一日千秋の思い   作:ささめ@m.gru

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今日もミオ図書館に行こう、そう思いながら朝食を食べ外の天気を眺めていた。

足元でポケモンフードを食べるイーブイとトゲピー……。そういえば、トゲピーが生まれたってイツキさん達に報告してない。今日の夕方にでも電話をしようと思った矢先にジョーイさんに声をかけられた。

 

「お電話ですよ」

「…」

 

ヤマトかな……。

そう思いながら電話の前に立てば予想通りヤマトだった。

 

<「おはよって、何その嫌そうな顔」>

「別にそんな顔してない」

<「いーや、してるね!!露骨とまでは言わないけど嫌そうな顔してる!!」>

「これが私の顔だ」

 

画面の向こうで頬を膨らませたヤマトが思い出したかのように足元に居たらしいユキワラシを画面いっぱいに近づけてきた。

 

<「ユキワラシ、ありがとねー!!」>

「……」

<「それも色違いが送られてくるもんだから……、もうキュン死にしちゃいそうだったよ…」>

「(キュン死に?)」

 

画面の向こうでユキワラシを抱きしめたヤマト、何か文句を言われるのかと思っていたがユキワラシは気に入っているらしい。

 

「で、用件は」

<「うん、ノリコちゃんに聞いたんだけどね」>

「ああ」

<「コダックが欲しいんだって」>

「アイツは嫌だ!!!」

<「何故かもの凄い拒否されたー!!」>

「他のにしろ」

<「そんなの僕に言われましても……、黄色くて丸くて可愛いってノリコちゃんが……」>

「他のにしろ」

<「うわ、この人、言葉曲げない」>

 

別にコダックが悪いとは言わないが何故かコダックとは根本的に合わない気がする。理解不能だった行動には一応理解出来たがあの何を考えているか分からない目で見られるのは嫌だ。

私はコダックは捕まえない。捕まえられない、近づかないから。

 

<「それでミニリュウはカズキくんが超欲しいーって言ってたよ」>

「そうか、じゃあ送り返してくれ」

<「あれ、カズキくんにあげないんだ…」>

「カズキはポケモントレーナーになるらしいからな、自分で捕まえろと言っておけ」

<「了解~」>

「あと、ノリコにも諦めろと言っておけ」

<「シンヤの何がそこまでコダックを拒絶させるのかな……」>

「生理的に無理」

<「コダック可愛いのに!!」>

 

ユキワラシを抱きかかえながらコダックの可愛さを語るヤマト、進化したらカッコイイんだぞーなんて言われても私が知るか。

しかし、これでノリコへのお土産が無くなったと……。腕を組めばミニリュウの入ったボールが送られて来た。ミニリュウは駄目だったしなぁ……。

 

「とりあえず、黄色くて丸いポケモンだろ。他を探してみる」

<「黄色くて丸い、ねぇ…僕的には」>

「じゃあな」

<「最後まで話聞……」>

 

ブツンと画面が消える。

黄色くて丸いポケモンなんてその変に居るだろ。トゲピーも丸いけどな……、コイツじゃ駄目か、駄目だな。イツキさんに怒られそうだ。

図書館に行くのは諦めて早々と帰宅ルートを歩く事にする。

地図を広げて次の街を確認する、コトブキシティだ。シンオウ地方でも近代的な発展をとげており、人々も多いらしい……と親切に地図に書いてある。

 

ミオシティを出て歩いて行けば立ち塞がるのは海……。

近くに居た人に話しかけたらバトルを挑まれた。ちゃっちゃと倒して話を最初に戻す。

 

「海を渡るにはどうしたら良いんだ?」

「ポケモンの技、なみのりを使えば良いだろ……。兄ちゃん瞬殺でボコボコにした相手によく質問出来るよな」

「なみのりは出来ない」

「賞金が要らないって言うなら乗せてやっても良いぜ!!」

「ああ、じゃあ要らない」

「兄ちゃん、あっさりしてんなぁ……」

 

