ゼノ「ムフェトまで面倒みてください」   作:wiguza

1 / 2


こちらは私のもう一方のFGO作品の息抜きで書きました。
まだまだ拙いですが、どうぞご覧ください。




0.のあ

 

 

 

 

 

「早く認知してください。正真正銘私は貴方の娘なんですよ。認知してくれないと龍脈かき回しますよ」

 

「とんでもねぇ脅し方してくるなぁ、この娘は」

 

 

 それは偶然の出会いがもたらした人と龍の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういや最近5期団目が頑張ってるらしいなぁ」

 

 俺ぁフィールドワークが好きなしがないおっさんだ。年数が分かるような場所から離れて久しい。自分の年齢なんぞ今になっちゃあ覚えてない。大団長あたりに聞けばそこら辺分かるかもしれんが、ここ数年会ってない気がする。

 

「マグダラオスの爺さんも死に場所が選べんとは……紹介した俺のせいでもあるかなぁ。今度背中の垢すりと蓄積物の撤去してやらないとなぁ。まだ死に場所探す程度でそこそこ元気な爺さんだしな」

 

 まぁ人であれモンスターであれ、生きるのに必死だ。マグダラオスの爺さんが死ぬだけで色々まずいことがあるのは知覚しているが、知り合いとして認識している身としては同情を覚えてならない。

 

 さて、目の前に見えるのは青く雄大な結晶群。生体エネルギーとやらを感じ取れない俺でさえ、何かしらの力が満ちていると感じ取れるこの場所。未だにこんな血湧き肉躍る景色が見られるとは。まだまだ発見の連続である。

 

「さて、ここら辺が竜ちゃんの言ってた[奥地]になるんかなぁ」

 

 そう。発見は自分初だが、ここの場所を示唆したのはここに居ないある人物なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しいな。ワーカーよ」

 

「げっ。竜ちゃんじゃない。よく場所が分かったな」

 

「なに、導虫に匂いは覚えさせている。来るのに多少骨が折れたとはいえ、君と違い私は竜人族。足腰には覚えがある。そういうワーカーこそ。斯様な場所、如何にして見つけたのやら」

 

「んー多分竜ちゃんが通って来たの俺とは別ルートの可能性あるぞ。俺はたまたま縄張り争いしてた奴が開けた穴を通ったら見つけた場所だし」

 

 俺が竜ちゃんと呼ぶこの人は、()()()()1期団のメンバーで竜人族である人。年中そこら辺歩いてんじゃないかってくらい足腰が強い。俺もそれなりに強い自信があるが、さすがにこの人程じゃない。

 

「ワーカー。お主のその我らをして目をむく踏破力を鑑みて、伝えたい情報がある」

 

「ほほう? 俺から竜ちゃんに情報出すのは分かるけど、竜ちゃんから教えてくれるって珍しいね」

 

「なに、普段お主から貴重な情報を享受している身。私から教えるのもまた一興であろう」

 

 いつも気にせんでいいよって言ってるのに……竜ちゃんはそこら辺律儀な人なんだよねぇホント。して、情報とな? 

 

「竜ちゃんは龍結晶の地の方で歩き回ってるんだっけか」

 

「如何にも。かの地には自然の化身たる古龍が集まる、力に満ちた地だ。しかしてなんの理由もなしに集まる事はない。古龍が起こされたのはネルギガンテが原因とはいえ、元々そこに古龍が居たのは事実。集まる要因、力が収束する何かがあそこにはある」

 

「マグダラオスの爺さんも惹かれる何かがあるって言ってたなぁ」

 

「お主のその()()()()()()()()()()は、いつ聴いても面妖なものだな」

 

「俺からすれば、竜ちゃんが()()()()()()()()()()()()()()()のも良くわからんもんだ。それと似たようなものだと思うぞ」

 

 昔竜ちゃんが生命エネルギーとか言い出した時に、訳分からんくてアホ面晒したのは今でも記憶に残ってる。その時は「大丈夫か? こいつ」とめちゃくちゃ心配したものだ。しかし俺の龍と言葉を交わす力も、竜ちゃんからすれば訳分からん力だったようで、色々聞かれたものだ。

