「シンヤさん!お母様にシンヤさんからも言ってくれませんか?お母様が私に老後の話までするんです」
そ、そうか……。私から言った所で聞いてくれるとは思わないが……。
「さすがに老後の面倒まで見る気はありませんからね!」
そんな本当に私の嫁さんみたいな事言われてもな……。
……。
「シンヤー、お母さんにな!!クッキーの詰め合わせ貰った!!」
また貰って来たのか?最近食べ過ぎだから気を付けて下さいね……って言われてなかったか?
「……」
というか、お前にはおやつを作って渡しておいただろ?
「うん、食べた」
何故太らない。
……。
「シンヤ、そろそろ見回りに行きますか?」
……もうそんな時間か。
「パパッと行ってパパっと帰って来ましょう!!」
そうだな、行かなかったら笑顔で文句を言われそうだしな。ひとっ飛び頼む。
「はい!」
……。
「主、少し疲れてるんじゃないのか……?」
ん?そうか?特に自分では気にならないが。
「目の下に隈が出来ているし……、最近あまり食事をちゃんと食べていないだろう」
……睡眠時間は確かに少し減った。それに、食事はあまり腹が空かなくてな……。
「……主は医者という立場なのだから自身も労わってくれ……、自分が仕事を代わるから主は少し休むと良い」
ふむ……。なら、お言葉に甘えるとするか
……。
「シンヤ!!男と気軽にキスなんてしたら駄目なんだからな!!」
……そうか。
「キスってのは大事だろーが!!その……なんつーか……、愛し合ってる者同士がするもんだろっ!!」
何処かで聞いた様なセリフだ……、デジャヴって奴か。
「シンヤ~!!!真面目に聞いてんのかコラー!!」
何処で聞いたんだったかな……?
「ラルラル~」
「うっさい、テメェは黙ってろ!!」
師弟で喧嘩するな。
……。
「シンヤ様、ごめんなさいでした」
なんだその謝り方は、人の行動を監視していた罰だ。二時間正座!!
「うぇん、大好きなシンヤの事を一日中見ていたかったんです~」
お前全く反省する気ないな……。
「唯一の趣味なんでね!!」
オーイ、たっぷり水の入ったバケツ持って来てくれー。そして反省しないコイツの頭の上に置け。
「……ご主人様のご指示ですので申し訳ございません!!バケツ、置かせて頂きます!!」
「く、首がぁああ!!!」
……。
「シンヤさーん、バトルしま、」
帰れ!!
「酷っ、最後まで話しを聞いてくれないシンヤさん酷っ!!可愛い女の子のお願いは聞いてあげるものが紳士ですよ!!」
あいにく私は紳士とは程遠い人間だからな。
「自覚あったんですね!!」
……そうだな、私は紳士とは程遠い人間だから、女でも容赦なく殴れるぞ……。
……。
「シンヤ……、あのさー……」
なんだ?
「あの……今日さ、その……、ちゅーしたの、怒った?」
……別に怒ってないぞ。
「ホントに?」
ホントに。
「じゃあ、シンヤから俺様にもちゅーして!!」
お前なぁ……。まあ、良いか、目を瞑れ。
「はい!!」
……くらえっ!!
「いってぇえ!!!」
デコピンだ。調子に乗るなよ?
「むぅ……」
なんだその顔は。
「可愛い顔」
ふははっ!そういう事を自分で言うな。
「ばば様は言うと良いって言ってたもーんだ!」
……。
「シンヤー」
なんだ。
「今、暇ー?」
暇じゃないと言ったらどうするんだ。
「暇にしてくれない?」
……なら、暇だと言ったら用件はなんだ。
「ちょっとお仕事手伝って?」
また溜めたのか……。お前は少しコツコツやるという作業を覚えるべきだな。
「苦手なんだって単純な繰り返し作業みたいなの……」
自分でやれ
「見捨てないで親友ー!!」
そんな事言っても私はお前ほど単純には乗らないぞ。
「うーわー……、ケチ!!」
親友のお前を思って言ってやってるんだ。単純な作業も自分でやるからこそ身に付くというものだ、違うか親友よ。
「シンヤにそういう事言われるとホント弱いんだからやめてよー……」
頑張れ親友、負けるな親友、私はお前を応援している。
「シンヤ……!!」
自宅で。
「シンヤー!!!!」
……。
………。
シンヤー。
今日は良い天気なんだよー、凄くお布団干したくなる天気!!
布団干してからシンヤに会いに来れば良かったかなー……。あ、でも急に雨とか降ったらヤだから、まあいっかー。
今日さー、来る途中でねワゴンで花屋さんが販売に来ててつい買っちゃったんだよー。
シンヤは何の花好き?あ、あんまり花とか興味無い?
僕は可愛い花が好きだからガーベラの小さい花束買ったんだ!!ガーベラ良いよー、色とかいっぱいあってさ!!まあ、この色は店員さんが選んでくれたんだけど。
あ、部屋に花瓶あったよね?勝手に飾っちゃうよー。
……、
………?
*