ありふれない怨霊こそ世界最愛 作:白紙
隠れ家生活 24日目
前回の日記から1週間ほど期間が空いた。この間〝憑依装殻〟について色々と試してみたが、現在に至るまで
まず、どれだけ〝憑依装殻〟を発動していても呪力の消費が無い。ほぼ0とかでは無く、本当に消費していないのだ。肉体的な負担も「少し疲れる・・・かな?」位でほぼ無いに等しい。凡そ半日程〝憑依装殻〟を発動してこうだったので、時間経過によるデメリットも無いものと考えて良いだろう。
術式の使用も問題無し。威力自体は上がっているものの、消費呪力もほぼ据え置きである。手脚の一部のみの発動も可能であり、文句の付け所などまるで見当たらなかった。
まだ1週間ほどしか試していないが、結果だけを見るならば〝憑依装殻〟は是非とも使うべき技能であると言う結論になる。なるのだが・・・ハジメ達はやはり良い顔をしなかった。まぁ、妥当と言うか、残当な反応ではある。ここまで分かり易く強力な力が、ノーリスクで使えると考える方がおかしいだろう。
俺自身は理屈的にも心情的にも「全く持って問題無いな!」と大船に乗ったつもりでいる。■■ちゃんは俺の意思に反することはしても、危害となった事は今まで一度たりとも無かったからだ。〝憑依装殻〟使ってる間は■■ちゃんの機嫌も良い気がするしなー。
だが、ハジメ達が俺の事を心配してくれているのを無碍にも出来ない。こんな言い方は非常に心外且つ誠に遺憾であるが、俺の思考そのものが■■ちゃんによって縛られている可能性もまた、否定出来ないからだ。
結局俺達3人で話し合いを行い、「〝憑依装殻〟を使うかどうかは社に委ねるが、緊急時以外は極力使わない様にする」と言う結論で落ち着いた。
因みにこの結論、俺的には不服は無い。最終的には俺の判断に任せてくれた訳だし、余りハジメやユエさんに心配掛けるのも悪いしなぁ。この位は甘んじて聞き入れるべきだろう。
隠れ家生活 31日目
ハジメに武器の製作を頼んでから約2週間。「一通り武器を作り終えたから確認して欲しい」とハジメに言われた俺は工房に向かった。
今回俺がハジメに武器の製作を頼んだ理由は3つある。1つ目は〝憑依装殻〟発動時に使う武器が欲しかった事。2つ目が〝
1つ目については割と単純な理由で、〝憑依装殻〟を発動すると指輪と刀が俺に吸収される様に消えるからだ。
そして本命の3つ目に関しては、俺の生成魔法の適正が絡んでくる。ハジメはおろかユエさんにすら劣る程に、俺自身の生成魔法の適性は低い。が、ただ1つだけ付与が可能な技能があった。〝呪力生成〟である。
基本的に『呪具』とは(特殊な事情が絡まない限りは)永い時を経て生まれる物である。人為的であるにしろ自然発生的な物であるにしろ、そこは余り変わらない。最も簡易的な作り方は「定期的に己の呪力を流す」事であるが、これも非常に時間がかかる。要するに根気が必要なのだ。
だが、今回はその例外に当たる。俺の生成魔法で〝呪力生成〟を付与出来れば、その辺りの常識を無視してあっと言う間に『呪具』の完成だ。上級の『呪具』であれば術式が付与されている物もあるらしいが、そこまでは求めていない。今俺が欲しいのは、宿った呪力がそのまま破壊力に変わる様なシンプルイズベストな『呪具』である。
その辺りの事情を話し、ハジメには様々な武器を製作してもらった。武具に宿した呪力がどの様に作用するかまでは分からなかったし、俺としても初の試みだったので1つ2つの用意では不安だったからだ。
・・・うん、確かに俺はそう言った。色々試したいから、ハジメの知る限りで沢山の種類を作ってくれとも言った。ああ、認めるとも。でもあれはやりすぎじゃね?
どことなく楽しそうなハジメの背中を追い、工房の扉を潜った俺を待ち受けていたのは、ハジメの趣味満載の武器群だった。
いや、普通の武器もあったよ?
