ありふれない怨霊こそ世界最愛 作:白紙
○月△日
2日目にして早くも書くことが無い。いや、前日の夢の内容が濃すぎるのも問題なんだろうけど。今どきの高校生であり、一応ながら優等生という認識をされている俺は、必然的に1日の大半の時間を学校で過ごす訳だし、帰ってからも一人暮らしだから家族と何か出来るわけでも無い。『呪霊』やらをしばき倒すバイトも実入りは良好だが頻度は少ないし、今のところ読みたい本や欲しいゲームも無い。そのため今現在も日記に書く内容をうんうん唸りながらひねり出そうとしているところである。・・・俺の青春は大丈夫なのか、色々な意味で。
○月▷日
日記に書くネタがなく、このままでは三日坊主以下と言う屈辱的な謗りを受ける他ない俺だったが、ふと「書くのは別に自分の事じゃ無くてもいいんじゃね?」と思いついた。なるほどそれならばと俺の周りの人間関係について考えたが、あらためて自分の交友関係の狭さに気づく。とりわけ友人と呼べるのはたった4人だけであり、その内3人が呪術関連のゴタゴタでできた友人と言うオチ。やだ、俺の友人少なすぎ・・・?
無い物ねだりをしていても仕方ない。幸いにもこの4人は、付き合いがあまり宜しくない俺に対しても優しく、或いは遠慮なく接してくれる掛け替えのない友人なのだ。友人関係とは必ずしも質より量ではないとも思うので、無い物を求めるのではなく、今、俺の周りにある物を大切にしていきたい。
尚、相変わらず自分の事で書くネタを見つけられなかったという事実に関しては目をそらす事にする。大切なのは俺の事じゃなくて友人4人の事だからね、仕方ないね。
○月▽日
俺は悟った。毎日書こうとするからネタが無いのだ。何か印象的な事があった時だけ日記を書けばいいのだと。文字通りの日記では無くなるが、背に腹は変えられない。という訳で、これからは無理しないペースで日記を書いていきたいと思いまーす。・・・何かこのまま書かなくなるフラグに思えてきた。
○月◁日
苦肉の策としてネタ探しのために、友人2人に日記を書いていることを暴露すると、その中の1人に「これって
この友人2人というのは以前日記に書いた通り、呪術関連のゴタゴタで知り合った3人の内の2人なんだが、その全員が■■ちゃんが俺に取り憑いているのを知っている。全てでは無いにしろ、彼らには俺側の事情を話してはいるんだが、それでも変わる事なく俺と友人になり、今まで交友を続けてくれる辺りは感謝してもしきれない。高校の友人は一生の友人と聞くし、これからも末永い交友を願いたいものである。
しかしながら、■■ちゃんに見せるため、という発想はまるで無かった。日記とは自分で記し、自分で見るものであると言う固定観念があったため、人に見せるという考えはまるで無かったな。いわゆる交換日記というものになるのだろうか。俺側からの一方通行だけど。これぞまさしく晴天の霹靂と言うやつだろう。■■ちゃんに見せるため、と考えるのであれば、日記を書く手にも熱が入ると言うものだろう。よく言ってくれた友よ。
・・・それはそれとして2人して呆れたような目でこっちを見ていたことは気になったが。
○月▲日
■■ちゃんに見せるため、という理由も加わった今、単に日々の出来事を日記に綴っていくだけというのは味気ない気がした。そこで、並行して俺の周りの人間についても記していこうと思う。彼ら彼女らには無断で書くことになるが、まぁ変な事や恥ずかしい事は書かないし、現状■■ちゃん以外に見せる予定ないしヘーキヘーキ。
という訳で、明日からさっそく書いていこうと思う。栄えある最初の犠牲者紹介者は、わが親愛なる友人1号、
○月▶︎日
この前日記で書いた通り、今回は俺の友人である南雲ハジメを、俺の独断と偏見で紹介したいと思う。お前さんがこの日記を見る事はないだろうが、なんか間違った事書いてたら済まんなハジメ。
ーーー南雲ハジメ。俺と同じ高校に通うクラスメイトであり、4人いる友人の1人であり、俺が『呪術師』である事やその理由を知っている1人でもある。性格は温厚そのもの、人畜無害であるとは本人の弁。しかしながら人をよく見る目を持っており、友達4人の中では一番冷静なのかもしれん。
それとハジメを語るのに欠かせないのが、重度のサブカル好き、所謂オタクである事だろう。なんせ父親が超一流のゲームクリエイター、母親が大人気少女漫画家であり、その教えと薫陶を愛情と共にたんまり注がれたのだからそりゃああもなるだろうな。かくいう俺も、ハジメのその知識を活かしてもらい、幾つかおススメの本を見繕ってもらった事もあるが、例外なく俺好みのモノばかりだったのでとても感心した記憶がある。今では両親の仕事すら手伝っており、その実力も一線級とか。挙句の果てには、
実の所、ハジメとの出会いは友人4人の中では最も遅いものであり、付き合いの長さで言えば3年も無い。しかしながら、そんな時間の長さなんて物は気にならない程には、俺はハジメの人格も性格も友人として心から信頼しているし、出来る限りハジメの力になってやりたいとも思っている。
これに関しては今となっては笑い話にしかならないんだが、ーーー何せ勘違いとは言え、初対面にも関わらず俺を庇うために、怨霊となった■■ちゃんに立ち向かったのだから、そりゃ信用も信頼もするってモノだ。
追記.何か見直したら凄い恥ずかしい事書いてないだろうか。これハジメ本人に見られたら悶死しないかな、俺?まあ、見せなければ良い話か。
後でガッツリ見られます。