一日千秋の思い   作:ささめ@m.gru

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「遊びに行きたい」

 

ミュウツーのその言葉にギラティナが「勝手に行って来い!」と怒鳴る。

そんなギラティナを無視して、私の服を引っ張るミュウツー。

その手に持ってる雑誌のピクニック特集の文字が全てを物語っている…!

 

「じゃあ、お弁当持ってセレビィにでも会いに行くか」

「マジかよ!」

 

いえーい、と喜ぶミュウツー。

さて、おかずは何を作ろうかな、と呟けば、ギラティナが食い付いた。

 

「オレ、焼きそばパン食いたいんだけど…」

「なかなかピンポイントで来るな…」

 

良いけど。と言えばギラティナも結構、嬉しそうだ。

いっぱい作って残ったら夕食にもしようと、張り切って重箱で作った物をミュウツーに持たせる。

医療道具はギラティナが持ってくれたので私は手ぶらで久しぶりに来たセレビィの森を見渡した。

 

「久しぶりに来たら気持ち良いな、命の湖」

「綺麗な場所だな~」

「水が綺麗だ」

 

そういえば、この二人は来るの初めてだもんな。

随分、昔になるのに今でもよく覚えてる。

セレビィが操られて、サトシ達が奮闘してた。結局、ここにピクニックに来ても騒動のせいでろくにのんびりも出来ず、家の庭で夕食を食べたっけ…。

 

「シンヤ!弁当開けて良い!?」

「ん?ああ、そうだな、食べよう」

 

焼きそばパン!とご機嫌にバスケットを開けるギラティナ。横でミュウツーが重箱を開けていた。

水筒に入れて来た味噌汁を飲んでいると、遠くから声が聞こえた。

 

「レビビー!!!」

「あ」

「むお!?」

「おお、セレビィだ」

 

びっくりしたらしいギラティナが焼きそばパンを喉に詰めたのか咽ている。バンバンとミュウツーがギラティナの背を叩いた。

久しぶり~!と寄って来たセレビィ。お前、いっぱい居るから知り合いのセレビィかどうか分からんが、久しぶりと言われたのなら関わった奴なんだろう。

どっちだ…。私を未来に飛ばしたのか、過去から来て死にかけた奴か…。

 

「シンヤ…!」

「お前ー!なんで居るんだよー!」

「久しいな、シンヤ」

 

スイクン、ライコウ、エンテイ…!

ポケモン・バッカーズ以来だな!!スイクンのハグにハグを返して、ライコウにゲンコツを落とす。

 

「いてぇ!何すんだよ!」

「忘れたとは言わせないぞ!お前がポケモン・バッカーズでハシャいで無駄に目立ったあの日を…!」

「すげぇ昔じゃねぇかよ!許せよ!」

「許すか…っ!!」

「まあ、あれはやり過ぎたからな…。もうニ、三発殴られておけ…お前が悪い」

「くそぉ!!」

 

ごめんなさい!とあのライコウが謝ったので許した。素直に謝れるなんて成長したな。

ふよふよ、と辺りをアンノーンが飛び交っている。今、密猟者が来たら大喜びな状況だな。

 

「(もきゅもきゅ)」

「この白いのは、ひたすらに食うな…」

「お前ら、オレとシンヤのピクニック邪魔すんじゃねぇよ、帰れ!」

 

シッシッとギラティナが手を振る。

それにうるせぇ、と言いつつライコウが弁当に手を伸ばした。食べるのか。

 

「ギラティナの所はなかなか行き難くて、会いに行けないんだよね…。もっと遊びに行きやすくしておいて…」

「えぇ~…あんまり出入り口増やしたくねぇんだけどなぁ…」

 

しょうがねぇなぁ、とギラティナが溜息を吐いた。

そんな事より、エンテイが焼きそばパンを食べる姿がなんだか面白い。似合わないな。

 

「レビ~?」

「え?ああ…、平気?何がだ?」

「レビ、レビィ…」

 

時間に取り残されてる今。とセレビィがそう言った言葉にギラティナ達の動きが止まった。

みんな、結構、気にしてくれてるんだな…。

 

「寂しくないわけじゃないが…、一緒に居てくれるお前達が居るからな、大丈夫だ」

「ビィ!」

 

抱き付いて来たセレビィの頭を撫でる。

相変わらずらっきょみたいだと言えば、怒っていた。ははは、お前、私を未来に送った方だな…。

ポケモン・バッカーズの元凶め。

 

「フン、まあ、お前が寂しいって言うならまた遊びに行ってやるよ」

 

ツンデレか。

 

「シンヤの家には興味がある」

「私も…また遊びにいくね…」

「いつでも来てくれ」

 

弁当を食べ終わった後、アンノーンを並べて遊んでいたら大群に囲まれた。

ぎゃーぎゃー言ってたらギラティナにめちゃくちゃ笑われた。

 