 

 今はお互い[そういうもの]として深く気にしないようにしている。何せどちらも知識を得ることに対する行動力は他よりも高かった。両方ともこれ以上は不毛であると決着を付けたのだ。

 

 

「では情報を伝える。かの龍結晶の地で、龍脈……生命エネルギーの収束地を大まかに割り出したのでな。調査団や大団長にも伝える腹づもりだが、お主の足なら個人でも踏破なるであろう。私も大団長を連れその場所に行く予定だが、お主はどうも大団長に会いたくないように思える。先んじて其方に伝えようと思ってな」

 

「あーそういう事ね……。大団長なー。嫌いな訳じゃないのよ。だけどなんか合わないというか……多分相性? 的なのがよろしくないんだと思う。大団長の方はそうでもないみたいだから、俺の方の問題なんだろうけどね」

 

「其方は()よりも()と相性が良いのであろう。他の1期団のフィールドマスター、総司令、ソードマスターも、ハッキリとしたものではないが、壁を感じる時があると零していた。私はそんなことは無いのだがな。これに関しては私の種族も関係しているやもしれん」

 

 そんな風に見られてたのね俺。まぁマグダラオスの爺さんも「我らに近しい何かを感じる」とか言ってた時あるし、俺の中の何らかの部分が龍寄りなのかもしれん。

 

「竜ちゃん竜ちゃん。このまま話し続けると終わらなくなりそうだぞ」

 

「おっと。私としたことが。やはり其方との会話は他とは違う高揚感というか。これが気兼ねなく話せる関係というのか」

 

「嬉しいこと言ってくれるじゃない。それでそれで? その場所ってのは?」

 

「あぁ、地図を開いてくれ、この位置からだな…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 といった経緯があり、竜ちゃんから聞いてこの場所までやってきた。竜ちゃん曰く、「今までに起きた事象の原点が知れるだろう」との事。

 

 個人的には誰よりも先にこの景色を拝めた事自体がとても幸運で実に気分が高揚する。竜ちゃんはそういうとこも分かった上で教えてくれたのだろう。彼には感謝してもしたりない。今度また絶景の名所を語り合いたいものだ。

 

「さて、もう少し先がありそうだが……」

 

 目の前には来るものを拒むように乱立する数多の龍結晶。しかし、今までの経験と、ここから流れる今まで感じたことのないエネルギーの波から感じる。ここはまだ最深部ではないと。ならば踏破するのみ。己の足を信じて、まだ見ぬ先の景色を拝むために。

 

 

 

 進む。

 

 

 

 進む。

 

 

 

 

 底が少し水没。まだ進める。

 

 

 

 

 進む。

 

 

 

 進む。

 

 

 

 

 足の踏み場も無いほど生えた龍結晶。上から生えた龍結晶を掴めば進める。足の踏み場に注意。

 

 

 

 進む。

 

 

 

 進む。

 

 

 

 

 眼前に見える光が強くなる。

 

 

 

 

 進む。

 

 

 

 進む。

 

 

 

 

 

 見えた。

 

 

 

 

 

 太く生える龍結晶が2本。

 その奥にある1点に集中して収束する龍結晶の群体。

 その中心には眩い光を放つ(まゆ)のような物体。

 まるでこの場所の全てが繭を中心にあるかのような景色。

 全てのエネルギーをそこに。

 力を受けて輝く結晶(まゆ)

 

 

 思わず漏れるため息。

 

 この場所には何かの意味があるのだろう。

 

 ともすればこの新大陸を絶望へと陥れかねない存在かもしれない。

 

 存在を許してはならないモノなのかもしれない。

 

 はたまたこの大陸に生きるものに希望を与える象徴である可能性もある。

 

 だが、今そんなことはどうでもいい。

 

 この景色を見、思考する葦である俺が唯一口にできる言葉は。

 

 

 

 

「美しい……」

 

 

 

 

