ウルトラサクラ大戦Z   作:焼き鮭

28 / 31
第十話「残酷無比!宇宙海賊登場」(A)

 

 ――キングジョーの墜落現場で整備班が、脚部パーツが翔鯨丸によって帝劇へ運び込まれていくのを見届けた。

 

〈整備員〉「ロボットの回収、全て完了しました」

 

〈司馬〉「よし、帝劇に戻るぞー」

 

 司馬が全員に呼び掛け、撤収準備に取り掛かる。

 整備員の一人も、皆から少し離れたところで器具を回収していたが……。

 

〈整備員〉「ん……!?」

 

 ふと気配を感じて顔を上げると、目の前に異形の腕が突きつけられた!

 

〈整備員〉「な……!?」

 

 整備員が驚いて固まっている内に、異形の手の平が彼の顔の前でグルグルと円を描く。

 

〈整備員〉「あ……あ……!」

 

 それを見ている内に整備員の目の焦点が合わなくなっていき――意識が朦朧となったところで、異形の腕が彼の頭を掴んだ!

 ――撤収前に、班員の確認を行う司馬が、一人欠けていることに気づいてキョロキョロと辺りを見回した。

 

〈司馬〉「あれ? 岩渕の奴どこ行った?」

 

〈整備員〉「先に戻ったんじゃないですか? あいつせっかちですから」

 

〈司馬〉「しょうがない奴だな……」

 

 やれやれとため息を吐いた司馬が、整備班を連れて帝劇へと帰還していった。

 

 

 

(OP:ご唱和ください 我の名を!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   第

  残 十

宇 酷 話

宙 無

海 比

賊 !

 

 

 

 回収されたキングジョーは、帝劇地下の大型格納庫に収容された。四機の円盤の状態で横たえられたキングジョーを、ナシルマらが感心したように見上げている。

 

〈ナシルマ〉「さっすが宇宙でも有名なキングジョーだ! あれだけの攻撃を食らったのに、内部回路がショートしただけだよ!」

 

〈デュエス〉「この分なら、再利用するのにも手間が掛からなくて済みそうだな。だが、ペダン星から苦情が来ねぇかってのが心配だが。あそこすぐいちゃもんつけてくるからな」

 

〈モフロ〉「ペダン星はわしが説得しよう。あそこには昔の縁があるでな」

 

〈ミースア〉「モフじいさん、頼りになるですー!」

 

〈ナシルマ〉「ところで命名だけど、単純にキングジョーⅡってしようかな?」

 

〈デュエス〉「その名前は不吉だからやめろ」

 

 話し合っている彗星組の下へ、カオルとこまちがやってくる。

 

〈こまち〉「うひゃー! 改めて見るとほんまでかいな~。特空機にも負けてへんわ。これを三号機に作り替えるんよな?」

 

〈カオル〉「作業はいつからですか?」

 

〈ナシルマ〉「もう今から取り掛かりますよ! 設計図も出来上がってますし、これを前にしてジッとしてなんかいられませんって! ねッねッみんな、そうだよね?」

 

〈ミースア〉「お兄ちゃん、はしゃぎすぎですよー」

 

 気が逸りすぎてピョンピョン小刻みに飛び跳ねるナシルマに、一同が苦笑した。

 そこへ神山が呼び掛けてくる。

 

〈神山〉「非常勤の人たちも全員集まったみたいだ。いつでも作業開始できるぞ」

 

〈モフロ〉「うむ。では早速始めようかの」

 

 ミースアがトテトテと積み上げられたコンテナを回り込んでいって、格納庫に集った人員に向かって呼び掛けた。

 

〈ミースア〉「皆さん、これより作業開始するですー。よろしくお願いするですー!」

 

『おぉー!!』

 

 さくらたちの前に並んだ、ゼラン星人やドーブル星人などの様々な種族の宇宙人たちがミースアに応じた。

 

 

 

 ――帝劇の地下通路を、一人の整備員がゆっくりと移動している。しかし、動き方がおかしい。足は全く動いておらず、何かに引きずられるようにズルズル床を滑っている。

 やがて地下格納庫の通用口にたどり着くと、固く閉ざされている合金製の扉の認証センサーに顔を近寄らせ、口を開いた。

 

〈整備員〉「岩渕、順平……」

 

『声紋認証、虹彩認証、合致しました』

 

 ロックが解除され、自動で開いた扉の中に整備員がゆっくりと入っていき、扉が閉ざされる。そこで整備員がどさりと倒れ込み――その傍らの空間から、ぬるりと異形の怪人が姿を現した。

