荒れ放題の道に苦戦しつつ、バトルをしながらリッシ湖へと辿り着いた。
持って来たボトルに水を汲み入れるユキワラシを確認してから、湖の中央に視線を向ける。エイチ湖同様の大きな岩。やはりあそこも空洞になっているのだろうか……。
「ユキー」
「汲み終ったか。よし、じゃあ帰ろう」
ユキワラシが水の入ったボトルを持ち上げたのを見て湖に背を向けた。
その時、ヨマワルが私を突き飛ばした。よろけて体勢を立て直そうとすると突き飛ばされる前に私が居た場所に無数の星が地面に当たり弾けた。
「スピードスター!?」
後方を振り返ればユクシーとよく似たポケモン。頭が青いのは確か意思の神と称されるポケモン……、アグノム。
何故、攻撃されたんだ……。私がポケモンだったら絶対に当たってただろ。スピードスターは絶対に命中する技じゃなかったか……?
「ヨマァアア!!」
動揺している私を放ってヨマワルがアグノムに攻撃を仕掛けた。私が制止する前にヨマワルの鬼火はアグノムへと向かって行く。
攻撃をくらって少し火傷したらしいアグノムがこちらを睨み付ける……。が、先に攻撃して来たのはお前だろう……。
「ヨマワル下がれ!!戦わなくて良い!!」
「ヨマヨマァ!!」
「私は大丈夫だ、下がれ」
「ヨマァ……」
音も無く下がったヨマワルが私の傍に戻って来る。こちらを睨み付けるアグノムに視線をやればアグノムは戦闘態勢を解いたのかゆったりと空に浮いた。
「アグノム、私に何か用なのか?」
< 用?言ってくれるじゃねぇか!!我(ワタシ)に挨拶無しで帰る気だったろ!! >
「……それだけの理由で攻撃したのかお前」
< ユクシーとは仲良しこよしのくせして我にだけシカトぶっこいたテメーが悪い!!ここまで着たら普通は我の所にも寄ってくだろうがァア!!! >
あ、アイツ、半泣きじゃないかアレ。
しかし、神と称される存在の癖にとんだ寂しがり屋だ。なんて迷惑な……。
「分かった分かった、私が悪かった」
< ……何も無いとこだけど寄ってく? >
「いや」
< ……っ、騒いでやるゥウウ!!!ノイローゼになるくらいテメーの傍から離れずびっちり騒ぎまくってやる!!不眠になれバカヤロー!!! >
だから、泣くな。
嗚咽まで漏らしだしたアグノムをとりあえず放置するわけにも行かず。まあ、コイツなら勝手に帰る事も出来るだろうと小脇に抱えて帰宅する事にした。
帰れないとか言い出したらユクシーに引き取ってもらえば良いしな……。
「よし、帰るか」
「今更なのかも知れないけど、ボク、アナタの行動について行けないよ」
「無理してついて来なくて良いぞ」
「……ついて行くけど」
アグノムを小脇に抱えて歩いていたが特に誰にも引き止められなかった。
セカンドバッグにでも見えたのだろうか、尻尾がぶら下がってるんだが……。まあ、何も無いのは良い事だ。
トバリシティに戻って来てポケモンセンターで一休み。水の入ったボトルを交代で持ち運んでいたユキワラシとヨマワルは少し疲れた様子。
「やっぱり私が持つか?」
「ユキ」
「ヨマァ!!」
どうあっても私には持たせないらしい。そんな忠誠心を別に望んでないんだけどな……。
小さいポケモンに大きいボトル持たせて歩いてる私は傍から見れば最低な男だろう……。ボトルぐらい自分で持って歩くぞ私は……。。
いつの間にか寝てしまったアグノムを起こさないように少し座り直してコーヒーを飲む。
「シンヤさーん、お電話ですよー」
手を振るジョーイさん。
ズイのジョーイさんとは毎日のように顔を合わせる知り合いだが、トバリのジョーイさんとは初対面のはず……。
何で私の事を知っているんだ。そして何故親しげ…?いや、私にはジョーイさんの見分けは付かないのだけど……、別のジョーイさん、だよな……?
