ありふれない怨霊こそ世界最愛   作:白紙

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過去話で恵里の名前が間違っていたのを修正。まさか16話目にしてようやく気付くとは思わなかった・・・。


16.連携

 橋の両サイドに、社達を挟み込む様に現れた赤黒い光を放つ魔法陣。通路側の魔法陣は1つだけだが、サイズが10m近くある。階段側の魔法陣は1m位の大きさだが、代わりにと言わんばかりに(おびただ)しい程の数がある。

 

 小さな無数の魔法陣からは、骨格だけの体に鎧と剣を携えた魔物〝トラウムソルジャー〟が溢れるように出現した。空洞の眼窩(がんか)からは魔法陣と同じ赤黒い光が煌々と輝き目玉の様にギョロギョロと辺りを見回している。その数は、既に100体近くに上っており、今尚増え続けているようだ。

 

 10m級の魔法陣からは、同じく体長10m級の四足で頭部に兜のような物を取り付けた魔物が出現した。第一印象ではトリケラトプスの様にも見える。が、瞳は赤黒い光を放ち、鋭い爪と牙を打ち鳴らしながら、頭部の兜から生えた角から炎を放っているという非常に嬉しくない付加要素が付いていた。

 

(どう考えてもヤバいのは反対側だけど、ガイコツ擬きは数がいる。どっちに対応するか・・・!)

 

 社が逡巡してる間に、トリケラトプスーーーメルド団長曰く〝ベヒモス〟と呼ばれる魔物ーーーは、大きく息を吸うと凄まじい咆哮を上げた。

 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

「ッ!?ーーーアラン!生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ!カイル、イヴァン、ベイル!全力で障壁を張れ!ヤツを食い止めるぞ!光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」

 

「待って下さい、メルドさん!俺達もやります!あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう!俺達も・・・」

 

「馬鹿野郎!あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ!ヤツは65階層の魔物。かつて、“最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ!さっさと行け!私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」

 

 メルド団長の鬼気迫る表情に一瞬怯むも、「見捨ててなどいけない!」と踏み止まる光輝。どうにか撤退させようと、再度メルドが光輝に話そうとした瞬間、ベヒモスが咆哮を上げながら突進してきた。このままでは、撤退中の生徒達を全員轢殺(れきさつ)してしまうだろう。ーーーそうはさせるかと、ハイリヒ王国最高戦力が全力の多重障壁を張る。

 

「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さずーーー〝聖絶〟!!」」」

 

 2m四方の最高級の紙に描かれた魔法陣と四節から成る詠唱、さらに3人同時発動。1回こっきり1分だけの防御であるが、何物にも破らせない絶対の守りが顕現すると、純白に輝く半球状の障壁がベヒモスの突進を防ぐ。

 

 衝突の瞬間、凄まじい衝撃波が発生し、ベヒモスの足元が粉砕される。橋全体が石造りにもかかわらず大きく揺れた。撤退中の生徒達から悲鳴が上がり転倒する者が相次ぐ中、その隙を見逃す程骸骨の騎士達は甘い魔物では無い。

 

 トラウムソルジャーは本来38階層に現れる魔物であり、今までの魔物とは一線を画す戦闘能力を持っている。前方に立ちはだかる不気味な骸骨の魔物と、後ろから迫る恐ろしい気配に生徒達は半ばパニック状態だ。

 

 隊列など無視して我先にと階段を目指してがむしゃらに進もうとする生徒達。騎士団員の一人、アランが必死にパニックを抑えようとするが、目前に迫る恐怖により耳を傾ける者はーーー。

 

 

「全員静聴!」

 

 

 ビリビリと、空間が揺れたと錯覚する程の大声が響き渡る。余りの大声にパニックを起こしていた生徒達が固まると同時に、生徒達の隙を突かんと襲い掛かろうとしていたトラウムソルジャー数体が1()()()()()()()()()

 