 

「バ―――ロ――――……」

 

 

 

〈ミースア〉「はーい、こっちでーす。バッテリーはここに置いて下さいですー」

 

 キングジョーの解体作業が開始され、本体とコードでつながれていたバッテリーの一つが取り外された。

 

〈初穂〉「へぇ~、これがこのデカブツの動力源か」

 

〈デュエス〉「無闇に触るなよ。漏電はしてねぇが、万が一があるかもしれねぇからな」

 

〈バド星人〉『バッテリーの解体に入ります』

 

〈デュエス〉「ああ。気をつけろよ」

 

 作業が進められる大型格納庫に、一人の来客がやってくる。

 

〈ユイ〉「さくらー!」

 

〈さくら〉「あっ、ユイさん」

 

 手を振って寄ってきたユイに、作業を手伝っていたさくらが振り返る。

 

〈ユイ〉「話は聞いたよ。今回は大変だったみたいだね。で、あれが鹵獲した宇宙ロボット?」

 

〈さくら〉「はい。ユイさんは見学ですか? シャオロンさんたちは?」

 

〈ユイ〉「シャオロンと司令は、WLOFからの依頼があるって。解散を命じてきたところが、今更ウチに何の用なんだか……」

 

 やや不機嫌そうに息を吐くユイ。彼女も華撃団大戦で敗北したチームは強制解散というルールには思うところがあるようだ。

 

〈ユイ〉「そんなことより、あれが新しい特空機になるんだ。もう改造してるって訳?」

 

〈さくら〉「はい! ナシルマさんが特に張り切ってまして」

 

〈ユイ〉「いいなぁ、帝国華撃団は次々新しい戦力が入ってきて。……それにしても」

 

 格納庫をグルリと見回すユイ。キングジョーの周りでは、ゴドラ星人、サーペント星人、ネリル星人など様々な姿の宇宙人が作業に着手している。

 

〈ユイ〉「彗星組って、こんなにたくさんの人、っていうか宇宙人がいたんだ……。前来た時は、全然見掛けなかったけど」

 

〈さくら〉「皆さんは非常勤の職員さんです」

 

〈ユイ〉「非常勤?」

 

 いつもの四人以外の宇宙人に関して説明するさくら。

 

〈さくら〉「彗星組にはモフじいさん、デュエスさん、ナシルマさん、ミースアさんの常勤方の他にも、降魔大戦の際に地球に不時着して神崎支配人に保護された方や、厚意で協力に来て下さった方々が非常勤職員として在籍してるんです。今回は、巨大ロボットの改造という人手が必要な作業なので、全員集まって下さったんですよ」

 

〈ユイ〉「そうなんだぁ。帝都にこんなにも宇宙人がいたなんて知らなかったなぁ……」

 

 感服したように辺りを見回すユイが、一点に目を留めた。

 

〈ユイ〉「あの白塗りの化粧の人も宇宙人なの?」

 

〈さくら〉「えっ? 白塗りって……」

 

 さくらもユイと同じ方向に目を向けると、そこには、

 

〈ニニー〉『白秋さーん! もっと遊んでー!』

 

〈白秋〉「ははっ、ニニーちゃんは元気いっぱいだね」

 

〈ミンミ〉『すみません、白秋さん。娘の相手をしてもらって……』

 

〈白秋〉「構いませんよ。子供の遊び相手には慣れていますから」

 

 白秋がセミ女とセミ少女の相手をしていた。

 

〈さくら〉「し、師匠!? 何で師匠までここに!」

 

〈白秋〉「やぁ、さくら。今頃気づいたのかい? まだまだ修行が足りないね」

 

 思わず歩み寄っていったさくらに振り向いた白秋が、ユイに目を向ける。

 

〈白秋〉「君は上海華撃団の子だね。私は村雨白秋。さくらに剣の指導をした者だ」

 

〈ユイ〉「さくらの師匠なんだ。はじめまして、ホワン・ユイです」

 

〈さくら〉「何で師匠までいるんですか……。どうやってここに入ってきたんですか?」

 

〈白秋〉「ミースアくんにお願いして、入れてもらったのさ」

 

〈ユイ〉「さくらの師匠さんも、ロボットに興味あるんですか?」

 

 何気なく尋ねたユイに、白秋は首を横に振った。

 

〈白秋〉「いや……私が興味あるのは、この景色の方さ」

 

〈ユイ〉「えっ? 景色って……」

 

〈白秋〉「よく周りをご覧」

 

