一日千秋の思い   作:ささめ@m.gru

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カリカリ、とエンペラーがペンを走らせる音。

カチャリとミミロップがメスを手に取った。

ピ、ピ、ピ、と一定の心音が響く手術室。まさに今からオペが始まる時だった。

患者はおながポケモン、エテボース。

腹部を押さえ蹲るエテボースをトレーナーがポケモンセンターに連れて来たところ、胃にトゲ状の異物が刺さっている事が判明。果実を食べる際に木の枝を一緒に飲みこんでしまったのではないかと推測される。

 

「じゃ、さくっと切って取り出すから」

「どうぞ」

 

慣れた手付きで手術を進めるミミロップの手元をエンペラーが覗き込む。

その後ろでシンヤは胃を押さえていた。

 

「なんか胃の調子が悪い」

「シンヤさんまで木の枝食べちゃったの?だっさーい」

「私はよく噛んで食べる」

「冗談に真顔で返されると困るわー」

 

ツバキが苦笑いを浮かべる横でシンヤはお腹を擦った。

最近、ミロカロスのコーヒーを飲んでるせいだろうか…。液体には変化したものの凄く苦い時やジャリジャリの時がある。とても美味しくないコーヒー。

 

「胃薬、ちゃんと飲んでるんだけどな…」

「ねえ、そんな事よりさ!」

 

人の腹痛をそんな事呼ばわり。なんだコイツ。と思いながらもシンヤはツバキへと視線をやる。

 

「メガ進化の資料読んだ?」

「読んだ読んだ」

「現地に一緒に見に行きたくなったでしょ?」

「いや、別に」

 

なんでだよ!研究心かきたてろよ!と怒るツバキ。

 

「オイ!こっちはオペ中なんだから静かにしろよ!ボケ!」

「シンヤさんも喋ってました!

「シンヤは良いんだよ!」

「あからさまな贔屓!」

 

テキパキと手を動かしながらミミロップが胃から木の枝を取り出した。

あとは縫って塞げば終了。と呟いたミミロップの言葉にエンペラーが頷く。

 

「っていうか、僕、この手術の内容、なんで書き残してるの?」

「え?良いじゃん、丁度、手術するって言うから良いデータじゃん。」

「……」

 

遊びに来たら、今から手術って言われたのでついでにデータ取ってみたよ☆とツバキがピースをしながら言う。

エンペラーは無言でツバキの頬にボールペンを突き刺した。

 

「いってぇ!」

「シンヤ、とりあえず確認してくれる?」

「ん」

 

エテボースの腹部を覗き込み、手を突っ込み触診。

それグロいよね。と横でツバキが顔を歪めて呟いた。

 

「刺さってた部分に薬塗っといてやれ」

「了解」

 

ミミロップと二人で切開部を縫い合わせ始めた時に、手術室内の電話が鳴る。

 

「はい、エンペラーです。どうぞ」

<「ジョーイです、そちらの手術はもう終わりそうですか?」>

「もう終わりそうか、ジョーイさんが聞いてるよ」

「あー、もうちょいで終わる」

 

ミミロップの返事に頷いてエンペラーがジョーイに返事をする。

 

「もう少しで終わるそうです」

<「シンヤさんは抜けられるかしら?ツーくんがちょっとパニックになっちゃってて…」>

「シンヤさんに来て欲しいみたいだよ。ツーがちょっとパニックになってるって」

「は?」

 

ミュウツーがパニックってどんな状況?とミミロップとシンヤは眉を寄せる。

あと、やっとくよ。とミミロップの言葉に頷いてシンヤは手術着のまま、カウンターへと向かった。

 

「あ、シンヤさん!」

 

こっちこっち、と手招きしたジョーイの傍へと行けばソファに座ったツーが眉を下げてシンヤを見上げた。

 

