ウルトラサクラ大戦Z   作:焼き鮭

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第三話「多事多端!怪獣輸送大作戦」(A)

 

 大帝国劇場の地下格納庫で、神山、さくら、初穂の三人がさくら専用機の三式光武を見上げていた。

 

〈初穂〉「……そういえば、さくらの機体だけずっと光武のままだよな。さくら用の無限は、いつになったら用意されるんだ?」

 

 初穂がぽつりと疑問を口にした。光武シリーズは過去様々な戦いで華撃団の勝利に貢献した優秀な霊子甲冑ではあるが、現在の主流は既に設計段階から技術革新を起こした霊子戦闘機になっている。そんな中で光武を使用し続けるメリットはない。

 その理由について、司馬が申し訳なさそうにしながら答えた。

 

〈司馬〉「悪いが、さくらちゃんの無限を購入する予算がまだ確保できないんだ。光武は技術部が責任持って整備するから、しばらくはそいつを使ってやってくれ」

 

〈初穂〉「何だよ、また予算不足なのか」

 

〈神山〉「どれだけ活躍しても、なかなか解消されないな……」

 

 肩をすくめた初穂が、特空機用格納庫の扉に首を向けた。

 

〈初穂〉「やっぱさ、特空機が予算取りすぎなんじゃねぇのか? こないだ経費の申請用紙チラッと見たけど、目が飛び出るような額が書いてあったぜ」

 

〈ナシルマ〉「しょうがないじゃん、特空機でかいんだからさ」

 

 初穂のつぶやきに、資材の搬入で通りがかったナシルマが言い返した。

 

〈ナシルマ〉「大きいってことは、それだけ必要になる物が多くなるってことだし、どうしてもね。そりゃあさくらちゃんには悪いとも思ってるけど……」

 

〈さくら〉「大丈夫です!」

 

 ばつが悪そうなナシルマに、さくらは胸を張る。

 

〈さくら〉「強さは使う機体の性能だけで決まるものじゃありません。たとえ旧型でも、わたしはどんな戦いも乗り越える覚悟です!」

 

〈ナシルマ〉「さくらちゃん……ありがとう。ほんといい子だなぁ」

 

 さくらの気遣いにジーンと感動するナシルマ。彼に同行しているデュエスが、特空機用格納庫を親指で指しながら告げる。

 

〈デュエス〉「まぁその代わりって訳でもねぇが、特空機二号がもうじき完成だ。そいつがありゃ、花組のますますの戦果が見込めるぜ」

 

〈初穂〉「おっ、遂に出来上がるのかよ!」

 

〈ナシルマ〉「うん。セブンガーじゃ対応し切れない戦況をカバーできる性能になる予定だから、楽しみにしててね!」

 

 特空機二号と聞いて、司馬と神山が特に期待に胸を膨らませる。

 

〈司馬〉「いや、ほんと楽しみだな! セブンガーを最初に見た時も興奮しっぱなしだったぞ俺は」

 

〈神山〉「やっぱり、新兵器はそれだけで男心をくすぐられるよな!」

 

 だがその時に、格納庫に警報が鳴り響く。

 

〈神山〉「! 降魔が出現したみたいだ。さくら、初穂、行くぞ!」

 

〈さくら・初穂〉「「了解!」」

 

〈司馬〉「こっちも出撃準備だ!」

 

〈ナシルマ〉「急げ急げー!」

 

 神山たちは直ちに指令室に向かって駆け出していった――。

 

 

 

 帝都郊外の山岳地帯に出没した降魔の群れを相手に、花組が奮闘する。

 

〈神山〉『はぁぁッ!』

 

〈さくら〉『やぁーっ!』

 

〈クラリス〉『はぁっ!』

 

〈あざみ〉『ていっ!』

 

〈アナスタシア〉『ふっ……!』

 

 五人の霊子兵装の繰り出す斬撃、魔法弾、手裏剣、銃弾等の攻撃が降魔たちを蹴散らす。

 