賞金の代わりに乗せて行ってくれる事になった男のポケモンの背に乗り海を渡る。

あいにく、ポケモンが瀕死だと嘆く男の代わりに野生ポケモンを追い払うハメになってしまったが瀕死にしたのは私なので仕方ない……。

 

「またクラゲか」

「メノクラゲだって」

 

クラゲはクラゲだ、と思いつつ冷静なイーブイのボールを投げる。ポケモンの背の上では戦い難いながらもメノクラゲを倒していた。

冷静なイーブイをボールに戻そうとすると冷静なイーブイの体が光りだした。

 

「何だ!?爆発するのか!?」

「どうみても進化だろ」

「……進化?」

 

イーブイに視線を戻せばイーブイの体の形が変わって、尻尾が細くなって先が二本に……。

 

「割れたー……」

「エーフィだ!!こりゃ良いもん見た!!」

 

ハハハと笑う男は上機嫌だが私には大問題だ。

進化してしまった、元冷静なイーブイはエーフィというポケモンになってしまったらしい。

 

「お前、何で進化したんだ……」

「フィ?」

「ノリコに何て言えば…」

 

イーブイでやるって約束したのに勝手に進化したら怒るだろ絶対。イーブイは確か7種類に進化すると関西弁の女が言っていた……。

特定の石を使っての進化、時間帯によっての進化、特定の場所での進化……。イーブイでやればノリコの選択肢もあっただろうに……。

 

「これ元のイーブイに戻す方法とか」

「いや、ねぇよ」

「……」

 

進化してしまうと元には戻らないらしい……ショックだ……。

エーフィの体を撫でるともの凄く毛並みが気持ち良かった。エーフィでも良いか聞いてみるか……、駄目なら駄目で私が育てるしかない……。

私が溜息を吐けば男が着いたぞと岸を指差した。218番道路だ。

 

「ここは釣りの名所なんだぜ」

「釣りは嫌いだ」

 

ハハハと笑った男と別れコトブキシティへと向かう。

コトブキシティへと足を踏み入れれば左手に大きな建物が、看板にはポケッチカンパニーと書いてある。看板を見ているとニコニコと笑顔の男が近づいて来た。

 

「やあ、トレーナーくん」

 

誰に話しかけているのか、キョロキョロと辺りを見渡したが他に人は見当たらなかった。

 

「ポケッチは持ってるかな?持って無いみたいだね!!トレーナーならポケッチを持ってて損はしないよ!!さあ、持って行きたまえ!!」

「いや、要らない」

 

私は歩いてる時に配られるチラシもティッシュも断る男だ。

ポケッチとやらには全く興味が無かったので男の横を通り過ぎる。

 

「!!」

 

ガシと腕を掴まれた。振り返れば男が半分泣きながら言う。

 

「……貰って下さい」

「要らない」

 

使わない物貰ってどうするんだ、首を横に振れば男は何で要らないのー!?とすがり付いて来る。凄くめんどくさい。

 

「お願いします!後生です!!」

「要らない」

「ポケモンウォッチ!!時間も見れるし!!」

「時計ならある」

「歩数カウンターはどれだけ歩いたか分かるし!!普通のカウンターも付いてて数を数えるのにも便利だよ!!」

「別に必要無い」

「ダウンジングマシンも付いてて見えない落ちている道具を見つける事だって出来るんだ!!」

「落ちてる物は拾わない」

「……」

「……」

「今ならカレンダー付き!!」

「しつこい」

 

その場で膝を付いた男を無視して歩き始める。とりあえずポケモンセンターが何処にあるかを確認しないとな。

 

*

 

少し歩くとテレビコトブキと書かれた看板の立つ建物があった。この世界のテレビ局なんだろう。

 

「あのね、あたしのインタビュー、テレビでやってたの見てくれた?」

「すまん、見てない」

「えー、残念ー。お兄さんもテレビコトブキ見学して来た方が良いよー」

 

テレビコトブキの前に居た女の子に言われ渋々中に入ってみた。まあ、ポケモンセンターは後で探すか…。

中に入れば広いエントランス。受付の人に何があるのかを聞いてみようと声を掛ける。

 

「こちらはポケモンくじ抽選コーナー!お相手はわたしスージーです。本日のくじのナンバーとお客様のポケモンのIDが見事にあっていれば商品をさしあげますよ!