 格納庫の様子を一望する白秋。神山がバド星人、ゴドラ星人と話し合っていたり、初穂、クラリスがゼラン星人に指示を与えていたり、あざみがドーブル星人に工具を渡していたり、整備班の地球人も宇宙人たちと混ざって作業を進めている。

 

〈白秋〉「ここでは姿形が全く異なる者同士が、何の分け隔てもなく同じ時間を過ごしている。こんな場所は、地球上の他にどこにもない。すごいことだとは思わないかな?」

 

〈ユイ〉「言われてみれば……」

 

〈白秋〉「同じ地球で生まれているのに、人間と降魔は争ってばかりだというのにね」

 

 白秋の発言に、ユイが眉をひそめた。

 

〈ユイ〉「降魔ともこんな風に出来るとお考えなんですか? けれど、降魔は……」

 

〈白秋〉「確かに、降魔が全体的に野蛮で悪辣な気質なのは否めない。しかし聞けば、ここにいる宇宙からの人たちは、彼らの星でのはみ出し者も少なくないという。温厚な種族でありながら生まれつき乱暴な性格の者、反対に好戦的種族だが平和を望む者……」

 

 何か冗談を言い合っているのか、おどけるバド星人とゴドラ星人を小突くデュエスを観察する白秋。

 

〈白秋〉「何にでも例外というものはある。降魔にも、人間と敵対しようとしていない者も、いるかもしれない。そんな者たちも、人間の中でごく当たり前のように生きていられる……そんな世界であることが望ましいとは、思わないかな」

 

〈ユイ〉「それは、まぁ……」

 

 白秋の語ることに、ユイだけでなく、さくらも思わず聞き入っていた。

 その一方で、作業を監督しているモフロが時間を確認する。

 

〈モフロ〉「そろそろいい時間じゃな。食事にしようか」

 

〈ナシルマ〉「うん。みんなー、休憩にするよー!」

 

 ナシルマの呼び声を聞いて、白秋がさくらとユイに振り返る。

 

〈白秋〉「だそうだ。私たちもご飯にしよう。ユイくんはお弁当を持ってきているかな?」

 

〈ユイ〉「いえ。食堂を利用させてもらおうと思ってるんですけど」

 

〈さくら〉「今は食堂でお弁当を作ってもらえますよ! ここでわたしたちと一緒に食べましょう」

 

〈ユイ〉「ほんと? じゃあすぐもらってくるね!」

 

〈さくら〉「いってらっしゃーい!」

 

 格納庫の外に向かっていくユイを見送るさくら。

 その傍らで、白秋が先に食堂でもらってきた銀色の弁当箱を、懐から取り出した。

 

 

 

 通路に出て地上の食堂に向かうユイであったが、そこに司馬が通りがかる。

 

〈司馬〉「君は上海の。ちょっといいかな?」

 

〈ユイ〉「どうしたの?」

 

 司馬が何やら困った様子で眉を寄せているので、足を止めるユイ。

 

〈司馬〉「この辺りで、整備班を一人見掛けなかったかい? ロボットの墜落現場で見えなくなってから、格納庫にもどこにもいないんだ」

 

〈ユイ〉「えっ? 見てないけど……。まだ戻ってないんじゃないの?」

 

〈司馬〉「いや、通用口の認証を照合してるのは確認したんだ。まだそこにいるとも思えないんだが……」

 

 二人が話しているところに、通路の曲がり角から、ぬっと人影が出てきた。

 

〈ユイ〉「ん?」

 

〈司馬〉「……!?」

 

 明らかに人間ではない……顔面や身体の各部に渦巻き模様がある、くすんだ金色の怪人だが、場所が場所なので、ユイは驚かなかった。

 

〈ユイ〉「あー、あなたも彗星組の人? ちょっと、ここの整備員を見かけなかった……」

 

 現れた宇宙人にも尋ねかけるユイを、司馬が慌てて制止する。

 

〈司馬〉「待つんだッ! あんな奴知らないぞ! 彗星組じゃないッ!!」

 

〈ユイ〉「えっ!? じゃあ……!!」

 

「バ――ロ――……」

 

 宇宙人はおもむろに背面に手を回すと――ギラリと光を反射するカトラスを引き抜いた。

 

「バロッサァァ――――!!」

 

 

 

 休憩に入ろうと、各々足を止めていた格納庫内に、突如けたたましいサイレンが鳴り響いた。

 

〈神山〉「!? 魔襲警報じゃない!」

 

〈アナスタシア〉「侵入者警報!?」

 

〈さくら〉「侵入者……まさかっ!?」

 