〈神山〉『下級はおおむね片づけたな』

 

〈クラリス〉『はい。後は……降魔怪獣だけですね』

 

 今回セブンガーに搭乗しているのは初穂。そのセブンガーに、雪男という形容がぴったり似合う巨大怪獣がヘッドバットを決めていた。

 

「グオオオオオオ! ゲエエゴオオオオ!」

 

 降魔怪獣ギガス! そのパワーはセブンガーに匹敵するほどで、初穂も押され気味であった。

 

〈初穂〉『くっそー、なかなかやるじゃねぇか。だが、セブンガーの力はこんなもんじゃねぇぜ!』

 

 セブンガーが右腕を前に突き出すと、初穂が照準をギガスに合わせる。

 

〈初穂〉『食らえっ! 硬芯鉄拳弾だっ!!』

 

 右腕が切り離されて飛び、ギガスの胴体の中央にロケットパンチが突き刺さった!

 

「ゲエエゴオオオオ!!」

 

 ロケットエンジンの推進力に押されるギガスが地面を滑っていき、背後の山の岩肌に激突。そのまま爆散!

 

〈初穂〉『よっしゃあーっ! 決まったぜ!』

 

 ガラガラと切り立った崖から岩が転げ落ちる中、ギガスを撃破した初穂がぐっと手を握った。

 

〈初穂〉『みんな、いつもの奴やろうぜ! 勝利のポーズ――』

 

〈あざみ〉『待った!』

 

 恒例の勝利のポーズを促したが、あざみが急に制止を掛けた。

 

〈さくら〉『どうしたの? あざみ』

 

〈あざみ〉『あれを見て……!』

 

 あざみの無限が指差した先は、ギガスが爆発した衝撃で崩れた岩壁。

 

〈クラリス〉『えっ!?』

 

〈アナスタシア〉『あれは……!』

 

 その中に埋め込まれているように、明らかに恐竜型の巨大生物の顔が覗いているのだ。

 花組はギョッと立ちすくんだ。

 

〈神山〉『別の怪獣が、山の中に……!』

 

 

 

(OP:ご唱和ください 我の名を!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   第

  多 三

怪 事 話

獣 多

輸 端

送 !

 

 

 

 帝劇に帰投した花組は、指令室で調査結果の報告を受ける。

 

〈デュエス〉「あいつはゴモラザウルス。一億五千万年前に生息してた恐竜が、降魔化して復活したものだな」

 

〈ミースア〉「と言っても、今のゴモラのバイタルはとっても低いです~。ぐっすりおねんねしてるみたいですね~」

 

 ミースアの説明で、あざみが意見する。

 

〈あざみ〉「相手が眠ってるなら好機」

 

〈初穂〉「ああ! わざわざ戻んなくたって、あの場でやっつけりゃ良かっただろ」

 

 血気盛んな初穂だが、それにデュエスが反対した。

 

〈デュエス〉「怪獣をあんまなめるな。特にゴモラは生命力が強いタイプだ。仕損じて起こしちまったら、下手すりゃいらない惨事を招くぜ」

 

〈すみれ〉「ええ。わたくしたちの役目は、あくまで防衛。寝ている虎の尾を踏むことはありませんわ」

 

 すみれもデュエスの意見を支持した。

 

〈クラリス〉「では、ゴモラはどうするのでしょうか。放っておく訳にもいかないですよね?」

 

〈カオル〉「ゴモラの処置に関しては、既に決定をしています」

 

 カオルが作戦の概要を説明する。

 

〈カオル〉「ゴモラは休眠状態のまま、無人島に輸送します」

 

〈さくら〉「ゆ、輸送……ですか?」

 

〈カオル〉「はい。陸路では翔鯨丸と特空機で東京湾まで運び、海軍に受け渡して無人島へ送り届けてもらいます。降魔怪獣も、人間がいない場所ならば人畜無害です」

 

〈神山〉「作戦決行は?」

 

〈カオル〉「一週間後です」

 