本日のくじの当たりを確かめてみますか?」

 

すみません、と声を掛けただけなのに一気に喋り返された……。名前も聞いてないぞ……。

まあ、とりあえずくじだと言っているので頷いておく。

 

「では本日のポケモンくじの当たりを確かめてみますね!…………」

「……」

「当たりナンバーは*****です!貴方のポケモンのIDとナンバーはあっているか調べてみましょう!」

「はぁ……」

 

半場強制的に手持ちのボールを奪われ暫く待つ。

 

「おっ!!」

「お?」

「おめでとうございますー!!!」

「……は?」

「5桁全て当たりです!!特賞ですよ!!お兄さーん!!!手持ちのミニリュウちゃんのIDが見事に一致していますー!!!」

 

何故か当たった私より興奮しているスージー。

特賞でたの初めてー!!と言って何故か握手を求められ、とりあえずボールを返して貰いスージーは椅子に座り直してふぅと息を吐いた。

 

「……」

「……あれ、お兄さんまだ何か?」

「いや、当たった賞品貰ってないぞ?」

「あぁああ!!!忘れてた!!すみませんすみません!!」

 

平謝りされながら手渡された箱、中を開けてみれば紫色のボールが入っていた。

 

「何だ、ボールか」

「マスターボールです。そのボールで捕まえられないポケモンはいませんよ!!特賞おめでとうございました。ぜひ、またお越し下さいね!貴方のスージーでした!」

 

手を振るスージーに一応手を振り返してボールをカバンに入れた。

捕まえられないポケモンが居ないならカズキへのお土産にしようと思いながらテレビコトブキを出た。

まだ上にも階があったが、ドッと疲れたのでもう良いだろう……。

 

ポケモンセンターに着いて少し早い昼食を食べる。

昼食を食べ終わればノリコへのお土産を探しにコトブキシティを出た。202番道路をウロウロしていると何度かバトルを挑まれつつマサゴタウンへと向かう。

途中、デッパのデカイネズミなのか変な野生ポケモンを無意味に追いかけてみた。面白いくらい逃げていくのでつい加虐心が……。

 

追いかけるのをやめて歩き始めると黄色いポケモンが目の前を横切った、フーッ!と敵意を剥き出しにして威嚇して来たソイツを慌てて追いかける。

エーフィが黄色いポケモンに飛び掛った暫く噛み付き噛み付かれを繰り返しながらじわじわとエーフィが黄色いポケモンを弱らせる。

すかさずボールを投げて黄色いポケモンを捕獲した。ノリコへのお土産だ。

 

「ご苦労様、エーフィ」

「フィー」

「手加減するのが大変だった?結構、言うなお前……」

 

全然疲れていないらしいエーフィをそのまま外に出したままマサゴタウンへと足を踏み入れた。潮の香りのする街だった……、浜辺がすぐ目の前に見える。

ポケモンセンターに入ろうとするとすぐ傍に立っていた建物に視線が行った。看板の前まで歩いていけば『ポケモン研究所』と書かれている。

 

「研究所か」

 

勝手に入るのも忍びなく思ったのでポケモンセンターへと入る。

すぐに電話の前に立ってヤマトへ連絡をした。

 

