一日千秋の思い   作:ささめ@m.gru

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ツンデレミミロップ


ツンとかデレとか

部屋でジョーイに押し付けられたカルテの整理をしていた。

が……、

少し疲れたので息抜きにコーヒーでも飲もうとリビングへと移動した。そこで何気なくリビングに書類を広げ仕事を手伝ってくれていたミミロップとサマヨールへと視線をやる。

そしてそのまま特に意味もなく二人の様子をぼんやりと眺めていた…。

 

「ミミロップ、これはどう書けば良い…?」

「これはこっちと一緒、さっきのとも一緒、何回も説明させんなよなー」

「わかった」

 

特に気にした様子もなくサマヨールは作業に戻ったが…。

そんな言い方しなくても良いんじゃないのかミミロップ…。

 

「これはどれと纏める…?」

「こっちと、あとそこのソレとー…さっきの奴で…、てか、見たら大体分かるだろ!!」

「ホッチキスしておくぞ…」

「当たり前の報告いらねー」

 

いちいちキツイなミミロップ。

私はそんな風に言われたら途中でキレるぞ。

しかし、サマヨールは全く気にしていない…。寛大な男だな…。

 

「あ、これとこれもホッチキスしといて」

「ああ…、…ミミロップ、お前…」

「あぁ?」

「字が綺麗になったな…」

「…っ、悪かったなぁ!!もともと汚くて!!」

「そうは言ってない」

「うざっ!!いちいちうざっ!!」

 

げし、とサマヨールの背中を蹴るミミロップ。

おいおい…と内心思いながら見ていたが、蹴られても特にサマヨールからの反応は無く黙々と仕事をしている。

サマヨールも言い返して良いんだぞ…?

 

「これとこれも纏めるんだな…」

「うん、やっと分かってきた?」

「ああ…ミミロップが分かりやすく書いてくれてるからな…」

「っ、書いてねぇし!!普通に書いてるし!!!」

「そうか…」

「さっさと纏めて!!」

「わかった」

 

乱雑に放り投げられた書類を纏めるサマヨール。

普通に渡してやれよ…と思いながらコーヒーを啜った。

ミミロップの奴があんな感じだからミロカロスとの仲が相変わらずなんだろう…。

はあ、と溜息を吐いたところで気付いた。

観察してて自分の仕事放置してた…!!

慌てて部屋へと戻り仕事を再開する。

どれくらい部屋に籠もっていたのか分からないが、コンコンコンとノックの音で書類から顔を上げた。

 

「シンヤー、入るよ?」

「ああ」

 

片付け終わったらしい書類を持ったミミロップが部屋へと入って来て、机の上に書類を置いた。

私が今やってるのを片付ければ終わりだな、と思ったところでミミロップが「なあ」と声を掛けて来る。

 

「ん?」

「あのさ…、ワタシ、字…綺麗になった?」

「ああ、うん…そうだな…」

 

さっきサマヨールが言ってたヤツかと思いつつ。さっきと言っても大分前だと思うが、ミミロップが持って来てくれた書類に視線を落とす。

確かに綺麗になってるかもな…。

 

「あと…結構、分かり易く纏めてあるって…サマヨールに言われたから…、わりと良い出来かも…」

 

いつも大体分かり易いけど、と思いつつ「そうか」とミミロップに返事をする。

 

「サマヨールって、いっつもさー、ちゃんと出来たら褒めてくれるから良い奴だよな!!」

「…!」

 

えへへ、と頬を少し染めて笑うミミロップを見て私はポカンと口を開ける。

 

「なに?」

「いや、なんでもない…」

「うん?」

「手伝ってくれて助かった、ありがとう」

「うんっ、いつでも言って!!」

 

にっこりと笑ったミミロップが部屋から出て行った。

私が書類を手に首を傾げることになったのは仕方の無いことだと思う…。

 

*

 

後日、ミミロップがポケモンセンターに手伝いに出掛けた時…。

なんとなく聞いてみた。

 

「ミミロップって素直なのか素直じゃないのか分からんな…」

 

唐突な私の言葉に近くに居たサーナイトとサマヨールとブラッキーがキョトンとした表情を浮かべる。

 

「え、なに急に?」

「いや、前に思ったのを思い出した」

「ミミロップはわりと素直だと思うが…」

「そうですわよねぇ、まあ素直って言うより分かりやすい?」

 

クスクスと笑うサーナイト。

以前、あんなにキツイ言葉を投げ掛けられていたのにサマヨールはミミロップを素直だと言う。まあ、あれも素直と言えば素直なのか…?

 

「いちいち言葉がキツイだろアイツは」

「照れ屋さんなんですのよ」

「キツイ…か?」

「まあ、どっちかってーとキツイんじゃない?オレら慣れてるけど」

「あまりキツイと思った事は無いがな…」

「それでミロカロスいっつも泣いてるじゃん」

「ミロカロスは泣き虫だ…」

「まあ、それもある!!」

 

わはは、とブラッキーが笑った。

サマヨールがミミロップの言葉をキツイと思ってないのは意外だ…。

 

「前にサマヨールにキツイ言葉で接しているなと思っていたら、その後にミミロップがサマヨールはいつもちゃんと出来たら褒めてくれるから良い奴だと言っていたんだ。素直なのか素直じゃないのか分からんだろ?」

「へー!!」

「あら!!」

「そんな風に言ってくれてるとは嬉しいな…」

 

サマヨールが目を細めて笑った。

ブラッキーとサーナイトはニヤニヤしている。

 

「シンヤさー、そういう事はもっといっぱい報告してよ」

「何でだ?」

「だってミミロップ、シンヤの前でしかデレねぇもん」

「デレ…?」

「普段はツンですものねぇ」

「ツン…?」

 

何を言ってるんだお前たちは…。

 

「っていうか、シンヤがミミロップの言葉をキツイって思うのってギャップ感じてるからだと思うなー」

「ギャップ?」

「自分と喋ってる時はそうじゃないから、他の奴らと話してるのを聞くとキツイなぁって思うんだろ」

「それはあると思いますわ。だってワタクシはむしろシンヤと喋ってるミミロップさんって、素直って言うより猫かぶりっぽいと思いますもの」

「ミミロップは主が好きだからな…」

「…じゃあ、なんだ…ミミロップは私に対してだけ他人行儀なのか…」

「「それは違うけど」」

「主は特別なんだ…」

「?」

 

 

【ツンとかデレとか】

 

 

「オレ、一回で良いからシンヤになってシンヤ視点でミミロップを見てみたいって思うんだよなぁ!!」

「それ凄く分かりますわ!!絶対にシンヤにしか見せない笑顔とか見せてるはずですもの!!」

「…主は主のままで居て欲しい…」

「一回だけだって!!てか、サマヨールも見たいだろ!!ミミロップのデレ顔とかさぁ!!」

「…よく分からないが、自分は今のミミロップが好きだな…」

「どっちの意味でですの!?」

「何がだ…?」

「オレ、むしろサマヨールが素直なのか素直じゃないのか分かんねーわ」

 

「お前達…、楽しそうだな……」

 

放って置かれてる私は少し寂しい…。

 

*

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