(支配人室)
〈すみれ〉「降魔融合獣ですか……」
〈デュエス〉「仮にそう呼称する。あの透明怪獣は、明らかに降魔の要素も混ぜられた合成怪獣だ。間違いねぇ」
〈カオル〉「合成怪獣ですか……。また厄介な敵が現れましたね」
〈ナシルマ〉「でもそうなると、作った奴がいるってことだよね。一体どこの誰が?」
〈デュエス〉「そこはまだ何とも言えねぇな。だが、これは予測だが……ゲネガーグの件も関係してると思う」
〈ミースア〉「ゲネガーグが、ですか~?」
〈デュエス〉「ゼットから記録映像を見せてもらったが、あんだけ集中攻撃されてんのにまっすぐ突っ込んできて、ライザーとメダルを呑み込んだらすぐ逃げ出した。野良怪獣の行動としちゃあ不自然だ。その直後にこれだ」
〈すみれ〉「つまり……裏で暗躍している何者かがいる可能性が高いということですわね?」
〈モフロ〉「うぅむ……わしらのように宇宙の果てからやってきて、事件に紛れてこの地球の帝都に潜り込んだ侵略者がいるかもしれんのか……」
〈カオル〉「しかも、合成怪獣に降魔が材料に使われているのならば、上級降魔の関与も疑われます。上級降魔の存在は既に確認されています」
〈ナシルマ〉「朧とか言ったっけ? セブンガーでぶっ飛ばしてやったけど」
〈デュエス〉「そいつと既に接触してるか……真相はまだ不明だがな」
〈すみれ〉「その辺りも含めて、月組に調査を頼みましょう」
〈モフロ〉「ふ~む……敵は思った以上に強大なのかもしれんのう」
〈ミースア〉「けど、ミースアたちにも強い味方が出来たです~!」
〈ナシルマ〉「ウルトラマンゼット! カッコよかったよね~。ほれぼれしたよあの戦いぶり」
〈デュエス〉「ふッ……まぁまぁってとこだな」
〈ナシルマ〉「またそんなこと言っちゃって。素直に認めるで候!」
〈カオル〉「……?」
〈デュエス〉「急にどうした」
〈ナシルマ〉「(コンコンッ)……何か、パンスペースインタープリターの調子が悪いな……」
〈デュエス〉「お前、まだ翻訳機使ってたのかよ。いい加減言葉覚えろよ」
〈ナシルマ〉「でも、地球の言葉って難しいんだよ! 特に日本語!」
〈すみれ〉「ゼットさんもそうおっしゃっていたわね」
〈カオル〉「そんなに難しいものでしょうか」
〈ナシルマ〉「難しいって~! 文脈で言葉の形が変わりまくるし、何より敬語! 何であんなに種類あるの? 覚え切れないよ~!」
〈すみれ〉「確かに、敬語は日本人でも間違うことが多いわね」
〈モフロ〉「わはは。まぁゆっくり身につければ良かろうて。誰も急かしたりなどせんわい」
〈カオル〉「……言葉と言えば、デュエスさんはともかく、モフロさんは随分とお年寄りめいた口調で話されますね。誰に教わられた訳でもないでしょうに」
〈モフロ〉「ハッハッ。わしは実際に年寄りじゃよ。老人は老人らしく振る舞うのが分相応というものじゃて」
〈ナシルマ〉「別にそんなの気にしなくたっていいのに」
〈カオル〉「……まぁ、一番妙な口調なのは、ミースアさんですが」
〈ミースア〉「そうですか~? 別に普通だと思うです~」
〈すみれ〉「確かに……失礼だけど、その語尾はわざとやっているのかしら?」
〈デュエス〉「いや、こいつは宇宙語の時点で何か変だぞ」
〈カオル〉「そうなのですか?」
〈モフロ〉「試しに何か言ってみてくれ」
〈ミースア〉「キ・エーテ コシィ キレキレィテデスゥ~」
〈すみれ〉「……何となく分かりましたわ」
〈ナシルマ〉「あー……実は、起動の際に言語設定ミスってたみたいでさ……修正するには初期化する必要があるんだけど」
〈ミースア〉「初期化は嫌です~! みんなとの思い出、なくしたくないです~!」
〈カオル〉「そうですか……それでは仕方ありませんね」
〈デュエス〉「別に困る訳でもねぇしな。しかしそういう理由だったのか。てっきり、ナシルマの趣味かと思ったんだが」
〈ナシルマ〉「違うっての! 人聞きの悪い!」
〈すみれ〉「ふふ……どんな口調でも良いではありませんか。言葉に大事なのは、己の想いを伝えようという意思。それが懸命であれば、口調などは問題ではありませんわ」
〈ナシルマ〉「すみれさん……流石いいこと言うなぁ」
〈すみれ〉「わたくし、皆さんには感謝しておりますわ。これからもわたくしたちを、花組をよろしくお願い致しますね」
〈モフロ〉「ええ。こちらこそよろしくお願いします」