<「何かあったの?」>

「今、マサゴタウンだ。ついでに黄色くて丸いポケモンも捕まえたから送る。ノリコに渡しといてくれ」

<「うん。ってマサゴタウン!!ナナカマド博士が居るじゃん!!」>

「研究所がポケモンセンターの隣にあったな」

<「良いなー……。僕も研究ほっぽって旅に出ちゃおうかな」>

「お前は大した研究してないだろ」

<「うるさーい!!」>

 

ヤマトが泣きながら騒いでうるさかったので電話を切った。

小さく息を吐くと後方で「あー!!」と大きな声があがる、何事だと振り返ればツバキがこっちを指差して立っていた。

 

「シンヤさーん!!!」

 

運命的な出会い再びですねー!!と飛びついて来たツバキを避ける。壁とぶつかったツバキが顔を押さえてうずくまった。

 

「何でこんな所に居るんだ?」

「うぅ、ナナカマド博士に定期的に旅の報告してるから……、あたしはここで最初のポケモン貰って旅に出たトレーナーなので」

「へえ」

「ちなみにフタバタウンが我が故郷!!あ、家に寄って行きます?母を紹介しますけど……」

「いや、遠慮しとく」

「つれなーい」

 

ツバキと一緒にポケモン研究所に入ると威厳のありそうな男性がツバキに声を掛けた。

 

「ナナカマド博士!!そろそろ図鑑が埋まりつつありますよ!!」

「そうか!!期待しているぞ」

「了解でーす!!」

 

ポケモン図鑑というらしいソレをナナカマド博士に見せてハシャぐツバキ。

あんな図鑑があったならもっと早く見せて貰えば良かった……、存在自体知らなかったが……。

 

「そっちのキミは……」

「シンヤさんです!!」

「どうも」

「キミもトレーナーかね?」

「いえ、違います」

「ふらふら旅してるだけなんですよー、ポケモンの事も全然詳しく無いからあたしの母性本能がくすぐられっぱなし……」

 

人の会話を遮ってツバキが横槍を入れて来る。何気に私の事貶しただろ……、悪かったな詳しくなくて……。

ナナカマド博士にイツキさんの所で世話になっていると言えば知り合いらしく笑顔で迎え入れてくれた。イツキさんの顔は広いようだ。

知識が少ないと言えばナナカマド博士は私に本やポケモンの事が書かれた書類を色々と見せてくれた。やっぱりこの世界の人は良い人が多い。

暫く本に没頭しているとふと思い出す、顔を上げて隣の席で眠りこけていたツバキの頬を突いた。

 

「んん……、何……」

 

「ミニリュウ、要るか?」

 

「いぃぃぃるぅぅううう!!!」

 

何故か手をあげて椅子から立ち上がったツバキに圧倒されつつ私は頷いた。

 

「何だ、ポケモン交換をするのか?なら機械を貸してやろう」

「ポケモン交換の為の機械があるのか……」

「面白いよー、影が移動するのが見えるんだからー」

 

へぇ、と頷いてミニリュウの入ったボールを機械にセットしたものの……。

交換するなんて一言も言ってない。

 

「いつ交換になったんだ?」

「良いじゃん、ついでじゃん」

 

何の?と言う前にポケモン交換が始まってしまった。ミニリュウの影がツバキの立つ方へと移動して行く。私の方に不思議な影がやって来た。

 

「(なんか見た事のある影だった様な…)」

 

ミニリュウの入ったボールを手にしたツバキがその場でジャンプして喜んでいる。

 

「愛しのミニリュウちゃん~!!!」

「ツバキ、お前何送ったんだ」

「……」

「おい」

「……」

 

ツバキは私と目を合わせようとしない。

視線を合わせようと顔を覗きこんでもすぐに顔を背けられた。仕方が無いのでボールからポケモンを出す。

ボールから出て来たポケモンを見て私は自分の顔が引き攣るのが分かった……。

 

「お前……」

「まあまあ、大事に可愛がってあげてね!シンヤさん!!」

「ツバキ、お前拾って来たな!!!」

「違うもーん、ゲットしたんだもーん」

「何の為に私がテンガン山まで行ったと……」

「だって、置いていかれたのに気付いたヒンバス泣いてたんだもん。ゲットしちゃうでしょそりゃ」

 

