アムロ・レイとの死闘の後200年の長き眠りについたザビ帝国ギレン皇帝は目を覚ました。自らの思念の分身と1000隻の改良されたムサイ級戦艦を金星の地球連邦亡命政府である惑星連邦へと差し向けたのだった……対する惑星連邦は滅亡の淵、極秘作戦クロノスを実行する。
全ては地球連邦の勝利の為、過去に戻り、悪逆非道ギレン皇帝によって人類から奪われた全ての物を取り戻す為に!

ギレン皇帝の戦闘シーン書いて満足したやつ。

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ガンダムなわけ(ない)

宇宙世紀321年或いはザビ帝国暦241年。

金星近傍においてザビ帝国と地球連邦軍残党による亡命政府である惑星連邦との戦いが始まろうとしている。

 

惑星連邦軍技術試験母艦『イシュタル』の艦長席に私は座っている。

 

イシュタルは惑星連邦の全ニュータイプを乗せた決戦母艦である。

見た目は今のところ銀色の球体だ。

流体のサイコフレームで見た目、船内構造はいくらでも変える事が出来る。

 

極秘の宙域に二隻の護衛艦と共に決戦兵器の最終テストを行なっていたのだが、運悪くザビ帝国軍の偵察部隊と思われる部隊の襲撃を受けてしまった。

 

敵MS接近の報を受け、訓練通りに指示を出す。

 

「総員戦闘配備! わかっていると思うが実戦だ。ミノフスキー粒子を戦闘濃度で散布し各種防護フィールド及びサイコミュ最大展開、後は命令あるまで逃げ続けようじゃないか」

 

(おいおい地球連邦の残党は未だにミノフスキー粒子なんてもんを使ってやがるのかよ。劣等種共が!)

 

くそ! 

船内に敵MSパイロットの思念が伝わってきていた。

これがザビ帝国の嫌がらせだった。

サイコミュ兵器の躍進によって遥か昔は感知し得なかったニュータイプの世界をオールドタイプ問わずに押し付ける事が出来る様になった。

 

いわゆる邪気が来たか!である。

 

「サイコミュシールドの強度を上げられないのか」

 

思考を乱す嫌がらせで済んでいるがサイコミュによるシールドがなければ廃人になっているところだ。

 

「これ以上は無理です。クロノスシステムにもエネルギーを回してるんですから」

 

クロノスシステム。

それが惑星連邦最後の切り札だった。

 

「ドゥムジがファンネル展開、このまま陣形を解除し防空戦闘に入ります」

 

コムサイを大型化したような形の護衛艦からファンネルが展開される。

ファンネルと対空メガ粒子砲を撃ちながら我が艦後方へと転舵していく。

 

「発光通信でドゥムジより通信!」

 

ミノフスキー粒子下における無線通信は出来ない。

今の時代主流のサイコミュ通信もニュータイプがいなければ盗聴のリスクが高かった。

 

「読み上げろ」

 

「護衛艦としての責務を果たす。冥界へは勝利という服を着て来い。以上です!」

 

「総員、ドゥムジへ、敬礼。発光信号で返信。我、必ず勝利す。世界が忘れる事になっても我らが忘れず」

 

敵モビルスーツとの戦闘で爆散するドゥムジをみて私は思わず呟いた。

 

「どこで我々は間違えたのだろうか、そしてこれを正す事は我々に本当に出来るのか」

 

一年戦争末期、ギレン・ザビによるソーラーレイ攻撃によってレビル将軍が戦死して以降地球連邦軍は敗戦を重ねた。

ギレン・ザビは父のデギン・ゾド・ザビ公王を殺し、キシリアまでもその手にかけて、ジオン公国の全実権を握ったのだ。

そして地球はジオンの、ギレンの手に渡った。

地球圏を統一したジオン公国はギレン・ザビを頂点とする帝国、ザビ帝国となった。遥か古代に起きたフランス革命のように、スペースノイドが弾圧を受ける時代は終わった。スペースノイドが弾圧をする時代になったのだ。

ギレン・ザビの統治は効率的であった。

人々は優良種たるニュータイプやギレン・ザビ、そしてコンピュータによって管理された。

科学技術は進歩し、ニュータイプ人口は増えた。オールドタイプでさえサイコミュ兵器を使えるほどに軍事技術も進歩した。

一部の優良な人類は驚く事に死を克服しもした。それもまたサイコフレームの力だった。

ギレン・ザビは不死となりザビ帝国を今もなお導いている。

 

当然犠牲を顧みない効率的な統治によって不満を抱えた者による多くの反乱があった。

ジオン残党による星の屑作戦と呼ばれる作戦によって地球は甚大な被害を受けた。彼らはコロニー落としによって軍の陽動には成功したが本命であるギレン暗殺には失敗した。

他にも地球人至上主義を掲げた連邦軍残党ディターンズや公正な商業や民主主義を掲げた資金力を持った企業によるエゥーゴなる組織による民衆扇動的な反乱やこれまたジオン残党のアクシズが同時多発的に起こした反乱は各反乱組織は協調出来ずにギレン・ザビの勝利に終わった。

多くの反乱は失敗した。

その中でひとつだけ成功した反乱がある。

地球連邦政府の技術者が亡命先に選んだ金星にて匿われ雌伏の時を過ごした一年戦争の英雄アムロ・レイはサイコフレームの共振によって神の如き力を発揮し、サイコミュ技術によって不死となっていたギレンを瀕死の状態に追いやったのだ。