「どうした?」

「ギラティナが居なくなった…」

「は?」

「ツーくん、慌てて駆け込んで来たのよ。シンヤは何処だ!シンヤは無事か!ってパニックになってたんだけど、シンヤさんが無事なのを説明したら少し落ち着いたの」

「どういう事だ、ツー」

「反転世界に居たら急に金色の大きなリングが現れて、ギラティナがそのリングの中に入って何処かに消えてしまった。

その時のギラティナが操られたように見えたから、シンヤに何か異変が起きたのかと思ってな」

「金色のリング?」

 

なんだそれ、と首を傾げたシンヤにジョーイが問う。

 

「シンヤさん、今日お腹痛いって言ってたのそのせいじゃないの?」

「うーん…じゃあ、腹痛くらいの事なら大した事ないんじゃないのか?」

「分からないわよ、今から何か起こるかもしれないじゃない。ギラティナくんが危ない目に遭うとシンヤさんにもダメージが来るとか言ってなかった?」

「……」

 

それもそうだな、と思いながらシンヤは考える。

今更ながら、こういう時って誰に連絡すれば良いんだろうか…と。

 

「アルセウスの連絡先なんて知らないよな?」

「知らん」

「そもそも、アル様はたまにシンヤさんの姿で遊びに来るくらいだから」

「お前、意外と仲良いよな…」

「フフフ、にこにこ顔のシンヤさんが面白いわよ」

 

ニヤニヤと笑うジョーイをじとりとシンヤが睨みつける。

ディアルガ、パルキアに…って言っても、いつもはギラティナが呼びに行ったりしているわけだから。呼びに行ってた奴が居なくなったら呼びに行けない…。

 

「あいつら自由だからな…」

「シンヤさんも大概よ」

「……」

 

*

 

ギラティナが居なくなった、とシンヤ達が話し合いをしている頃。

シンオウ地方から遠い地、カロス地方で事は起っていた。

 

カロス地方、デセルシティ。

不思議なリングを使って色々なものを取り出したりする力を持つ謎のポケモン、フーパと出会ったサトシ達が居る場所へ、ギラティナは『おでまし』させられていた。

かつて、いましめのツボに封印されたフーパの本来の解放されし姿は百年の時を得て、怒りと変わり、フーパ自身を取り込む事で暴れ出そうとしていた。

フーパの力であったはずの強大な力は、いましめのツボが壊れ行き場を失った事で、フーパとは別離し、邪悪な力を纏った超フーパへと蘇ってしまった。

 

フーパを捕らえようとする超フーパ。サトシ達は超フーパからの攻撃を避け、壊れたツボを復元させるため、そしてデセルシティを守るためにフーパが『おでまし』した伝説のポケモン達と共に戦う。

そしてそれに対抗するべく超フーパも伝説のポケモン達を『おでまし』して操り、戦う。

 

邪悪な力で支配され、『おでまし』させられたギラティナ、ディアルガ、パルキア、キュレム、グラードン、カイオーガ。

操られデセルシティで暴れる伝説のポケモン達がサトシの前に居た。

フーパが『おでまし』した。黒いレックウザ、ラティアス、ラティオスの三体…。

相手にとって不足はないぜ!、とサトシが拳を握ったその頃、シンヤは胃が痛かった。

 

*

 

デセルタワーを狙われ、レックウザが起こした竜巻、ラティアスとラティオスのサイコキネシスで防御壁を作るものの突破されたサトシは眉間に皺を寄せる。

どうしたら、あの伝説ポケモン達に勝てるんだ。と考えた時に、サトシの脳裏に一人の人物が過った。

あの人は、そういえば伝説のポケモンと知り合いだったはず。

 

「フーパ!シンヤさん!シンヤさん、『おでまし』出来るか!?」

「シンヤサン~?」

「シンヤさんなら止められるかも!」

「ほんとかー!!よーし!おでまし~!!」

 

*

 

手術を終えたミミロップが合流。

ツバキとエンペラーが何それ面白い事?と首を突っ込む横でシンヤはとりあえず伝説に聞くしかない、と念じる。

 

「アルセウス、私の気持ち、受信してくれないだろうか…」

「シンヤさん、テレパシー使えるの?凄いね!!」

「バカなんじゃない?」

「アルセウスより、湖に行ってチビ三匹捕まえて来た方が早くない?」

「あ、カイリュー居るよ!」

 