 さくらの顔がサッと青ざめると、格納庫のユイが出ていった扉がドォォォンッ! と轟音を立てて爆破された。

 

〈初穂〉「何だ!?」

 

〈神山〉「まずい! 非戦闘員は物陰に隠れてッ!」

 

 一気に騒然となる格納庫内に、神山が大声を発した。

 その直後、爆破された扉からユイが、司馬をかばいながら格納庫に駆け込んできた。

 

〈ユイ〉「つぅっ……大丈夫?」

 

〈司馬〉「ああ、ありがとう……」

 

〈神山〉「令士!」

 

〈さくら〉「ユイさん! 大丈夫ですか!?」

 

〈あざみ〉「何があったの!?」

 

 ユイと司馬の元へ、さくらたちが駆け寄って正面口から遠ざける。

 

〈ユイ〉「それが、あいつがいきなり襲い掛かってきて……!」

 

 ユイが指差した、破壊された正面口から、カトラスと光線銃をそれぞれ両手にした宇宙人が煙の中から現れる。

 

「バ―――ロバロバロバロ!」

 

 侵入者の宇宙人の姿に、デュエスが目を見開いた。

 

〈デュエス〉「バロッサ星人! 宇宙海賊かッ!!」

 

〈ナシルマ〉「えぇッ!? あのバロッサ星人!? 略奪者で知られる!」

 

 格納庫に踏み込んできたバロッサ星人の言葉を、庫内の人間の言語を自動で翻訳しているパンスペースインタープリターが訳した。

 

〈スクアロ〉『そうとも! 泣く子も黙るスクアロ様だ!!』

 

 バロッサ星人は身構える神山たちや、コンテナ等の陰に身を隠した非戦闘員らにグルリとカトラスの切っ先を向けて要求する。

 

〈スクアロ〉『キングジョーは俺の宇宙船だ。それを勝手に取っていきやがって……今すぐ返してもらおうか!』

 

〈ナシルマ〉『何をー!? キングジョーだってどうせ盗んだ物だろ! 返せだなんて盗人猛々しい……』

 

 反論したナシルマの足元に、光弾が撃ち込まれる。

 

〈ナシルマ〉「うひぃッ!?」

 

〈モフロ〉「ナシルマくん、危ないぞ! 早くこっちへ!」

 

〈ミースア〉「お兄ちゃん、隠れるです!」

 

 飛び跳ねたナシルマがモフロとミースアに手を引かれて、コンテナの後ろへ連れ込まれた。

 

〈スクアロ〉『つべこべ言ってんじゃねぇ! 早くしねぇと、テメーら全員ブチ殺すぞッ!!』

 

 激昂したバロッサ星人が辺り構わず銃を乱射する。

 

〈ネリル〉『危ないッ!』

 

 逃げ遅れた整備員をかばったネリル星人やゼラン星人が、脚を撃たれた。

 

〈ゼラン〉『ぐわあぁッ!』

 

〈整備員〉「あぁぁ!? すみませんッ!」

 

〈サーペント〉『早く隠れて!』

 

 撃たれた二人を、整備員や宇宙人たちが抱えてコンテナの陰に逃げ込んだ。

 

〈白秋〉「……」

 

 白秋は柱の陰に身を隠しながら、険しい目つきでバロッサ星人をにらむ。

 

〈ユイ〉「やめろーっ!」

 

〈さくら〉「ユイさん!?」

 

 バロッサ星人の暴挙に我慢がならなくなったユイが飛び掛かっていく。

 

「バロォッ!」

 

 バロッサ星人がすかさずカトラスを振るったが、ユイは半身を傾けてかわし、剣を握る手を蹴り上げた。

 

〈ユイ〉「はぁーっ!」

 

「バロッ!」

 

 ユイのつま先がカトラスを蹴り飛ばして、バロッサ星人の手から弾き飛ばした。

 

〈ユイ〉「何だ、大した腕前じゃないじゃん。この程度で大口叩くだなんて……」

 

 簡単に武装解除したユイが呆れた目を送ったが……バロッサ星人はサッと怪しい布で自身の身体を覆い隠したかと思うと、忽然と姿が消え失せた!

