0話 さよなら世界
黄昏時、空が赤く染まり綺麗な夕日が見える山の上にあるとあるさびれた神社に、1人の少年がいた。
背格好からして中学生位だろうか?
病的なまでに白い肌、光を透さない程に濁った紅い瞳に、特徴的な白い髪を肩口まで乱雑に伸ばしている。
服装は秋ものであろう薄い黒の長ズボンに、白いカッターシャツのようなものを着、上から少し丈の長い長袖の黒いパーカーを羽織っている。
色合い的にどこかの学校の制服に見えないこともないが、シャツの胸ポケット部分に校章などが描かれていないことから恐らくは違うのだろう。
少年は神社の賽銭箱のある階段に座り込みぼやいた。
「はぁ、ここまで来りゃいいかな?」
少年は空を恨めしげに睨みつけながらぼやく。
「てゆーかまともに長時間日光にあたったの初めてかもしれん」
少年は少し前まで自分が居た所を思い出しながら空を眺め続けていると、ふとした瞬間に、
「んじゃ、そろそろ始めるか」
と言うなり、おもむろに羽織ったパーカーで隠されていた腰のホルスターから、木製のグリップに、少し長い銀色の銃身に『notion』と彫られた中折式のリボルバー拳銃を取り出す。
銃身を折ると、シリンダーのそれぞれの弾丸が込められる部分の上部に、それぞれローマ数字で
1番上にⅠの部分を合わせ、銃身を元に戻す。
それを自らのこめかみに突きつけながら唱える。
「んじゃいくか……『第一弾《必殺》
一瞬、装填された弾丸の1つが淡く紅い光を帯びる。
少年は目を瞑り、今までの出来事を思い出す。
「最初と最後だけ見たらクソみたいな人生だったな…。」
その後、今までの楽しかった出来事を思い出し、
「…まあ、いろいろ楽しいこともあったしプラマイゼロってことでいい…のかな?
あいつらにはあの世で土下座で済めばいいなぁ…」
別れの挨拶も出来ぬままに置いてきてしまった友人達を思い出す。
「まあ、あのクソジジイどもは絶対に許さんがな…!あの世から呪い続けてやる…!」
こうなった全ての元凶達に呪詛を吐き、
「そろそろ逝くか、……じゃあな、腐った世界とそこに住まうクソ共が…!」
その言葉を最後に、パァン と、乾いた銃声が寂れた神社に響き渡る。
銃弾は誤る事無く少年の脳にめり込み、そこに込められた効力を発揮する。
次の瞬間にはその少年の全生命機能が停止していた。
『────ッ!わ──の──いを────!』
──その直前なぜかとても聞き覚えのある声が聞こえた気がしたのであった…。