ありふれない怨霊こそ世界最愛   作:白紙

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22.異世界より②

 <0日目(ハジメと合流した当日)>

 

    【⭐︎祝⭐︎】南雲ハジメ氏生存確定【⭐︎祝⭐︎】

 

 復ッ活ッ 南雲ハジメ復活ッッ 南雲ハジメ復活ッッ 南雲ハジメ復活ッッ

 

 書き出しから情緒がおかしいけど、これに関してはハジメが生きててくれたんだからしゃーない。『呪術師』なんて頭イカれてなきゃやってられない職種の俺にとって、数少ない友人であり、家族以外での理解者でもある存在が生きててくれたのだ。最悪遺体すら見つからない事も考えていたのだから、コレでテンションが上がらないなんて事があるだろうか?いや、ない。ーーーああ、本当に。本当に良かった。もう、俺の周りに居る人が、俺の無力で死ぬのは嫌だ。

 

 ・・・何かこのままこの話を書き続けていたら、思考の泥沼に沈みそうなので話題を変えよう。今現在俺とハジメは、この階層でハジメが拠点として使っていた場所に居る。何でもこの部屋、入口を錬成で逐一作っているらしく、他の魔物が入り込めない様になっているのだ。器用な事する奴である。

 

 何とかハジメと再会する事が出来た俺は、多少の問答(と電撃による制裁)の後、お互いの情報を交換する為に一度落ち着いて話をする事にした。そこで迷宮の探索を一時中断して、この部屋にやってきたのだ。

 

 電撃に関してはもうちょい手加減してくれても良かったと思ったんだが、ハジメに「お前は実の両親に腐男子だって誤解されるのを許容出来るのか?」と言われたら、ぐうの音も出なかった。と言うか、■■ちゃんにそんな誤解されようものなら、俺は人目を(はばか)らず(むせ)び泣く自信があったから残当だった。

 

 今はもう痛みは無いが、電撃食らって暫くは全身日焼けしたみたいにヒリヒリしていた。この感想をハジメに伝えた時「やった俺が言うのもなんだが、なんであれだけ電撃食らってヒリヒリで済むんだよ、お前は・・・」という台詞と共に化け物を見る様な目を向けられたのは非常に心外であった。腹いせに「やーい、ハジメの見た目、厨二病〜」って言ったらガチ凹みしてたのにはビックリしたが。このネタで弄るのは、武士の情けでやめといてやろう。・・・(しばら)くは。

 

 話が逸れた。部屋に着いた後、先に事情を話し始めたのは俺からだった。とは言っても、此処に来るまでの経緯を掻い摘んで話しただけだが。ハジメが橋から落とされた後、後を追おうとした俺が■■ちゃんに気絶させられた事。次に気付いた時には迷宮の外にいた事。目が覚めた俺が、ハジメを落とした犯人である檜山を拷問紛いに問い詰めた事。錯乱しながら「香織のためだ!」と妄言を垂れ流していた檜山を念入りに焼いた事。周りの静止や恵里の頼みを断って単独で迷宮に潜った事。俺が知る全ての事情を、包み隠さずに正直に伝えた。

 

 予想外な事に、ハジメは誰が犯人が薄々気付いていた様で、檜山の名前を聞いた後も特に取り乱す事なく黙って俺の話に耳を傾けていた。その辺りの考えを聞いてみたところ「あの馬鹿に(こだわ)っている暇なんかねぇだろ」との事。発言が男前過ぎませんかねハジメさん。

 

 ・・・やはり、長い期間迷宮内部で地獄の様な状況で生き延びた事は、ハジメの精神に少なくない変質を(もたら)したのだろう。ハジメの事情を聞いた後ならば、それも仕方のない事だと思えてしまう。だが、「仕方ない」の一言で済ましてしまう事もまた、俺には出来ない。

 

 幸いにして、性格と言うか根っこの部分が変わった訳では無さそうなのは、今までの会話で分かっている。ハジメ作の拳銃(ドンナーと名付けたらしい)について話を振った時には嬉々として蘊蓄(うんちく)を語り出していたし、俺がメルドさん達に迷宮入りを止められそうになった時に「もし俺の邪魔をしたら■■と全力て暴れます」って言って黙らせた話をしたら「脅迫じゃねーか!!」ってキレキレのツッコミを見せてたからな。願わくば、少しずつハジメが余裕を取り戻してくれる事を祈ろう。

 