「どうも……」
「いえいえ、いつも妹がお世話になってますー」
「妹?」
「ズイタウンのジョーイです」
「ああ、いえ、こちらこそお世話になってます……」
ジョーイって身内揃いなのか……。何で皆、顔一緒なんだ。
少し不気味に思いながらアグノムをゆっくりと抱えて電話の前へと移動する。通話ボタンを押せば画面に凄く近いヤマトの顔。
「うわっ!!」
思わず声が出た。
何だ何だとエンペラーとユキワラシとヨマワルが傍に来た。ユキワラシは自分の主人を見てピョンピョンと飛び跳ねる。
<「シンヤ……、すぐに、すぐに帰って来てぇぇ……」>
「今はトバリだからもう少し掛かるぞ……?」
<「ダッシュ!!走って!!」>
嫌に決まってるだろ……。
私が顔を顰めればヤマトは両手を合わせて頭を下げた。
<「お願い!!!本当に走って帰って来て!!今すぐに!!」>
「何があったんだ」
<「ミロカロスが怒ってるよぉお!!!人型になれるとか僕知らなかったのに胸倉引っ掴まれて、エーフィが止めようとして今バトルしてるんだけど!!ミロカロス強すぎて!!ブラッキーはすでに瀕死!!」>
「……」
<「スイクンに何かあったら困るからギラティナに反転世界の方への出入り口は閉じてもらった!!でも、エーフィもそろそろピンチだよ!!研究所のポケモン総動員させても多分、無r……」>
画面からヤマトの姿が消えた。
消えた、というのは語弊だったな。後ろから何かに押されたのかヤマトの服で画面が真っ黒になった。ヤマトの情けない悲鳴染みた声が聞こえる。
<「シンヤ……」>
「その声は、ミロカロスか?」
<「シンヤ、シンヤシンヤシンヤシンヤ!!!」>
一度言えば聞こえているんだけどな……。
ヤマトを後方に放り投げたミロカロスが画面に映った。涙で顔を汚したミロカロスが顔を歪める。
<「また置いて行ったぁああ!!!」>
「……」
お前が勝手に居なくなったからだろ。
*
画面の向こうで泣きじゃくるミロカロス。
どいつもこいつも鬱陶しい……、と言いそうになった言葉を飲み込んだ。今言ったら余計にこじれそうだ。
「帰るまでもう少し掛かるから大人しく待ってろ。暴れるんじゃないぞ、良いな?」
<「誰連れてったんだよぉ!!俺様置いて!!」>
無視された。画面越しじゃなかったらぶん殴ってやるのに。
「ヤマトから借りたユキワラシとツバキから借りたエンペラーとヨマワル。以上だ」
<「俺様よりソイツらが良いのかぁっ!!!シンヤの馬鹿ぁあ!!」>
「……」
馬鹿に馬鹿呼ばわりされる覚えは無い……。
苛立つ気持ちを抑え、画面に映るミロカロスを視界に入れる。今すぐに電話を切ってやりたい衝動に自分でもよく耐えていると思う。
<「何、ソイツ……」>
「は?」
<「それ……、何か持ってるじゃん、小脇に抱えてんの……」>
「ああ、アグノムだ」
<「え、アグノム!?今、アグノムって言った!?ミロカロス、僕と電話変わっ……」>
げしっと画面の向こうで鈍い音が聞こえた。
ヤマトのすすり泣く声も聞こえる所からヤマトがミロカロスに蹴られたらしい。
「とりあえず、私が帰るまで大人しくしてろ」
<「俺様の定位置ぃぃい!!!」>
「もうお前みたいなデカイの抱えられるか!!!いい加減にしろ!!」
<「シンヤは俺様の事が嫌いになったんだ、また捨てられるんだ、また置いて行くんだ……」>
「お前な……」
<「ブラッキーもエーフィもトゲチックも、シンヤに関わるポケモン全部、全員、ぶっ殺す……」>
「……は?」
<「そしたらシンヤには俺様しかいなくなるだろ!!」>
「ミロカロス、ふざけるのも……」
ブツンと画面が消えた。