それもそうだな。とシンヤが頷いた時。

シンヤの背後に金色のリングが現れた。あ!と大きな声を出したミュウツーに視線が集まる。

 

「シンヤ!!」

「え!?」

 

がし、と小さな手に腕を掴まれたシンヤは大きく目を見開く。

反射的にみんながシンヤに手を伸ばす。金色のリングに引っ張り込まれるシンヤに手が届いた相手が悪かった。

 

「よし!行くぞ!」

「バカ!押すな!」

 

ぎゃあ!と悲鳴をあげたシンヤをリングに押し込んだミュウツーが一緒に金色のリングの中に消えた。

 

「……」

「……」

「……」

「……マジ、あの白いのどうにかして…」

 

しくしく、とミミロップが両手で顔を覆い涙した。

 

*

 

「おでましー!」

「痛い!」

「おお!なんだここは!」

「シンヤさん!」

 

金色のリングに引っ張られて出た先は、時差の違いからか夜。そして、シンヤには見覚えのない街並み。

見知らぬポケモンと、久しぶりに見る見知った少年。

 

「サトシ…?」

「シンヤさん!協力して下さい!」

 

あれ、とサトシが指差した先に見知ったポケモンがちらほら…。変わったオーラを出しながらこちらを睨んでいる。

あ、ギラティナ。と横でミュウツーが呟いた。

 

「サートン!おでまししたけど、シンヤサンはここに居ると危ないんじゃないのかぁ?」

「シンヤさんは、伝説のポケモンと知り合いだから大丈夫!」

「でも、シンヤサンって…」

 

見知らぬポケモンと目が合う。

可愛い…、とか考えてる場合じゃない!!

 

「サトシ!どういう事か分からないから私はどうしたら良いのか分からないぞ!?見ろ、この姿!手持ちゼロだ!」

「シンヤ、見ろ!デセルタワーだ!雑誌で見た!ここカロス地方だぞ!!」

 

見て見て!と腕を引っ張るミュウツーにうるさい!と怒鳴り返す。

どうしよう!と慌てるシンヤの目の前に超フーパの大きな手が伸びて来る。シンヤが咄嗟にサトシを抱き込めば、ミュウツーがシンヤを背に庇い超フーパの手に技を食らわせようと手をかざす。

 

「…!」

 

辺りに日が差し込む、夜明け…?と顔を上げれば、視線の先には妙なツボを掲げて立つ男の姿が目に入る。

なんだあれ…、と思ったもののシンヤは口には出さなかった。

 

「シンヤ、見ろ。ギラティナ達の様子が元に戻った」

「え?」

 

シンヤは振り返れば、空中に浮いていたギラティナ達が水飛沫を上げて海に落ちる所だった。

男がツボのフタを開ければ、超フーパが苦しみの声を上げ、ツボに吸い込まれて消える。

 

「なんだあれは、ランプの魔神か?」

 

さあ?とミュウツーと揃って首を傾げれば、超フーパを吸い込み、フタを閉めたツボが男の手元から離れる。

あ。とミュウツーが小さく声を漏らし、サイコキネシスで受け止めようと手をあげた横でサトシが雄叫びをあげながら走って行った。

ツボを上手くキャッチしたサトシを見て、

シンヤは相変わらず会う度に元気な子だなぁと頷いた。

 

「サートン…?」

「大人しくしろ!影!!」

 

のんびり眺めていたシンヤの目の前でサトシが苦しみの声を上げた。

ツボから放たれる邪悪なオーラがサトシを取り込んでいく。

 

「キ、エ…ロ…」

「サートン!!」

「キサマは消えろ!オレがフーパだ!残るのはオレだ!」

「ピカピ…!」

 

サトシが取り憑かれてる!