 

〈ユイ〉「えっ!? 消えた!?」

 

〈デュエス〉「サータンの毛で織った透明マントだ! 気をつけろ、すぐ近くに……!」

 

 デュエスが警告し終える前に、ユイの背後からバロッサ星人がぬっと現れ、新たなサーベルを振り上げる。

 

〈ユイ〉「あっ!!」

 

「バロォォッ!」

 

 咄嗟に身をよじったが、背後から肩口を斬りつけられた。

 

〈ユイ〉「あぁぁぁっ!!」

 

〈さくら〉「ゆ、ユイさん!」

 

 倒れ込んだユイにとどめを刺そうと、バロッサ星人がサーベルを構える。

 

〈バド〉『やめろッ!』

 

〈ゴドラ〉『取り押さえるんだ!』

 

 バド星人とゴドラ星人が助けに飛び出したが、バロッサ星人の振り向きざまの刃が返り討ちにした。

 

〈バド・ゴドラ〉『『うわあぁぁぁぁ―――――ッ!!』』

 

〈デュエス〉「お前らッ!!」

 

〈スクアロ〉『まずお前からだぁッ!』

 

 バロッサ星人が改めてユイを突き刺そうと、サーベルを逆さに振り上げたが、アナスタシアの弾丸が剣を弾いた。

 

「バロッ!?」

 

〈ミースア〉「やぁ―――っ!」

 

 その瞬間にバトルモードになったミースアがジェットを効かせて突っ込む。

 

「バロサァッ!!」

 

 ミースアがバロッサ星人を空箱の山に叩きつけて、ガラガラと崩れる中で抑えつけようとする。その間に神山たちが斬られたユイたちに駆け寄る。

 

〈クラリス〉「大丈夫ですか!?」

 

〈神山〉「しっかりするんだ!」

 

〈ユイ〉「ご、ごめん……」

 

〈デュエス〉「ここは俺たちに任せて、お前らは無限を取りに行け!」

 

〈初穂〉「お、おう!」

 

 ユイたちに肩を貸して安全な場所へ運ぶ神山たちを背にしながら、棍を構えたデュエスが指示した。

 

〈ミースア〉「あうぅっ!?」

 

 しかしすぐに、ミースアが悲鳴を上げてバタリと倒れる。

 

〈ナシルマ〉「ミ、ミースアぁ!!」

 

〈さくら〉「ミースアさん!?」

 

 ミースアを斬り伏せたバロッサ星人の手には、エレキングの角の欠片を仕込んだ電撃剣が握られていた。ミースアは感電してガクガク痙攣している。

 

〈スクアロ〉『宇宙海賊を舐めるなよ』

 

〈デュエス〉「……!」

 

 デュエスが棍を構え直して、バロッサ星人に飛び掛かっていく。

 

〈デュエス〉『テメェこそ図に乗んなッ!』

 

 バロッサ星人が電撃剣を振り回すが、デュエスの張った魔法陣の障壁が電撃ごと受け止め、棍で剣を弾き飛ばす。

 

〈デュエス〉「おぉぉぉッ!」

 

 一回転してバロッサ星人に棍を叩きつけようとするも、その眼前にライトを突きつけられた。

 キーラの視細胞を仕込んだライトの強烈なフラッシュがデュエスの目を焼く!

 

〈デュエス〉「がぁッ!?」

 

「バロォッ!」

 

 たまらずのけ反った脇腹を、バロッサ星人が更に抜いたショートソードが裂いた。

 

〈デュエス〉「ぐはぁぁッ!」

 

〈さくら〉「デュエスさんっ!!」

 

〈神山〉「まずいッ!」

 

 デュエスも倒れ、神山が抜刀する。

 

〈神山〉「初穂たちは無限を! さくらは俺と行くぞッ!」

 

〈さくら〉「はいっ!」

 

〈初穂〉「頼んだぜ隊長、さくら!」

 

 初穂たちが無限を取ってくる時間を稼ぐべく、神山とさくらが二人がかりでバロッサ星人に斬りかかっていく。

 

〈神山〉「はぁぁぁぁっ!」

 

〈さくら〉「たぁーっ!」

 

「バロッ!」

 

 二人の刀がバロッサ星人の剣を弾いたが、バロッサ星人はまたも透明マントを使って姿を消した。

 

〈神山〉「さくら、気配を探るんだ! 意識を集中ッ!」

 

〈さくら〉「はい!」

 

 姿が見えずとも、バロッサ星人の動きを感知するために感覚を研ぎ澄ます二人。どこからどんな武器で襲ってこようとも、迎撃できる姿勢を取る。

 しかし、

 

〈ニニー〉『きゃあ―――!?』

 

〈さくら〉「えっ!?」

 

 突然セミ少女の悲鳴が起こり、さくらたちが振り向くと、

 

〈神山〉「なッ……!!」

 

 セミ少女がバロッサ星人に捕まって、床に抑えつけられて頭に銃口を突きつけられていた!

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。