 俺の話が終わった後、今度は俺がハジメの事情を聞く番だった。肝心の内容についてはーーーこの日記に書くのは止めよう。それ程までに、語られた内容は筆舌(ひつぜつ)に尽くし難い物だった。

 

 (うしな)われた左手に関しては『呪力反転』を使用すれば治る可能性がある事を告げた。だが、どれだけ時間がかかるか未知数である事を理由に、治療を拒否されてしまった。今は何よりも此処からの脱出を優先したい、と言うのがハジメの考えの様だ。

 

 この件に関しては後悔しか生まれない。どうしようもない事だが、もう少し早くハジメの元に辿り着いていれば、という思いは消し切れない。思わずハジメに謝罪してしまったが、当の本人は「生きてるんだから問題無ぇだろ」と鼻で笑うばかりだった。その太々(ふてぶて)しい優しさに、少しだけ救われた気がした。

 

 自分の周りに居る人達だけで良い、手の届く範囲の人だけで良いから幸せになって欲しいと思うのは傲慢なのだろうか。日記を書いている今でも答えは出ない。でも、それでも歩みを止めるわけには行かないのだろう。ーーーもっと強くならなければ。もう二度と、俺の周りの人に訪れる理不尽に負けない様に。

 

 

 

 とまあ、俺はこんな心情だったわけだから、ハジメの話を聞いた後、互いのステータスプレートを見せあっている隙に、ハジメが食料に取っておいた兎とか狼とか熊の魔物肉を食べたのはしょうがない事だと思うんだ。いや、確かにめっちゃ苦しんだけども。目論見通り『呪力反転』での治癒も上手くいったし、ハジメを助けに来た筈の俺がハジメより弱くて足を引っ張る様じゃ話にならないしな。うん、仕方のない事だ。だから(おもむろ)に銃口をこっちに向けるのはやめて下さいお願いします。「実弾じゃ万が一があるから、後で非殺傷弾の作製も視野に入れるか・・・?」という嫌に現実的な呟きもやめて頂きたい。暴力に訴えるのは止めようか?シンプルに怖い。

 

 痛みが収まった後、改めて自分の肉体を確認してみたところ、ハジメとは違い体格や筋肉に関してはあまり変化は見られなかった。だが、髪は無事(?)白色に変わった他、体に蒼色の線が浮かび上っていた。ハジメ曰く「魔力操作をすると浮かび上がってくる」らしい。ハジメの魔力が紅色だったのに対して、俺は蒼色の様だ。俺の呪力も紺色(反転した呪力は空色)だったから青系統で統一されてはいるんだな。

 

 そんなこんなでハジメと同じ様に厨二病チックになった俺だったが、迷宮探索を再開する前に暫し休息を取る事になった。今現在、俺は技能の確認がてら、こうして日記を書いている所だ。コレを書き終わったら少し眠るつもりだが、その前に今のハジメと俺のステータスを書き記そう。

 

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:17

天職:錬成師

筋力:300

体力:400

耐性:300

敏捷:450

魔力:400

魔耐:400

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・言語理解

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宮守社 17歳 男 レベル:15

天職:呪術師

筋力:450

体力:450

耐性:550

敏捷:500

魔力:150

魔耐:400

技能:宿聖樹[+被憑依適性][+■■■■憑依]・呪力生成[+呪力操作][+呪力反転]・呪術適性[+呪想調伏術][+怨嗟招来[+式神調]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力]・風爪・全属性耐性・物理耐性・剣術・剛力・縮地・先読み・悪意感知・言語理解

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 ざっとこんな感じか。ステータスに関してはハジメ程の倍率では無いにしろ平均的に伸びていた。相変わらず魔力のみ値が低いが。技能に関しては、気になる点が幾つか。まず〝呪術適性〟の派生技能の表記が変化していた。名前が変わっただけだが、後で確認しておくべきだな。次に気になったのは、ハジメと異なり〝天歩〟の派生技能に〝縮地〟が無い事。唯、こちらは元から俺が縮地を所持していたからだろうな。一応後でこっちも使用感を確かめておいた方が良いか。

 

 〝魔力操作〟の方は、今も日記を書きながら練習しているが、まぁまぁ上手くいってはいる。もう少し練習すれば『呪力』の様に身体強化にも使えたり、『呪力』と魔力で2重の強化が可能かもしれない。急がず慌てず、されども怠けずやっていこう。

 

 

 

 <ハジメと合流してから(多分)1日目>

 