 ただ、その一言だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如耳に入る音。

 

 何かを破るような。

 

 

「っ!!!!!」

 

 

 マズイ。

 

 周囲を確認。

 

 動体は水以外視認できず。

 

 この静謐な場を荒らしたのは誰だ。

 

 ソレの起床の発端となったのは何者だ。

 

 

 

 

 

 俺だ。

 

 

 

 

 荒らしたつもりなど毛頭ない。

 

 荒らそうとしたわけでもない。

 

 しかしこの場にて、今現在において、この場におけるイキモノは。

 

 

 俺だけだ。

 

 

「……ちょっとマズイかも知れんなぁ……」

 

 

 私は知っている。

 

 彼らと言葉を交わせるからこそ知っている。

 

 かの者たちは基本的に自らに害なす者に容赦がない。

 

 彼らにとって不快を感じる者は排除する者と同義だ。

 

 今産声を上げる奴がどんな奴か分からない。

 

 しかし土足で踏み入り、目覚めの原因となったのは紛れもなく俺。

 

 故に覚悟せねばならない。

 

 が、しかし。

 

 

「……ん? 音が聞こえなくなった……?」

 

 

 繭から発せられていたであろう音が聞こえなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボトッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何かの落下音。目の前の繭、下側の方から何かが落ちてきた。何やらモゾモゾしている。落ちてきたソレも、繭と同じく眩い光を放ち、一目でエネルギーに満ちていることを感じられる。でもなんかモゾモゾしている。……というか繭に絡まれて出られなくなってる? 

 

「んー……こういう場合はどうしたらいいかなぁ……」

 

 個人的意見として、こう言った場合の自然現象は触れてはならぬ物だ。ヒトが関わるのであればまた話が変わってくるが、自然界で起きたことは自然の流れに任せるのが本来の形だ。

 

 食物連鎖がわかりやすいか。ここでもしあの繭のカケラの中身が何らかの生き物だった場合、あそこから出られず息絶えたとしても、その中身は何らかの形で自然へと還元される。

 

 

 

 たとえそれが弱肉強食、食われるのだとしても。

 

 

 

 あのまま放置しても生きているかもしれない。死んでしまって他の龍種……ネルギガンテなんかに食べられたりしてしまう可能性もある。しかし、食う食われるの関係こそ生態系の根幹であって。手を出すのはお門違いであって。

 

 

「………………」

 

 

 こういう時竜ちゃんなら何て言うだろうか。

 

 

『らしくないな、ワーカーよ』

 

 

()()()()()

 

 

 自身の行動力の原点は何だったか。

 

 

 

 [知識への飽くなき探究心]

 

 

 

 そうだ。自身の意思に否定的であってはならない。この思いは自身の根幹を成す感情だ。

 

 この状況下において、私は酷くあの現象に、あの眩く輝くモゾモゾした物体に惹かれている。

 

 隠し用のない事実であり、心震わせる光景だ。

 

 誰に言われたでもない、理屈で押し固めた[一般論]を取っ払って考えろ。

 

 

 

 自分は今、どうしたい? 

 

 

 

 体は勝手に動いた。

 

 もうこの思いを堰き止める(しがらみ)など存在しなかった。

 

 人によっては要らぬお節介、するべきでは無い行為と唾棄されるやもしれぬ愚行なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 そ れ が ど う し た ! 

 

 

 

 

 

 

 

 残念ながら一度「手を出す」と決めたらもう止まる事はできない。

 

 この激情こそ我が生きる道。

 

 今までの俺の環境全てを形成してきたとも言えるこの思いこそが俺の全てである。

 

 

「一丁お節介を焼くとしますか」

 

 

 その輝く殻を取り払う。

 

 

 しかして中から現れたのは!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んぅ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……んぅ? 

 

 ぶつかる瞳。

 

 なんか角っぽい部分に複眼? みたいのがあるので、実際瞳の数が対ではないが。

 

 全体的に青白い色をした幼い女の子。

 

 女の子? 

