「ふむ。なんと言えばいいのか・・・。まぁよい!会いたかったぞ!奏者よ!!」
目が覚める。そして辺りを見渡す。
・・・そこは黄金に輝く劇場だった。
「どうしたのだ?別にそなたにとってここは初めてと言う訳ではないだろう?何をそんなに呆けているのだ?・・・まさか!また記憶を無くしているわけではないだろうな!」
目の前にいる真っ赤な露出の高いドレスを着た少女が僕に詰め寄ってくる。
そして彼女の言葉で以前にも同じようなことがあったと理解して申し訳なくなる。
「くっ!またなのか!流石に奏者の大好きな余も怒るぞ!しかしあまり此処にいるわけにはいかないからさっさと終わらすぞ」
少女は、混乱している僕をほっといて話を進めだした。
「余は月で分解されながら奏者のことをずっと考えていたのだ。どんな形であれまた奏者と会いたいと。そしていつまでたっても意識が消えないと思ってふと目を開けると奏者が見えたのだ。そう!余は転生とやらをやったのだ。だがそれは人としてはなく奏者のISとしてだ。そして余は奏者を守ると決めたのだが、ここに連れてきてしまった。これで余が奏者を守ることはできなくなってしまった。これは余のスキル「三度、落陽を迎えても」が変化してものだ。本来なら奏者のエネルギーがなくなっても三度までは復活するものだったのだが・・・まぁよい!ついてこい!!」
何故か突然怒り出した少女ことネロ。(だって僕のISならネロって名前でしょ?)の後をついていく。ネロは劇場の出口まで来ると僕の方を振り向いた。
「余は、奏者とこうやって何回も会いたいが基本的にここに来るのはエネルギーが尽きた時のみ。余は奏者の負ける所など見たくない。だからいくら余に会いたいからと言って負けるではないぞ!」
「うん!会えなくなるのは残念だけどわかった。もうそう簡単には負けないよ!約束だよネロ」
僕は精一杯の笑顔で握手を交わした。次々と戻ってくる月での記憶を整理しながら。
「うむ!その心意気だ!この扉から出ればおかんが待っているだろう。奏者のことを思っているのは余だけではないということだ。安心していくがよい」
ネロとの別れを惜しみながら扉をくぐると、剣の刺さっている荒野が広がっていた。
「やっと来たか。マスター」
僕が入ってきたのに気付いたのか白髪の青年がどこからともなく現れてやってきた。
「えっと。貴方もネロの一部なのかな?」
とりあえず思ったことを口に出したらあからさまに嫌な顔えおされた。
「マスター。やはりまた忘れたのだな?まったく君には困ったものだ」
やれやれと感じに首を振りながら白髪の青年は僕に言ったのだ。『流石の私も次はないぞと』
これを聞いた僕の体が震え,彼に対してトラウマを覚えたのだった。