他にもハンマーやら斧やら
いや、俺も頼んだ側としてはあまり文句は言いたく無かったんだけど。流石に蛇腹剣とか鞭は使い熟すの無理だからね?某獣狩りゲーの如き仕掛け武器を推すのもやめなさい。確かに浪漫は有るけど、変形機構は壊れ易くて論外だからな。
・・・結局、すったもんだの末に俺はハジメの作った武器全てに〝呪力生成〟を付与する事になった。いや、俺としては2、3個あれば十分かなーと思っていたんだが、選ばれなかった武器達をハジメが未練がましく見ていた為に押し切られてしまったのだ。うーむ、これだから雫に「身内・友人に甘すぎる」と言われるんだろう。直す気なんざさらさら無いけど。
隠れ家生活 34日目
今日も今日とて〝呪力生成〟を付与していく俺。やる事は単純なのだが、いかんせん数が多い。作業中のハジメや暇を持て余したユエさんと喋りながらじゃなきゃ、とてもでは無いがやってられない。
話すネタは意外と事欠かなかった。「元の世界では何してた?」とか、「此方の世界で美味いものある?」とか。中身の殆どが世間話だったが、話題が尽きる事は無かった。ただ、ユエさんが「私とハジメが目の前で仲睦まじくしてるのは、辛い・・・?」と聞いて来たのには驚いた。一瞬煽られてんのかと思ったわ。
無論そんな事も無く。真意を聞くと、如何やら俺と■■ちゃんの事を配慮してくれていたらしい。そう言えば簡単に説明しただけで、詳しい事は何も言ってなかった。
良い機会なので、ユエさんには俺と■■ちゃんとのアレコレを全て打ち明けた。と言っても内容はこの日記の最初に書かれている事だが。それと同時に、俺の事を気にする必要はないとも伝えた。
俺の話を最後まで聞いたユエさんはと言うと、顔をクシャクシャにして泣いてた。出会ったばかりの頃、俺とハジメがここに来た経緯を話した時も泣いていたのを考えると、意外と感情移入するタイプらしかった。アシ◯パさんの変顔を思い出したのは内緒だ。
微妙に罪悪感が生まれたので「■■ちゃんが死んでもまだ一緒に居られるのは俺にとって幸福である」「だから、俺を理由に遠慮される方が悲しい」と言った旨を伝えた所、納得はしてくれた。
ユエさんとの交流で、ハジメは大分人間味を取り戻した様に見える。奈落の底で再開した時は、周りの全てが敵に見えているかの如く刺々しい態度だったのが、今では随分と丸くなったものである。そんな2人の仲を引き裂くなど、俺に出来ようはずも無い。俺の事は気にせず、思う存分イチャコラして欲しいものである。
追記.ナニがとは言わないが、マンネリ防止に〝
追追記.聞いたら頭を叩かれた。おのれ。
隠れ家生活 37日目
問題がおきた。予想外も予想外だった。変な時間に起こされたせいで目が冴えてしょうがない。寝るのは諦めて日記を書く事にした。
事が起きたのはついさっき。体感で深夜2時ごろか。自室で眠っていた俺に、何者かが襲いかかって来たのだ。扉が破られた音で瞬時に飛び起き構えた俺だったが、襲撃者の姿を目にして驚愕した。俺を襲ったのが、呪力を宿した武器だったからだ。
何が何だか分からなかったが、このまま好き勝手されるのも困ると考えた俺は、襲いかかる2つの呪具を避けると部屋を飛び出した。逃げながらハジメとユエさんが居る部屋の扉を見たが、特に傷付いた様子も無かったので、呪具達は真っ先に俺を狙った様だ。
呪具達が2人に矛先を向けない様に、俺は付かず離れずの距離を保ちながら家畜小屋の方に向かった。あそこなら広いし遮蔽物も無いからな。
逃げるのをやめた俺に対して、2つの呪具はひと息吐く間も無く襲いかかって来た。元の世界で戦ってきた敵の中にもコイツらの様な呪具ーーー所謂「曰く付きの品」は結構いた。が、ここまで戦闘に特化した物も珍しかった。
俺を襲う2つの呪具達は、目に見えない何者かに振るわれるかの様に動いていた。片や、刀身が自在に伸縮する上に、蛇腹剣よろしくバラけて物理法則を無視した動きをする日本刀。片や、