「全員アランさんの指示に従え!ハジメはバリケード!幸利は闇術を前に出て来るヤツにだけ集中的に!恵理は魔法の準備!」

 

 大声の主である社は、生徒達が放心している間に即座に指示を飛ばす。いつの間にかその肩には、寄り添うかの如く白毛に空色の紋様が走ったロップイヤー*1が乗っていた。

 

「ッ了解!」/「分かったよ!/「俺もかよ!?クッソ、人使い荒いなオイ!」

 

 社の指示を聞き、その意図を瞬時に理解したハジメと、社の事を微塵も疑わない恵里が即座に行動を開始。少し遅れたものの、腹を括ったのかヤケクソ気味な幸利が後に続く。

 

「アランさん!俺が前に出て注意を引くんで、その間に騎士団員の人達で皆をまとめといて下さい!」

 

 ハジメ達が動き出したのを確認した社は、投げ捨てる様にアランに叫ぶと、そのまま返事を聞かずにトラウムソルジャー達に吶喊(とっかん)する。

 

 

 

「錬成ッ!」

 

 生徒達とトラウムソルジャーとを分断するように現れるバリケード。高さ1mほどしか無いそれは、1枚だけなら何の意味も無いだろう。しかし、社が出した指示の意味を正しく理解していたハジメは、とにかく数を作る事に専念した。規則正しく並べる必要は無く、高さも不揃いで不格好。只々(ただただ)縦に横にと数を揃えただけのそれは、しかし確かに魔物達の進軍を遅延させる。

 

 今のハジメの錬成範囲は2m弱。無闇に骸骨達と近づく必要は無いが、それでも遠すぎては意味がない。ステータスは文句無しの最弱である為、何かの拍子に襲われようものならひとたまりも無いだろう。

 

 それが分かっていて尚、ハジメが迷う事は無い。力が無いのは織り込み済み。恐怖が無い訳でも無い。だが、それでも。友人の力となる為に、クラスメイトを助ける為に、ハジメは勇気を振り絞る。力が無くとも優しさで困難に立ち向かう錬成師は、30秒にも満たない僅かな、されど値千金と言える十数秒を創り出す。

 

 そんな友人の勇気に応える様に、社はバリケードを難無く飛び越える。その先では、剣を構える骸骨の騎士達が無数に(うごめ)いていた。着地と同時に振り下ろされる多数の剣撃は、しかし若き『呪術師』には擦りもしない。今代の勇者との真っ向勝負で剣の一振りも当たることの無かった社に、数が多いだけの剣を当てられる道理は無い。

 

「ーーー砕け、『木霊兎(こだまうさぎ)』!」

 

 式神の名を叫びながら、社は震脚を放つ。ダァン!と小気味良い音が響くや否や、地面を踏み締めた社の足から、増幅された振動波が放たれる。社を中心として半円を描く様に放射状に放たれた衝撃波は、地面を伝い近場のトラウムソルジャー達の足と下腿部を破壊した。

 

 倒れ伏しもがいている骸骨達にトドメを刺さず、あくまでも時間稼ぎに徹する社。転がした骸骨達を時には遮蔽に、時には蹴り上げて即席の弾にする事で、次々に迫り来るトラウムソルジャー達に対応していく。大切なものを守る為、最愛の人に呪われた『呪術師』は自らを盾とする事も(いと)わない。

 

 しかしそれにも限界はある。社が撃ち漏らす、或いは物理的に手の届かない所から、バリケードを突破しようとする魔物が現れる。恵里の詠唱は終わらず、アランも未だ生徒達を統率仕切ることは出来ていない。

 

 数に任せて無理矢理進もうとするトラウムソルジャー達だったが、その直後にバリケードを超えた数体が、凍り付いたかの様に動くのを止めた。身動きが取れなくなった骸骨達を、曲芸師もかくやと言う動きでバリケードの上を移動して来た社が粉々に砕く。

 

「あークソ、こんなとこで頑張るキャラじゃねぇんだけどなぁオイ!」

 

