スタープラチナを使いこなそうと頑張る話 作:Abc
「ふむ...これは...」
ある病院の一室で、その白衣を纏った男は、目の前のパソコンの画面を興味深そうに見ていた。
「あれ?先生?何をご覧になっているのですか?」
そんな男の背後から声がかかる。声をかけて来たのはその服装から見るに、看護士なのだろう。その看護士の問いかけに、男は言葉を返す。
「いやなに、先日この病院で個性診断を受けていった少年の診断記録を見ていたのだよ、ほら」
男はそう言って看護士にパソコンの画面を見せる。そこには水色のディスクのようなものが映っていた。
「えっと.....これがなにか.....?」
その画面を見た看護士は困惑したようで、返す言葉は少しどもっている。それはそうだろう。個性診断の記録と言われたはずなのに、見せられたその画面には個性の情報は記されていなかったのだから。
「ああ、まあこれだけでは分からないだろうが、これは件の少年の個性で作られたものなのだよ」
「物質創造系の個性ならあまり珍しく無いように思いますが?」
看護士の言うとおり、超人社会が築かれた今の世の中で、物質を創り出す個性というのはたいして珍しいものではない。
「ああ、その通りだ。だが、これはそんな物質創造系の中でもかなり特殊.....というか、今まで見たことがないタイプなのだよ」
「先生が今まで見たことないタイプ......ですか?」
「ああ、これを見たまえ」
パソコンの画面を変える男。その画面を見た看護士の顔に驚愕が宿る。
「え!.......この記録........本当なんですか?」
「ああ、全て事実だとも。少年の希望によって行われたこの耐久実験で、このディスクの破壊は不可能だということが証明された。爆破や切断など、色々な破壊方法を試したが、文字通り傷一つ付かなかったのだよ」
「それは......凄い個性ですね.......」
「ああ、凄い個性だ。ディスクの形で実用的ではないといえ、破壊不可能の物質を生み出すことが出来たのだから」
しかし、そう言う男は残念そうに、
「だが、少年はこれを創り出してからこの10日間、個性を一度も発動出来ていないらしい」
そう言った。
「一度も.......それは、可愛そうに」
超人社会でその力を使えないとなれば、生き辛くなるのは間違いないと思った看護士は、憐れみを顔に浮かべる。
しかし、男は残念そうな表情を消し、反対に、好奇心が滲み出た顔で看護士に言葉を返した。
「ああ、可愛そうだ。なにせ、ただでさえ実用的ではない個性だというのに、使用さえできないのだから。だが、この少年はそう思っていなかったように見えたのだよ。少なくとも、私には喜んでいるようにさえ見えたのだよ」
「喜んで........ですか?」
「ああ。まるで、人生を賭けて追いかけた夢が叶った青年のような雰囲気を醸し出していた。そのことを奇妙に思い、記録を再確認していたのだが........ふむ、何もあの年の子供があんな表情を浮かべるような特徴はないように見える」
結論がでた男の顔は、また残念そうな表情に戻り、最後に一言、
「ああ、本当に分からない」
そう呟いた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だが!この少年は知っていた!そのディスクを生み出した少年だけが、そのディスクに秘められたパワーを完全に理解していた!
「フフッ............ハハッ...........フハハハハハハハ!!」
自宅の庭で笑い狂う少年。その笑う顔からは邪悪なものすら感じられそうだった!
「このディスクが頭から飛び出てきたときにはよぉ、バクバク鳴っていた心臓の鼓動が聞こえなくなるくれぇ驚いたがよぉ、それも一瞬で落ち着いたぜ。なぜなら、」
少年以外誰もいないこの場所で
「スタープラチナのスタンドDISCなのだから!」
そう、高らかに宣言したのだった!
「フハハハハハ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・
・
・
・
・
・・・・・・・・・・・・・・・・ハハハッハハハハ、ハ、ハハッハ.......ハア........ハア.......ハハハ.......ハア.......」
時は十分少々飛ぶ。十分間絶え間なく笑い狂い続けていた少年はやっと笑い疲れた。額に汗が滲んでいる彼の腹筋は明日確実に筋肉痛に襲われるだろう。
「ふう........よし!まずは試してみるとしよう。これが本当に使えるのか、まだ分からないからな」
........確証もなくあんなに笑い続けていたという衝撃の事実が明かされたのはさて置き、どうやら少年はこのディスクを使うようだ。ディスクを額に当て、
「ハッ!」
ドギューン!
そのまま迷いなくディスクを差し込んだ!額はディスクを受け入れるように開き、ディスクは完全に頭へ入り込んでいった!
直後、少年の肉体から男のようなものが浮かび出てきた!
「おお.......おお!」
その男のようなものの名はスター・プラチナ。スタンドの中で最強のスタンド。そして、
「スター......プラチナ.......!最高だ!最高の気分だ!最強のスタンドが我がスタンドとは!この世の頂点に立った気分.......いや!俺はこの世の頂点に立ったのだ!フフッ.......ハハッ......フハハハハハハハハハハ「オラァッ!」はぶうっ!」
再度笑い始めた少年の顔面を殴り飛ばしたスタンドである。
突然だが!少年の紹介をしよう!少年の名は九乗条多。スター・プラチナのDISCを手に入れ、スター・プラチナに拒否された男!そして!これから数奇な運命に巻き込まれていく............のかもしれない.............
主人公の名前はくじょう じょうたと読みます。ルビ振りが出来なくてすまない......