慌てて駆け寄ろうとしたシンヤをミュウツーが止める。

 

「カゲ助けたい!サートン言ってた!」

「くっ…、消えろ!!」

「フーパのこと教える!怒んない!聞く!」

 

サトシに向かって手をかざしたフーパはサトシの中に居る超フーパに語りかける。

 

「みんな待ってる!元に戻る!待ってる!」

 

自分の気持ち、思い出を超フーパに伝えたフーパは苦笑いを浮かべる。

 

「なあなあ、びっくりした?影もこれから楽しい!…フーパ、影、待ってた!」

 

ツボが光りを放ち、辺りに光が舞う。

なんか解決した…。

サトシの傍へ駆け寄る見知らぬ少女達の背を見てから空を見上げる。

 

< ―――、 >

「…?」

「シンヤ、どうした?」

「…今、」

 

声が聞こえた気がした。と言おうとしたシンヤの言葉に重なって、サトシがフーパに笑みを向ける。

 

「お前の声、聞こえた!きっと影の奴にも届いたぜ!」

 

邪悪な力が消えたとか、なんとか言ってるが、結局なんだったんだ…。とシンヤは眩しい日差しに目を細めた。

海に浸かって正気に戻ったらしい、ギラティナ達が声を上げている。

 

「何処だここは!!!」

「なんで外に居るんだオレー!」

「どうなってんだよぉおお!」

「あ、シンヤー!!」

「久しぶりじゃーん!!」

 

アイツらうるさいな。

 

「ぎしししっ」

「なんて言ってんだ?」

「みんな、びっくりしたって!!」

 

そりゃそうだろ…。

 

*

 

はあ、と溜息を吐いた時に今度はハッキリと声が聞こえた。

 

< シンヤ…!そこから離れろ! >

「!?」

 

タワーの上空に歪みが現れる。

 

「ああ…歪む所を見るのは初めてだ!!」

「喜んでる場合か!!!調整してる伝説ポケモンを不用意に集めた反動だ!」

 

タワー全体を覆うように広がる歪み、ミュウツーがシンヤの体を掴む。

 

「なんだ!?」

「シンヤに何かあったら大変だからな」

「もう起こってるだろ!」

「とりあえず、外に居ろ!」

 

ブオン、とタワーの外へと放り投げられたシンヤは海へと落ちる。

海に落ちたシンヤを咄嗟にラティオスが掬い上げに来た為、シンヤはラティオスの背の上で咽ながら顔を上げた。

タワーが歪みに覆われて見えなくなっていた…。

 

「ミュウツー!!!」

「シンヤ!大丈夫か!?ここ何処!?」

「場所とか今はどうでも良い!なんとかこの歪みを消せ!」

 

傍に飛んできたギラティナの頭をシンヤが叩くが、ギラティナは首を横に振る。

 

「いや、無理」

「空間担当!頑張って来い!」

「えええええ!?オレにそんな無茶言われても!?オレだって急に呼び出されたんだぞ!?」

「シンヤ、無駄だ。俺達を一か所の場所に強制的に呼び出した代償を払わなければならない。そこで人間が巻き込まれて死んだとしても、仕方のない事だ」

「神なら何とかしろ!!」

「お前が神だが?」

「そーだよ!シンヤが神だろ!お前がなんとかすれば良いじゃん!」

「私はなりたくてなったわけじゃないぞ!?」

 

怒るディアルガとパルキアの横で見知らぬドラゴンタイプが首を傾げた。

 

「ワシはもう眠いから帰って良いだろうか…?くだらん」

「この子、何処の子だ!?」

「おれ、知ってるよー。イッシュ地方に住んでるキュレムくんだよねー」

「ふわぁぁ…」

「この子、自分の冷気で凍っちゃうんだってー」

「ドジっ子かよ!!!っていうか、カイオーガ、なんでそんな事知ってんのぉ!?おれというものがありながら!なんで他所の男の情報知ってんのぉ!?ねぇ!?」

「あーあーあー、暑苦しいー」

 

うるさいグラードンに、やる気のないカイオーガ、キュレムは半分夢の中…、自分は知らない!と怒るパルキアに、仕方ないと悟るディアルガ、早く家に帰らないとと焦るギラティナ。

 

「テメェらうっせぇ!どうにも出来ねぇんなら黙ってろや!!ボケェ!!!」

 

あの黒いレックウザはガラが悪い!

