〉『「真っ赤に躍る、東雲神楽!」』

 

[ULTRAMAN! ACE! HATSUHO!]

 

〈神山〉『「ウルトラマン! ゼェ―――ット!!」』

 

 サクラエッジからカグラスマッシュにチェンジして、飛び掛かりながら大槌を振り下ろす。

 

「ゼアァーッ!」

「キィィィィッ! ヴァ――――――――! グイイイイイイイイ!」

 

 頭部に大槌を叩きつけられたファイブキングがよろよろと後ずさった。

 

〈神山〉『「よし! 単純な打撃は効くみたいだな!」』

 

 確かな手応えを感じた神山だったが、ファイブキングはそう簡単に攻略できる怪獣ではない。

 

「イヒヒヒヒヒヒ! ヴァ――――――――!」

「ゼアッ!」

 

 目玉と腹部から怪光弾を乱射してゼットを狙う。怒涛の攻撃からゼットは身を翻して逃れるが、

 

「グイイイイイイイイ!」

「ウッ!」

 

 首元にハサミが伸びてきて、捕まってしまった。身動きが取れないゼットに、ファイブキングが至近距離から攻撃を浴びせる。

 

「キィィィィッ!」

「ジュアァァァッ!」

 

 メルバの怪光線と、狂骨の火炎ブレスを同時に食らい、ゼットが後ろへ倒れ込んだ。

 

「キィィィィッ! グイイイイイイイイ! イヒヒヒヒヒヒヒ!」

 

 ファイブキングはこの間に羽を広げ、夜空に高々と飛び上がる。

 

〈神山〉『「飛んだ!?」』

 

 そして上空より頭部、両腕からの光線三条を発してゼットを猛撃する!

 

「ジュアァッ!」

 

 頭上からの激しい光線に苦しめられるゼットだが、大槌を振り上げる勢いでファイブキングに向かって飛んでいった!

 

〈神山・ゼット〉「『ゼスティウムハンマー!!」』

 

 ぐんぐんと距離を縮めて大槌を叩きつけようとする。が、

 

「キィィィィッ!」

 

 上昇中では細かい方向転換が利かず、光線で撃ち抜かれる!

 

「ゼアァァァァ―――ッ!!」

 

 ゼットが地上まで叩き落とされ、ビルを巻き込んで墜落した。

 ヲ式ファイブキングの多種多様な攻撃能力を前に、ゼットは完全に窮地であった。

 

〈デュエス〉「やべぇ……何か手はねぇのか……!?」

 

 デュエスがどうにかゼットの手助けをしようと思うものの、手段が思いつかずに立ち尽くしている。と、そこに、

 

〈蛇倉〉「全くだらしねぇな。ゼットの力はこんなもんなのか」

 

〈デュエス〉「ジャグラー……!」

 

 蛇倉が姿を現して、更に手の平の上に何かを取り出した。

 

〈蛇倉〉「まッ、こんなとこでやられても困るからな」

 

 それは三枚のウルトラメダルであった。目を見張るデュエス。

 

〈デュエス〉「あッ! あんたが持ってたのか!」

 

〈蛇倉〉「よく探さないからだ」

 

 皮肉げに返してから、蛇倉がメダルをゼットへ投げ飛ばす。

 インナースペースに飛び込んできたメダルを反射的にキャッチする神山。

 

〈神山〉『「新しいウルトラメダル……!? 一体誰が……」』

 

 不思議に思いながら、絵柄のウルトラ戦士に目を落とす。既に所持しているメダルのウルトラマンとは、どこか異なる雰囲気だ。

 

〈ゼット〉『ゼロ師匠から聞いたことがある。それは別次元のウルトラマン……ティガさん、ダイナさん、ガイアさんだ!』

 

〈神山〉『「別次元の……」』

 

 少し理解が追いつかないものの、とにかくうなずく神山。

 

〈ゼット〉『そのお三方のメダルなら、きっとあの怪獣の能力に対抗できる! 別次元の先輩たちの力をお借りするんだ!』

 

〈神山〉『「よし、じゃあこれで……!」』

 

 神山は新たに入手した三枚の中からティガ、ガイアを選び、クラリスのメダルをそこに組み合わせた。

 

〈神山〉『「石破天驚、神秘の魔導……!」』

 

[TIGA! CLARICE! GAIA!]