だが数多くのニュータイプを抱える強大なジオン帝国の前に我々はアムロ・レイを失った。

200年後、ギレンは復活し、惑星連邦は崩壊の危機にある。

 

我々には過去のニュータイプ達、アムロ・レイもカミーユ・ビダンもジュドー・アーシタももはやいない。

ニュータイプと呼ばれるものの数が圧倒的に足りなかった。

 

残りの全て投入したこのクロノス作戦を失敗するわけにはいかないのだ

 

ドゥムジが沈み、我々は一時の安寧を得たと思ったがそれは違った。

次から次へとザビ帝国軍が我々を追尾してきたのだ。

金星の本部からの通信は未だなかった。

 

「護衛艦イナンナ轟沈! クロノスチャージ完了まであと200秒。敵艦よりサイコミサイル探知!」

 

サイコミュを応用したミサイル兵器だった。

ニュータイプに探知されづらいミサイルだ。

 

「迎撃しろ!」

 

私はこの先生き残ることが出来るか。

 

 

 

イシュタルが逃げ回っている最中金星に於いて最後の戦いが繰り広げられようとしていた。

イシュタルの艦長は自らの船が惑星連邦のひいては人類の全てをかけた作戦だと思っていたがイシュタル作戦は成功も定かではないやけくそ気味の作戦であって、金星の首脳陣からしてみればおまけもいいとこの存在であった。

 

ザビ帝国軍の改良されたムサイ級戦艦1000隻と改良されたマゼラン級戦艦100隻が向き合っていた。

 

数で言えば10倍、質で言えば8倍程度の戦力差だった。

 

ムサイ級戦艦のなかただ一隻、改良されたグワジン級戦艦から宇宙にプロジェクター投影されるギレン・ザビ。

その見た目は20代前半の全盛期であった。

 

「反乱軍諸君に告げる。降伏せよ。諸君の奮闘はこの私をして、心動かされるものがある。降伏すれば命は保障しようではないか……ふむ、それが答えのようだな。では死ぬがよい」

 

惑星連邦側の戦艦からのメガ粒子砲の砲撃を感応波によって片手で振り払ったギレン・ザビの投影映像は消え、ザビ帝国軍の総攻撃が始まった。

 

感応波はミノフスキー粒子を振動させる。

強烈な感応波はミノフスキー粒子自体を動かすのだ。

 

座乗していたギレン・ザビは体を光らせそのまま宇宙空間に出ると指をパチンと鳴らす。

 

ギレンの体が光るのは自らの細胞の中にあるサイコフレームによるものだった。

 

指を鳴らす、ただそれだけで数隻のマゼラン級が爆散した。

マゼラン級のミノフスキー粒子縮退炉が暴走したのだ。

これが真のニュータイプだった。

宇宙に適応した人類である。

一年戦争時代、ミノフスキー粒子下の有視界戦闘で何故ニュータイプは敵の脳波を感知できたのか。

それは誤解を恐れず言えばニュータイプにミノフスキー粒子を操る力があったからだ。一年戦争時代の弱いニュータイプはミノフスキー粒子を振動させるだけだったがもうこの皇帝は違うのだ。

オールドタイプでありながら恐ろしい人体改造を行なって強力なニュータイプとなったのだ!

 

ニュータイプの脳波とミノフスキー粒子が感応し、多様な現象を引き起こす事こそ、ニュータイプ能力と言われるものだったのだ!

 

ミノフスキー粒子散布下であればニュータイプはその能力を十全に発揮できるのだ。

ちなみにイシュタルを襲っていたパイロットがミノフスキー粒子を古臭いものと言っていたが、ザビ帝国では名称がミノフスキー粒子から感応粒子に変わっているだけの事をあのパイロットは知らなかった。

 

そしてこの時代すべてが思念で管理されていた。

今無双しているギレン皇帝は思念を記録したサイコフレームの分身だった。

ギレン本人は今でもサイド3にいた。

 

程なくして惑星連邦軍は殲滅した。

僅かな生き残りと首脳陣はイシュタルへとクロノス作戦実行の命令を出すのだった。

 

そして……なんやかんや省いて、イシュタルのニュータイプ達が力を合わせて時を超えた。

 

 

 

「このターンエックス凄いよォ! 流石ターンエーのお兄さん!」

 

私はイシュタルの艦長席に座り、戦闘が記録されたその思念を受けて、困惑し、思わず呟いた。

 

「地球の都市の街並みからは我々は遥か昔に来てしまったと思ったのだがこれは一体なんだと言うのだ」

 

命令に従って不安定なタイムスリップをした私達の前には偵察ファンネルによって撮影された見慣れないMSの戦闘記録が映っていたのだった。

 

そしてこれから私達は知る事になる。遥か未来、数多の断絶を経ながらも人類に多くの物語がある事を。

その全てを乱さずに一年戦争を連邦勝利へと歴史を変える困難さを……私達の作戦はここから始まった。




正史のムーブなんだけどこれでいいのか悩んだりドン引きしたり正史は正史で失うものが〜〜なんて苦しむのが見たかったけどおふざけになった。
ギレン皇帝がマゼラン級数隻を一瞬で爆破させたのが全てを持っていった。
あとイシュタルクルーに可愛いキャラ出したかった……オペ子というやつ。

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