〈アナスタシア〉「随分遅いじゃない。何か理由があるのかしら?」

 

 アナスタシアの問いに首肯するすみれ。

 

〈すみれ〉「一週間後に、ここ帝都での世界華撃団大戦の開催の下見に、WLOFの事務局が来日するの。その際に本作戦の過程を見てもらって、特空機の有用性を訴えかけるのですわ。WLOFは特空機の運用に批判的ですからね」

 

〈神山〉「なるほど……」

 

〈すみれ〉「上手くいけば、WLOFからこの帝国華撃団へ予算を回してもらえるようになるわ。今のわたくしたちには、まだまだ必要な物が多数あります。WLOFからの予算を獲得できれば、状況は大分改善されるはずよ」

 

〈こまち〉「ええですね~! せっかくだからジャリンジャリンいただきたいところですわ!」

 

 金の話となって、こまちが生き生きとする。

 

〈クラリス〉「ですが、一週間の間にゴモラが目覚めたりしないでしょうか」

 

〈ナシルマ〉「それなら心配ないよ」

 

 クラリスの心配に、ミースアからゴモラのバイタルデータを渡されたナシルマが断言した。

 

〈ナシルマ〉「ゴモラのバイタルはほぼ停止状態。仮死状態にあると言えるね。自然覚醒の確率は0.1%以下。バイタルは常にチェックしてるし、万が一の時はすぐに出動できるよう、準備は欠かさずしとくよ」

 

〈すみれ〉「ええ。今回の作戦は、衆目監視の下に行う都合上、失敗は絶対に許されませんわ。幸い準備の時間はたっぷりあるから、みんな万全を期してちょうだいね」

 

〈神山〉「了解!」

 

〈司馬〉「任せて下さいよ、すみれさん!」

 

〈モフロ〉「整備は完璧に仕上げますぞ」

 

 こうして帝国華撃団一同は、一週間後の作戦実行に向けて用意に取り掛かった。

 

 

 

 そして、本番の日がやって来た。

 

〈さくら〉「うわぁ……! すっかり野次馬が集まってるね」

 

 セブンガーに先んじて現場に到着し、作戦開始まで待機しているさくらたちが、ゴモラの眠る山や輸送経路の周辺に帝都民がこぞって集まっている光景を一望して、ため息を吐いていた。

 

〈クラリス〉「何だか緊張しますね……。華撃団としての活動を、こんなに多くの目がありながら行うなんて経験ありませんし」

 

〈アナスタシア〉「今回は戦闘行為じゃないからね。市民も滅多にないチャンスと、見学に集まってるんでしょう。中継もされているわ」

 

〈初穂〉「こりゃますます失敗できねぇなぁ」

 

〈あざみ〉「失敗することなんて、始める前から考えるべきじゃない」

 

 セブンガーの到着を今か今かと待ちながら、さくらがぽつりとつぶやく。

 

〈さくら〉「……それにしても、デビルスプリンター落下地点からこれだけ離れてるところにも降魔怪獣が出現するだなんて……」

 

〈初穂〉「そうだな……。怪獣の出現範囲は、徐々に広まってるみたいな感じだ」

 

〈クラリス〉「やはり、デビルスプリンターの影響は日々広がりつつあるのでしょうか……」

 

〈あざみ〉「厄介……」

 

〈アナスタシア〉「どうにかならないものかしらね……」

 

 ぼやいていたら、作戦の要であるセブンガーが飛来してきた。

 

〈初穂〉「来た! 神山隊長!」

 

〈さくら〉「みんな、無限に!」

 

〈クラリス〉「はい!」

 

 セブンガーの姿が見えると、さくらたちは霊子兵装に乗り込んでいく。

 

『セブンガー、着陸します。ご注意下さい』

 

 ゴモラの前に着陸するセブンガーを操縦しているのは神山。今回は特に責任重大な役目なので、隊長たる彼がそれを負うべく名乗り出たのであった。

 

〈神山〉『セブンガー、現着! これより作戦行動に移ります!』

 