この世界に来る前の俺ならば、即座に■■ちゃんを呼んでいただろう。それ位には強力な呪具だったが、この世界で魔物を喰らって来た俺を殺すには至らない。時間にして10分も経たない内に2つともボロボロにした。生物基準なら9割殺し、このまま放置すれば間違い無く死ぬレベルだ。
眠いしさっさと壊そうと拳を握り締めた俺だったが、ふと呪具達から漏れ出す呪力が安定したのに気づいた。先程まで荒れ狂っていた呪力が、凪いだ水面の様に落ち着いていたのだ。
訝しむ俺を他所に、2本の呪具はその場で地面に突き刺さった。ご丁寧に持ち手を俺に向けながら、である。多分「俺達を使え!」って言いたかったんだろう。
正直、かなり悩んだ。内包する呪力のみであそこまで威力を出せるのだから、俺の呪力と膂力を上乗せ出来ればかなりの戦力になる筈だ。だが一方で、自立して他者を襲う様な呪具を信用して良いものか、悩ましい所である。
結局、俺は2つの呪具を破壊しない事にした。呪具達からは悪意を感知出来なかったし、俺がその場で破壊しようとしても抵抗しなかったからだ。強力な武器になるのは違い無いし、また暴れ出してもその時考えれば良いだろ。問題の先送りとも言うがな!
隠れ家生活 38日目
今朝、ハジメとユエさんに昨日(厳密には今日か)の深夜に起きた事を一通り説明した。「何故起こさなかったのか」と問われたので、「俺1人でどうにかなりそうだったからなー」と言ったら2人に怒られた。曰く「だとしても、仲間なら頼れ。逆の立場ならどうする?」との事。ぐうの音も出ない正論だった。
10割方ハジメ達が正しかったので素直に謝ったら、「・・・次はねぇぞ」ってツンデレ台詞吐きながら許してくれた。ユエさんからも「・・・私達は、一蓮托生」と優しい口調で言われた。こう言ってくれる友人達もいる事だし、少しは肩の力を抜いても良いのかもしれない。ありがたい事だ。
一通り謝罪を終えた俺達は、一旦工房の様子を見に行く事にした。俺達が作っていた呪具未満の武器は、工房の一室に纏めて保管してあるからだ。見覚えは無いにしろ、ハジメが作り俺が〝呪力生成〟を付与した武器群は無関係である、と考える方が不自然だろう。
俺達が工房に入ると、そこには見るも無残な光景が広がってーーーいなかった。被害があったのは、意外にも入口の扉と武器群を保管していた一室のみだった。が、その一室の中が問題だった。
武器群を保管していた部屋の内部は、激しい戦闘があったかの様に酷くボロボロになっていた。のみならず、保管していた筈の呪具未満の武器は例外無く壊された上、あろう事か
その光景を見た時、変な違和感を感じた。今の状況と似た様な経験を元の世界でもした様な・・・。日記を書いている今でもしこりの様な違和感が残る。その内思い出すと良いが。
軽く工房を調べたが、上記以外で壊された物も無かったので、直ぐに後片付けに入れた。幸いな事に、壊れた武器も錬成で分解・再利用出来るから問題無い、とハジメは言っていた。・・・趣味全開の武器が壊されてしまった事には若干凹んでいたが。ドンマイ。
隠れ家生活 45日目
本日は3人揃って実践訓練を行った。と言っても、3人で模擬戦を行った訳では無い。今回俺達の相手となるのは、迷宮内部の魔物である。
と言うのも、オスカーが残した魔法陣は迷宮の外だけで無く迷宮内部の各階層にも繋がっていたのだ。ハジメが調べた所、オスカーの指輪を持っていて且つ生成魔法を使える(つまり、オルクス大迷宮を踏破したと認められた)存在だけが使えるらしい。
多分、いきなり生成魔法を得ようとズルをする人間対策なんだろうが、俺達には関係無い。ハジメは開発した兵器群を試す為に、俺は獲得した呪具(ボロボロだったが俺の呪力を吸収すると自己修復した)の肩慣らしの為に、ユエさんはハジメ作の〝魔晶石シリーズ〟(神水が取れなくなった神結晶を利用した魔力タンク)と名付けたアクセサリーの使い勝手を調べる為、再び迷宮内部に転移した。