今度は本当に消えた。っていうか、私が喋ってる途中に電話切ったな……、ミロカロス……。
私が溜息を吐けばエンペラーが顔を引き攣らせながら私の名前を呼んだ。
「かなりヤバイよね……。完全にイッちゃってるよ、ミロカロス」
「帰るぞ」
「うん、まあ、そうだね」
「ダッシュでだ!!!」
「えぇっ!?本気!?」
アグノムを抱えなおしてカバンを肩に掛ける。
ユキワラシとヨマワルを強制的にボールに戻して水の入ったボトルを拾った。
走ってポケモンセンターから出た私の後をエンペラーが追いかけて来る。
「ちょっと待って!!僕、走るの苦手なんだけど!!」
「つべこべ言わずに足を動かせ!!」
「もうっ!!!分かったよ!!!」
雨が降り出したが傘なんて差して悠長に歩いていられない。小脇に抱えていたアグノムが起きて悲鳴をあげていたがそれも気にしていられない。
バシャバシャと大きな音を立てながら雨の中を走っていると目の前に仁王立ちする男。ボールをかざした所からバトルの申し込みらしい。
「見ての通り……、急いでいるんだが……」
「急いでいる時こそ、ゆっくりじっくりバトルだぜ!!」
「……」
ブチ、今まであまり聞いた事の無い音が私の頭の中で聞こえた。
ボールを取り出した私を見て、相手がボールからポケモンを出した、ムクバードだ。
「2分以内だ」
「え、何か言った?」
「2分以内に片付けろ、ユキワラシ!!」
ボールを投げれば相手が大きく口を開けた。
1分24秒で終わったバトル、賞金は要らんと吐き捨てて再び雨の中を走り出した。
「シンヤさん!!横暴!!!」
「うるさい、急げ!!」
全身びしょ濡れ、寒いのか暑いのか分からないまま研究所の扉を蹴った。ボトルとアグノムで両手が塞がっていたから、仕方がない!
研究所に入ればエーフィが倒れるブラッキーを庇う様にボロボロになりながらミロカロスを威嚇していた、ミロカロスはヤマトに羽交い絞めにされながらも足をばたつかせている。
「シンヤ!!!」
ヤマトが声をあげたが気にしてはいられない。
涙目でこちらを見たミロカロスに精一杯の笑顔を向けてやる。
「ミロカロス」
「っ!!!シンヤが、シンヤが俺様に笑いかけt……」
両手が塞がっていたので、目一杯、蹴り飛ばしてやった。
研究所内の棚がもの凄い音を立ててへしゃげた。ヤマトが悲鳴をあげる。ぐったりと横たわって動かなくなったミロカロスを見てエーフィがその場に座り込む。
「ほら、ヤマト、土産だ」
「わぁ!!アグノム~!!!」
< …、…、 >
何故か震えているアグノムは静かだった。
「シンヤさん、乱暴……」
顔を顰めているエンペラーに水の入ったボトルを押し付けてボールからヨマワルを出す。
人型だったミロカロスがポケモンの姿に戻ってこちらを睨み付けて来る。私がミロカロスを指差せばヨマワルがケタケタと笑った。
「ミロォオオオオ!!!」
「ヨマワル、かげうち」
必ず先制攻撃が出来る技でミロカロスにダメージを与える。
私の蹴りも痛かったのか、アクアリングで体力を回復しようとするミロカロス。長期戦に持ち込むつもりだろうがそうはいかない。
「おどろかす」
「ヨマヨマァア!!!」
ビクッと大きく体を揺らしたミロカロス、怯んだ所でヨマワルに「あやしいひかり」を指示すればミロカロスは混乱する。
ハイドロポンプを放ったミロカロスの攻撃は見事に自分に直撃してそのまま気絶してしまった、所謂、自滅だ。
「全く……、本当に馬鹿だな」
「ヨマー!!」
クルクルと回っているヨマワルの頭を撫でてやれば、ヨマワルの体が光りだす。
あ、と後ろでヤマトが声を発した。