 体感時間で翌日。俺とハジメは迷宮内部の探索を行った。因みに俺は探索中は基本的に『悟り梟』か『木霊兎』を呼びっぱなしにしてある。悟り梟は視力と視界の強化、木霊兎は振動波の発生・操作による索敵振(ソナー)という形でそれぞれ探索に役立ってくれている。サンキュー恵里。お前さんとの友情は今、俺達の命を繋いでくれているぞ。

 

 ハジメ曰く、既にこの階層の8割近くは踏破済みであり、残る2割以下も直ぐに探し終わるだろう、との事。その言葉通り、半日経たずに階層全域の探索が終わった訳だが、上の階層に繋がる道は、階段も含めて見つからなかった。ハジメには「お前が此処に来る時はどうだった?」と聞かれたが、正直俺もそこまで詳しく確認していなかった。

 

 正確には「下の階層に降りた直後は確認していたが、それ以降は確認していない」だが。その旨を伝えると、ハジメは腹を括った様な顔で「下に行く」と言い出した。まぁ、それしかないわな。

 

 と、言うわけで、善は急げと言わんばかりに下の階層に直行。

 

 降りた先の階層だが、これがとにかく暗かった。今まで潜った階層とは異なり、迷宮内部を照らす 緑光石(あかり)が存在せず通路の先が視認できない程だった。体質上五感が優れている俺で何とか、といった感じだったのでハジメの目が慣れるのは難しそうだった。

 

 仕方無しに手持ちの緑光石を光源に進む事に。ぶっちゃけ目立つ事この上無かったが、索敵振(ソナー)にも限界がある以上仕方無い。ハジメお手製リュック(爪熊の毛皮と錬成した針金で作成した物。「流石ハジエモン」って言ったら睨まれた)から緑光石を取り出して、俺とハジメが一つずつ持ちながら進んで行った(ただし、ハジメの場合は右手を塞ぐわけにはいかない為、肘から先のない左腕に括りつけていたが)。

 

 で、案の定魔物に襲われた。居たのは体長2m程の灰色金眼の蜥蜴(トカゲ)、 RPG風に言えばバジリスクだろうか。俺の〝悪意感知〟と索敵振(ソナー)により不意打ちは防げたものの、蜥蜴の金眼が光ると同時、俺とハジメの肉体の一部が石化し始めた。

 

 持っていた緑光石すらも石化した事に驚く俺達。が、如何やら石化される速さに関してはかなり個人差がある様で、石化の進行がやたらに遅かった俺はそのままバジリスクに向かって吶喊。石化を使っている間は動けないのか、此方を見つめたまま動かないバジリスクの頭を、石化していない方の手で殴り潰して終わった。

 

 俺の事を「コイツ脳筋(ゴリラ)に磨きがかかってやがる」とでも言いたげな目で見るハジメと俺の石化した肉体を〝神水〟で治癒しつつ探索を再開した。石化自体は『呪力反転』でも治せそうではあったが、治療途中で他の魔物に襲われる可能性がある以上は無理出来なかった。無論、バジリスクからも忘れずに肉を剥いでおいた。

 

 その後はかなり長い間暗闇の中を歩き続けたのだが、一向に階下への階段は見つからない為、道中で倒した魔物や採取した鉱石の整理も兼ねて拠点を作ることにした。(拠点作りの手際の良さに「さすおに!」ならぬ「さすハジ!」って言ったら無視された。酷い)

 

 そしてお待ちかね、魔物肉実食の時間である。本日のメニューは、バジリスクの丸焼き(死因:頭部破砕)と、羽を散弾銃のように飛ばしてくるフクロウの丸焼き(死因:ドンナーによる射殺)と、六本足の猫の丸焼き(死因:忍び寄って来た所を逆に不意打ち)である。クソ不味いけど調味料はない。

 

 むぐむぐと喰っていると次第に体に痛みが走り始めた。ハジメ曰く、自分よりも強い魔物を食べるとステータスが強化されるとの事。『呪力反転』で治療しながら食事を続ける俺達だったが、絵面がシュールだったは気の所為だろうか・・・?