その結果、起こったのは唯の虐殺だった。
然もありなん、最深部の守護者たるヒュドラを斃した俺達が、今更迷宮内部の魔物に苦戦する訳なかった。いや、今回は試運転に近いから別に良いんだけど。
ハジメは自分が開発した兵器を試せてご満悦だった。口径30mm、回転式6砲身で毎分12000発もの弾丸を吐き出す電磁加速式機関砲:メツェライ。長方形の砲身と12連式回転弾倉付き、連射可能且つ複数種の弾を撃ち出せるロケット&ミサイルランチャー:オルカン。何方も趣味と実益を兼ねて開発したらしく、実に夢と浪漫に溢れている。的になった魔物達の臓物もそこかしこに溢れていたがな!
しかし、ドンナー・シュラークの2丁拳銃で空中リロードかますとは思わなかった。何でも〝宝物庫〟(オスカーが保管していた指輪型アーティファクトで、指輪に取り付けられている1cm程の紅い宝石内部の空間に物を保管して置ける)内部から弾丸を空中に転送、〝瞬光〟を一瞬だけ使用して知覚能力を増大する事でこの神業を行っているのだとか。
いや、文句無しにクッソカッコ良かったけども。これやるのに1月特訓したと言うんだから笑うしか無い。いや、マジでイカしてたけども。幸利が見ていれば歓声を上げていただろう。
一方の俺はと言うと、呪具を片手に魔物の群れに突っ込んでは殺し、突っ込んでは殺しを繰り返していた。自分でやって何だが大分バイオレンスだった。
こちらも予想通りと言うか、新たに得た2つの呪具は非常に強力な武器となっていた。ベースが日本刀と思しき呪具〝
杖がベースの呪具〝
この結果には思わず俺もニッコリだった。ふと視線を感じたので振り返ると、ハジメも目をキラッキラさせていた。変形機構がお気に召したらしい。そう言えば変形武器作ってたな。
そんな感じで乗りに乗った俺達は、再びヒュドラに挑む事になった。結果?攻撃のネタも割れている以上、特に苦戦はしなかった。銀頭は出て来た瞬間、復活したハジメのシュラーゲンと、ユエさんの最上級魔法連打で呆気なく沈んだ。酷いハメ技を見た。
そんな感じで仕留めたヒュドラの肉を回収しながら、俺達は帰還した。迷宮を踏破した事で戦闘力自体はかなり上昇した筈だが、肝心の神に届くかどうかは未だ未知数だ。油断だけはしないでおこう。
隠れ家生活 52日目
先日、作りかけの呪具が全て壊されていた時に感じた既視感の正体が分かった。
きっかけは工房でのハジメとの会話だった。兵器開発も粗方終わり、移動用の足である魔力駆動の二輪と四輪車を作成していたハジメが、天祓と流雲について興味を示したのだ。
会話の詳しい内容は割愛するが、大雑把に言えば「『呪具』とは何ぞや?」と言った話だった。その会話の中でハジメは「1人でに動く呪具があるなら、保管してた奴らも蠱毒宜しく壊し合いでもしたのかもな」と言ったのだ。
電流走る、とはこの事だろう。その言葉を聞いた俺は、元の世界で敵対した呪詛師の術式を思い出した。
確か名前はまんま『蠱毒呪法』だったと思う。術式効果は「一定以上の呪力を持つモノに殺し合いを強要させて、最後に残ったモノを従わせる」とかだった筈だ。
この説明だけなら割と強そうだが、実際はそうでも無い。まず対象には直接触れてマーキングを行う必要があり、対象の呪力が多ければ多い程マーキングには時間がかかる為、強い呪霊や術師、妖を術式対象に選ぶのは難しい。
仮にその条件をクリアしてマーキングに成功しても、更なる問題が発生する。最後に生き残った1体は殺した別個体の呪力や術式を一部引き継ぐらしいが、最終的には術師が生き残りの個体をタイマンで調伏しなければならないからだ。