ヨマワルの体が大きくなって地に足が付く……。やってしまったと後悔した時にはすでに遅し……。
「サァマヨール!!」
「……ツバキに何て言えば」
「良いんじゃない、別に。どうせ進化させるつもりだったろうし」
それなら良いんだが……。
溜息を吐いてミロカロスをボールに戻す。暫くはボールの中で反省して貰おう。
アグノムを抱いたヤマトが研究所の荒れようを見て大きな溜息を吐いた。片付けは……、手伝おうと思う……。
「エーフィ、大丈夫か?」
「フィ~」
「ブラッキーは駄目そうだな。すぐにポケモンセンターに連れて行ってやる。お前もついて来い」
「フィ」
呆けるヤマトに声を掛けてポケモンセンターに移動する。
ブラッキーとエーフィをジョーイさんに預けてエンペラーから水の入ったボトルを受け取った。
「ヤマト、この水を持って反転世界に行け」
「シンヤは?」
「ツバキにエンペラー達を返して来る」
「ああ、うん、じゃあ先に行ってるね。行こうかアグノム」
よしよし、とアグノムの頭を撫でたヤマトがボトルを持ってポケモンセンターから出て行った。アグノムも構ってもらえて満更でもないようだ……。
ヤマトを見送ってからツバキに電話を掛ける。三回目のコールで電話に出たツバキが隣に立つエンペラーを見て手を振った。
<「お疲れ~」>
「本当に疲れたよ」
溜息を吐いたエンペラーを無視してツバキに視線をやる。
「ヨマワルが進化してしまったんだ、悪い」
<「あ、そうなの?別に良いよ~、っていうかヨマワル……、今はサマヨールだけど言う事ちゃんと聞いた?すぐふざけて真剣にバトルしない子なんだよねー」>
「いや、凄く力になってくれたぞ?」
「見事な活躍っぷりをボクは見た」
<「嘘だ!!あたしの時は途中でバトル放置してどっか遊びに行ったじゃん!!」>
「凄く真面目だったよ」
<「何ソレー!!ムカつくー!!」>
頬を膨らませたツバキ。
とりあえずサマヨールのボールをツバキへと送った。
「お前も送るから早くポケモンの姿になれ」
「はいはい」
ポケモンの姿に戻ったエンペラーをボールに戻す。
面倒な事に人型のままではポケモンをボールに戻す事が出来ないのだ……、これに気付いたミロカロスが人型で勝手に出歩き始めたんだろう……。
エンペラーをツバキに送ればツバキがボールを両手に持って笑った。
<「ちゃんと届きましたー」>
「急に悪かったな、本当に助かった」
<「困った時はお互い様ですよー、またいつでも電話して下さいね!!」>
手を振ったツバキに片手をあげて返す。
電話を切ってジョーイさんに預けていたエーフィとブラッキーを引き取る、ついでにまた包帯を貰った。
「怪我の具合はどうですか?」
「どうだろうな、そんなすぐには治りそうもないだろうし」
「連れて来れないなら、私が診に行きましょうか?あ、でもやっぱり人間の私は駄目かしら……」
「……良いな、それ」
「え?」
「是非、診に来てもらいたい」
ジョーイさんに手を出せばジョーイさんは首を傾げた。
*
反転世界に来ればギラティナが家の前で座っている。ヒラヒラと手を振ったギラティナに片手をあげて返す。
「お帰りー、結構大変だったぜ」
「悪いな」
「まあ、シンヤの為だと思えばどうって事ないけどな!!」
「ふぅん」
「素っ気な!!」
文句を言うギラティナを放って家の中に入ればスイクンに水を飲ませるヤマトの姿があった。
近寄って来たトゲチックの頭を撫でて私もスイクンの傍に近寄る。
「どうだ?」
「クゥゥ……」
「少し楽になって来たか、なら良かった」
麻痺も大分取れて来たらしいスイクンが小さな声で鳴いた。