私を見上げるヒンバス。

まさしく私自身がテンガン山に捨ててきたヒンバスだった。まさかツバキが知らない内に捕まえていたなんて……。

 

「お前が捕まえたならちゃんと育てろ!!」

「もう交換しましたー!!ミニリュウは大事に育てますよーだ!!シンヤさんこそちゃんと大事にしてあげてよねー!!」

 

チラリとヒンバスに視線をやればヒンバスはぷいと私から顔を背けた。

 

「無視された」

「交換したポケモンはすぐには懐かないからねー、ヒンバスはレベルも高いし時間掛かるかも」

「愛想悪いぞお前」

「ヒ」

 

フン、と鼻であしらわれた。魚の癖に……。

リリースしたはずの魚がまさか帰って来るとはとんだ誤算だ。何の為に旅に出たのか分からん。

 

「そういや、シンヤさん。肩に掛けてたポケモンのタマゴは?」

「ああ、孵化した」

「ええー!!!何、何が生まれたの!?」

「トゲピー」

「欲しいー!!可愛いー!!っていうか見せて見せて抱っこさせてー!!」

 

ボールから出したトゲピーをツバキに渡す。

やらんぞ、と一言添えれば分かってるよーと返事が返って来た。

 

「うへへ……、超可愛い……」

「進化したポケモンを戻す裏技とかないか?」

「そんな裏技無いよ、っていうか、進化したの?」

「ああ、イーブイがエーフィに進化してしまってな…」

「良いなー!!!色々と良いなー!!!」

 

ツバキに凄く羨ましがられたが全然良い事なんて無い……。

能天気なイーブイは片割れが進化して若干拗ねてるし、ヒンバスがひねくれて戻って来たし……。

 

「あー、もうシンヤさん待ってたらとっくに日が暮れちゃってるよー!!お腹空いた!!」

「何で私のせいにするんだ」

 

*

 

ポケモンセンターで夕食を食べて風呂にも入ったし、さて本でも読もうと椅子に座ったら部屋のドアが叩かれた。乱暴に。

 

「シンヤさん、バトルしーましょ」

「またいつか」

「そのいつかはいつ来るのですか!!」

 

勝手に部屋のドアを開けて入って来たツバキに視線をやる。

まためんどくさい。何でトレーナーはこうもバトル好きなのか、まあこの世界の人間はポケモン好きばっかりだが……。

 

「良いじゃん、バトルしよーよー」

「嫌だ」

「バトルしてくれたら帰り道送ってあげるから!!空を飛ぶで!!」

「乗った」

 

帰りが楽になる、を選択してしまった私はツバキとバトルする事になった。

暗くなっているのに外に出るハメに……、自分で選んだが失敗したなぁと後悔しながらボールを手に取った。

 

「ミミロル、ゴー!!」

「……」

 

ポケモンを出す時の掛け声って要るのか?私は特に何も言わないんだが……、言った方が良いのだろうか……、なんかバトルする時によく他の連中も言ってるんだよな、何か考えないといけないのだろうか……。

ボールから飛び出た能天気なイーブイがちょこんとその場に座った。おそらく相手が知り合いのツバキなのでバトルだと思ってないらしい。

 

「イーブイ、バトルだぞ」

「ブイ!?」

「ミミロルに向かってとっしんだ」

「ブイー!!!」

 

暫く拗ねてたから気晴らしには丁度良いだろう……。

 

「ミミロル、とびはねる!!」

「ミミー!!」

 

高く飛び上がったミミロルを見上げると突進していたイーブイが地面に転がった。攻撃を避けられてしまったらしい。

ミミロルがイーブイ目掛けて空から突っ込んで来る、まるで流星だ。

 

「でんこうせっかで避けろ」

「ブイブイブイー!!」

 