 

 メダルをセットしてスキャンし、神山の背後に立つゼットが腕を広げた。

 

〈ゼット〉『ご唱和ください、我の名を! ウルトラマンゼーット!!』

 

〈神山〉『「ウルトラマン! ゼェ―――ット!!」』

 

 ゼットライザーを掲げて、スイッチを押す!

 

『テャッ!』

『はぁっ!』

『デャッ!』

 

 ティガとガイアのビジョンが飛び交い、魔導書を開いて腕を振るクラリスのビジョンと重なり合って一つの光となった!

 

[ULTRAMAN-Z! MAGICA-FUTURE!!]

「ジェアッ!」

 

 回る魔法陣の中から、新たな姿となったウルトラマンゼットが飛び出していく!

 そして虹色の煌めきの光の柱から立ち上がったのは、赤、銀、紫、黒と最も色彩豊かな体表に、金色のプロテクターを胸部に纏ったゼット。カラータイマーの周りには、魔法文字が幾何学模様を描いて刻み込まれている。その名も!

 

〈ゼット〉『ウルトラマンゼット、マギカフューチャー……!』

 

 ピット星人姉妹を下し、後ろ手を捕らえて連行していたさくらとユイがその姿を見上げる。

 

〈さくら〉「ゼットさんがまた新しい姿に!」

 

〈ユイ〉「すごい優雅……!」

 

 ユイが思わず見とれるほど、今のゼットは神秘的なたたずまいであった。

 

「キィィィィッ! ヴァ――――――――! グイイイイイイイイ! イヒヒヒヒヒヒ!」

 

 ファイブキングが上空から猛然と降下してくる。対するゼットは、頭部の溝に集中したエネルギーを両手に移して、鞭状の光線に変えて伸ばす。

 

〈神山・ゼット〉「『ゼスティウムドライブ!!」』

 

 赤と青の光の鞭がファイブキングを打ち、地上に叩き落とした。

 

「キィィィィッ!! ヴァ――――――――!!」

 

 ゼットは精神を集中しながら、指をパチンと鳴らす。胸に刻まれた魔法陣が同時に輝いた。

 

〈神山・ゼット〉「『マギカイリュージョン」』

 

 起き上がるファイブキングの周囲を、ティガとガイア、そしてクラリス仕様の無限の幻影が取り囲んだ。

 

〈クラリス〉『私の無限です! しかも大きい!』

 

 戦闘現場に出て救助活動に当たっていた本物のクラリスが驚愕する。

 

『テヤァッ!』

『はっ!』

『ウワッ!』

 

 ガイアのビジョンがスプリームバージョンに変身し、フォトンストリームを発射する。

 

『デャッ!』

『ハァッ!』

『Arbitre dènfer!!』

 

 同時にティガのゼペリオン光線と、無限からのアルビトル・ダンフェールが放たれ、三方向からの攻撃がファイブキングに実体となって命中した。

 

「キィィィィッ! グイイイイイイイイ! イヒィッ!!」

 

 メルバの頭部、レイキュバスのハサミ、ガンQの目玉が一挙に潰され、機能を封じられた。

 

〈神山・ゼット〉「『マギカフリーザー!!」』

 

 ゼットの勢いはまだ止まらない。ファイブキングの頭上に冷凍ビームを放ち、冷気の滝を浴びせて瞬く間に氷漬けにした。

 ファイブキングの動きを止めると、ゼットは縮小化して相手にまっすぐ飛んでいく。

 

〈神山・ゼット〉「『マギカスルー!!」』

 

 魔法陣をくぐってヲ式ファイブキングの体内に入り込み、おどろおどろしい妖力で満ちた空間に向けて魔法弾の乱射を放つ!

 

〈神山・ゼット〉「『アルビトルゼスティウム!!」』

 

 重魔導の光線が、妖魔の悪しき力を破壊していく!