隣でヤマトが溜息を吐く。
「水があるのは良いけど、やっぱり僕にはもう限界だよ。これ以上の治療はさすがに無理」
「だろうな」
「医療なんてホントに必要最低限しか勉強してないもん。ジョーイさんになんか到底及ばないよ……」
「限界だと思って、ジョーイ代理を連れて来たぞ」
へ?と間抜けな声を出したヤマトにボールを見せてやる。ヤマトは更に首を傾げたがボールから私がポケモンを出せばヤマトは顔に笑みを浮かべた。
「ラッキー!!」
「ジョーイさんから借りて来た」
「神々しく見えるよラッキー!!!」
「ラキラッキィ!!」
テキパキとスイクンの治療に取り掛かるラッキー。スイクンの体調が安定するまでここに居てもらう事になっている。
ポケモンセンターにはもう一匹ラッキーが居るが急患などで手が足りなくなったら手伝いに行くのは私、という約束にした。
「それにしても不思議だよな」
「何がー?」
スイクンの包帯を換えるラッキーを見ながら呟くとヤマトが首を傾げる。
「性別が限られたポケモンが居るのは不思議だ。メスしか居ないポケモン、オスしか居ないポケモン……」
「うーん、そんな事を考え出すとキリが無いねぇ……」
「研究員の言葉とは思えない投げやりっぷりだな」
「せ、専門外なとこだから!!」
本での知識なので未だ実物を見た事が無いが、オスしか居ないニドキング。キングなのだから当然オス。メスしか居ないニドクインはクイーンでメスだ。
コイキングはメスでもキングなのにな……。
同じ形のポケモンでもオスとメスで細部の微妙な所が違ったりするポケモンも居るらしいが、生息地や育つ環境の違いだろうか……。ライオンのオスにはたてがみがあってメスには無いみたいな……。
「気にしだすと余計に気になってくるな……」
「そう?シンヤって研究者向きなんじゃない?」
「凝り性だ。そういうヤマトは研究者向きじゃないよな」
「そうなんだよー、ポケモンバトル弱いけどポケモン好きだから研究員にー……って、オイ!!!」
「不思議な生き物だよな、ポケモン……」
私が腕を組めばヤマトがえへんと胸を張って言った。
「だから人間は研究するんじゃないか」と……。
「ポケモン、ボールに押し込む技量があるならもっと他に脳みそ使え。絶対に捕獲出来るマスターボールとか作ってる暇があるなら尚更な」
「うわ、元も子もない事言った!!」
「私がもしその技量を持ってるなら、まず石の研究をするな」
「何で」
「特定のポケモンを進化させるんだぞ?同じポケモンなのに性別を限定しないと使えない石もある。私ならボールを作らないでポケモンを進化させる新たな石を作る」
「ほー、どうやって?」
「その技量が無いから作ってないだろ」
「ああ、そっか……」
私が考え付くんだからもう考え付いて石を専門に研究してる奴は居るかもしれないな……。まあ、居るから様々な石の種類が見つかっているんだろうし……。
「……人間はいつ進化するんだろう」
「え、僕たちは最終形態でしょ」
「これでか!!」
「めちゃくちゃ不満有り気ー!!!二足歩行してるじゃん!!」
「納得いかん」
「最終的にどうなりたいわけ……」
「……どうなりたいんだろうな」
「……」
「石でも齧っとくか?」
「何で僕に言うの……」
進化した方が良いと思って。
……という、出そうになった言葉を飲み込んで小さく咳払いをした。
「まあ、とりあえず」
「とりあえず?」
「アグノム、お前そろそろ帰れ」
< 自分が連れて来た癖にっ!!! >
「帰しちゃうの!?うわ、僕せっかく仲良くなったのに!!アグノムぅうう!!」
< ヤマトぉおお!!! >
よし、
お前ら帰れ。
*