TS復讐鬼は幻想に生きる   作:竜野 ニア

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今回少し短くなりましたね


14話 紅魔館攻略中

「おじゃましてま〜す。ちょっと人探してるんですけど──」

 

 少女は紅魔館に入るなりそう声をあげる。「おじゃまします」ではなく事後報告らしい。

 

「?」

 

 入った途端、違和感を感じ、後ろを見るとまだ閉めてなかったはずの扉が既に閉まっており、ご丁寧に鍵までかけられていた。

 

「お、自動ドア?───ッ!?」

 

 扉に向けていた視線を前に戻すと、すでに目の前には何十という数のナイフが迫っており──

 

 

 その光景を、咲夜は玄関ホールの階段の上から眺めていた。

 

 この一連の現象を起こしたのはもちろん咲夜である。

 

 時を止めて扉と鍵を閉め、無数のナイフを投げおろした。

 

 たが、

 

「ほぅ、これを凌ぎますか」

 

 そこには無傷で手に持った槍を構え、咲夜を睨んでいる少女の姿があった。

 

「危ないな、なんでここの人はみんなひとの話を聞かないかな」

 

「これを初見で凌いだのはあなたで3人目ですよ」

 

 ちなみに1人目と2人目は霊夢と遥である。

 

「へー、まったく嬉しくない」

 

(時止めの能力か。ショートカットしにくいからめんどくさいな)

 

 少女がそんな軽口をたたいていると、再び無数のナイフが眼前に迫っていた。

 

「はぁ、しょうがない、ちょっと真面目にやりますか」

 

 そんなことをぼやきながら槍を使って淡々とナイフを弾いていく。

 

 

 少女のそんな様子を見ていた咲夜は、できるだけ早く終わらせた方が良いと考え、次は全方位から投げようと再び時を止める。

 

 が、

 

(あれ?あの侵入者はどこに?)

 

 先程までナイフを槍で弾いていたはずの少女がいない。

 

(ありえない。時を止めるまで絶対に視線は外してないはず)

 

 と、咲夜が考えていた時、背中に強い衝撃を感じ、咲夜は正面へ吹き飛ばされる。

 

 ──この時の止まった世界で。

 

「な!?」

 

 咲夜は地面に激突する瞬間、なんとか受け身をとることに成功し、振り向きざまにナイフを投げるが、

 

「後ろだよ」

 

 背後から聞こえた声の方へ振り向くと、その瞬間腹部に強烈な蹴りが入った。

 

「ぐぅ!!」

 

(なぜあいつは時の止まった世界で動ける?……いや、遥のような例外もいた。ありえない事ではない。でもなぜ私よりも速い?)

 

「はぁ、はぁ……あなたも私と同じ能力というわけ?」

 

「んー、正確には少し違うかな?まあ同じ事が出来るという意味ではそうなんだろうけど」

 

(あいつの隙をついて合わされる前に時を止めてナイフを投げる。それしか手がない!!)

 

「あいつといいあなたといい、わたしの世界に入りこむなんて人生何があるか分からない───わね!!」

 

 話の途中で能力を発動し、今手持ちのナイフを全て投げる。

 

 だが、投げたナイフは全て少女に届かず、放物線を描き少女の足下の床に刺さっていた。

 

 その代わりとでも言うように、いつの間にか咲夜の両肩、両太ももには銀色の小さなピックが刺さっていた。

 

「な、ぜ!?」

 

「まあ、こうくるとは思ってたよ。備えあれば憂いなし、ってね。じゃ、おやすみ」

 

 言いきるなり、少女は咲夜の背後に出現し、首筋に手刀を叩き込み、咲夜の意識を刈り取った。

 

「さてと、治療治療っと」

 

 少女は気を失っている咲夜の元へ近き、刺さっているピックに触れると、ピックが消え、カラン、という音と共に少女の足元に現れた。

 

 少女はすぐに傷口を治癒し、同じ手順を続ける。

 

 

─────────────────

 

 

 少しして、咲夜の治療を終わらせた少女は、廊下にてパチュリーと対面していた。

 

「人を探して──」

 

「あなたをこの先に通すわけにはいかないわ」

 

「やっぱりか。なんでみんな話を聞かないかな〜」

 

 一応言ってみたものの、本日三回目の無視でほとんど諦めている少女だった。

 

 そのまま少女は槍を、パチュリーは魔導書を周囲に浮かべ、構える。

 

「……魔導書だけで戦う人初めて見た」

 

「最近似たようなことを言われたわね。それじゃ、死になさい」

 

「やだね」

 

 

 

 ………結果だけを言うなら、勝負は直ぐについた。

 

 パチュリーが火、水、土等様々な属性の弾幕を張り、それらが少女に殺到した瞬間、少女はパチュリーの背後に現れており、手刀を首筋を叩き込み、その意識を刈り取った。

 

「……ごめんね。残念ながらこれ以上真面目にやってる余裕はないの。」

 

 少女はパチュリーが弾幕を張り始めたあたりから既にパチュリーが厄介な相手だと気付いており、強引に短期でけりをつける事にした。

 

 なによりこの先から異様な妖気が流れてきており、ここで消耗している場合ではないと判断したのだった。咲夜の時は不意打ちの機会を伺っていただけである。

 

「……はぁ、なんでこの館はこう厄介な人が多いかねぇ」

 

 実際、少女が美鈴、咲夜、パチュリーと正面から戦っていればここまでに負けている可能性は十分にあった。

 

 少女の能力が不意打ちに適していたからそうしただけである。

 

 あくまで目的は人探し、目的は忘れていなかった。

 

「治療……は必要無いかな。それじゃ、この先行きますか。こんなレベルの妖気いつぶりだろ……はぁ、早く見つけて帰りたい。でもこの先にいる気がするんだよねぇ」

 

 そんなことをぼやきながらその少女はまた紅魔館の奥に足を進めるのだった。




次で攻略編は終わりです
皆さんお気づきとは思いますがこの侵入者は誰なんでしょうね?
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