 再びトラウムソルジャーに向かって吶喊する社の背中を眺めながら、誰に聞かれずとも悪態を吐く幸利。骸骨達の動きが止まったのは、幸利が発動した闇属性魔法が原因だった。

 

 ハジメがとにかくバリケードの「量」を求められたのに対し、幸利に求められたのはより効果的な魔法の「質」だった。術を掛ける対象を、「バリケードを超える、或いは超えそうな魔物」のみに限定する代わりに、闇属性魔法の効力をギリギリまで高めて発動していたのだ。

 

 無論、これも簡単に出来ることでは無い。闇属性に対しての高い適正は必須であるが、それと同時に「何匹の魔物に」「どのタイミングで」「どれだけの時間」魔法をかけるかを即座に判断しなくてはならないからだ。

 

 曲がりなりにも幸利にそれが出来ているのは、闇属性魔法に天賦の才を持つというのが半分。もう半分の理由は、幸利が社の実力をこの場の誰よりも把握しているからである。

 

 幸利もハジメや恵里と同様に、『呪術』絡みの事件がキッカケとなり社との交友が始まっている。1つ異なる点が有るとすれば、それは幸利のみが、巻き込まれた事件の中で死んでもおかしく無い様な目に合っている事だろう。

 

 幸利には多少のトラウマが残ったものの、最終的には社によって事件は解決された。その際に、幸利だけは社の全力を見ているのだ。社本人を除けば、この世界で最も社の力を把握しているのは幸利である。

 

 だからこそ幸利は社の実力を疑う事も、逆に過信する事も無い。あの事件から4年近く経った今、社は以前よりも遥かに強くなってはいるが、戦い方までは大きく変わっていない。「社が取りこぼす魔物はどれか」「どのタイミングでバリケードを超えた魔物を処理しに来るか」を感覚的に把握している幸利は、綱渡りながらも際どい均衡を確かに保ち続けていた。自らに喝を入れる様に悪態を吐きながら、偽悪的な闇術師は誰よりも堅実に自らの仕事を全うする。

 

 そうしてハジメが創り出した十数秒は、社により加算され、幸利に引き延ばされ、減らされる事なく恵里に繋がれる。

 

(社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られた社君に頼られたーーー絶対に成功させる)

 

 恵里はハジメとは異なる理由で、誰よりも速く行動を開始していた。ハジメが社の指示を理解し、合理性を見出して行動したのに対し、恵里は「社に頼まれたから」と言う理由のみで即座に詠唱を始めたのだ。

 

 恵里の心の根底に有るのは、社への愛情である。好きな人に頼られたから、或いは任されたから。酷く単純明快で、戦場で抱くにはあまりにも不釣り合いに思える理由。場合によっては害悪となってもおかしく無い程の盲目的な愛はしかし、一刻を争うこの事態を打破する、最高の一手を放つ為の大きなプラスとして働いた。

 

 魔法を学び始めてから半月。仮に魔法詠唱速度の自己記録があるとするなら、それを大幅に上回る速さと正確さを叩き出して、魔法の発動準備を(こな)す恵里。発動を試みるのは、自らに適性のある炎属性の上級魔法。

 

 今のレベルでもギリギリ撃てるかどうかという魔法を、針の穴を通す様な正確さで一切の淀みなく詠唱していく。一意専心、ただ1人のことを想い続ける恵里の集中力は、過去最速最高の一撃として発動する。愛に生きると決めた死霊術師は、正しく愛の為に自らの才覚を十全に発揮していた。

 

「社君、中村さん準備出来たよ!」

 

「了解!ハジメはタイミング見てバリケード崩せ!ユッキーサポートよろしくぅ!」

 

「余裕かましてんなや!あとでなんか奢れコラ!」

 

