(特空機用格納庫)
〈デュエス〉「……だから、これじゃ金が掛かり過ぎんだよ。どっからこんな大金持ってくんだ」
〈ナシルマ〉「でも、今までと同じようなの造っても、戦力向上にはつながらないでしょ?」
〈モフロ〉「それはもちろん分かっとるが、現実問題として……」
〈さくら〉「彗星組の皆さん! わたしたち、やりましたっ! 一回戦突破しました! あの上海華撃団に勝ったんですよ! ……って」
〈ミースア〉「あっ、さくらちゃん! 一回戦突破おめでとうございます~! ミースアたちも見てたですよー!」
〈ナシルマ〉「おめでとう! 帝劇存続に一歩近づいたね!」
〈さくら〉「ありがとうございます! ……ところで、皆さんは何してたんですか? そろって難しい顔して」
〈モフロ〉「うむ。特空機三号の設計について話し合っておったのじゃ」
〈さくら〉「三号!? 遂に三号機を造るんですか!?」
〈デュエス〉「いや……それが、ナシルマが持ってきた設計にちょっと問題があってな」
〈さくら〉「え? どういうことですか?」
〈ナシルマ〉「一から話すけど……敵も強くなってきたでしょ? ウインダムでも危ない場面が多くなってきてるし、三号機はこれまでの設計とは根本的に変えた機体にしようと考えてるんだ」
〈さくら〉「根本的に変えた設計というのは……」
〈ナシルマ〉「これは一つの案なんだけど、様々な能力の怪獣、想定される色んな状況に対応できるように、アメリカの霊子甲冑スターⅤに着想を得て、可変機構を組み込もうと思ってるんだよ」
〈さくら〉「可変機構! 特空機が変形するってことですか!?」
〈ナシルマ〉「他にも各パーツごとに分離する機能を設けて、それぞれにコックピットを入れた複座式で出力も劇的に向上ってアイディア出したんだけど……」
〈さくら〉「お~……すごそうですね……! でも、そんなに新機能を導入するのは、やっぱり難しいんですか?」
〈デュエス〉「いや、技術的には問題ねぇんだがな……こんな複雑な機体を造ろうと思ったら、先の二機とは比べもんにならねぇほど掛かるんだよ、金が」
〈さくら〉「あー……お金ですか……」
〈ナシルマ〉「一応費用の試算出してカオルさんに提出したんだけど……その場で突き返されちゃってさ……」
〈デュエス〉「無理もねーよ。仮に劇場売っ払ったとしても、まだ足りねぇぞ」
〈モフロ〉「まさに机上の空論じゃな」
〈ナシルマ〉「う~ん……僕的には、ここは妥協したくはないところなんだけどなぁ……。この三号機案が実現すれば、花組は今までと比較にならないほど強くなれるのに」
〈さくら〉「残念ですね……。でも、そんなにお金が必要になるんですか? わたしにはよく分かりませんけど……」
〈デュエス〉「一番掛かるとこは、やっぱ資材だな。可変機構や分離合体の導入となると、形状記憶合金がどうしても必要だ。これが高けぇんだよな」
〈モフロ〉「特空機のサイズとなると、量も相当多くないといかんからのう」
〈さくら〉「セブンガーの時みたいに、廃材を再利用するというのは出来ないんでしょうか?」
〈デュエス〉「さっき言ったように特殊合金が必要だからな。条件満たす奴の目星は、今のところねぇ」
〈さくら〉「そうですか……」
〈ナシルマ〉「やっぱり無理があるってことかぁ……。あーあ、ほんと残念だなぁ。会心の出来の設計だったのに」
〈ミースア〉「資材に使えそうな合金の塊が、お空から降ってこないかなーです」
〈デュエス〉「んな都合のいい話が、ある訳ねぇだろ」