「助けろー!」

「めっちゃ好かれてんじゃん!」

「お前ら、一匹ずつ目玉突くぞ!?」

「こえぇ…」

 

*

 

FRIEND

 

SUBETE NO

INOCHI HA

 

BETSU NO

INOCHI TO DEAI

NANIKA WO UMIDASU

 

 

「並べた。見てくれ、ズイの遺跡のやつ」

 

ミュウツーがジャーンと見せてくれた空中に浮くアンノーンの文字。

そういえば、ズイの遺跡にアンノーン文字が刻まれてたな。

 

「それは誰が残したんだろうな」

「レビビー!」

「は?残しに行けばって?私が?」

 

残しに行ったら、この文章は私が本当に残した事になるじゃないか…。

でも、残したくなる言葉ではあるけどな。

 

「誰が刻んだのか見に行くってのはどうだ?」

「ビィ?」

 

刻まれてないのを確認してから少しずつ時間を進めて誰が刻みに来るか確認するんだ。と言えば、暇潰しには良いじゃん。とライコウが同意してくれた。

よし、みんなで見に行こう!とセレビィの時渡りで過去へと飛ぶ。

最悪、帰って来れなくてもギラティナにディアルガ連れて来させるから大丈夫だ。と言えば、ミュウツーがなるほど!と納得していた。ギラティナが嫌そうな顔をした。

およそ、1万年程遡ってみたが、遺跡が無かった。1000年単位で戻ってようやく遺跡が建造されているのを発見。

文字は刻まれておらず、アンノーンは飛び回っていた。

次から100年単位で戻ってみるも文字は刻まれない。刻まれないまま現在まで戻って来た。

 

「……」

「刻まれてるの消えた!?」

「ヤバイ、これは私達が途中で刻まないといけない奴だったのか…!」

 

結局、残したのシンヤじゃん!というギラティナのツッコミ。

そ、そんな馬鹿なと思いつつ。遺跡が出来た辺りに遡ってアンノーン文字を刻んでおいた。

 

「まあ…あれだね…私達が仲良く、刻んだ友達の証、ってことで…」

 

良いのか。そんな感じで…。

良い感じに纏めたスイクンに、まあ良いだろう。とエンテイが頷いた。

変な事、言わなきゃ良かったな…。

 

「さすがに戻って来て刻まれて無いの見た時は焦ったな…」

「シンヤ、めちゃくちゃ慌ててたもんな!」

「笑い事じゃないぞ!?歴史的な謎だったから…」

「その歴史的な謎の犯人が…」

 

ミュウツーの言葉に皆で黙り込む。

もう、無かった事にしよう。

 

「よし、疲れたから、帰って寝よう」

「オイ!」

「あ、セレビィ。うちの庭に良い木があるぞ。大きな綿がなる木でな」

「ビィ!」

 

え、なにその木。と興味を持ったライコウが食い付いた。

 

「昔、ミロが植えてたやつな~」

「エルフーンというポケモンから貰った種付きの綿がとんでもなくでかく育ってなぁ…」

「へー…、見たい」

「綿の大木という事か?」

 

そうそう、とエンテイに頷き返して、みんなで反転世界に帰る。

殺風景な家の庭に大きくて真っ白なモコモコがよく目立つ。

 

「すっげぇ!」

「わぁ…」

「見事なものだ」

 

その内、あれでクッションを作ろうと目論んでいたりする。

 

*

 

スイクン、ライコウ、エンテイ、セレビィ、アンノーン。

あの連中が来てから度々、他の伝説の連中も重い腰をあげて反転世界に遊びに来るようになった。

綿の木を見に来た。って…。

 

「わー…マジで綿じゃーん…」

「カイオーガ!これでオレと愛のベッド作ろうぜ!」

「死ねよ~マジ死ねよ~」

 

ポケモンの姿に戻って喧嘩するなよ、と慌てて止めに入ったり。

気付いたら綿の木の上でミュウが昼寝してたり…。

 

作成したクッションをアグノムに盗られ、再び作ったクッションをエムリットに盗られ、また作ったクッションは…、欲しそうなユクシーにプレゼントした。

 

ラティオスとラティアスが遊びに来てくれて、

ラルースシティ以来のレックウザと、デセルシティで別れた黒いレックウザまで遊びに来ていた。

レックウザが並ぶとなんか凄いな。

ディアルガ、パルキア、アルセウスなんて見慣れたから何とも思って無かったが。レックウザ、カッコイイ。

 

レジギガス達も自ら検診に来てくれるようになったので凄く楽だ。

サンダー、ファイヤー、フリーザーの三羽も来て、ファイヤーに綿の木を燃やされそうになって焦ったり。

あの三羽を見たら、会いたくなったとルギアにこっそり会いに行ったりした。

 

 

 

もう会えない人達も多いが、まだまだ会える連中も多い事に喜びながら、

余生を過ごそうと思う…。

 

「シンヤ、またミュウの奴が来た!」

 

「お前、綿むしるのやめろ!こらー!」

 

*

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