自分でも倒せる弱さに抑えてしまうと調伏出来ても使い道が無く、強くしすぎると倒せない所か殺されてしまう。その塩梅が難しい、とあの呪詛師はボヤいていた。
最終的には鬼蜘蛛とか鵺を作りたいとか言ってたが、まぁ無理だろう。と言うか、んなもん出て来たら間違い無く1級以上の案件になるわ。つくづくあの場で死んでくれて良かった。
術式の内容については『術式の開示』の観点から見て嘘はない筈だ。従えていたキメラもどき達もその直後にパワーアップしていたから、間違いない筈。まぁ、■■ちゃんに蹂躙された挙句、呆然としていた所を俺が首をスッ飛ばして終わったがな。
話を戻そう。恐らく天祓と流雲には、この術式が使われている。コイツらの見た目に覚えが無かったは他の武器の性質を受け継いだ所為であり、俺に襲い掛かって来たのも完成後に行われる調伏の儀式だった訳だ。
勿論、俺は『蠱毒呪法』なる術式なんて持っていない。術式の模倣は、■■ちゃんしか行えない。問題は
直接聞こうにも、■■ちゃんはこちらの質問には答えてくれない。何気ない会話やお願いは出来るのだが、術式や『縛り』に関連する事を聞くと、不思議そうに首を傾げるだけで何も答えてくれなくなる。まるで、
推測になるが、■■ちゃんは俺のためを思って術式を使ったんだと思う。俺の危機に反応して自動で顕現したりするから、そこは良い。だが、俺の知る限りオスカーの隠れ家で■■ちゃんが勝手に顕現したことは無いし、■■ちゃんの残穢*1も確認してはいない。
幾つか推測は立てられるが、どれもこれも決定打に欠ける。そもそもの話、■■ちゃんが持つ術式ですら『術式の
それと、もう1つ。ヒュドラと再戦した時に思い出した事がある。最初にヒュドラと戦った際に、俺は黒頭から幻覚を見せられた。内容は「幼い俺の首に、怨霊となった■■ちゃんの手が掛けられる」と言ったものだ。
取り敢えず、再戦した時に黒頭はしばき倒したから良いとして。気になったのは俺の立ち位置だ。幻覚を見せられた時の俺の視点は、幼い俺では無く
これが偶々なのか、それとも他に理由があるのかは分からない。そして、何よりも。あの時■■ちゃんは黒頭にどんな幻覚を見せられたのだろうか。もし、俺とは異なる幻覚を見ていたのだとしたら。
隠れ家生活 68日目
遂に明日、俺達は地上に出る。長かった様な、短かった様な。振り返ってみると何だかんだで感慨深い気持ちになる。
俺もハジメもユエさんも、出来る限りの準備はした。これ以上この隠れ家に留まっても、得る物は少ないだろう。
迷宮を脱出した後、俺達はそのまま他の大迷宮に挑むつもりだ。出来れば幸利や恵里、雫には無事を知らせたかったんだが、王国が微塵も信用出来ない以上、下手に接触する訳にもいかない。人質にされる可能性も低く無いからだ。
最後に、俺とハジメのステータスを書いて終わろう。・・・改めて見ると、王国に来てからのステータスと比べると雲泥の差だった。自分の成長が実感出来るのはステータスプレートの利点だと思う。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???
天職:錬成師
筋力:10950
体力:13190
耐性:10670
敏捷:13450
魔力:14780
魔耐:14780
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・風爪・夜目・遠見・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・全属性耐性・先読・金剛・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・生成魔法・言語理解
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宮守社 17歳 男 レベル: ???
