IS ~例外処理~   作:秋葉

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白野対一夏

「手加減しないぜ!」

 

 

試合開始直後、俺に向かって突っ込んできた織斑一夏を体の角度を変えてよける。

織斑は驚いたように俺を見ているが、朔夜の特訓と比べると大したことはやっていない。

 

 

~回想~

 

 

「よし、初期化・最適化はお終い。それじゃあ白野時間があるし歩いてみてよ。もし飛べれそうなら飛んでもいいし」

 

 

朔夜に言われ手を動かしてみる。すると何の違和感もなく自分の腕のようにISの手が動いた。そして少し歩いたところで飛んでみようとする。すると少し浮いてみるつもりだったのにかなり上まで飛んでしまった。

 

 

「わ~。すごいよ!白野いきなりそんなに飛んじゃうなんて。でも予想より高く飛んだでしょ?」

 

 

ビルでいう6階ぐらいの位置にいるが目の前にある画面の右の方に画面が出てきて地表にいる朔夜達がまるで、上空のカメラから撮ったように見える。

 

 

「ああ。実際は少し浮いてみるつもりだったんだが、ここまで来てしまった。どうすればいいんだ?」

 

 

「そっかー。どうするかなぁ、うーん・・・なれるしかないよ。僕はなれるまで何回も地面に突っ込んだし」

 

 

朔夜は少し困ったようにはにかみながら言ってきた。それに俺は軽く絶望しながら昼休みが終わるまで飛び回った。

そして地面に降りるときに思いっきり突っ込み大きなクレータを開けてしまった。今回は先に朔夜が準備をしてくれたけど次回から自分でするように言われた。

 

 

そしてその日の放課後、朔夜に指定されたアリーナに行くと朔夜と更識会長そして山田先生がいた。

 

 

「すいません。遅れました。ところでなんで山田先生がいるんですか?」

 

 

「それは先生も良くわからないのですが、朔夜君に呼ばれたんです」

 

 

「そ、山田先生は僕が呼んだんだ。僕が思うに白野には、セイバーシリーズは合わないと思うんだ。だからレオに話して織斑一夏との決闘がすんだらセイバーから変えてもらおうと思ってね」

 

 

俺にセイバーが合わないだって?確かにまだISにはほとんど乗ってないしセイバー機みたいな戦い方ができるかわからないけどやる前から決めつけられるのは心外だ。

 

 

「白野は不満がありそうだけどもう決めたことだから決闘が終わり次第白野にはレオの所に行ってもらうから」

 

 

内心を読まれたようで朔夜に先に言われてしまった。

 

 

「あのー、ところでなんで私が呼ばれたんでしょうか?」

 

 

今まで俺たちのなりゆきを見ていた山田先生が我慢できなくなったのか朔夜に声をかけた。

 

 

「すみません。山田先生。山田先生は、白野の理想のスタイルなので少し見せてもらいたい技術があるんです。僕も楯無もできないんで副担任である山田先生にお願いしたんですが、だめですか?」

 

 

「いえいえ!大丈夫ですよ!なんだって私は、副担任なんですから!」

 

 

朔夜が少し上目づかいで山田先生に「副担任」や「山田先生」を強調しながら言うと、その山田先生は興奮気味に胸をたたいて了承した。

俺は何も言わないぞ、朔夜にも山田先生にも。

 

 

「よかったです。でしたら山田先生には、このラファールに乗ってラビッド・スイッチをお願いしたいのですが?」

 

 

ラビッド・スイッチ?どんな技術なんだ?

 

 

「ラビッド・スイッチですか。できなくはないと思いますが、私はそこまで早くないですよ?」

 

 

早い?機動関係か?いや、なら朔夜か会長ができそうだけど。

 

 

「かまいません。というよりはIS学園で山田先生より早い人はいないですよ」

 

 

止めとばかりの朔夜の笑顔に山田先生は、直視することができず会長はあからさまに不機嫌になっていた。

 

 

「それでは、準備をするので待っていてください」

 

 

山田先生は、朔夜の笑顔に耐えかねたのか逃げるようにアリーナから出て行った。

 

 

「それじゃあ、白野はセイバーを早く出せる練習でもしておこうか。ほらセイバーを出して!」

 

 

俺は、朔夜に言われた通りセイバーを出そうとする。が、なかなか出てこない。

 

 

「初めは名前を呼んでもいいけど、決闘の日までには呼ばずに出せるようにしてよ?」

 

 

俺は頷き、セイバーをイメージしながらセイバーと言う。すると少しの浮遊感を感じ気づくとセイバーを纏っていた。

 

 

「よし。それじゃISを解除してまた出してを繰り返しながらでいいから聞いてね」

 

 

また俺は頷き、今度はセイバーを解除する。これは思ったより簡単にイメージだけでできた。

 

 