ラティオスとラティアスが唯一、私に大丈夫?と声を掛けてくれた。

もう助けてくれ、神様…。

 

「……そういえば、アイツ見てるはずだろ!!さっき声聞こえたぞ!?」

 

とりあえず、全員、大人しく、歪みに攻撃して時間稼げ!!!と怒鳴れば、渋々と動き出した連中。

お前ら、あとで一人ずつゲンコツだからな…。

 

「キュレム、起きて手伝え!!」

「む~」

「なんでみんな飛ぶんだよ!!!ずりぃぞ!!カイオーガだけで良いから降りて来てよ!!」

「うるせー、沈んでろー」

「え、カイオーガの海にずっと居て良いって事!?」

「シンヤ、ちょっとアレ、深海に引き摺りこんでくるよー」

「……」

 

*

 

「シンヤ、ただいま」

「あれ!?ツー!?」

「向こうから出て来たぞ」

 

ミュウツーの指差す先にはいつの間にか人集りが出来ていた。

フーパの金色のリングを通って外に出て来たらしい。

 

「サトシ達は?」

「さあ?最後に出て来るんじゃないのか?」

「見届けてから出て来い…!」

 

とりあえず、全員出て来るまで空間の歪みを止めておかないと、間に合わなかった奴はそのまま消えてしまう…!

 

「なんとかしろ…アルセウス…!!」

 

そう呟いたシンヤの言葉と同時に天からの光が歪みを一時的に止めた。

 

「お?」

「腰重い癖にキター」

「というか、シンヤがここに飛ばされた時にさすがに気付くだろ。自分の分身みたいなものなんだから」

「止めるならもっと早く止めてくれれば良いのに!!!ミュウツー!サトシ達、全員出たのか確認して来い!」

「分かった」

 

*

 

天からの光が消えると、歪みがタワーを跡形も無く消し去った。

何も無くなった地面を見つめていれば、ミュウツーがシンヤの傍へと戻って来た。

 

「なんかバチバチやってたけど、全員出てきてた」

「意味が分からん…」

 

シンヤが眉を寄せた時、空から神々しく光が差し込む。

目を掠めて空を見上げれば、雲の切れ間にアルセウスの姿があった…。人々を見下ろすアルセウスの姿にギラティナが人知れず顔を歪める。

 

「うわぁ…」

「絶対、狙って来たわアレ…」

「目立ちたがり屋だからな…」

 

周りの注目を一身に集めたアルセウスは一鳴き、高らかに声を上げて、再び空へと飛んで消える…。

 

「って…!!!ドヤ顔して帰るな!!!待て!!!アホか!!!」

「目立ちに来ただけだアレ!!!」

「絶対に良いタイミング狙ってた確信犯だろ…!?」

 

ディアルガとパルキアが慌ててアルセウスを追って飛んで行く。

眠い、とキュレムが飛んで行くのを見て、シンヤは気付いた。

 

「これ、現地解散か!?」

「おれ、歩いて帰んのかよぉ!ツラーイ!」

「ハ?深海引き摺りコースだから」

「わぁい…やったぁ…」

 

引き摺りこまれるグラードンを見送ったシンヤはラティオスの背からギラティナの背に飛び乗る。

 

「お前達も気を付けて帰れよ」

 

じゃあな、と黒いレックウザにも手を振ってから、ギラティナにサトシ達の方へと寄ってもらう。

 

「あ!シンヤさーん!」

「サトシ!色々と話をしたいのは山々なんだが、先に帰るから!」

「ええっ!?久しぶりに会えたのに!?」

「すまーん!」

 

何の為に呼ばれたのか分からないけど、行方不明状態だから急いで帰るー!!

あと、アルセウスに文句を言わないと気がすまない私はディアルガとパルキアに続いて追いかける!

隣で観光したいなぁ、とぼそりと呟いたミュウツーの声は聞こえなかった事にした。

 

*

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