天職:呪術師
筋力:14610 [+憑依装殻時 最大1.25倍]
体力:18520 [+憑依装殻時 最大1.25倍]
耐性:17290 [+憑依装殻時 最大1.25倍]
敏捷:16880 [+憑依装殻時 最大1.25倍]
魔力:6610
魔耐:17220 [+憑依装殻時 最大1.25倍]
技能:宿■樹[+被憑依適性][+■■■■憑依][+憑依装殻]・呪力生成[+呪力操作][+呪力反転][+黒閃]・呪術適性[+呪想調伏術][+怨嗟招来][+式神調][+複数召喚]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+豪脚][+瞬光]・風爪・夜目・遠見・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・全属性耐性・物理耐性・剣術・剛力・縮地・先読・金剛・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・悪意感知[+範囲上昇]・生成魔法・言語理解
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三階の魔法陣を起動させながら、ハジメはユエと社に静かな声で告げる。
「社は分かってるだろうが、俺達の武器や力は、地上では異端だ。聖教教会や各国が黙っているということはないだろう」
1つ1つ確認する様に話すハジメ。その真剣な雰囲気に同調する様に、ユエと社もハジメに頷きを返す。
「兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性も極めて大きい。教会や国だけならまだしも、バックの神を自称する狂人共も敵対するかもしれん」
ハジメの言ってる事は決して誇大妄想などでは無い。現実として、王国の人間が干渉、無いし敵対する可能性は十分にある。
「世界を敵にまわすかもしれないヤバイ旅だ。命がいくつあっても足りないぐらいな」
最悪を想定するならば、文字通りこの世界の全てと戦う事すらもあり得るだろう。〝解放者〟達と言う前例もある以上、一笑に伏すことも出来ない。だが。
「今更・・・」/「今更じゃね?」
重なる様に放たれた2人の言葉に思わず苦笑いするハジメ。真っ直ぐ自分を見つめてくるユエのふわふわな髪を優しく撫で、社には強い意思を込めた眼差しを向ける。気持ちよさそうに目を細めるユエと、薄く笑いながら頷きを返した社を見て、ハジメは一呼吸を置いて宣言する。望みと覚悟を言葉にして魂に刻み込む為に。
「俺がユエと社を、ユエは俺と社を、そして社は俺とユエを守る。それで俺達は最強だ。全部なぎ倒して、世界を越えよう」
「んっ!」/「あいよ」
ハジメの言葉に、揃って返事をする2人。例えこの先何が待ち構えていようとも、3人ならきっと越えられる。そんな予感を胸に、ハジメ達はオスカーの隠れ家を後にするのだった。
「・・・なんか、打ち切りエンドみたいじゃ無い?俺達の戦いはこれからだ!みたいな」
「折角綺麗に纏めたのに余韻が台無しじゃねーか!」
宮守社が居る事によるありふれ原作との主な違い一覧(本編でまだ描写していない部分は透明にしてあります。見たい方だけドラッグして下さい。)
トータス転移前
・社の『呪力反転』により、中村恵里の父が健在。
・小学生時代の八重樫雫のやっかみ回避。(但し、雫本人はそれを知らない。)
・中学時代の清水幸利のイジメ被害及び登校拒否の解消。(本人達的にはそれどころでは無かったとも言う。)
・クラスメイト達(一部を除く)のハジメに対する評価が上がっており、それにつられてクラス内部の雰囲気もだいぶ良くなっている。
トータス転移後
・檜山がハジメを奈落に落とした事にクラスメイト達が気付いており、社は報復を行った。
・社が奈落の底にまでハジメを追いかけて来た事により、誤差レベルながらハジメの性格が柔らかくなっている。
・ハジメの右目が欠損していない。
・社の『呪力反転』により神水の節約が出来たので、原作よりもストックが増えている。具体的には試験管型保存容器12本分→24本分になっている。
現時点までの■■■■の謎。(こちらは全て本編で描写済みですが、念のため透明にしておきます。見たい方だけドラッグして下さい)
・
・何故、生得領域内部に複数人の
・
・
・
・怨霊の
・何故『聖なるモノの依り代』として特化している社に、特級怨霊である
・■■の目的は?