 

 女の子でしょ。知らんけど。(ヤケクソ)

 

 女の子座りして首傾げながらキョトンとしてる。

 

 そして体全体に纏うように付いている膜のようなモノ。

 

 何かのエネルギーを受けてゆらゆらと輝く。

 

 容姿だけで言えば[可愛い]に分類されるが、着ている? 服は[美しい]の一言だ。

 

 しかしアンバランスさは感じられない。

 

 っていうかこれ服? そもそもこういう姿? 

 

 色々知的好奇心が擽られる姿である事は間違いない。

 

 だが俺の口から出た言葉は意外にも頭の悪そうな言葉だった。

 

 

 

「なんだこの可愛い生き物」

 

 

 

 IQが下がってそうなセリフが出てしまった。

 

 

 

「……おとーさん?」

 

 

 

 おっとぉ? 

 

 おい幼女。今なんて言ったお前。(キャラブレ)

 

 落ち着け俺。

 

 落ち着いた俺。

 

 とりあえずさっきの言葉からしてこの幼女、さっきの繭から()()()()存在みたいだな。そうなるとこの幼女本人から情報を聞くのは無理だろう。とりあえずは都合よく父親として振る舞って、彼女をどう隠すか考えよう。

 

 誤解を解く? 隠さず報告しろ? 

 

 うるせぇ! 目の前に未知があってご都合展開が転がってきたんだ! 手放すつもりは無ぇぞ! (本性露呈)

 

 もし連れてくにしてもずっと[この幼女]呼びは面倒だ。仮称でいい。名前を考えねば……。

 

 

「………………」

 

「………………?」

 

「よし、今日からお前は[ノア]だ。そう名乗れ」

 

「のあ……のあ?」

 

「そう。お前、ノア。俺、お父さん。記憶したか?」

 

「わたし……のあ……おとうさん……」

 

 

 関係ないけど犯罪犯してる気分になる。

 

 やってることは刷り込みだから犯罪とはちょっとちがうかもだけど。

 

「ノア。連れ歩くのにはお前は少し大きい。手に乗れるくらいの大きさになれないか?」

 

「のあ、おおきい、ちいさい、なる?」

 

「そうだ。できるか?」

 

「……んぅー……」

 

 うんうん唸るノア。流石に不思議な存在とはいえ、サイズ可変は無理か? と思った矢先。

 

 

シュウゥゥゥゥ……

 

 

「おぉ……」

 

 

 うんうん唸りながら、ゆんゆん揺れながら、少量の煙? を出しながら小さくなっていくノア(仮称)。

 

 凄い。何それどうなってんの。

 

 みるみるうちに掌に乗るサイズに。

 

 持ち上げて掌に乗せる。

 

 

「良くできました」

 

 

 指で頭を撫でる。

 

 

「んゅ……」

 

 

 くすぐったそうに身をよじるノア。ここまで小さくなればポケットサイズ。とりあえずは頭に乗ってもらおう。とりあえずお持ち帰りしてから考えよう。

 

 あと竜ちゃんには後で報告せねば。

 

「んー。うにゅ」

 

 なんか導虫が頭の上でノアと遊んでら。()()()()が青いし、多分ノアちゃん古龍よな。

 

「帰るぞ。落ちないようにな」

 

「のあ、おとうさん、かえる、おちない」

 

「よしいい子だ」

 

 このまま来た道を帰ろう。まだ大きな繭が残っているが、後で5期団がどうにかするでしょ。あとで竜ちゃんが教えてくれるだろうし。

 

 

 この選択が今後にどう影響するかは分からん。しかし楽しくなりそうなのは確かだ。

 

 

 

 

 




ゼ「ノ」・ジーヴ「ァ」 → ノア

冒頭より本編の方がノアちゃんの喋りが拙いのは仕様です。

FGOの方と手法が変わんないのはうぷ主の弱点なので気にしないでください。

もっと可愛い、尊いが書きたいけど、まだ始まったばかりでてぇてぇできない…。可愛いが書きたい…。でも続きを書かないと書けない…。

頑張ります。(低空飛行)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。