ミミロルの攻撃で砂埃が舞う。

 

「ピヨピヨパーンチ!!」

「ミミ!!」

「ギリギリまで引き寄せて噛み付け」

「ブイ!!」

 

ガブッと音が聞こえた。ミミロルが自分の耳を押さえて地面を転げ回っている。

 

「ノー!!!」

「イーブイ、とっしんだ」

「ブイッ」

 

転がり回っているミミロルに突進が当たる。地面を滑りながら遠くまで突き飛ばされたミミロルが飛び起きた。まだまだ戦う気らしい。

 

「よし、ミミロル!!こうそくいどうからのピヨピヨパンチ!!」

「ミミロール!!!」

「避けろ、イーブイ!」

 

もの凄い速さで迫られたイーブイがミミロルのピヨピヨパンチで後方に吹っ飛ばされた。

目を回したイーブイがふらふらと覚束ない足取り。

にやりと笑ったツバキがガッツポーズをした。

 

「とどめの飛び蹴りー!!」

 

ミミロルがイーブイに近づいて蹴りを入れようとした所でイーブイがキッとミミロルを睨み付けた。

 

「イーブイ、とっておき」

「ブイー!!!!」

 

カッとイーブイから光が放たれたかと思えばミミロルがツバキの足元へ弾き飛ばされ気を失って倒れていた。

 

「うっそー……」

 

満足気にブイと鳴いたイーブイが尻尾を揺らした。

 

「言っとくけど、あたし全然本気じゃなかったんだからねー!!」

 

ミミロルをボールに戻しながらそう言ったツバキにそうかと返してやる。

私もイーブイをボールに戻そうとするとイーブイが震えてうずくまっていた……。

 

「イーブイ?」

「おや、イーブイの様子が……」

 

ツバキが変な語り口調で喋ったかと思えばイーブイの体が光りだした。これはまさか……。

 

「ま、まて、イーブイ!!!」

「ブーラッキー!!!」

「おめでとう、イーブイはブラッキーに進化した!!」

「ブラー!!」

「なー!!!」

 

カズキに何て言えばー!!!

結局、二匹のイーブイが進化してしまった。何で勝手に進化するんだお前ら……。

 

「午前と午後で進化系が変わるんだよねー」

「時間帯で進化するパターンか!!」

「そうそう、あとは石とか特定の場所に行かないと進化しないけど」

「……」

「え、何でへこんでんの?」

 

進化しろなんて言ってないのに勝手に進化したイーブイが悪い……。

エーフィとブラッキーでも良いって言ってくれればそれはそれで良いのだが。7

 

「何で勝手に進化するんだお前らは……」

「ブラ?」

「(懐いてなきゃ進化しないのに贅沢な悩みだよ、シンヤさん…)」

 

*




10話現在手持ち

* ブラッキー
能天気、最近は強くなる事に夢中
レベル50以上、エーフィとレベルは同じ

* エーフィ
冷静、意外と毒舌な所があるらしい
レベル50以上、ブラッキーとレベルは同じ

* トゲピー
まだまだ子供
シンヤは遊んで、お腹空いたぐらいしか言っている事を理解出来ない

* ヒンバス
まさかまさかの再び手持ち入り
一番レベルが高い、シンヤに対して反抗中で言う事は聞かない


登場キャラクター

* ツバキ
子供ながら実力のあるトレーナー
ナナカマド博士の研究所から旅に出て、現在ポケモン図鑑を完成させる為に奮闘中

手持ち

* エンペルト
エンペラーと言う名前を付けて貰っている、ツバキの一番最初のポケモン

* ヨルノズク
手持ちで一番賢いらしい、ツバキよりも賢いらしい

* ミミロル
ゲットしたての育て中
あんまり懐いてもらえてない

* ミニリュウ
シンヤとポケモン交換をした
人懐っこいのでツバキの事は嫌いじゃない
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