一日千秋の思い   作:ささめ@m.gru

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甘く絡む*ミロカロス


相性は大変よろしいハズです

仕事が一段落ついて休憩をしようと部屋を出た。

リビングへと行けばチルタリスは居なくてフローリングの床に座り込みジグソーパズルをするミロカロスが居るだけだった。

 

「ミロカロス、チルタリスはどうした?」

「買い物行くって言ってたー」

「…そうか」

 

コーヒーを淹れてもらおうと思ったが居ないんじゃ仕方がない。

自分でコーヒーを淹れるべくキッチンへと向かう。

コーヒーを淹れてカップを片手にリビングへと戻ればミロカロスが未だ床に座り込みジグソーパズルで遊んでいる。

椅子に座ってジグソーパズルをするミロカロスを観察してみた。

ピースの一つを片手にうんうんと呻っている。

見た所、100ピースのパズル。

買って来たのか、貰って来たのか…。何故、パズルが家にあるのかは謎だがミロカロスが真剣にやっている姿は珍しい…。

 

「そのパズルどうしたんだ」

「…」

「ミロカロス」

「んー、なーにー?」

「そのパズル、どうしたんだ」

「パズルはブラッキーがツバキに貰ったって言ってたのを貰った」

 

ツバキか…。

何の絵柄だろうか、ポケモンの絵とか風景画とか…。その辺だろうと思いながらミロカロスの隣へと移動してパズルの様子を見る。

ほとんど完成してなくて何か分からん。

見本は無いのかと探してみるがピースが散らばっているだけで箱がない。ピースが入っていたであろう袋だけ転がっている…。

見本無しで完成させようとするのはなかなか難しいな…。どんな絵か分からないとイメージも出来ないじゃないか…。

緑色が少ないから風景画ではないかもしれない…、ポケモンの絵だろうか…黒が多くてまた難しいな…。

 

「楽しいか…?」

「うん、なんかドキドキする」

 

微塵も楽しそうな要素は無いがな…。

黒ばかりのパズル、しかも見本も無い状態でやれと言われたらイライラして堪らないだろう…。

暫くミロカロスがパズルをするのを眺めていたが、飽きた。じっとして眺めているのは釣り同様好きじゃない。

 

「ミロカロス、散歩にでも行くか?」

「ううん、パズルしてる」

「…」

「…」

「アイス買ってやるぞ」

「今いい」

 

…イラッとした。

いや、もやっと…?

とりあえず言葉には言い表せない感覚があった。

横に座るミロカロスの頬を突いてみるがミロカロスは反応を示さない。

ここまで無視されるとムカつくな…。私は普段どんなに忙しくてもお前の相手はしてやってるだろうが…。

むにむにと頬を摘まんでもミロカロスはパズルから視線を離さない。

頬を引っ張ればミロカロスの口から「痛い」とだけ言葉が漏れた。

 

「…」

 

私の今の心境を音にすると"カッチーン"だ。

さすがに腹が立った。いつも私が無視すると泣いて喚く癖に…。

 

「ミロカロス」

「…んー」

 

ミロカロスの耳元に口を近付けてそのまま…。

噛む。

 

「いたぁい!!」

「…」

「耳っ!!耳がっ!!」

「人を無視するからだ」

「噛むなんて酷い!!」

 

耳を押さえて私を睨むミロカロス。

噛んで痛がる姿を見て笑ったらそこで許してやろうと思ったが反抗的な目で見られて思わずムッとする。

 

「なんだその目は…」

「シンヤが噛むからー!!」

「もっと噛んでやる」

「耳やだ!!」

 

私の口を手で押さえたミロカロスの手をがじがじと噛めばミロカロスが「イヤー!!」と悲鳴をあげた。

 

「手、べとべとになる!!」

「歯型付けるぞ」

「痛いっ!!」

 

ミロカロスの人差し指の付け根辺りが真っ赤になった。

自分の手を見て涙目になったミロカロスがぷるぷる震えている。

 

「いだぁあああ!!!手ぇ、痛いぃいー!!!」

 

ぶわっと溢れた涙が目からぼろぼろと零れ落ちた。コイツは本当に泣く時に大粒の涙を零すよな…。

 

「…悪かった。私が悪かったから泣くな…」

「いたぃいいいい!!!」

 

ミロカロスの手を擦ってやってもミロカロスは泣きやまない。

真っ赤だもんな、本気で噛み過ぎた…。

よしよし、とミロカロスの頭を撫でればやっと叫ぶのをやめた。それでも目からは涙がぼろぼろと零れる。

朱色に染まる頬に流れる涙を手で拭っても全く止まらない。

ミロカロスの頬に唇を寄せてそのまま涙をべろんと舐めてやるとミロカロスが息を飲んだ。

 

「…ッ、!!」

「お、止まったか」

「舐めた!!今度は舐めたぁ!!!」

「怒ることないだろ…」

 

頬を膨らませて怒るミロカロスがまた私を睨んだ。

バカバカと怒るミロカロス、あまりにもバカバカ言うとさすがに私もまたイライラしてきた…。

 

「うるさいっ、噛むぞ!」

「やだぁ!!!」

 

逃げようとするミロカロスを押し倒して頬に噛みつけばミロカロスが悲鳴をあげた。

 

「ギャー!!!」

「謝れっ」

「やだー!!」

 

がぶ、とミロカロスの口に噛みついて唇を噛んでやれば更に悲鳴。

あ…。しまった…血、出た…。

 

「うえぇえええええ…」

「やってしまった…」

「痛い…!!」

 

自分の口の中がミロカロスの血の味。

口の周りを真っ赤にしたミロカロスが痛い痛いと喚くのを見下ろして少し…。

グッと来た…。

 

「笑うな!シンヤのバカ!!」

「キスしてやるから許せ」

「許すっ!!!」

 

一瞬で許されたのでミロカロスの口を自分の口で塞ぐ。

めちゃくちゃ血の味がする口内に舌を這わせるとミロカロスが逃げようと暴れ出した。多分、痛いんだろう。

 

「んんっ…、ッ!!…ふッ…ぅっ…!!」

「…ッ!!」

「ふはぁっ!!!…痛いっ!!」

「…舌、噛むな…」

 

私も痛い…。と口を押さえてミロカロスから離れるとリビングの扉の前でチルタリスとブラッキーがこちらを見ていた。

顔を蒼くするチルタリスと口に手を当てて笑顔なブラッキー…。

 

「シンヤのキス、超ハード…!!」

「お二人とも口の周りが真っ赤です…!!大丈夫なのですか!?」

 

 

【相性は大変よろしいハズです】

 

 

「出来たー!!」

 

リビングでジグゾーパズルをしていたミロカロスが両手をあげて喜んでいた。

コーヒー片手に完成したパズルを見に行けば思わず咽る。

 

「げほっ…!!私の写真か…!!」

「えへへー、カッコイイー、飾るー!!」

「自分の写真なんて飾りたくない、却下」

「えぇえええ!?」

 

*

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