「やぁやぁ。取り合えず、御入学おめでとうございます。今日から皆さんは晴れてIS学園の一員です。在校生の代表として御祝い申し上げます。と、堅苦しいのはここまでにして皆入学おめでとう。そして今日からよろしく!」
織斑先生に言われてかタイミングを待っていたのか計ったように入ってきたのは男装をした、美少女だった。
「ここにいる大半の人は、僕のことを知っていると思うけど知らない人もいると思うので軽く自己紹介をするね。僕は、星月朔夜。IS学園の生徒会副会長をしている。でもこれは留年しちゃったからどうなるかわからないけど暫定的にまだ副会長。別に頭が悪いわけじゃないからね。理由は、織斑一夏と岸波白野という二人の男性IS操縦者が出てきたので、同じ男である僕が隠してた正体をばらして二人の護衛&指導をしようという国の方針なわけ」
男装美少女こと、星月朔夜が爆弾発言をしクラス中が静まりかえった。正確には美少年なのだが確か星月朔夜は、去年IS学園の生徒会副会長として女としていたはず。それが実は男でしたとなれば言葉を失う。
正直今それは嘘でどっきりです。と言っても信じれる。それほどまでに目の前の星月朔夜は美少女なのだ。
「君が織斑一夏君か、よろしく」
一瞬俺のほうを今にも射殺しそうな目で見ていた気がする。だが確認する暇もなく織斑の方に向かい手を差し出している。
「ああ、よろしく朔夜先輩っぁ、いてぇっく、おい!離せよ!手が潰れる」
「あはは。そんなに簡単には潰れないよ。それとね織斑一夏。僕は元々年齢を偽っていたから本年齢は、君と同じ15だよ。それと先輩と思うなら敬語使いなよ。なんにせよ僕のほうがIS学園では長いのだから」
朔夜と一夏が握手をして少し話をしていると手に力をいれたのか一夏が痛そうに声を上げて顔をしかめている。その時の朔夜の、いや朔夜さんの笑顔はとても良く月での凛やラニを彷彿させた。
「わかったかな?織斑一夏くん?まぁでも、今は同じ一年だからいっか。皆も僕のことは呼び捨てでいいし、敬語とかもいらないから」
もう一度笑顔でクラス全体を見渡す朔夜さん。改めて彼?の持つ俺の知っている経歴を思い出す。
星月朔夜。男…らしい。年齢15…らしい。
この時点で既に俺の知っている情報とは違うが確認を続ける。
去年は一年三組のクラス代表。
公式での大会では全て訓練機を使用しているが専用機をレオから渡されているはずだ。
しかし目に見える範囲に専用機の待機状態の用な物は見当たらない。
専用機は、俺と同じ西欧財閥の第三世代「セイバー」
渡してからデータは貰ってないらしい。
ファングラブの規模は、IS学園最多であの織斑先生と互角である。また学園の外にも多くのファンがいるとか。
さらにIS学園生徒会副会長としてモデルの仕事をこなし、多くの写真集を出している。
そのなかでも更識会長との写真は人気が高い。
写真集の写真は、全て恥ずかしがっているので学園内での盗撮と思われる普段の写真や授業中であろう運動中の写真はかなりの値段で出回っているそうだ。
またそのルックス故か俗に言うゴスロリと言われる類いの物でよく写っている。
また和服もよく似合い制服の浴衣バージョンで集会に出ることもあったそうだ。
ここまでの情報を頭の中で整理してみると余計思ってしまう。
女の子やないかい!
おっと、俺としたことが気が動転したようだ。
落ち着け俺!女の子と思うのは当たり前ではないか。今まで女としてIS学園にいたのだから、周りから疑われない様にしていたのだろう。
…待てよ。そう言えばIS学園は、全寮制のはずだ。なら朔夜のルームメイト女!?うら…けしからんぞ!いくら女としているからといえ、男の癖に女の子と同じ部屋で寝るなんて!!
「…比べ物になりませんわ!!」
おっと、少し熱くなりすぎたようだ。それにしても何だかクラスの様子がおかしい。
「それは、聞き捨てならないね。えっと、確かセシリア・オルコットだったね。君は、楯無を倒して会長になると?専用機を持ってるのか知らないけど、西欧財閥の技術も入っているミステリアス・レイディに勝てると思っているのかい?」
さっきまでとは違う少しきつめの口調。それに声も低くなってるきがして、辺りの空気も低くなったかの様に背中に悪寒がはしった。
「西欧財閥?ああ、あのセイバーとかを出してる所ですわね。それがどうかしまして?私とブルー・ティアーズにあんな機体で勝てるはずありませんわ。ですのでいくら西欧財閥の技術が入っていようと私が勝ちますわ。そしてこの私が生徒会長としてこの学園を支配してみせますわ!」
…なんと言うか負けたな。あれは負けフラグだ。
「ますます黙っているわけにはいかないね。西欧財閥専属テストパイロットとしても、更識楯無の護衛としても」
流石にこのままでは、何の話をしているのかよくわからないので隣の席の子に聞くことにした。
その子の話によると、クラス代表を自薦他薦問わず希望をとったときに俺と織斑一夏と朔夜さんが他薦されセシリア・オルコットが自薦で立候補したそうだ。
その時に何故かセシリアが一年を支配して生徒会長を倒し自分がなると言ったそうだ。
それに当然の如く朔夜さんが更識会長に勝てるか?と聞き当たり前だと言いきったそうだ。
「…そうでしたの。それは失礼しました。ですが私は、西欧財閥のセイバーに負ける気はさらさらありませんわ。男性である貴方が操縦するなら尚更ですわ!」
セシリアが言い終わる前に朔夜さんの周りの空気が凍りつき聖杯戦争のサーヴァントまではいかないもののかなり殺気を感じた。
そして俺は見てしまった。
朔夜さんの目の色が変わっているのを。
それからの行動は、自分の意思とは関係無く驚くほど早かった。
俺は自らセシリアと朔夜さんの間に割ってはいったのだ。
「なに?まさか岸波白野。僕の邪魔をするわけではないよね?いくら護衛対象とはいえ邪魔をするなら容赦しないよ」
目の前に立ち確信したあれは、アリーナ最深部に迷いこんでいた両儀式の直死の魔眼だ。