聖杯戦争
それは万物の願いを叶える願望器をめぐり、七人のマスターがサーヴァントと契約し殺し合うもの。
そして、最後に残った一組のみが聖杯を手にいれることができる。
これは、もうひとつの
《七人のマスターと七騎のサーヴァント》
♪♪♪♪♪♪♪
スマホが鳴る。昨日寝る前にセットした目覚ましだ。手を伸ばしアラームを止めカーテンを開ける。
朝にしては暗く、空は雲に覆われていた。
「そういえば今日は一日中くもりだったな。」
今の時刻は午前5時30分。水を飲む。そして電気をつけ机に座り勉強をする。これが朝のルーティンだ。
時計が鳴る。ずいぶんと聞き慣れた音に心地よさを感じる。この部屋の時計は7時、12時、18時、24時に鳴るようになっている。まぁだいたい聞くのは7時と24時だけなのだが。
「坊っちゃま、朝食の用意ができましたわ。」
うちの専属のメイドさんだ。俺が生まれる前から雇われているそうだ。
自室を出て大広間へ向かう。
扉を開けると天井には色が変わるシャンデリア
今日はブルーだ。聞いた話によるとご先祖様が物に感情を付与しようとしてできた代物らしい。
今日が曇りだからテンションが低いのかもしれない。
その下にはでかいテーブルがある。椅子に着くと目の前にはタマゴサンド、コンポタージュ、赤、黄、緑が入ったサラダがあった。美味しそうだ。
「お飲み物はなにになさいますか坊っちゃま。」
「フルーツミックスで。ナタさん」
「かしこまりました。」そう言うとコップにフルーツミックスを注いでくれた。
見た目通りの美味しい朝食を平らげる。
「では先に車でお待ちしております。」
いつもナタさんには車で学校まで送ってもらっている。
この家は山の上に建っている。その上私有地が広いため、徒歩で町までいくには一時間くらいかかってしまう。
だから車で送ってもらう必要があるのだ。
席を立ち荷物を取りに大広間を出ようとした。だけど、その前にテーブルを見る。
「そろそろ二ヶ月か。」
たった二つしかない椅子を見て大広間を去った。
車内では本を読むことにしている。ペンを使うと揺れでまともに字を書けないからだ。
通っている学校までは車で一時間ほどかかる。
一時間何もしないのはもったいないので本を読むが、
今日は眠い。おそらく昨日頑張り過ぎたせいだろう。
体が休めと言ってるので大人しく寝ることにした。
「…………ちゃま」
「………坊っちゃま起きてください。」
目を開けると車は止まっていた。リアドアガラスから学校が見える。
「ナタさんありがとう。」
「これが私の仕事ですから。」
リュックを背負いドアを開ける。
「いってらっしゃいませ。」
そしてドアを閉める。
名門私立四ヶ崎高校
全校生徒数100人ほど
偏差値は全国トップ五位に入るレベルだ。
優秀中の優秀のみが入ることを許された学校。だが、財閥の子供や有名人の子供もいるため金を使って入学してきたやつもいることだろう。
外靴を履き替え階段を上る。3年生なので3階に向かう。
教室に入り、席に座りリュックを置く。
クラスメイトはほぼ揃っているというのに相変わらず静かだ。
チャイムが鳴るのと同時に担任が入ってくる。
「HRを始める。」
八時間目まである授業が終わり今は校門でナタさんが来るのを待っている。
空はけっこう暗くなっていた。少し肌寒さを感じる。
「もうすぐ冬だな。」
次からは厚めの服を着ていこう。
そんなことを思っていると車が来た。
車に乗っているとスマホが鳴る。電話が来たようだ。
父さんからだ。
「
電話は切れた。たったこれだけ。まるで留守電を聞いているようだった。
「ナタさん。今日召喚するって。」
少しの間沈黙があった。
「そう……ですか…。ついにきてしまったのですね。」
悲しそうなか細い声音だった。
町からチャイムが聞こえてくる。
不安はある。死ぬのかもしれない。だけど、これが俺の使命なのだ。やらなけれはならない。
覚悟を決める。なんとしても勝つのだこの聖杯戦争に。
夕食を食べ終わる。シャンデリアは紫だった。
扉が開く。父が帰ってきた。
「おかえりなさいませご主人様。」
「久しぶり。」
「召喚の準備はできているのか。」
「うん。あとは触媒さえあればいつでも召還できるよ。」
そう言うと父はスーツケースを取り出し中の物を見せた。
そこには鉄紺と金色の鞘を纏った劍があった。
「これはアーサー王の宝物であるセクエンスだ。死闘にのみ使われるという代物。」
「博。このセクエンスを使いアーサー王を召還しろ。」
「わかったよ父さん。」
「失敗は許されない。分かっているな。」
スーツケースを受け取り、召喚の準備を始める。
地下室についた。召喚によって建物が壊されるかもしれないので地下で召喚
することにした。
魔方陣の作り方は父が持っている本に描いてあったから大丈夫。
「あとはこれを中央に置いて……」
準備は完了した。深呼吸をして集中する。
体の中でマナが移動していることがわかる。心臓の鼓動も速い。だか、やるしかない。
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。 ふりたつ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
ーーーー告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の劍に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。誓いは此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総てのの悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーーーー!!」
魔方陣が光る。魔力が吸いとられているのがわかる。
地下なのに風が吹いている。
「こい、セイバー!!」
目を開けていられない。ものすごい閃光だ。
眩しさは徐々に消えていき、目を開ける。
そこには、美しい金髪の少女がいた。
少女は語りかける。
「ーーーー問おう。貴方が私のマスターか。」