 

 そして、此方が食事後のステータスである。

 

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:23

天職:錬成師

筋力:450

体力:550

耐性:350

敏捷:550

魔力:500

魔耐:500

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・夜目・気配感知・石化耐性・言語理解

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宮守社 17歳 男 レベル:20

天職:呪術師

筋力:600

体力:700

耐性:800

敏捷:650

魔力:250

魔耐:600

技能:宿聖樹[+被憑依適性][+■■■■憑依]・呪力生成[+呪力操作][+呪力反転]・呪術適性[+呪想調伏術][+怨嗟招来][+式神調]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力]・風爪・夜目・気配感知・石化耐性・全属性耐性・物理耐性・剣術・剛力・縮地・先読み・悪意感知・言語理解

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 なんかめっちゃステータス上がってた。技能自体も三つ増えて至れり尽くせりだったので言う事無しだろう。と思っていたら、若干ハジメは残念そうだった。理由を聞いた所、石化()()であったのが不服との事。

 

 多分、石化の魔眼的な物が欲しかったのだろうが、それ以上厨二病成分を追加してどうするのだろうか。いや、本人には言わんけども。やはり、オタクと言う人種は業が深いものなのだろう。・・・こう言う部分を見ると、ハジメの根底は変わっていないのだな、と改めて感じる。

 

 食事を終えた後は、今後の探索に向けた準備である。俺は主に獲得した技能の確認や愛刀に呪いを移したりする他、日記を書いていたりする。一方のハジメはと言うと、錬成を使用してドンナーの弾を作成している。ドンナーの弾丸は作るのに途轍も無く集中力と時間を使う為、定期的に準備期間が必要になる。ドンナーがハジメの主力である以上手も抜けない為、こうやって小まめに作業している姿を良く見ていた。

 

 俺であれば既に根を上げている自信があるが、ハジメからすれば「威力は文句無し、錬成の熟練度もメキメキと上昇していくのでなんの不満も無い」のだとか。実際、今のハジメの錬成技術は王国直属の鍛治職人と比べても何ら遜色は無いレベルなのだろう。

 

 黙々と錬成を続けるハジメを見ながら、俺も気合を入れ直す。必ず、ハジメと2人で此処から脱出する為に。

 

 

 

 <ハジメと合流してから(恐らく) 8日目>

 

 偶に消耗品補充の為に拠点で錬成する時を除き、俺とハジメの2人は常に動き続けた。広大な迷宮内を休みながらの探索では埒が開かなかったのもあるが、〝夜目〟と〝気配感知〟(半径10m以内なら魔物を感知できる)により探索効率が抜群に上がったからだ。

 

 そして、遂に念願の階下への階段を見つけ、意気揚々と下に向かったまでは良かったんだが・・・。

 

 その階層では【フラム鉱石】と呼ばれる鉱石が、辺り一面どこもかしこもタールのように粘着く泥沼のような場所だったのだ。足を取られるので凄まじく動きにくいのも問題だったが、それ以上に【フラム鉱石】の性質が厄介だった。

 

 ハジメが〝鉱石系鑑定〟を使用した所、この鉱石、タール状のときに100℃で発火し、その熱は3000℃に達する性質を持つ事が分かったのだ。

 

 コレが意味するところ、即ち火気厳禁である。発火温度が100℃ならそうそう発火するとは思えないが、仮に発火した場合、連鎖反応でこの階層全体が3000℃の高熱に包まれることになる。そんな事になれば流石に死ぬ。イヤ、■■ちゃんに守られて死なない可能性もあるか・・・?試すのは博打過ぎるからやらないけど。

 

 とまあそんな訳で、〝纏雷〟もレールガンも使用禁止である。まぁドンナーは強力な武器だし、ハジメも気にしていない様なので問題は無かった。俺は俺で特に制限は無いし、実際割と余裕はあった。

 

 唯一危険と言うか、驚いたのは〝気配感知〟が効かない魔物が居たこと位だろうか。探索を続けている最中に不意に悪意を感じたのだが、魔物の姿が見えなかった事があった。不思議に思いつつも、ハジメに声を掛けつつ周りに注意向けていると、タールの中から(サメ)の様な魔物が飛び出してきたのだ。

 

 驚きながらも襲撃者を避けた俺とハジメを他所に、鮫はドボンと音を立てながら再びタールの中に沈み見えなくなった。

 

 ・・・正直な所、最初の一撃で俺達を仕留められ無い時点で鮫の末路は決まっていた。〝悪意感知〟により、鮫が襲ってくるタイミングは何と無く分かる為、タイミングを見計らって誘い出した後、俺が刀に爪熊の固有魔法〝風爪〟を纏わせて叩き切って終わったのだった。

 