 

「ゼアッ!」

 

 そしてゼットが脱出し、元の大きさに戻った直後に、ヲ式ファイブキングは内側から爆裂して一瞬で消滅したのであった。

 

「シュウワッチ!」

 

 今宵もまた邪悪なる怪物を打ち破り、帝都に平和を取り戻したゼットが、空に飛び上がって華麗に去っていった。

 

 

 

〈摩上〉「ぐッ、ごほッごほッ……! は、腹が……!」

 

〈ロソス〉『またひどくやられたものだ……』

 

 元の姿に戻った摩上は、腹部を抑えながら路地裏の暗がりに紛れて逃げ帰ろうとする。

 だがその首筋にいきなり、中国刀の刃が向けられた。

 

〈摩上〉「ひッ……!?」

 

〈蛇倉〉「おーっと待ちな。ようやく見つけたぜ」

 

 刀を向けているのは、待ち伏せしていた蛇倉だ。彼の後ろから、シャオロンとユイも出てくる。

 

〈ユイ〉「シャオロン、司令! こいつだよ! 一瞬だったけど、この顔で間違いない!」

 

〈シャオロン〉「こいつが連日の事件の黒幕か……! 許しちゃおけねぇなッ!!」

 

 ユイに危害を加えられたシャオロンは、見るからに憤慨していた。摩上のこめかみにダラダラと脂汗が流れる。

 

〈ロソス〉『まずいッ……!』

 

 絶体絶命の状況に、ロソスが周囲にバリスレイダーを呼び出して上海華撃団を襲わせる。

 

〈蛇倉〉「ちッ……」

 

〈ユイ〉「はっ!? やぁっ!」

 

 四方から斬りかかってきたバリスレイダーに咄嗟に対処する蛇倉たち。

 

〈摩上〉「ぬぁッ!」

 

 摩上がバリスレイダーの剣を取ってシャオロンに斬りかかるが、鋭い蹴りですぐに弾き飛ばされた。

 

〈シャオロン〉「はぁぁッ!」

 

〈摩上〉「ぐえぁッ!?」

 

 間髪入れぬ正拳突きを食らい、レンガの壁に叩きつけられる摩上。シャオロンがとどめの一撃を入れようとしたが、横からバリスレイダーが飛び掛かってくる。

 

〈シャオロン〉「せぇあッ!」

 

 蹴りの軌道を曲げて返り討ちにしたが、視線を戻すと、既に摩上の姿はなくなっていた。

 

〈シャオロン〉「ちッ、逃げ足だけは速いな……!」

 

 いら立って舌打ちするシャオロン。蛇倉は摩上が叩きつけられた場所の地面に目を落とす。

 そこには摩上がとんずらするとともに落としていった、ヲ式ファイブキングのメダルが一式転がっていた。

 

〈蛇倉〉「……」

 

 蛇倉はメダルを拾い上げて、じっと見つめた――。

 

 

 

(ED:桜夢見し)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『花組のウルトラナビ!』

 

神山「今回紹介するのは、ウルトラマンティガだ!」

クラリス「ティガさんは平成のテレビシリーズの最初を飾ったウルトラ戦士です! 史上初めてタイプチェンジ能力を披露したウルトラマンでもあります!」

クラリス「実はニュージェネレーションシリーズの常連さんで、映画を含めたら『ギンガ』から最新作の『Z』までの全てで何らかの形で関わってます。これを成し遂げてるのは他の初代さんくらいですよ」

クラリス「『Z』では超能力戦士ガンマフューチャーに使用するメダルの一枚です。ガンマフリーザーはスカイタイプの技、ティガフリーザーそのままですね」

ゼット『そして今回の華撃団隊員はダイアナ・カプリスだ!』

クラリス「紐育華撃団に所属する研修医さんです! 予知能力を使えるほどの霊力を持ちますが、その負荷でひどい病弱の身体となってます。ドールハウス作りが趣味など少女らしさに溢れてますが、男女の関係について度々あらぬ方向に暴走する一面もあります」

クラリス「それでは、次回もよろしくお願いします」

 




 
司馬「謎の巨大ロボット、帝都を襲撃! 奴の狙いはウルトラメダルだ! 宇宙人の魔の手からメダルを守るため、神山たちの奮闘が始まる!」
「次回、『悪戦苦闘!メダル護送指令』。太正桜に浪漫のZ!」
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