「西欧財閥のISは現在9機。そのうち5機は前も言った通りセイバー機に使われている。それじゃ残りの4機は何になってるかというと4機のうち2機は、魔術師またはウィザードと呼ばれる情報処理特化の機体。のこりがアーチャとアサシンと呼ばれる機体。残りはミドチャとアサシンと呼ばれる機体。ミドチャは、遠距離特化で三千院と協力で作った機体で白野もこれに似たような機体になるよ。そしてアサシンは、完璧なステルスを追い求めた機体で、完璧すぎて常に国際IS機構に居場所を発信しておかないといけない機体なんだ。なのに世界から注目されてないのはステルス特化過ぎて武器が槍だけでナノマシンもなし。でも強いよ。パイロットが最強で、とんでも八方拳を使ってるんだ。僕は先生って呼んでるんだっと、山田先生が来たみたいだ」

 

 

朔夜が話し終わるとほぼ同時に山田先生が戻ってきた。

 

 

「それじゃ、僕は近くで楯無と練習してるんで後はお願いします。ラビッド・スイッチの後は基本的な操作を教えたら模擬戦をしてください。白野は経験をつんで強くなるタイプだと思うので」

 

 

そういって朔夜は、今の今まで膨れていた更識会長と少し離れたところに行ってしまった。

 

 

「それでは、始めますね。岸波君。ISを展開してください。そしたらハイパーセンサーを使ってもいいので私の出す武器を当ててくださいね」

 

 

俺は言われた通りセイバーを出すと既に山田先生が、ラファールに乗って待っていた。

 

 

「ではいきますね。・なんだったかわかりましたか?」

 

 

いま何がおきたんだ?俺は確かに山田先生を見ていた。そして手に黒い影が現れたと思った瞬間には消えていた。

 

 

「いえ、わかりませんでした」

 

 

「そうですか。よかったです。いきなり見破られたら私もっと自信なくしちゃいますから。さっきのがラビッド・スイッチと言って日本語名は、高速切替です。これは名前の通り一瞬の間に武器を変える技術で、星月君や更識さんといった武器を多く持たない機体の人には無用な技術です。ではもう一度やりますね。・・何かわかりましたか?」

 

 

二度目は少し遅くしたのか何とかとらえることができたが、山田先生の印象が大きく変わった。

 

それから何度か武器当てをした後いろいろと操作を教わり模擬戦をしたがこれまた印象が大きく変わった。俺は惨敗で攻撃がかすりもしなかった。

 

 

~回想終わり~

 

 

それから今まで朔夜や更識会長と模擬戦を繰り返してきた俺にとって今の攻撃は単純すぎた。それからしばらく織斑の攻撃を除け続け何度かカウンターでダメージを与えていた。するといつの間にか後一撃で倒せるぐらいになっていた。そして時間を確認する。もうすぐ6時間目は終わる。もう十分だろう。

俺は一度目をつむり息を整える。そして一気に加速する。

 

「(一瞬加速(イグニッション・ブースト))っ!」

 

少ないエネルギーを消費してしまうがこれで決めるから問題ない!

 

そして驚く織斑に攻撃を当てる瞬間ラビッド・スイッチで鍛えた俺の目が、織斑が笑みを浮かべたのをとらえた。

そして軌道を変えようとするが間に合わない。

 

 

「零落白夜!!」

 

俺は目で捉えた情報が正しかった確信する。織斑は切り札を隠していたらしく持っていた剣が輝きだした。

そして完全に迎撃態勢を整えた織斑に俺は高速で突っ込んでいった。

 

そして爆発に近い音と煙が俺たちをつつんだ。

 

 

「まったくあの馬鹿者は、やはり詰めが甘いな」

 

 

俺は勝ったようだ。目の前にISを纏った織斑先生が織斑を担いでいた。

 

 

「立てるか?悪いが時間が押しているから、立てるなら自分でピットに戻ってくれ」

 

 

そして俺は控室に戻りながら最後の出来事を思いだす。

 

ぶつかる一瞬の間俺は無我夢中だった。頭の中には、朔夜との特訓を思い出していた。

 

 

『セイバー機は攻撃を受けない事に特化しているからISへの伝達もかなり早い。だからカウンター特化と言ってもいい機体なんだ。だから相手の攻撃に自分の武器を当ててそらしたりして、その時できた隙を狙ったりすればいい。その時の攻撃は殴ったり蹴ったりだけどね」

 

 

俺はこのことを思い出して織斑の攻撃を少し喰らいはしたけど自分の武器を当てた。そして驚いている織斑にタックルをして一緒に地面に突っ込んだまでは覚えている。予想だがその時に織斑のエネルギーを0にできたのだろう。

 

 

「お疲れ白野。よく頑張ったよ」

 

ピットには、朔夜がいてねぎらいの言葉をくれた。

 

 

「それじゃあ、ゆっくり見といてよ。クラス代表」

 

 

もう決定なんだ。まああんなにつよいから負けはないか。

 

 

そしてISを解除してから控室に入ると。

 

「白野!」

 

葉月がいて抱きついてきた。

 

 

「まったく葉月ったらIS纏ってる以上けがなんてしないのに」

 

 

部屋の奥から睦美が出てきて同じく抱きついてきた。

 

それから疲れていて抵抗しなかったが、モニターからの歓声が一際大きくなったので二人に離れてもらう。

 

そしてモニター前の椅子に座ると当たり前のように両脇に二人が座ってきた。

少し近すぎる気がするがモニターに注目することにする。

 

 

そしてオルコットが待っているアリーナに朔夜が歩いて出てきたのだった。

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