 詠唱中の恵里に代わってハジメが合図を行う。それを聞いた社は即座に後退を決断。追い討ちをかけんとバリケードを越えようとする骸骨騎士達に対し、ハジメはバリケードを元に戻す様に崩す事で躓かせる。それでも尚諦めない数体には、幸利が闇属性の魔法で対処。そして遂に、恵里の魔法が完成する。

 

「ーーー〝炎天〟」

 

「っ!?れ、錬成!」

 

 恵理が発動した魔法の名は〝炎天〟。超高温の炎を球体として落とす事で、周囲一帯を焼き尽くす炎系上級攻撃魔法である。社達が十分に距離を取ったのを見た恵里は、トラウムソルジャー達の真上から特大の火球を落とす。余りの威力に、余波として炎熱が社達にも届きそうになるが、咄嗟にハジメが壁を錬成して事なきを得る。

 

 火球が生み出した熱風が収まる頃を見計らい、ハジメは作り出した壁を元に戻す。社達の眼前に広がったのは、火球の直撃によって燃やし尽くされたであろう骸骨の残骸と、焦げた床。ーーーそして奥から迫り来る無傷のトラウムソルジャー達である。

 

「かー、嫌になるぜクソが。あんだけやってもまだこんなにいやがるのかよ」

 

「いやぁ、さっきので数十体は消し飛んだはずだから、4割強は確実に減ってる筈なんだけどね」

 

 ゲンナリする様に呟く幸利と、倒したトラウムソルジャーの数を冷静に計算しているハジメ。どちらも多少の疲れは有る様だが、迫り来る魔物達を見てもその顔に絶望が浮かぶ事はない。

 

「もう一回魔法撃つ準備した方が良いかな、社君?」

 

「いや、もう十分だ。回復薬だけ飲んどいてくれ。ーーー助かった、ありがとう恵里」

 

「ーーーうん!どう致しまして!」

 

 社からの感謝に、満面の笑みで答える恵里。負担は大きかっただろうに、疲労を全く感じさせ無かった恵里の顔は、社の一言で全てが報われたと言わんばかりに輝いていた。先の2人だけでなく、社と恵里の顔にも諦めや絶望と言った負の感情は見られない。だが、それも当然である。()()()()()()()()()()()()

 

「・・・済まない、待たせてしまった。俺も加勢しよう」

 

「いや俺もいるからね!?忘れんなよ!?」

 

 迫り来る骸骨騎士を迎え撃とうとする社の横に、並び立つ2つの人影。〝重格闘家〟永山(ながやま)重吾(じゅうご)と〝暗殺者〟遠藤浩介(えんどうこうすけ)である。

 

「お前達!隊列を乱さず落ち着いて対処しろ!連携して当たれば、コイツらが幾らいようともお前達の敵じゃ無い!あの4人に続けぇ!!」

 

 アランの声が響き渡ると同時、体勢を立て直した生徒達と騎士団員がようやく社達と合流する。社達4人の目的は、最初から生徒達が復帰するための時間稼ぎであった。

 

 騎士団員達の指揮の下、生徒たちが持つチート染みた力量は今度こそ正しく発揮された。前衛職はしっかり隊列を組み、倒すことよりも後衛に敵を通さぬよう、守りを重視した堅実な動きを心がける。傷つく前衛を治癒魔法に適性のある者がこぞって癒し、魔法適性の高い者は後衛に下がって強力な魔法の詠唱を開始する。

 

 魔物達に立ち向かう生徒の表情には、既に絶望の色は無い。誰もが突然の襲撃にパニックを起こす中、たった4人で100を超える骸骨騎士に立ち向かっていった姿は、焦りと恐怖により曇っていた生徒達の目に焼き付いていた。1+1が4にも10にもなるような、まさしくお手本のような連携。流れる様に協力する4人を見守る中、しかし最も生徒達の心を震わせたのは、誰よりも無力だったハジメの戦う姿だろう。

 