 

 

 帝都中央駅前の大帝国ホテルの大会議室にて、すみれとカオルはWLOFの事務局員ら相手に作戦のプレゼンを行っていた。

 

〈すみれ〉「ご覧下さい。これが我が帝国華撃団の彗星組が総力を挙げて建造しました、対降魔用特殊空挺超大型霊子戦闘機、特空機の第一号、セブンガーでございます」

 

 スクリーン上に映し出された、現場でゴモラにワイヤーをくくりつけているセブンガーの姿に、事務局員たちは感心している。

 

〈すみれ〉「たった今、翔鯨丸との接続が完了しました。これより輸送作戦を開始致します」

 

 眠っているゴモラを翔鯨丸が吊り上げ、更に下からセブンガーが支えることで持ち上げ、山からの輸送を開始する。その道中を花組の五人が警護する。

 

〈すみれ〉「如何でしょうか。お手元の資料にあります通り、通常の霊子兵器では数十機掛かりでやっと相手になるような怪獣でも、セブンガーはたった一機で撃退可能な戦闘力を持っております。このような大掛かりな作業も単機で実行できます。それはつまり、作戦行動によって人命が損なわれる危険性を減少することにもつながり……」

 

「少しいいかね?」

 

 すみれのプレゼンを、事務局員たちの中心に陣取る白スーツに眼鏡の男がさえぎった。

 

〈すみれ〉「……何でしょうか、事務総長」

 

 彼こそがWLOFの事務総長、つまり華撃団連盟のトップであるプレジデントGである。

 

〈G〉「特空機はその巨大さ故に、コストパフォーマンスが良いとは言えん。何より、戦闘可能時間がたった三分間なのは短すぎる。それならば、同等の働きを見込める数の霊子戦闘機をそろえた方が実用的なのではないかね」

 

〈すみれ〉「それは……」

 

〈G〉「何より」

 

 すみれの回答を待たずに、プレジデントGが言い放つ。

 

〈G〉「宇宙から来たとかいう、素性の知れない連中の技術に頼った兵器の信頼性には疑問が残る。神崎司令官は、今後の特空機の運用上で一切の事故が起こらないと保証できるのかね?」

 

〈すみれ〉「……」

 

 

 

〈ナシルマ〉「すみれさんは今頃、WLOFの事務局を相手にしてる頃かぁ……」

 

 帝劇で留守を担っているモフロを除く彗星組と、技術部はセブンガーの後方にて、機体とケーブルでつないだ都市エネルギー供給車を動かしていた。

 

〈司馬〉「セブンガーとの距離は常に一定に保つんだ! 近すぎると危険だぞ!」

 

 セブンガーは搭乗者の霊力では三分間の駆動が限度だが、非戦闘時においてそれ以上の稼働が求められる場合は、かつて霊子甲冑『天武』に用いられた都市の地脈から生ずる莫大な霊的エネルギーの供給システムを使用する。しかしこのシステムは、天武がエネルギーの過供給によって暴走事故を起こしかけた前例があるために、戦闘に用いることは固く禁止されているのであった。

 

〈ナシルマ〉「僕たちのことは事務局……って言うかプレジデントGがまた悪く言ってるんだろうなぁ。あの人、いっつも僕たちに批判的だよね」

 

〈デュエス〉「ま、言わんとするところも分かるがな。世界的組織の長ともなりゃ、よその星から来た奴なんか、そうそう信用は出来ねぇだろ。立場がある」

 

〈ナシルマ〉「けどだからって、ちょっとくらいは認めてくれたっていいのに。地球は地球人自らの手で守るべきだーって主張を曲げないよね。それでいて頑張ってるすみれさんたちは依然として冷遇してるんだから、ダブルスタンダードって言うか何て言うか」

 

〈デュエス〉「まぁ、それも言えてるな……」

 

 デュエスと話しているナシルマに、ミースアが通信端末を持ってくる。

 

〈ミースア〉「お兄ちゃん、初穂さんから通信です~」

 