 因みに件の鮫の姿はというと、一言で表せば「デカいゴム皮の鮫」だった。別に空を飛んだりとか、頭が2つ3つあったりはしなかった。何となく物足りない気分になってしまった辺り、幸利の趣味に付き合って変わったサメ映画を観ていた影響が出ていた。

 

 その後、俺達は鮫の肉を切り取り保管してから探索を続け、遂に階下への階段を発見。早る気持ちを抑えて、拠点にて休息をとる事にした。以下が鮫肉を食べた俺とハジメのステータスである。

 

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:24

天職:錬成師

筋力:450

体力:550

耐性:400

敏捷:550

魔力:500

魔耐:500

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・夜目・気配感知・気配遮断・石化耐性・言語理解

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宮守社 17歳 男 レベル:20

天職:呪術師

筋力:600

体力:700

耐性:800

敏捷:650

魔力:250

魔耐:600

技能:宿聖樹[+被憑依適性][+■■■■憑依]・呪力生成[+呪力操作][+呪力反転]・呪術適性[+呪想調伏術][+怨嗟招来][+式神調]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力]・風爪・夜目・気配感知・気配遮断・石化耐性・全属性耐性・物理耐性・剣術・剛力・縮地・先読み・悪意感知・言語理解

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 < ハジメと合流してから(きっと恐らく)16日目位>

 

 煙い。兎に角煙い。

 

 今居る階層は、迷宮全体が薄い毒霧で覆われていた。階下に下りて行く時から、薄らと霧の様な物が漂っていた時点で嫌な予感はしていたが、まさか此処まで酷いとは思わなかった。一応『呪力反転』を常時使用する事で、何とか凌げる事が分かったのが救いだった。

 

 勿論、その階層にいた魔物達も例に漏れず毒まみれだった。毒の痰を吐き出す2mの虹色に光る(ゲーミング)カエルや、麻痺の鱗粉を撒き散らす蛾(見た目モ○ラだった)等、この階層に相応しい顔触れだった。本気で勘弁して欲しかった。

 

 特に酷かったのが、虹色ガエルの毒をくらった時だった。吐き出された毒痰を回避しきれず左腕に掠ってしまったのだが、途端に激痛が走ったのだ。流石に戦えなくなる程では無かったが、初めて魔物を食べた時を思い出す程には痛かった。蛙自体はハジメが撃ち殺してくれたのだが、戦闘後に当たった箇所を見たら、紫色に変色していた上、異臭と煙を上げていた。流石にこの状態では神水を使う他なかった。

 

 因みにハジメはこういった緊急時の為にと、奥歯に薄くした小さな容器を神水と一緒に仕込み、何時でも摂取できる様にしているのだとか。お前はル◯ン3世か。

 

 当然ながら、蛙と蛾は二体とも食べた。何故か蛙よりも蛾の方が美味しかった。もしかしてゲテモノの方が美味いのか・・・?後、ステータスが上昇したのは勿論有難かったが、それ以上に〝毒耐性〟と〝麻痺耐性〟を得られたのは幸いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ばなな、という言葉と共に頭の悪そうな人の落書きがかいてある。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 <ハジメと合流してから20日(位?多分、きっと、Maybe)>

 

 先日はどうかしていた。美食は人を狂わせる、という話は本当だったと身をもって知った。

 

 俺達が今いる階層には、人類未踏の秘境を思わせる様な密林が広がっていた。物凄く蒸し暑く鬱蒼(うっそう)としており、不快な階層ランキングトップタイだ。いや、だった。因みに他候補は例の毒霧階層である。

 

 この階層にいた魔物は、巨大な百足(ムカデ)と樹だった。百足については、まあどうでも良い。突然、巨大な百足が木の上から降って来た事とか、体の節ごとに分離して襲ってきた事とか、数が多過ぎて兎に角忙しかった事とか、全て殺し切る頃には分裂した百足の紫色の体液を全身にしこたま浴びていた事とかは全てーーーそう、全て些細な事だったのだ。(この戦闘の後、ハジメはあまりの不快感から素早くリロードする技法と、蹴り技を磨くことを決意していたが)

 

 重要なのは樹の魔物ーーーRPGで言うところのトレントに酷似していた魔物である。

 

 この魔物、木の根を地中に潜らせ突いてきたりツルを鞭の様にしならせて襲ってきたりするのだが、ピンチなると頭部をわっさわっさと振り赤い果物を投げつけてくるのだ。

 