 ハジメがありふれた天職持ちだと判明した時、ハジメを馬鹿にする人間は()()いなかった。それはハジメが所謂「お人よしの良い奴」である事が、クラスの中で周知の事実であったからだ。しかし、ハジメが最弱のステータスを持っていたことに内心安堵していた生徒がいなかったわけではない。人間とは自分よりも下の人間を見ると、落ち着きを感じてしまう生き物だから。

 

 騎士団員からしても、当初のハジメの評価は〝最弱〟から揺るがず、期待もされていなかった。時に命を懸けて戦わなければならない騎士たちにとって、過度な期待とは死に繋がりかねない、甘い考えであったからだ。騎士団員はメルドを筆頭に気の良い連中が集まっていた為、「まぁ、一人くらいそういうやつがいても良いだろ」くらいであまり気にしてはいなかったが。

 

 それが今やどうだろう。ハジメは社の指示を聞くや否や、真っ先に魔物達の前に立ちはだかり、怯む事なく自らの力を振るっている。自分の仕事が終わろうとも、絶えず気を張りサポートに徹する。ハジメ自身は自らを〝無能〟と卑下していたが、この姿を見てそう思う人間はほとんど存在しないだろう。

 

 光輝が持つカリスマの様な、1人の特別な存在に依存する士気の上げ方ではない。メルドの様に人柄と実績を兼ね備えた存在の、積み重ねた信頼によるものでも無い。自分達と同じか、それよりも弱い存在が死力を尽くして自分達を守る為に戦っている。ハジメ本人は意識せずがむしゃらに戦っていただけだろうが、その後ろ姿は確かに生徒達に勇気を与えていた。

 

「「「「「オオオォォォーーーーー!!!」」」」」

 

 生徒達を統率し終えた騎士団員達も加わり反撃の狼煙が上がる。意気軒高、文字通り気炎を上げて魔物達を迎撃していく一同。チート達と騎士団による強力な魔法と武技の波状攻撃が、怒涛の如く敵目掛けて襲いかかる。ここにきて最高潮まで上がる士気は、そのまま魔物達の殲滅速度という目に見えるものに変換されていく。圧倒的なまでの処理速度は、魔法陣による魔物の召喚速度を既に超えていた。

 

「お前ら!このまま団長達が退避してくるまでに此処を突破する!気を抜くなよぉ!」

 

(これでもうこっちは大丈夫だろ。後は向こうか・・・)

 

 アランの指示の下、召喚される魔物の湧き潰しを行いつつ階段前まで突破を図る一同。しっかりと連携が取れている為、召喚される端からトラウムソルジャー達は即座に叩き潰される。余程の事が無い限りこの均衡が崩れることも無いだろう。絶えず骸骨達を砕きながら、雫達の事を考える社。

 

 しかしその直後、橋を揺らす振動と共に大きな光が立ち上がる。社がすぐさま魔物達を一掃し背後を確認すると、ベヒモスに向けて極光が放たれていた。轟音と共にベヒモスに直撃した光は、白い閃光を放ち辺りを白く染め上げる。

 

 数秒後に戻った視界に映ったのは、無傷のように見えるベヒモス。全く効き目が無かった訳では無いだろうが、行動に支障は無いのか低い唸り声を上げ、光を放った光輝達をを射殺さんばかりに睨んでいる。

 

「(ヤバイ!!)済まん、皆ここ頼む!!ーーー来いっ、『狗賓(ぐひん)(からす)』!」

 

「ーーーッ、任せろぉ!!」

 

「いきなり!?いや、了解ーーーって飛んだぁ!?何でもアリだな宮守!?」

 

 前線にいた重吾と浩介に一声掛け、すぐさま別の式神を呼び出した社。2人の返事を聞く間もなく、宙に舞う式神と共に背後にいた生徒達と騎士団の隊列を()()()()()()()()と、そのまま隊列の最後尾に着地。「え、宮守君!?」と驚きの声を上げる女子生徒を無視して加速、そのまままっすぐに光輝達の所へ向かうのだった。

 

*1
兎の品種の1つ。所謂垂れ耳の兎

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