〈ナシルマ〉「ん、分かった」

 

 端末を受け取って、通信に出るナシルマ。

 

〈ナシルマ〉「はいはい初穂ちゃん、どったの?」

 

〈初穂〉『ナシルマ。これから帝国ホテルの前を横切るけどよ、ほんとにゴモラが目覚める可能性はないんだろうな? ここでしくじるのが最悪の事態だぜ』

 

〈ナシルマ〉「ああ、それなら心配いらないって。念には念を押して、ゴモラには怪獣用麻酔を打ってあるから。計算上、作戦途中で覚醒することは絶対にない! たとえ空気中に花粉が充満してたってね」

 

〈初穂〉『何だそのたとえ……。まぁそれならそれでいいんだ。信じるぜ!』

 

〈ナシルマ〉「うん」

 

 ゴモラ輸送の道程は、いよいよ一番重要な局面、WLOFの監視の下に差し掛かった。

 

 

 

〈カオル〉「皆様、窓をご覧下さい。セブンガーが参ります」

 

 帝都を横断するところのセブンガーの姿が窓の向こうに見えて、カオルが事務局員らの視線をそちらに誘導する。

 事務局員らは並ぶ建物よりも大きいセブンガーにため息を漏らした。

 

近くで見るとど迫力だな

 

あれを見ると、確かに一機くらいは欲しくなるかもな

 

〈すみれ〉「現在セブンガーに乗っているのは、我が帝国華撃団、花組の隊長の神山誠十郎です。弱冠二十歳にして海軍特務艦艦長に抜擢された経歴があり、また剣術の達人でございます」

 

二十歳で艦長か!

 

何だかすごそうですね、事務次長!

 

 それまでセブンガーに懐疑的だった局員たちも、生で見るセブンガーの威容に圧倒されて、興奮を覚えつつあった。

 ――しかし、彼らの背後で、プレジデントGはニヤリと怪しげな微笑を浮かべていた。

 

 

 

「……」

 

 ゴモラ輸送の現場を一望できるビルの屋上に、仮面をつけた女が仁王立ちしていた。

 女は腰に挿した刀を抜き、刀身を天に掲げると――黒い稲妻がほとばしって輸送現場へ飛んでいった!

 

 

 

 順調にゴモラを運んでいたセブンガーであったが、そこにいきなり黒い稲妻がどこかから降り、ゴモラに命中した!

 

〈神山〉『うわッ!? 何だ!?』

 

 予想外の衝撃に見舞われて、思わず悲鳴を上げる神山。

 

〈さくら〉『神山隊長!? 大丈夫ですか!?』

 

〈神山〉『あ、ああ、俺は平気だ。しかし、今のは何事……』

 

〈ナシルマ〉『ああー!?』

 

 通信に、ナシルマの叫声が割り込んだ。

 

〈ナシルマ〉『た、大変だ! ゴモラの生体反応が急激に上昇中!』

 

〈神山〉『何だって!? うわぁッ!?』

 

〈さくら〉『た、隊長!!』

 

 ゴモラが身動きし、支えるセブンガーも揺さぶられる。

 

〈ミースア〉『ゴモラ、覚醒しちゃうです~!!』

 

 稲妻に打たれたゴモラのまぶたが、カッと開いた!

 

「ギャオオオオオオオオ!」

 

 ゴモラが暴れることで、ワイヤーで吊り下げている翔鯨丸が激しく揺らされ、操縦士のこまちが慌てふためく。

 

〈こまち〉『あああ、あかんっ! 翔鯨丸が落ちてまう! すまん神山さん、切り離させてもらうで!!』

 

 翔鯨丸の限界が来る前に、ワイヤーを切り離して離脱。セブンガーも支えられずに手を放し、ゴモラが地表に落下する。

 

「ギャオオオオオオオオ!」

 

 完全に覚醒してしまったゴモラは、雄叫びを上げて帝都のど真ん中で暴れ狂い始めた!

 


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