 この果物が、非常に美味しいのだ。甘く瑞々しい果肉は、今の今まで不味い魔物肉しか口に出来なかった俺達にとっては麻薬でしかなかった。この果実を口にした後、俺とハジメは目を合わさずとも声を交わさずとも分かり合うことが出来ていただろう。ーーー即ち、もっと食べたい、と。

 

 そして気がつく頃には、階層内のトレンドモドキはほぼほぼ狩り尽くされていた。衣食満ち足りて礼節を知る、という言葉は真理だった。トレンドモドキを狩っていた俺とハジメは正しく蛮族だった。

 

 人の欲の果てしなさを改めて知る事になる階層だった。それはそれとしてくだものおいしい。

 

 

 

 <ハジメと合流してから?日目(もう分からん。)>

 

 俺達は今、鮫の居た階層から丁度50降りた階層にいる。日付の感覚は既に死んでいる為、どれくらいの日数が過ぎたのかはもう分からない。唯、驚異的な速度で迷宮内を進んできたのは間違いないだろう。全く終わりは見えないけどな!!

 

 で、現在俺とハジメはこの五十層で作った拠点でそれぞれ鍛錬を積んでいた。俺は主に『呪術』と固有魔法の同時使用について、ハジメは銃技や蹴り技を重点的に練習していた。

 

 この『呪術』と技能(特に魔物から得た固有魔法)の同時使用についてなのだが、率直に言って悪く無い手応えだと思う。同時使用の言葉通り、俺にかかる負担も馬鹿にならないものではあるのだが、性質が近いものであれば割と簡単に使えたりもする。

 

 1番手応えがあったのは、風を刃にする〝風爪〟と、使用者に風を纏わせる『狗賓烏』の組み合わせだろう。後は〝天歩〟(空中を蹴って進む技能)と『狗賓烏』か。狗賓烏万能説。いや、『悟り梟』と〝夜目〟若しくは〝遠目〟の相性も良かった為、鳥型の式神万能説かも知れない。

 

 それはさておき、何故わざわざこのタイミングで鍛錬なのかと言うと、実の所階下への階段は既に発見しているのだが、この五十層には明らかに異質な場所があった。

 

 そこがまたなんとも不気味な場所だったのだ。突き当りにある空けた場所には、高さ3mの煌びやかで荘厳な両開きの扉が有り、その扉の脇には二対の 一つ目巨人(サイクロプス)っぽい彫刻が半分壁に埋め込まれるように鎮座していた。

 

 見るからにボス部屋っぽい雰囲気だったが、案の定俺とハジメがその空間に足を踏み入れた瞬間、全身に悪寒が走るのを感じ、これはヤバイと一旦引いたのである。〝悪意感知〟には引っ掛からなかった為、すぐにどうこうなる訳では無いだろうが、無謀に突っ込む訳にもいかなかった。

 

 もちろん避けて通るつもりは俺にもハジメにも毛頭ない。ようやく現れた明確な変化なのだから、調べないわけにはいかない。

 

 断言しても良いが、間違い無く厄介事だろう。式神を幾ら使っても上記の異常以外見つからなかったのも良い証拠だ。あの扉を開けば確実になんらかの厄災と相対することになる。だが、それで引く様な俺達でも無いだろう。

 

 と言う訳で遂に明日、件の部屋に突入する。やれる事はやったから、今日はもう明日に備えて寝るだけだ。最後に、今の俺とハジメのステータスを記して終わろう。

 

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:49

天職:錬成師

筋力:880

体力:970

耐性:860

敏捷:1040

魔力:760

魔耐:760

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・言語理解

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宮守社 17歳 男 レベル:54

天職:呪術師

筋力:1100

体力:1230

耐性:1370

敏捷:1300

魔力:340

魔耐:980

技能:宿聖樹[+被憑依適性][+■■■■憑依]・呪力生成[+呪力操作][+呪力反転]・呪術適性[+呪想調伏術][+怨嗟招来][+式神調]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・全属性耐性・物理耐性・剣術・剛力・縮地・先読み・悪意感知・言語理解

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・愛刀に呪いを移す〜
基本的に『呪い』は、物に憑いている時が1番安定する。そこで社は自らに掛けられた『呪い』を刀に少しずつ移して安定化させる事で、『呪い』を掌握しようとしている。今の所、この試みは順調に進んでいる。『呪い』の総量に、終わりが見えない事を除けば。
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